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教育基本条例に文科省からも物言いがつきました。それに対して橋下氏は「バカみたいなコメントだ」とのコメントをしたようです。
◆asahicom
大阪教育条例案の知事目標「違法の可能性」 文科省見解
2011年12月7日13時49分
大阪府議会に提出された府教育基本条例案をめぐり、文部科学省は「知事が教育目標を設定する」とする条例案の骨格部分について「(教育目標の)内容次第では違法になる可能性がある」との見解をまとめた。府教委はこれを受け、7日午前の府議会教育常任委員会で議員らに説明。松井一郎知事は取材に対し、違法性が明確になれば条例案の変更もあり得ると述べた。
条例案が提出された後、府教委が現行法との整合性について文科省に見解を問い合わせていた。
府教委によると、文科省は首長と教育委員会の職務権限を規定した地方教育行政法の趣旨について、「教育には中立性、安定性が求められることから、首長から独立した教育委員会が教育事務の大部分の権限を担う」と説明。知事の権限が及ぶのはスポーツや文化に関する事務だけで、それ以外の事務を条例で規定することはできないとした。
橋下氏、文科省指摘に「バカみたいなコメント」
大阪市の橋下徹新市長は8日、自らが代表を務める大阪維新の会が大阪府議会に提案中の教育基本条例案に対し、文部科学省が法違反の可能性を指摘したことについて、「直ちに違法ということではない。教育行政の最後のあがき。あんなバカみたいなコメントに従う必要はない」と批判した。
市役所で報道陣の質問に答えた。
文科省は、「知事が教育目標を設定する」とした条例案の根幹部分について、教育委員会の職務権限を侵す目標設定は、地方教育行政法に抵触するとの見解を府教委に示した。
橋下氏は「目標いかんによっては違法の可能性があるという、毒にも薬にもならない意味のないコメント」と切り捨てた。
(2011年12月8日21時42分 読売新聞)
教育目標の内容次第では違法になる「可能性がある」という文科省の言い方は、なんとも生ぬるい印象を受けます。
『首長と教育委員会の職務権限を規定した地方教育行政法の趣旨について、「教育には中立性、安定性が求められることから、首長から独立した教育委員会が教育事務の大部分の権限を担う」と説明。知事の権限が及ぶのはスポーツや文化に関する事務だけで、それ以外の事務を条例で規定することはできない』
つまり、スポーツや文化に関する事務以外に関して権限をふるえばそれは違法となる、そういう目標を知事が設置しなければ違法な事態は生じない、というので「内容次第では違法になる可能性がある」という控えめな表現になったのではないかと推測します。
知事が越権行為できる規定になっている、という時点で「違法の可能性がある」ではなく、「直ちに違法である」と言いきるべきではありませんか、文科省さん?
他にも憲法、教育基本法に抵触山盛りなんですが、文科省はそれについてはふれなかったのでしょうか?報道ではわかりませんが、煮え切らないですね。
さて、文科省が指摘した点について既に自由法曹団大阪支部がその違法性をきっちり指摘していますので、抜粋しましょう。
◆大阪府教育基本条例(案)に反対する意見書
http://osakanet.web.fc2.com/ikensyo20111007.pdf
(引用開始)
第3 「第2章各教育関係者の役割分担」、「第3章教育に対する政治の関与」について
1 府立高校の「教育目標」は知事が決める(6条2項)
(1)知事が立てる「目標」は抽象的な宣言ではなく、法的拘束力をもつ
条例案は、知事が「高等学校教育において府立高校が実現すべき目標」を設定する(6条2項)と
定めています。そして、知事が定めた教育目標は、法的効力のある「規則」となります(12条1項)。
この目標達成への努力が足りない教育委員は罷免されます(12条2項)。
つまり、知事の立てた目標は、単なる「抽象的な目標」とか「宣言」ではないのです。
(2)「目標」の決定方法、対象事項、変更時期などは全くの無制限、フリーハンド
知事が教育目標を定める際には、保護者・教育関係者や諮問機関などから意見を聴取する手続は一
切定められていません。また、知事が定めた教育目標に対して、何らチェック機関や異議申立制度は
ありません。
教育の専門家ではなく政治家である知事が、内容的にも手続的にも、まったくのフリーハンドかつ
独断により決定できるのです。教育の政治利用も思いのままです。
(3)具体的に、どのような事態が起きるか―――未曾有の混乱、直接の政治介入
この条例が成立した場合には、とてつもない混乱が予想されます。
知事が変わるたびに、あるいは知事の気が変わるたびに、「教育の目標」がコロコロ変わる可能性も
あります(教育目標の設定時期や変更の回数制限はありません。)。そのたびに、教育委員会や教職員
は振り回されます。
「歴史教科書は○○社のものを採択する」とか、「国のために命を捨てた英霊に感謝を捧げる教育」
という目標を掲げる可能性もあります。また、「全国学力テストで上位○位以内に入ること」などとい
う目標を学校現場に押し付けることも可能になります。数十項目にわたる膨大な「目標」を定めるこ
とも可能です。「目標」の定め方や対象範囲については限定が一切ないからです。
知事選挙のたびごとに、候補者が「教育の目標」を掲げて、当選すれば「この教育目標が支持され
た」として教育行政に激変をもたらすことも可能になります。選挙時における政治的対立の結果が、
教育現場にそのまま持ち込まれることになります。
ときの政治家が教育の「目標」を定めるというのは、教育内容に対する明白な政治介入であり、教
育基本法16条(不当な支配の禁止)に違反します。
2 教育委員会の地位の低下、弱体化――― 教育委員ではなく政治家が絶大な権限を振るう
(1)教育委員会の政治的中立性・公平性の保障が骨抜きに(7条1項)
本条例案(7条1項)は、教育委員会は「知事が設定、した目標を実現するため、具体的な教育内容
を盛り込んだ指針を作成し、校長に提示する」と定めています。政治家である知事が、教育委員会に
対して独断専行で「教育目標」を決定するのです。教育委員会は、「知事の決めた目標を達成するため
の機関」になり、完全に政治の影響下におかれてしまい、政治的中立性は全く保障されません。
これは、現行法とは全く相いれない制度です。
第一に、教育への「不当な支配」を禁ずる教育基本法16条に反しています。
第二に、教育委員会の政治的中立性・公平性を図ろうとする地方教育行政法に反しています。同法
は、教育委員の任命については、「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有するもののうち
から、地方公共団体の長が議会の同意を得て任命する」と定めています(地方教育行政法4条1項)。
そして、個人の独断専行を防ぐために都道府県の教育委員の人数は5名以上(大阪府は現行6名)と
され、委員の半数以上が同一政党に所属しないこと、年齢・性別・職業等に著しい偏りが生じないこ
とが必要とされています(同法4条3・4項)。
こうした法の趣旨を根底から覆すのが、教育基本条例案です。
知事は、教育委員とは異なり、「人格が高潔で、教育、学術及び文化に関し識見を有する」という条
件は不要ですが、だからこそ教育委員会に対して乱暴な介入をせず自制してほしいところです。
(2)知事は教育委員を罷免できる(12条2項)――――明確な現行法違反、教育介入
本条例案では、教育委員が、知事の設定した教育目標(これが「規則」となることは前述のとおり)
を実現する義務を果たさない場合や、教職員の処分を怠った場合には、その教育委員を罷免できると
定めています(12条2項)。
これは、完全に政治家である知事が、独断によって教育委員に政治的圧力をかけることを可能にす
る規定です。これでは、教育委員は子どもや学校現場に目を向けるのではなく、知事の顔色ばかりを
うかがって仕事をするようになります。
そもそも現行法においては、知事が教育委員を罷免できる場合は限られています。すなわち、地方
教育行政法7条1項は、@委員が心身の故障のため職務の遂行に堪えない、A職務上の義務違反その
他委員たるに適しない非行があると認める場合、に限られています。ここでいう「義務違反」や「非
行」とは客観的な行為事実であり、罷免に相当する程度の重大な場合をいうとされています。ところ
が本条例案の規定によれば、そうした重大事案に限らず、知事が「この教育委員は、私が定めた教育
目標に従っていない」と一方的に決めつけただけで罷免できることになり、同法に明確に違反してい
ます。
教育委員は、前述のとおり政治的中立性・公平性を確保するために構成や任用条件が定められると
ともに、心身の故障あるいは客観的な職務違反や非行がない限り政治家によって罷免されない身分保
障があります。政治家から独立して中立公平な教育行政が実現するために、教育委員の身分保障は極
めて重要なのです。
(引用ここまで・太字は私)
教育基本法違反、地方教育行政法違反の規定だと言う指摘に対し、橋下氏は「教育基本法にも地方教育行政法にも違反していない」ことを反証しなければいけません。それがまともな反論というものです。
ところがそういう論理的な反論は一切できていません。「教育行政の最後のあがき」だの「毒にも薬にもならない」だのって、単に中身のない悪態です。
まともな反論ができなくて捨て台詞しか言えないのって、情けないですね。
橋下氏のコメントこそ「悪あがき」で「バカなコメント」といえましょう。
しかし論理的に正しくて説得力のある反論ができるかどうかは、彼にとって重要なことではないのです。彼にとって常に重要なのは「いかに民衆を扇動し味方につけるか」ということ、それが全てです。
彼はその手口を熟知しています。
小難しい正論に大衆はついてこない〜「大衆は理性ではなく感情で動く」というヒトラー総統のお言葉を忠実に守り、憲法やその他の教育関連法の教育理念に基づいた理論的な反論は必要ないと判断しているのでしょう。
そのうち「教育基本条例は教育行政の既得権者との闘いだ」とでも言い出して「既得権者を支持するのか、それとも既得権を破壊する教育基本条例を支持するのか」という図式を打ち出してくるんじゃないでしょうか。
既得権というのは思考停止に陥らせるマジックワードですから、彼がやりそうな手法だと思います。
いくら違法なことをしようと、
多勢に無勢
勝てば官軍
無理が通れば道理が引っ込む
こんな政治がお好みですか?
http://akiharahaduki.blog31.fc2.com/blog-entry-817.html
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