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小沢側が、控訴棄却の申し立て〜検察の虚偽報告書&証拠隠しが、検審の判断に影響か
2011-12-30 :(日本がアブナイ!)
27日に、小沢弁護団が、控訴棄却の申し立てをしたという報道記事が出ていた。
『資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡り政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた小沢一郎民主党元代表(69)の公判で、当時の東京地検特捜部検事が作成した捜査報告書に虚偽の記載があった問題で、小沢被告の弁護側は27日、この報告書を根拠とする東京第5検察審査会の起訴議決は無効だとして、公訴(起訴)棄却を求める申立書を東京地裁に提出した。
また、同審査会が判断材料とした捜査資料のリストなどの開示を地検に命じるよう文書で求めた。弁護側は当初、申し立てと同時に捜査報告書を証拠申請する方針だったが、リストの開示後に改めて申請することにした。<読売新聞27日>』
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15日に行なわれた小沢氏の第9回公判で、石川知裕氏の取調べを担当した検事の証人尋問が行なわれたのだが。
その際に、その検事が、石川氏が述べていないことを捜査報告書に記載していたことが判明。
しかも、その虚偽の記載のある捜査報告書は、検察審査会の審査の対象になっており、議決書の中にも引用されていることから起訴相当の判断を行なう際に影響を与えた可能性が大きいのである。^^;
『資金管理団体「陸山会」の土地取引を巡り、政治資金規正法違反(虚偽記入)に問われた小沢一郎民主党元代表(69)の公判が15日、東京地裁で開かれ、元東京地検特捜部所属の田代政弘検事(44)が昨年5月、同会元事務担当者・石川知裕衆院議員(38)(1審有罪、控訴)を保釈後に再聴取した際、石川被告が述べていない内容を捜査報告書に記載していたことが明らかになった。
報告書は東京第5検察審査会が小沢被告に対する起訴議決を出す際、審査の対象としていた。今後の公判の行方に影響を及ぼす可能性もある。
石川被告は昨年1月の逮捕後、田代検事の取り調べを受け、小沢被告の了承を得て政治資金収支報告書に虚偽記入をしたとの供述調書に署名。同年5月17日の任意の再聴取でも同様の内容の調書が作成された。
この日の証人尋問で、小沢被告の弁護側は、田代検事が作成した同日付の捜査報告書には、石川被告の発言として「検事から、有権者から選ばれた国会議員なのに、ヤクザの手下が親分をかばうようだと言われたことが効いた」などと記載されていると指摘。
一方、石川被告が再聴取を隠しどりした録音記録にはそのやり取りがないとして、田代検事を追及した。
これに対し、田代検事は「数日をかけて、思い出しながら報告書をまとめる際、勾留中のやり取りなどと記憶が混同した。虚偽ではない」と釈明した。<読売新聞16日>』
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第9〜10回の公判に関しては、できれば、また改めて詳しく取り上げたいと思っているのだが。
この大久保隆則氏の取調べを担当した検事の証人尋問が行なわれた第10回の公判では、検察側が検察審査会に提出していた資料に偏りがあることが判明している。、
『元代表を起訴すべきだとした東京第5検察審査会の2度目の議決は、最初の議決後、元秘書で衆院議員の石川知裕被告(38)=1審有罪、控訴中=が検事の任意聴取で「元代表の関与を認めた理由を合理的に説明した」ことから、石川議員の供述調書の信用性を認めた。「理由」の部分は田代政弘検事が作成した捜査報告書に記載があったが、今月15日の田代検事への証人尋問で、記載と同じ理由の説明はなかったことが判明した。
また、元公設第1秘書の大久保隆規被告(50)=同=を取り調べた前田恒彦元検事(44)=証拠隠滅罪で実刑確定=への16日の尋問では、石川議員の取り調べに対して弁護人が出していた抗議書面が、検察から検察審に提供されていなかったことが明らかになった。
元代表側は「強制起訴は、検察から不完全な情報を与えられ審査員が誤解したため」とし、議決の有効性を疑問視。証人尋問をその裏付けの一つとする。<毎日新聞21日>』
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ちなみに、前田元検事は公判の中で、検察側に不利な証拠は隠され、検察審査会には提出されなかったことや、その証拠を見ていれば、検察審査会の議決も変わった可能性があるということを指摘している。
『「私が思っているだけですけどね。判決では検察審査会の起訴議決が妥当だったかどうかも審理されるわけですよね。そこで検察が不起訴と判断した資料として検審に提出されるもので、証拠になっていないものがあるわけですよ。
例えば、(自分が取り調べを担当した)大久保さんの調書には全くクレームがないけど、石川さんの調書にはあるんです。弁護士からのクレーム申入書が。でも(指定弁護士との)打ち合わせのときに、指定弁護士は知らなかった。検審に提出された不起訴記録に入っていないから」「私はクレームが来ていないから胸を張って任意性がある、と言えるんですけど。石川さんの調書に問題があったんじゃないですかね。
(石川議員の取り調べに対する)クレームはバンバンあったくらいの印象がある。指定弁護士も調査したら1、2通見つかったと言っていたが、私の印象ではもっとあると思いました。それが証拠に含まれていれば、審査会が見て、調書の信用性は減殺されるわけですよね」「それに、この事件では捜査態勢が、途中でものすごく拡充されたんですよ。(元秘書ら逮捕者の取り調べを行う『身柄班』に対して)『業者班』。ゼネコンや下請けの捜査員を増やした。でも、(作成された)調書が、まー、ないでしょ?
大久保さん、小沢さんに裏金を渡しているという検察の想定と違う取り調べ内容は、証拠化しないんです。どうするかといえば、メモにしている。手書きのその場のメモということでなく、ワープロで供述要旨を整理していた」「水谷(建設)で言えば、4億円の原資として5千万円は水谷かもね、となっても、残りの3億5千万円については分からない。何十人の検察官が調べて、出てこない。検審にそれが示されれば、水谷建設の裏献金の信用性も、減殺されていたはず。想定に合わなければ証拠にならないというのがこれまでの検察で、私も感覚がずれていて、厚労省の(証拠改竄)事件を起こすことにもなった」
上の記事にもあるように虚偽の内容を含む資料や偏った資料をもとに行なわれた検察審査会の審査や議決が正当&有効だと言えるかどうかという点には問題があるだけに、小沢弁護団は、この点を重視して、今回の起訴相当の議決&それに基づく強制起訴は無効だとして、公訴棄却の申し立てを行なうことに決めたようだ。
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このようなケースに関して、起訴自体は有効だとする見解もある。
『あるベテラン判事は「通常、捜査報告書は上司への意見にすぎず、裁判官は事実認定の際に重視するものではない」と指摘する。
村岡啓一・一橋大教授(法曹倫理)は「検察審は証拠の真偽を判断する機関ではなく、手続きに沿って職責を果たしている以上、議決は有効」とみる。その上で「強制起訴制度の趣旨には賛成だが、今回の裁判終了後、検察審への検察の資料提供のあり方などの検証が必要になる」と話した。<毎日新聞21日>』
実際のところ、検察審査会の強制起訴制度ができてからまだ日が浅いため、小沢氏のケースも含め、これから様々な問題が提起され、裁判や学会などでも争点になって、少しずつ見解が固まって来たり、問題点が改善されたりするようになるのではないかと思うのだが・・・。
小沢氏の弁護団は、昨年も検察審査会の諸問題を指摘して、行政訴訟を提起しているのだが。小沢氏のためだけでなく、今後の検察審査会のあり方について考えるためにも、問題提起をしようとしているのではないかと察する部分がある。(・・)
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mewは、このブログにもチラホラ書いたことがあるのだが、検察審査会の審査が行なわれていた当時から、検察官による説明や、審査に提出された捜査資料に問題があったのではないかという疑念を抱いていたところがあった。
<東京地検特捜部は、上層部の判断もあって、小沢氏に対して不起訴処分を下したものの、それに納得行かない検察官が、審査会で起訴相当議決を導きたいという思いの下に、偏った内容の資料を出したり説明を行なったりして、審査会のメンバーを誘導するような部分があったのではないかな〜とか。>
村上教授が言うように、確かに検察審査会は証拠の真偽を判断する機関ではないものの、もし証拠の中に虚偽の事実が含まれていたり、偏った説明や資料の提出がなされたりすれば、審査会のメンバーは、起訴が妥当か否かの正しい判断をすることが困難になるわけで。
問題のある資料に基づく誤った判断によって、強制起訴をされることになれば、被疑者&被告人の人権を著しく侵害することにもなりかねないだけに、安易に&一概に有効性を認めることには疑問を覚えるし。<公判で明らかにすればいいという人もいるかも知れないが、起訴自体が不当である場合には、できるだけ早期に被告人を訴訟から解放する必要があるように思う。>
もし検察側がその気になれば、自分たちの手では起訴できなくとも検察審査会を利用する形で強制起訴に導こうとすることも不可能ではないと思われるだけに、そのようなケースを容認しないためにも、問題があると思われるケースは、きちんとチェックをして行く必要があるように思うのだ。(・・)
チョット時間がなくなってしまったので、この記事はここで終わりにしたいのだが。
小沢氏の公判を通じて、検察審査会のあり方や強制起訴制度の問題点も考えて行きたいと思っているmewなのだった。(@@)
元記事リンク:http://mewrun7.exblog.jp/17140751
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