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2011年12月27日 (火)
民主党にマニフェスト遵守を求めない御用臨調
民主主義の基本は、重要問題について主権者である国民が検討し、判断するということだ。
しかし、すべての問題について、国民が直接検討して判断することは不可能だ。そこで、主権者である国民は、公正な選挙を通じて自分たちの代表者を選ぶ。この代表者が国民の信託を受けて国政を行う。これが代議制民主主義の基本プロセスだ。
この基本プロセスが現実の政治おいて実現するうえで、最重要のプロセスが国政選挙である。
国政選挙に際して、政治理念と具体的な政策を共有する集団が結束して、国民にその政策理念と具体的政策を訴える。この政策理念と具体的政策を共有する集団が政党である。
主権者である国民は、政党が示す政策理念と具体的政策を比較検討して、どの政党に政権を委ねるかを判断して投票する。国民の多数が投票した政党が国会での多数議席を獲得して国会において政権を樹立する。
この政権政党が主権者国民の信託を受けて国政を行うことによって、主権者国民の意思が反映される政治が実現する。
その際、重要なことが二つある。
ひとつは、政党が国政選挙に際して、政策理念と具体的政策について、明確で分かり易い公約を提示することだ。政策の範囲はあらゆる方向に広がっており、政党はすべての政策の方針と具体的施策について、明確な表現で国民との約束、政権公約を示さなければならない。
いまひとつは、政党が国民の信託を受けて実際に政権を担うようになった場合、主権者国民との約束、言わば「契約」を、責任を持って実行することである。
選挙の機会以外、主権者国民はその主権を行使することが極めて難しい。したがって、政党は、政権公約を提示する際に、すべての問題を精査する必要があり、政権公約として主権者国民の前に公約を示した以上、それを遵守する責任を負う。
次の国政選挙までは、その公約を守る責任があると考えるべきである。
2009年8月の総選挙を通じて民主党を軸とする政権が樹立された。この政権は、総選挙の際に主権者国民と約束した政策について、責任を持ってその実現を図る責任を負っている。
公約を達成するための期間は衆議院任期の4年間である。2013年秋の衆議院任期満了までに、政権公約の達成に向けて最大の努力を注ぐ責任があるのだ。
これらの政権公約のすべてを実現することは困難であるかも知れない。その場合、政党は次の国政選挙において、主権者国民から審判を受ける。
引き続き政権を担うことが国民から示されるかも知れないし、政権政党としては失格の烙印を押されることもあるだろう。
これは、衆議院の任期中の政権としての行動が主権者国民によってどう判断されるのかに依存する。
こうしたプロセスを通じて代議制民主主義を正しく実現しようというのが、「マニフェスト選挙」、「政権選択選挙」ではなかったのか。
私が在籍していた早稲田大学大学院公共経営研究科の同僚教員のなかにも、県知事を経験して「マニフェスト選挙」を唱えていた人がいたが、いまこそ、その「マニフェスト選挙」の意味を強く世にアピールするべき局面ではないのか。
「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)」も、総選挙に際して、「マニフェスト選挙」、「政権選択選挙」と叫んでいたのではないか。私はこの21世紀臨調の政治部会の主査を政策研究大学院大学の飯尾潤氏とともに務めていた。
政治部会にはすべての全国紙の政治部長も委員として顔を連ねていた。
私は小泉政治を厳しく批判し続けた結果、このポジションを一方的に外された。結局は御用機関だったのだ。
2009年8月総選挙に際してこの機関は「マニフェスト選挙」、「政権選択選挙」と叫んだのだから、いまこそ、責任ある政党の行動を強く要請するべきでないのか。
現代日本の政治が混迷のただなかにある最大の理由は、政権政党が主権者である国民との契約、マニフェスト、政権公約に対する責任を負わないことにある。
民主党内には二つの勢力が共存している。
ひとつは、主権者国民との公約、マニフェストを重視する勢力だ。2009年9月から2010年6月まで、この勢力が政権を担った。
いまひとつは、主権者国民との公約、マニフェストを無視する勢力だ。2010年6月以降、この勢力が政権を担っている。
グループに分類すれば、前者が小沢−鳩山ラインを中心とする、主権者国民の意思を反映する政治を目指す議員集団である
後者は、菅−仙谷−岡田−野田−前原−枝野−玄葉−渡部の悪徳8人衆を中心とする、米国・官僚・大資本の利益を実現する政治を目指す対米隷属派議員による集団である。
2010年6月に後者の議員集団、私が呼ぶところの「悪徳民主党」、すなわち、対米隷属派が民主党の実権を強奪し、政治権力を掌握して以来、政権は2009年マニフェストを無視する政治を始めた。
その結果、日本の政治は混迷の極みに突入したのである。
21世紀臨調は、なぜ、マニフェストを無視する現政権を厳しく糾弾しないのか。ここには、すべての全国紙の政治部長が名を連ねている。
すべての全国紙が足並みを揃えて、代議制民主主義を守るため、日本の民主主義を健全に機能させるため、政権政党にマニフェスト遵守を迫るべきではないのか。
政権交代が実現した2009年秋以降、21世紀臨調、そして、この会に名を連ねる全国紙の政治部は、一貫してマニフェストの責任ある実行を迫ってきたのか。
「マニフェスト選挙」、「政権選択選挙」を標榜する以上、政権に対してマニフェストの責任ある実行を迫るのが当然ではないか。
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