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「永田町権力の漂流」が示したNHKの救い難い劣化
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2011年12月26日 植草一秀の『知られざる真実』
NHKスペシャルが12月25日、
「証言ドキュメント 永田町 権力の漂流」
と題する番組を放送した。
2009年8月総選挙を通じて政権交代が実現して以降、今日に至る政治の変化を、民主党に焦点を当てて再構成したものである。
偏向批判に気を遣ったのか、鳩山由紀夫氏、菅直人氏、小沢一郎氏に対するインタビューを中心に構成されていた。
この三名の発言を正確に聞き分けた視聴者には事実が正確に伝わったと思われる。
しかし、予想通り、NHKの番組構成は、偏向に満ち溢れたものであった。
すべての変遷を「権力闘争」であると決めつけ、その権力闘争劇の中心に小沢一郎氏を位置付けようとの意図がありありと示されていた。
NHKの劣化、良識の欠落は救い難い段階に進行している。
NHKの解体を実行しなければならない。
NHKの最高意思決定機関は経営委員会である。その経営委員会委員の任命権は内閣にある。つまり、内閣は経営委員会人事を通じてNHKを完全支配できる立場にある。
NHK改革の基本は、NHKの最高意思決定機関の委員を視聴者による公正な選挙で選ばれた者にすることである。この委員によって構成される委員会に最高権限を付与するのだ。委員会の名称は経営委員会でも放送委員会でも何でもよい。
現在の腐ったNHKが一般国民から放送受信料を強制徴収するのは、日本国憲法が定める財産権の侵害に当たる。NHK放送の内容が偏向していると考える視聴者は日本国憲法を盾に受信料支払いを拒否するべきである。NHKが騒いだ場合には訴訟に持ち込むべきだ。
この2年間の政治を一瞬たりとも目を離さずに見てきた者は数多くいる。私もその一人だ。
2010年6月の政変と菅内閣の基本性格については、『日本の独立』に詳述した。
菅内閣以降の政権は私たち主権者国民の信託を受けた政権ではない。
NHKスペシャルに欠けていた視点は、「政治はどうあるべきか」という視点である。
この根源的な問いに対する苦渋に満ちた葛藤、模索がこの2年間の政治混迷の底流を流れた水脈である。
その問いを考慮することもなく、ただ単純に「永田町の権力闘争」と決めつけたところに、NHKの浅薄な悪意が存在する。
「政治はどうあるべきか」の根源に位置付けられる問いは、
「政治が国民主権を実現しているか」
である。
憲法が定める政治の根本原則は、国民主権である。国政は、「国民の厳粛な信託によるもの」なのだ。
しかし、戦後の65年余の間、この根本原則は日本政治に体現されずに現在に至った。国民主権の政治が実現しかけたことは何度かあった。しかし、国民主権の政治を日本の根本原則に定めた米国自身が、米国の事情でこの根本原則を変更してしまった。
日本国民ではなく、米国を中心に官僚機構と大資本が主権者である政治を米国が日本に定着させ、現在に至ったのである。
GHQはNHKの民主化も手掛けた。しかし、この民主化も、米国本国の外交方針の転換により中止された。その結果、NHKは民主的な公共放送ではなく政府が支配する御用放送局として位置付けられ、現在に至っている。
米国、官僚、大資本が支配する日本政治を、憲法上の主権者である国民が支配する日本政治に転換しようとしたのが2009年8月の総選挙だった。
総選挙に際して政党が政権公約を明示する。主権者国民が政権公約を比較検討して政権政党を選択する。政権を担うことを国民から負託された政党は、主権者国民との契約=政権公約を責任を持って実行する。
次の総選挙の際、政党および首相は国民の審判を受ける。そしてまた、新しい政権任期が始動する。
2010年6月政変で権力を奪取した菅直人政権は、2009年8月総選挙での国民との契約を踏みにじった。2010年6月17日、参院選マニフェスト発表会見で、主権者との契約を踏みにじる消費税増税を政権公約に掲げた。
このこと自体が、主権者国民に対する背信行為である。
しかし、菅首相は2010年7月参院選を菅内閣に対する信任投票だと位置付けた。新しい政権公約を掲げ、それを国政選挙である参院選で問い、主権者国民の声に従うということであれば、それはそれで、ぎりぎり筋は通る。
政権の枠組みは衆議院総選挙結果に従うものだから、参院選で政権公約を変更することは正しくはないが、国政選挙での国民の審判に判断を委ねるというのなら、正統性の根拠としては認められなくはない。
この参院選で菅民主党は惨敗した。したがって、この時点で菅首相は辞任しなければならなかった。小沢一郎氏が選挙で負けた以上、責任を取らなければならないと述べたのは正論そのものである。
そして、NHKは参院選前に菅内閣が「参院選が菅内閣に対する信任投票である」ことを明示したという最重要の事実を伝えていない。
正統性のない菅政権、主権者国民に対する背信行為を続ける菅政権を倒さねばならないと小沢一郎氏が考えたことは、民主主義を尊重する行動であって、「権力闘争」ではないのである。
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