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2011年は日本の前厄、12年は完璧な厄年 日本再生の道は破滅から始まる
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2011年12月31日 世相を斬る あいば達也
野田佳彦の悪口を言いながらの年越しも縁起が悪いと思って、2011年を振り返り、12年の展望を語ろうかと思ったのだが、いくら考えても“本日の見出し”以上の考えが浮かばなかった。ネガティブな野郎だと言われそうだが、あいばと云う男らしいと云う事で貫くことにした。
大震災後、たびたび仙台を訪れる仕事があったが、市の中心地や内陸部を見る限り、今では何事もなかった街の顔が迎えてくれる。被害が僅かで済んだ人々の生活も、思い出の中に大震災が起きたような感慨を持つと知人が口にしたが、たしかに、そのように思っても不思議のない程の世界が目の前にある。しかし、現実には、海に向けて車を20分ほど走らせてみると、大津波の凄まじい爪痕が眼前に拡がる。何度見ても、自分の視界に映る同じ街とは思えない光景に、時空を超えてしまった夢感覚に襲われる。
しかし、いつの日かこの海岸線も復旧復興するだろう。政府がどれだけ無能でも、いずれ力強く蘇るに違いない、と何処かで身勝手に納得している。それに対して、福島県はどういう事になるのか、皆目見当がつかない。地震津波による被害状況は海岸線において仙台同様なのだろうが、原発事故による放射能汚染に関しては、迂闊に評価できないモノがある。見えず、臭わず、触ることも出来ない放射能の厄介さは、ピンからキリの分析や解釈があるが、どちらの側の意見にも、思惑や隠ぺいやヒステリックさがある。
唯一、明確に意識的な意見を語っているのが政府だ。あきらかに放射能の矮小化に努めている努力の跡が窺える。全面的に放射能汚染を認める事による国家的財政負担が並大抵のものではなく、試算することさえ怯え慄いているように思われて仕方がない。おそらく、このままでは隠ぺいに継ぐ隠ぺいが重ねられ、最終的には国家を信じた者ほど被害を受けると云う悲劇が10年単位で我々に突きつけられるのかもしれない。
日本がこのような悲劇に遭遇しても、政府は旧態依然の霞が関統治システムの範囲において、渋々予算をつけると云う無能無責任さを発揮している。財源云々の問題ではなく、心あるリーダーであれば、緊急避難的予算措置は行うツールを持っていたにも関わらず使わず、官僚の指示に従い、その命令をなぞるような政治しかすることが出来なかった。真っ当な神経の持ち主であれば、菅直人などは恥ずかしくて日本国内に居ること自体、堪えられない筈だが、野田佳彦の後見人面で、色々と後ろで糸を引いていると云うのだから、何をかいわんやだ。
菅直人と霞が関の役人に煽られ、野田と云う総理は民主党のマニュフェストの殆どを放棄し、菅のやり残したTPP、辺野古基地建設、消費税増税は不退転と集大成をもって力強く実行しようと叫び続ける有様だ。菅が唯一、国民の生活が第一に接近した“脱原発”だけは見事にスル―している。おそらく、菅自身が「あれは俺が正義の市民派政治家だったと云うアリバイ作りだよ。あまり気にせず、それ以外の課題を確実にしてくれよ」と言っているに違いない。
筆者の知る限り、この二人は“国民の生活が第一”の民主党と云う政党の政治家だ。消えて無くなる事を心より願っている。この二人だけでは物足りない、民主党の政治家の200人以上に消えて貰いたいと思っている。コイツらは完全に国賊政治家だ。これだけでも11年は日本にとって充分に厄年だが、12年を展望してみると、まだまだ酷くなりそうな気配が漂っている。何やら、11年が前厄であったと言われかねない、展望が見えてくる。
消費税増税がなぜ必要か具体的説明もなく、ひたすら党のガス抜き的議論の場を設定しただけで、政府税調も当然追随し、来年からは野党との話し合いだ、と“ヒーローもどき”になっている醜きナルシストは民主党ばかりでなく、政治そのものを、国民と関係のない世界に陥れようとしている。そんなバカ踊りをしている最中に、円が再び独歩高。株価も大納会で8455円と29年ぶりの低水準。おそらく、野田の消費税増税法案が具体性を帯びるに従い、8000円台を軽く割り込み、円水準も70円を切るシーンまで予測可能な状況になっている。野党が単純に話し合いに応じる可能性は少ないだろう。
行財政改革の緒にもつかず、ひたすらカネよこせと云う政権に明日はない。野田自身も、それを認めているようなもので、議院内閣制から選ばれた総理とは思えないファシズムが起こっている。財務省がどれほど悪辣であるとしても、現実には野田と云う男がやっているわけで、人の所為には出来ない。まぁそんな野田を引きずり降ろす事も出来ない民主党も、もう駄目だ。引きずり降ろす手立てを“のんべんだらり”とやっている野党も同罪だ。もう一つ駄目を言えば、野田の暴挙を屁理屈こねて、反対の姿勢だけを示す民主党議員らにも、同等の罪がある。
そんな事をグチャグチャやっている内に、ユーロの危機は、もう応急処置不能の段階に入り込む可能性の方が強くなっている。イラン情勢も、欧米の経済制裁に対抗する形で、イラクのホルムズ海峡封鎖が現実化すれば、いつ中東戦争が起きても不思議ではない状況になっている。そんな中、野田や霞が関が大好きなアメリカ様はどうなっているのか?ユーロを見放し、中東を見放し、サウジに俺の替わりに戦えとF15戦闘機を売り払うのだから、怖ろしい時代の到来は明らかにメッセージ化されている。
そのアメリカとユーロ圏から距離を置く英国は、もうEUも中東もアフリカも南米も駄目だよな、残っているのは南極、北極、宇宙とアジアだね、で一致している。アメリカの場合、酷いものだ。欠陥だらけの次期戦闘機F35を日本に押し売りし、イランとの緊張感を高めるサウジにも戦闘機を売りつけた。自分らはアジア太平洋で、適当に恫喝外交で生きていこうぜ。もう他の地域は用無しだ。なんと云う奴らなのだろう?昔ジイサンが言っていた“鬼畜米英”この言葉は21世紀になっても生きているのか!
野田は素案が固まったことに満足し、「大変大きな前進だった。野党にも協力を呼び掛けてまとめていきたい」、「私が先頭に立ち、実現に向け協力を呼び掛けたい。政局に絡める話ではない」等と戯言を言っているが、今の日本で言う話ではないし、今の世界情勢で行う問題でもない。良いじゃないか、こうなったら法案提出前に解散と云う流れを作るしかなさそうだ。しかし、政局化を嫌がっても、自ら政局の玉を投げ込んだのだから、尻は拭って貰わなければならない。前原は大臣で尻を拭かない野郎だったが、野田は総理だ、尻はふいて貰おう。
野田が言うところの、国会議員定数や公務員給与削減はあくまで努力目標であり、既定路線と云う話ではなく、所謂民主党マニュフェスト風である。新成長戦略や日本再生戦略の実施などと云うモノ、もう噴飯ものであり、後手後手戦略以外のなにものでもない。レンホーが口走った「政府の行財政改革の一環として、公共事業を実施するための“社会資本整備事業特別会計”などの特別会計を見直すための法案を通常国会に提出する」なんてのも、努力目標に過ぎない。つまり、嘘と変わりないと云う事だ。
予算編成権限を財務省から切り離し、根本的に予算を迂廻路のない地方直結度を高める事。社会保険料と税の徴収を、国税庁機構中心に歳入庁とし、財務省から切り離す。特別会計と一般会計を可能な限り統合し、企業複式簿記形式に改め、積立金や準備金などの透明度を高めるべきだ。このような革命的予算編成の改革なく、政府の無駄を削減するなどと云う政治家の発言は、すべて虚偽だと断言して構わない。小沢が主張する、予算編成の根本的組み替えと云うのは、こういう点を指摘している。
11年に世界中で起きた様々な激変する社会現象が我が国に及ぼす影響を軽視してはならない。野田は消費税増税やTPP参加、米軍との深化などの時にだけ、世界の要請に報いるためにも云々などというが、ありとあらゆる面で、日本は世界の激変する社会現象と向き合い、その要請に応えるととともに、自国民の生命、生活の安心安全を保証すべく努力すべきだ。たまたま、日本においては天災・人災が重なり、国民の目も国内凝視の傾向をみせているが、世界がトテツモナイ速度でパラダイム・シフトを起こしている事を看過してはイケないのだろう。
世界の枠組みが、政治経済的に大きく変わりはじめており、自然の現象も多くの異変をみせており、人口問題も喉元に突き刺さった儘だ。このような時代において、青臭い何やら正体不明な野田などと云う国家のリーダーが、確信犯と化し、マインドコントロール覚醒の中で旗を振り回す状況を安穏と眺めている事は許されないだろう。まして、日々激変する世界の流れに対応する為に、経験則を唯一のツールで思考する霞が関官僚組織に頼り切るなどと云う事は、最悪の選択であり、取り返しのつかない道に迷い込むだろう。
この儘、霞が関主導の野田政権が続くようだと、日本はまさに11年が前厄、12年に完璧な厄年を迎えるだろう。他人事風に考えれば、それも世の中かな?と思う。自ら考え、情報を吟味し、政治に参加する、民主主義における国民のありようが醸成されていない以上、途端の苦しみを味わい、奈落の入り口に直面するのも、国民の覚醒に必要と云う事であれば、敢えて受け入れる覚悟をするのも選択である。筆者の思考経路では、既存の道をなぞることに力量を発揮する人々に、激変の道なき道の道案内を委ねる気持はいささかもない。国会に集う政治家の全員に、自らの心に問う思考の道に入って貰う事を、無力感の中でも願わざるをえない。
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