02. 2011年12月26日 23:17:39
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結局、狡猾な官僚に対抗するには、官僚に対抗しうる政策立案能力をもったシンクタンクを持つしかないということ。 これが一点。次に、マニフェストの実現に協力しない官僚のクビを切って、 マニフェストに協力する公務員や民間人を抜擢するという政治任用が必要。 これが二点目。 政権交代してわかったことは、官僚機構がいかに強力であり、 これと戦って、マニフェストを実現するには、 政治側が頭脳(シンクタンク)と命がけの覚悟(逆らう奴はクビにする覚悟)を 有することが必要だということだ。 でないと、官僚側の“ご説明”という名の高度な洗脳術、サボタージュなどに対抗することはできない。 機能しない政府に政策立案を独占させるな! 世界最高のシンクタンクで感じること http://diamond.jp/articles/-/13570 官僚を「公営シンクタンク」として使う、日本の安上がりな政治システム 日本の内閣は、実質的に官僚が動かしている「官僚内閣制」だとよく言われる。 中川秀直『官僚国家の崩壊』、渡辺喜美・江田憲司『「脱・官僚政権」樹立宣言』といった政治家の本を読むと、 官僚がどのように権力維持や組織防衛をおこなっているか、その一端がわかる。 このような官僚の批判本はたくさんあるし、メディアでも官僚は基本的にワルモノ扱いだろう。 しかし裏を返せば、この記事にもあるように、日本の政治家はこれまで、 政治家本来の役割である立法や政策立案にあまり取り組んでおらず、 そこは官僚に丸投げしていたという面もあったようだ。 権力闘争やメディア対応、支持者回りや選挙対策、さらにひどい場合には利益誘導、 といったことばかりやっていて、立法や政策立案をあまりマジメにやっていなかったために、 そのノウハウが全部官僚のほうに行ってしまっていたのだ。 ・・・ この記事にもあるように、アメリカではシンクタンクがきわめて発達している。 横江公美『第五の権力 アメリカのシンクタンク』(文春新書)では、 アメリカでのシンクタンクの位置を次のように説明している。 <ホワイトハウス、省庁、議会が政治の舞台の主役なら、シンクタンクは政治の舞台を支える黒衣の存在だ。 そのため、シンクタンクの存在感や影響力は、立法、行政、司法、そしてメディアに続く「第五の権力」と謳われるまでに成長した>。 <シンクタンクは、政策に関しては「知の源泉」として、政権へは優秀な「人材の源泉」として、ワシントンの政治環境を下支えする。 経営になぞらえれば、必要なモノ、ヒト、カネという三種の神器のうち「カネ」以外を政治の舞台に供給する存在なのだ>。 アメリカでは、シンクタンクや民間会社と政権のあいだで人材の移動がひんぱんに起こり、 これが冒頭の記事のタイトルにもなっているように、「回転ドア」と呼ばれている。 落選した政治家も、シンクタンクなどで働きながら次の機会をうかがうことができるわけだ。 いっぽう日本では、このシンクタンクにあたる部分、民間の「政策のプロ」の厚みがないため、 政治家が政策のサポートを求める対象がほぼ官僚のみ、という状態になりやすいようだ。・・・ <政策担当秘書は米議会のような自らチームを抱える権限や財源を与えられず、 目の前の「ドブ板選挙」に追われている。 官僚に代わって、政策実現のための根回しや国会での想定問答作成などを十分行っているようにも見えない。 こうした新制度がうまく機能しない理由の1つは、逆説的になるが、政権交代が頻繁に起こらなかったためかもしれない。 しかし筆者はそれよりも、日本国民がこうした社会的コストの高い制度ではなく、 本音では効率的な官僚制度を望んでいるからだと考えている>。 これはまさに、問題の核心を突いた指摘だろう。 日本では、政治家だけでなく、国民自体も、政治というものを官僚に依存しきった「お任せ」状態なのだ。 この「安上がり」なシステムが、日本の政治の貧弱さを生み出している。 私もいまの官僚依存は良くないと思うし、政治主導に変えていく必要があると思うが、 単に官僚そのものをワルモノ扱いしても、問題の真の「構造」はなくならないだろう。 この「構造」とは結局のところ、国民が政治について考えることを避けつづけ、 自分に関係ないものとして「国任せ」し、「安上がり」に済ませてきた、というところに行き着くと思う。 国民がもっと政治に対する関心を高めれば、テレビや新聞、雑誌などでも政治がコンテンツとして成立するようになり、 シンクタンクが活躍する場も増える。シンクタンクが増えれば、政治家の「雇用」問題が改善し、人材の供給源や受け皿が増える。 こうなれば政治のレベルも上がり、政治家もシンクタンクを活用できるようになって、官僚依存を減らすことができる。 つまり、わたしたちが政治に対する関心を高め、多少のカネを出すようになれば、 このような「政治エコシステム」ができあがり、日本の政治は変わりうるのだ。 http://mojix.org/2009/09/03/japan_thinktank 日本の弱点−強すぎる官僚と弱すぎるシンクタンク ずいぶん久しぶりに「日本には独立系のシンクタンクがない」という話を聞く機会があった。 米国では独立系シンクタンクが政策提案を行っている。 これを政府が参考にして、実際の政策を立案していく。 こうした機能が日本にはないのだ。ずっと以前から、こういう点は指摘されていたにもかかわらず、 いまだに日本には政策提言を行える独立系シンクタンクが存在していない。 メーカー系シンクタンクの主席研究員が言ってるのだから、日本のシンクタンクが弱いというのは、まず間違いがない。 ところで、民主鳩山代表が「脱官僚」と言ってるらしい。 こういう話を聞くたびに、故橋本元総理が言った「官僚は最高のシンクタンク」という言葉を思い出す。 官僚が最高のシンクタンクであるならば、脱官僚を目指したときに、政治家の政策、法案作成を支援するのは、一体何なのか? 良くも悪くも、政治家は官僚がいなければ仕事ができないのが現状だが、 そういう認識があるのだろうか? これが日本の弱点のひとつだといわれている。 つまりシンクタンク機能と、行政機能が分離されていないということ。 米国では独立形のシンクタンクが政策立案をするのに対して、日本は官僚がそれを行う。 この問題点はずっと以前から指摘されているが、全く改善されていない。 この日本の状態は、官僚が正しく機能すればよいが、省益を優先するような政策が立てられてしまっても、 政治家ですらそれをコントロールするのが難しい。 無理やり、政治家が止めようとしても、官僚の方が頭がよいので、結局ゆがんだ形での解決にしかならない。 政治家が主導して行った行政改革が、全体で見れば結局何も変わっていないということが繰り返されているのは、 政治が官僚に動かされている証拠のようなものだ。 現状の日本のシンクタンクは結局、経営コンサルタントの仕事しかしていないのが実情。 とてもじゃないけど、米国のような協力な独立系シンクタンクが出てくる気配もない。 そういう状況で「脱官僚」といっても、今度は政治家の暴走をチャックすることができない。 政策立案プロセスが透明化されず、第三者のチェックすら受けず、官僚や政治家が“勝手に”政策を立てて実行されている。 こういう状況が正しいとは思えない。 http://blogs.yahoo.co.jp/gingami41/53845679.html 政治主導にシンクタンク 民主党政権の「政治主導」は、単なる思いつきや、 看板倒れの官僚依存へと陥り、精彩を欠いています。 なぜ「政治主導」がうまく行かないのでしょう? その理由のひとつは、シンクタンクの不備にあります。 単純なことですが、霞が関の官僚に依存しないなら、 霞が関に代わる知恵袋を用意しなくてはいけません。 官僚機構に代わる政策づくりのマシーンとして、 シンクタンクを充実させることが必要です。 民間の知恵や学界の最先端の研究成果を反映し、 現実的かつ斬新な政策をつくるマシーンが必要です。 霞が関の官僚機構には、非常に優秀な人材がいます。 しかし、官僚は政策の直接的な利害関係者です。 ポストや予算、権限といった生臭い話になってくると、 官僚機構は既得権を守ろうとするのは当たり前です。 官僚はもっとも直接的な利害関係者であるために、 どうしても第三者的な目で見ることができません。 また、かつては効果的な政策であっても、年月を経て、 時代のニーズにあわなくなった政策もたくさんあります。 しかし、官僚の性質上、なかなか前例を否定できません。 なぜなら前例は、先輩官僚が作ったものだからです。 どうしても前例踏襲に流れるのが、官僚機構の特質です。 だからこそ役所から距離を置いた立場で政策を研究し、 政策を提案できるシンクタンクの役割はとても重要です。 また官僚が優秀だといっても2〜3年で人事異動するので、 深い専門性はなかなか身に付きません。 特にキャリア官僚ほどゼネラリストとして育成されるので、 特定の分野の専門性を身に着ける暇がありません。 外国の高級官僚には博士号保持者がけっこういるのですが、 日本のキャリア官僚で博士号まで持っている人はまれです。 そもそも博士課程で勉強してたら出世が遅れます。 シンクタンクの研究員は、たいてい学問の世界で研鑽し、 自分の専門分野の知識も深く、人脈も豊富です。 専門性の高い人材をプールできるのがシンクタンクです。 シンクタンクが政策を提案し、政党や政治家がそれを採用し、 官僚に実行させる、というサイクルが必要です。 単なる思いつきマニフェスト政策では、やっぱりダメです。 シンクタンクが調査研究を行い、現実的な政策をつくり、 それを政治の力で官僚に実行させるのが「政治主導」です。 私は自民党時代に党のシンクタンクと付き合いがありました。 自民党シンクタンクは安倍政権で大きな役割を果たしました。 そのシンクタンクも残念ながら今年の2月に閉鎖されました。 民主党もシンクタンクを持っていますが、活動休止中です。 小沢幹事長時代に予算をカットされ民主党政調が廃止になり、 民主党シンクタンクの短い歴史にほぼ幕が下ろされました。 みんなの党は予算がないので、専属シンクタンクは持ってません。 しかし、民間の政策のプロと協働して政策をつくっています。 霞が関の官僚機構とは異なる視点を持つ政策専門家と連携し、 シンクタンクの代替としているような感じです。 将来的には、民間の複数のシンクタンクと交流して、 その意見を政策に反映さられる体制をつくりたいものです。 そしていつかは党の「系列シンクタンク」を持ちたいです。 それがまっとうな「政治主導」のための王道だと思います。 http://yamauchi-koichi.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-dd4e.html 城西国際大学 客員教授 鈴木 崇弘 先生 「日本になぜ(米国型)シンクタンクが育たなかったのか?」 http://www.murc.jp/report/quarterly/201102/30.html
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