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貴殿が12月25日からビルマ(ミャンマー)を訪問することを受け、アムネスティ・インターナショナル日本は、日本政府がビルマにおける人権状況の改善を一層進めるようビルマ政府に明確に伝えるよう、要請いたします。
ビルマでは、今年に入って310人以上の政治囚が釈放されました。アムネスティは、これを歓迎します。しかしながら、その一方で、いまだに1000人以上の政治囚が囚われていることを、アムネスティは憂慮しています。政治囚の多くは、平和的に民主化を訴えたり、自らの政治的意見を述べただけで禁固刑を言い渡された「良心の囚人」であると、アムネスティは考えています。
また、10月12日に230人以上の政治囚が釈放された後も、アムネスティは獄中に残された政治囚に対する非人道的な処遇に関する報告を受けています。報告によると、ヤンゴンのインセイン刑務所では、減刑が適用されなかった複数の政治囚が抗議のために、10月26日からハンガーストライキを開始しました。しかし当局は、ハンガーストライキを実施した政治囚に水を与えず、その結果、脱水症状を起こした何人かの政治囚が病院に搬送されたと伝えられています。また、8人の囚人が、犬を収容するための独房に閉じ込められたとの報告も受けています。
アムネスティは、少数民族の市民に対する人権侵害についても深く憂慮しています。ここ数年、カイン、カチンおよびシャン州などいくつかの少数民族の地域では、紛争が再発、あるいは激化しており、ビルマ軍による非武装の市民への広範で組織的な人権侵害が続いていると報告されています。少数民族の市民に対する重大な人権侵害の可能性は、トマス・オヘア・キンタナ国連特別報告者が、2010年3月の国連人権理事会においても指摘しています。
このような状況を踏まえ、アムネスティは、貴殿がビルマ訪問中に以下の事柄をテインセイン政権に明確に伝えるよう、強く要請いたします。
(1)すべての「良心の囚人」を、例外なく、即時かつ無条件に釈放すること。
(2)政治囚には、国際的に明確な犯罪容疑がかけられているとビルマ政府が主張するのであれば、国際基準に則って、即時に公開の場で公正な裁判を行うべきである。そうでなければ、すみやかに政治囚を無条件で釈放すること。
(3)いかなる政治囚も、拷問や非人道的な取り扱いを受けないことを保証すること。
(4)少数民族に対する残虐行為を止めること。
(5)政府開発援助(ODA)については、政府開発援助大綱の実施原則に掲げるように、「基本的人権及び自由の保障状況に十分注意を払い」、人権が具体的に保障されるようにすること。
以上
2011年12月22日
事務局長 若林秀樹
http://www.amnesty.or.jp/modules/news/article.php?storyid=1034
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