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大阪血戦の爪痕「橋下は府庁舎移転費11億円払え!」(週刊アサヒ芸能 12/15号)
http://www.asyura2.com/11/senkyo123/msg/772.html
投稿者 元引籠り 日時 2011 年 12 月 21 日 12:27:15: dkOnWN./sADdA
 

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大阪W選挙を大差で制した橋下徹新大阪市長。その野望は「大阪都構想」はおろか、「政界の革命児」として永田町でも脚光を浴びている。しかし、その一方で橋下府政の失政に対し、市民団体は厳しい目を向ける。いわく「府庁舎移転失敗の費用11億円を支払え」というのだ。その渦中の市民団体代表が、橋下府政の“失策”を告発する。
橋下府知事“最大の失政”
「まだ市役所の予算書を精査したわけでないが、非常に意味がわからない補助金がたくさん出ている。そこを徹底的に見直す。市職員の給与体系もしっかり見直す」
 こう宣言したのは、大阪市長に当選した直後の橋下徹新市長(42)だ。いわゆる行政の“ムダ”を排除し、効率化をいっそう進めるという決意表明。今回のW選挙では「都構想」や「教育制度改革」などが争点となったが、あまり顧みられなかったのが、大阪が抱える「財政改革」だった。この点についても切り込んでいくという頼もしい発言に拍手喝采した大阪市民は少なくなかった。
 しかしその一方で、当選直後から浮上しているのが、橋下氏の大阪府知事時代の“最大の失政”とも言われるWTC(大阪ワールドトレーディングセンタービル)への府庁舎移転を巡るトラブルだ。
「このままでは放っとかれへん。どっかで暴走を止めないと」
 と語るのは、橋下氏による独裁“ハシズム”に反対する市民団体、「ハシモトドオリの会」共同代表の藤永のぶよ氏だ。藤永氏は10月19日に行った住民監査請求の呼びかけ人で、現在、「大阪府知事だった橋下氏は、その耐震性が危惧されていたWTCを独断で購入した」として、購入費用など、計96億円の返還を求めているのである。
 もともとWTCは、バブル熱が冷めやらぬ1988年に、大阪湾岸の埋め立て地・咲洲地区に計画され、大阪市などが約1200億円の事業費をつぎ込んだ、西日本一の高さを誇るインテリジェントビルだった。しかし、バブルの崩壊とともに周辺地域の開発も頓挫。運営会社も09年には倒産した。つまりは大阪市の“負の遺産”として、宙に浮いた形となった。
 この負の遺産をあえて購入したのが、先日のW選挙で当選した、元大阪府知事の橋下氏だというのが市民団体の主張である。
 大阪湾岸全域を見渡せるWTCについて、橋下氏は府庁舎を全面的に移転するプランをぶち上げていた。橋下氏が目指す、釜山や上海、シンガポールなどの東アジア諸都市にも負けない国際都市・大阪にふさわしいとし、東京都庁に負けない物件として白羽の矢を立てたのだった。
「しかも、現府庁舎が老朽化による建て直しか移転かで揺れていたこともあり、運営会社の倒産前に85億円で購入。府議会の反対を押し切ってのトップダウンだった」(社会部記者)

だが、かねてより疑問視されていた耐震性に問題があることが専門家の指摘により発覚。3・11の東日本大震災で外壁が剥落し、エレベーターが止まるなど、府庁舎にふさわしくないことが決定的となったのだ。
 つまり、橋下府政は、とんだ不良物件を高値でつかまされてしまったのである。
 これが世に言う「WTC問題」だった。
 藤永氏が続ける。
「85億円のムダだけではありません。移転費用で約11億3000万円かかっていますが、全ては、橋下知事の独断が生んだムダです。内訳には、電話会議用のテレビ付きIP電話54台、マホガニーの応接セット12台の購入費、約760万円も含まれます。府は応接セットは会議室に据えられていると主張していますが、ほとんど放ったらかしみたいなもんです。さらに、仮に府庁舎として使い続けるのであれば、130億円の耐震強化費が追い銭で必要になります。こういったムダの全ては、橋下さんの独断による出費なわけですから、我々市民472名の監査請求人としては、最低でも移転費用の11億3000万円は橋下さん個人で補填してもらいたい。そういう趣旨で、請求を行いました」
 今後は、橋下氏の個人資産での返済も視野に入れているという。
 それだけではない。市民団体側は、住民監査請求のみならず、住民訴訟でも橋下氏の失政について、徹底的に追及していくつもりでいる。
「今回のW選挙についてマスコミでは、橋下さんと維新の会の松井さんの勝利を圧勝と報じていますが、約50万票の反対があったことも事実です。あの橋下さんのことだから、“民意”を背景にこれまで以上の独断を振るうでしょうが、投票した人も、今の政治への不信感から橋下さんに投票しただけであって、何をしてもいいというわけではない。ですから、これまで以上に橋下政治の監視は必要です。監査請求の結果は12月16日に出ますが、否決されたから放っておくというわけではなく、監視活動の一つの形として住民訴訟も視野に入れています」
 今回の選挙では、府知事選、市長選ともに橋下氏が率いる「大阪維新の会」の圧勝に終わったことばかりが喧伝されているが、今後、クローズアップされてくるのは、橋下府政3年9カ月の「実績の検証」であろう。

すでに、前出の藤永氏は、堺市が誘致したシャープの工場に、府と堺市が一般会計から約730億円の補助金を支出しているのは違法支出だとして、大阪府知事や橋下氏の府知事時代の元部下で、堺市長に転じた竹山修身現市長を相手取り、住民訴訟を起こし、高裁で審理継続中だという。
 いずれにせよ、「WTC問題」は、“橋下府政”ひいては、橋下的政治手法の暗部をも示すことになりそうだ。
 政治部記者が言う。
「WTC問題がもたらしたものは、橋下・大阪府が防災拠点として、まったくふさわしからぬ幽霊ビルに85億円を投じたというムダ金のみではない。橋下氏と議会の軋轢を生んだ発端でもあり、また、WTCへの府庁舎移転に賛成する一部府議が、自民党を離れて現在の『大阪維新の会』結成にもつながった。つまり、先日のW選挙で誕生した、橋下独裁による『維新大阪政権』誕生のきっかけとなったわけです」
 藤永氏とともに監査請求の呼びかけ人となっている在阪のジャーナリスト、西谷文和氏も厳しい意見だ。
「府議会で2回も否決されたにもかかわらず、橋下さんはWTCの移転にこだわった。普通の知事さんだったら、継続審議にしていたはず。そうであれば、3・11の震災で使い物にならないことが判明して、こんなムダ金を使う結果になっていなかったはず。府と市の2重行政解消なんて言って選挙に勝ちましたが、2重庁舎でムダ金をタレ流しているんですから、ヘタなシャレにもならないですよ」
 橋下府政最大の失敗と称されるWTC問題。「都構想」で“夢”を語るのはいいが、現実世界での問題処理は、得意の“橋下話術”のはぐらかしでは済まされそうもない‥‥。

終始、「大阪秋の陣」で橋下陣営を応援してきた「みんなの党」。その渡辺喜美代表(59)が、選挙戦を振り返り、本誌に秘めたる胸中を激白した!

 序盤は、橋下さんの「空回り」なのではないかと不安になったこともありました。街頭演説の反応はいいのだけれど、票につながらないのではないかと思ったのです。というのも、演説を聞いているのは、選挙権がないのではと思われる若者ばかりでしてね(笑)。
 でも、平松さんが(11月24日に予定されていた)討論番組をドタキャンした時に、橋下さんの勝利を確信しました。ドタキャンの理由が「選挙戦術を見直したい」って、それは屁理屈ですよ。敵を前に逃げてしまったも同然ですからね。
 冷静に考えると、前回より上がった投票率の17ポイント分が、橋下さんへと流れたんだと思います。
 その理由は、大阪が負け始めているからですよ。国際競争の中で、20年間の地盤沈下が、より加速している。この衰退過程から脱却しなくてはいけない。それには、「大阪を一つにして、世界中のヒト、モノ、カネを大阪に集中させる」という橋下さんの成長戦略しかないと大阪の市民が感じた。選挙結果は、そういうことを示しているんだと思います。
 わが勝利かのように喜ぶ渡辺氏。投開票日を含め、大阪入りした回数は計6回。あくまで「勝手連的な応援」と言うが、選挙前からたびたび大阪へと入っていた。これは、政界再編へ向けての動きなのか。
 そんなに頻繁ではないですけどね。大阪には行きましたし、橋下さんとも話をしましたよ。でも、そんなに大それた話じゃない。例えば、(元経産官僚の)古賀茂明さんに府知事選出馬の打診があった時に、古賀さんは他の知事選にもお誘いがあったのですが、いずれも断っている。そういうお話をして、「他の候補者を探しては」という話をしたようなレベルです。
 政策が似ている? それは似ていますよ。私が「みんなの党」を作る前に、自民党を飛び出して、「国民運動体 日本の夜明け」という活動を始めた時に、応援してくれたのが、(評論家の)堺屋太一さんや(現在はみんなの党参院議員の)江口克彦さんで、この人たちは橋下さんを府知事選に担ぎ出した張本人でしょう。言わば、生みの親は一緒の一卵性双生児みたいなものですからね。
「大阪都構想」というのは、江口さんたちが進めていた「関西特別州構想」とほぼ同じなんです。これは、わが党が訴えている「地域主権型道州制」を橋下さんが大阪から実現させようという話ですから賛成なのは当たり前です。
 私が言う地域主権というのは、基礎自治体中心主義なのです。都道府県が行政のメインになるのではなくて、市町村がメインになるということです。それは、住民にいちばん近いところで、住民のチェックが行き届く役所が、住民の生活を支える仕事を全て賄うということ。人間・財源・権限の3つ、この「三ゲン」の基礎自治体への移譲を実現させようということです。

では、橋下さんが言う「大阪都構想」。多くの人は「大阪都」に目が行っているけど、大阪市のような巨大な270万人もいる基礎自治体なんてありえない話です。かゆいところに手が届く範囲というのがあって、それを大きく超えている。これでは、住民のための自治体ではなくて、役人のための自治体になっている。
 橋下さんが民営化を訴えている大阪市営地下鉄がいい例ですよ。御堂筋線は北に千里中央まで延びる北大阪急行線というのがありますが、これを運営しているのは第三セクター会社であって、この電車は私鉄と互換性がない。車両が電力を受ける方式が私鉄とは異なっているわけです。わざと私鉄とつながらせないように造ったのではないかとさえ言われている。役人にビジネスをやらせてはダメなんです。自分らの食いブチにはなるかもしれないが、市民のためにはならない。
 大阪市の職員は「選挙で受かったぐらいでデカい面するな」という態度だそうですけど、この感覚は霞ヶ関の官僚とまったく同じです。わが党も「公務員改革」を訴えてきましたが、橋下さんが掲げた「職員基本条例」は、ぜひ実現させてほしい。公務員にも民間並みの人事制度を導入しようということであって、何も過激なことではないのです。公務員、労働組合、補助金をもらい天下りを受け入れる団体、この「なれ合い構造」という鉄の岩盤に、大阪からメスを入れていただきたいところです。
 このところ、永田町では急激に「橋下支持」を打ち出す政治家が増えている。野田佳彦総理(54)さえ、「大阪都構想の検討をしなければ」と話し始めている。
 だいたい、前原政調会長は「都構想は地域主権に反する」と選挙前には言っていたんですよ。何をトンチンカンなことを言っているのかと思ったぐらいでね。
 野田総理が使った「検討を開始」とか「議論を進める」というのは官僚言葉であってですね。物事を先延ばしにする時に、官僚が言うセリフです。
 そもそも、野党時代の野田総理は「天下りのカラクリを解明しなければいけない」なんて言っていたのに、財務副大臣になってから「財務省色」に染まってしまった。朝霞の公務員宿舎問題でも、私が追及したら「真に必要だ」と言っていたのに、世論の反対を浴びたら凍結、そして中止ですよ。消費税増税にしても、麻生内閣時代の増税法案に反対していた野田総理が推し進めているのだから、何とも皮肉な話です。
 先日、民主党の横ヤリで参加できなかった党首討論を見てくださいよ。自民党も霞ヶ関のコンテンツしか持っていないから、野田総理も自民党も増税勢力になってしまっている。どちらのほうが、声が大きいかぐらいの違いしかない。全ては、財務官僚の“振り付け”なんだと思いますけど、あれでは「八百長」と変わらない。
「みんなの党」や「維新の会」は覚悟があり、戦略がある。ところが、民主党には覚悟がない。だから、橋下さんの勝利で右往左往してしまう。「大阪都構想」実現には、地方自治法をはじめ多くの関連法案を変える必要がある。橋下さんは12月中に、永田町からの返答を迫っている。わが党はすでに「大阪都構想」を実現するための法案作りを始めています。まもなく、本当の覚悟を持った政党がどこなのかがわかるはずです。
 では、渡辺氏は「橋下維新の会」と組んで、いよいよ「天下獲り」に動きだしたということか。
 わが党は「誰と組むか」は重要視していない。あくまで「何をするか」なのです。目的が同じなら、共に行動することもあるかもしれません。

大勝後に“雨後のたけのこ”のごとくニョッキと現れたのは、にわか「橋下シンパ」のセンセイたち。その様は「独裁者」にひれ伏してしまったのかのようだ。しかも、それぞれに、さまざまな思惑があるようで‥‥。

 20万票以上の大差で制した橋下徹大阪新市長。その結果、永田町のセンセイ方がモーレツに思い知ったのが、「既存政党の不人気」であった。
「中央政界にとって、今回の選挙は『大阪の地方選挙』にすぎなかった。ところが、橋下氏が大勝するだけならまだしも、松井一郎大阪府知事までもが200万票以上獲得し、既存政党が束になっても『大阪維新の会』に勝てなかった。このまま、次の国政選挙で『旋風を巻き起こされたら困る』とばかりに、永田町では『橋下取り込み作戦』が始まったのです」(政治部デスク)
 この状況をイチ早く察知したのは、国民新党の亀井静香代表だ。選挙戦前から、目指すべき政策が正反対の橋下氏に秋波を送っていた。
 さらに、投開票日間近になると、石原慎太郎都知事を代表に据えた「新党構想」を披露して、橋下氏との連携の道を探っている。ある自民党関係者は言う。
「民営化に歯止めをかける『郵政改革法案』が審議入りして、亀井氏の存在意義が薄れている。そこで、目をつけたのが橋下氏なんです。菅内閣の頃から、『保守の再結集』を呼びかけていた亀井氏ですが、ことごとく失敗している。今回は、保守どころか、自民と民主じゃなければ何でもいいという感じですね」
 たちあがれ日本の平沼赳夫代表は「亀井氏の一人芝居」と連携を否定。石原都知事は「大迷惑だ」と口では言っているが、マンザラでもないという。
 亀井氏同様に選挙前から秋波を送っていたセンセイがもう1人いる。自民党の石原伸晃幹事長だ。告示直前に大阪に入り、テレビで「大阪都構想」賛成を打ち出したのだ。
 前出・政治部デスクが話す。
「あの発言は、民主より先に人気者の橋下氏に唾を付けておこうという程度のものでしょう。民主にしても、橋下氏が勝利したあとに、野田総理が『我々も検討しなければ』などと言いだしましたが、両者ともに、どうせ『大阪都構想』はすぐに成立しないから、次の選挙までは橋下氏に嫌われたくない、そんな魂胆がミエミエですね」
 そして、民主党内で不遇をかこっている小沢一郎元代表までもが、橋下氏へとすりより始めている。選挙戦中の橋下氏に密使を送ったというのだ。しかも、民主党を離党したが、小沢氏の「子分」を自認する松木謙公衆院議員(52)が、その役割を果たしたというから真実味もある。しかし、ある小沢系民主党議員はこう話す。
「あれは松木氏が勝手に行っただけです。橋下氏の応援に訪れた河村たかし名古屋市長(63)らと行動を共にすることが多い松木氏が、その際に小沢さんとの仲介を申し出たという話です。もっとも、小沢さんは『橋下が勝ったら、おもしろくなる』と話していましたから、今後、どうなるかはわかりませんが‥‥」
 橋下氏を中心に、「政界再編」「次の選挙」と、さまざまな思惑が渦巻く永田町。同床異夢のセンセイたちを、当の橋下氏はどう思っているのか。
 維新の会関係者が言う。
「橋下さんは、中央政界の思惑など見透かしています。そのうえで、『大阪都構想』実現のために、そうした思惑を上手に利用できる政治家です。それに、今は誰とも組む必要はないわけですから、こちらから動くことはないでしょう」
 どのセンセイ方も橋下氏の前にいいように操られているのか。このままでは、大阪のみならず国政まで橋下氏の「独裁」の下に置かれてしまいそうなのだ。
 政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏はこう話す。
「維新の会の人間でも、橋下氏の口から国家観を聞いたことがないそうです。つまり、国政においては橋下氏の力は未知数です。しかし、橋下氏という“モンスター”を生み出したのは、今の政治家が情けないから。自民から民主へ政権交代させたけれど、結果はダメだった。どの国会議員が橋下氏を批判できるのでしょうか。閉塞した政治状況にあって、何をするかわからないけど、“モンスター”に期待したくなるのはうなずける話です」

一方、大阪府議の動向も漁夫の利を得ようと、水面下では「橋下有利」に傾いていたという。
「世間では、今回のW選挙は、反橋下で民主・自民・共産が結集なんて言われていましたが、実は、自民と民主は誰も本気で戦っていなかった。だから、やる前から結果はわかっていた」(大阪の自民党関係者)
 別の府政関係者によれば維新の会の“風”は、選挙前から吹いていたという。
「自民党から離脱した橋下グループが正式に維新の会を立ち上げて選挙戦に乗り出した昨年5月以来、連戦連勝。統一地方選では府議会の過半数、大阪市議会、堺市議会で第1党になったことで、以後、民主も自民も完全に日和見です。橋下氏とのケンカは避けたいというのが、地方議員の統一見解です」
 つまり、反橋下陣営は最初から足並みは乱れたままだったのだ。とはいえ、維新の会では知事候補が決まらず、結局は松井一郎氏を擁立せざるをえなかった。せめて知事選ぐらいは、どうにかならなかったのだろうか。一時、府知事候補に名前があがった丸山和也参院議員はこう話す。
「(自民党大阪)府連は、『丸山の回答が遅かったからだ』などと言っていますが、私にしてみれば、本気度が感じられなかった。だから出なかったんです。府連内部の“内ゲバ”なんかもあったりして、とにかくゴタゴタなんです。次の選挙をニラんだら、『今回は倉田で適当に負けておいたほうがいいのとちゃうか』なんて意見も聞こえてきて、アホらしくなったのが真相です」
 聞けば聞くほど、既存政党の足並みの不ぞろいさかげんと、維新の会への恐怖感ばかりが目立つのだ。
「自民にしても民主にしてもがそんな具合。一方、みんなの党は維新の応援についたし、どっちつかずの公明党は、自主投票としながらも、出口調査の数字などから、維新に投票している。今回の選挙は、政党政治の終わりなどと言われる一方で、むしろ維新サイドを勝たせるべく、既存政党が頑張ったように思えますね」(丸山氏)
 選挙の結果を受け、翌日28日の大阪自民市議団が開いた総会では、「都構想」への反対姿勢を撤回し、推進に向けた議論に応じる方針を決めた。民主も同様の方針を取ると見られている。さらに、選挙期間中から裏では露骨に維新の会側に回る平松陣営議員もいたという。こうした近視眼的な姿勢が一般市民の票離れにつながるということを、既存政党は理解しているのだろうか。まさしく右往左往というほかあるまい。  

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