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もはや統治能力さえ欠いた民主党
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111217/stt11121712000000-n1.htm
2011.12.17 12:00 【酒井充の政界××話】産経新聞
初めて民主党を担当して2カ月半が過ぎた。この間、野田佳彦首相は早くも内閣不支持率が支持率を逆転した。理由はいろいろあるだろうが、決定的な要因が思い浮かぶ。それは政権与党として驚くほど党の統治能力を欠いているということだ。
最もわかりやすい例は、原子力協定の承認をめぐる造反劇だ。賛成しなければ「党議拘束違反」だったはずだが、執行部は口頭注意や党役職辞任を求めた程度で、党倫理規則に基づく処分を行わなかった。政府が提出し、党も賛成を決めた協定に反旗を翻しても「おとがめなし」という前例を作ったのだ。
同協定はベトナム、韓国、ロシア、ヨルダンの4カ国に日本の原子力関連の技術移転を可能にするもの。起立採決だった6日の衆院本会議で京野公子氏が反対し、ほかに15人前後が退席などで棄権した。
ほかの民主党議員や自民党など野党の賛成多数で協定は可決、参院に送付されたが、9日の参院本会議採決でも造反劇は繰り返された。
ボタン投票で賛否がはっきりする参院では、有田芳生、石橋通宏、大河原雅子、岡崎トミ子、金子恵美、今野東、佐藤公治、田城郁、谷岡郁子、ツルネン・マルテイ、徳永エリ、増子輝彦各氏の計12人が棄権した。
被災地選出の議員が目立ち、「原発事故で福島県民が苦しんでいる中で賛成できない」(福島県選出の増子氏)といった理由が多かった。だが、野党・自民党の福島県選出議員でさえ賛成して承認されたことを考えると、与党の責任とは何なのだろうかと思ってしまう。
ちなみに徳永氏は造反直後、野党が提出した一川保夫防衛相への問責決議案に対し本会議で反対討論を行った。党議拘束違反者に党を代表させる執行部の寛容さには驚くばかりだが、討論の内容がまたひどかった。
「『安全保障の素人で、それが本当のシビリアンコントロールだ』との一川氏の発言のどこに問題があるのか」と言ったかと思えば、ブータン国王夫妻歓迎の宮中晩餐会に欠席して同僚議員の政治資金パーティーに「こちらの方が大事だ」と出席した一川氏を擁護するためか、「パーティーも政治家の大事な仕事だ」と訴えた。政府・党の方針に反することも「どこに問題があるのか」ということなのだろう。もはや無秩序状態である。
衆院で棄権したある議員は採決前、「協定の話は党のどこで議論していたのか」と執行部にかみついた。協定については昨年から党外務部門会議などで議論していた。そんな基本的な認識さえ欠いているわけだ。党の議論や本会議の採決を軽視しているとしか思えない。
党の緩みは別の面でも顕著だった。民主党は衆院本会議前に代議士会を開催している。だが、開始時間通りに参加しているのは全衆院議員300人に対し、平均60人ほど。平野博文国対委員長は毎回のように「緊張感がないとみられても仕方ない」と出席を呼びかけたが、格段に増えることはなかった。学級崩壊というよりも政党崩壊の状態だ。
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の交渉参加をめぐる問題も同じようなものだった。10月中旬から党内議論を続けた末に11月9日に党プロジェクトチームが出した結論は「政府には慎重な判断をすることを提言する」だった。執行部は推進派が多かったが、慎重・反対派の意見に配慮した結果だった。
首相は2日後の記者会見で「交渉参加に向け関係国と協議に入る」と表明した。一般的な国語力があれば、参加表明と受け止めるのが自然だが、慎重・反対派は首相に感謝の言葉まで述べた。首相が1カ月近く費やしてまとめた党の提言を「無視」したというのに。
最近、また奇妙な動きが出ている。首相は消費税増税に「不退転の決意」で臨む覚悟を示している。それなのに鈴木克昌筆頭副幹事長が消費税増税反対の署名活動を展開しているのだ。
筆頭副幹事長といえば幹事長直属の党幹部だ。首相の意思を否定するような行動なのに、輿石東幹事長は「けしからん行動でもない」と理解を示し、樽床伸二幹事長代行も容認している。「党の憲法」ともいうべき綱領を持たない民主党は、中国文化大革命の「造反有理」を信奉しているのだろう。
鈴木氏はケジメをつけるつもりだったのか、署名活動を始める前に辞表を提出した。しかし、執行部は受理せず、鈴木氏は今も党務をこなしている。なんだか出来の悪いドラマを見ているようだ。これが日本の政権与党の実態である。
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