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焦点は東京一極集中に解体!水面下で「みんなの党」と連携する「橋下徹旋風」で民主も自民も選挙前に「分裂危機」
http://gendai.ismedia.jp/articles/-/30233
2011年12月16日(金) 長谷川 幸洋「ニュースの深層」:現代ビジネス
大阪ダブル選挙で圧勝した橋下徹大阪市長と松井一郎大阪府知事の動きが政局の鍵になってきた。来年には衆院の解散・総選挙が必至とみられる中、橋下旋風は永田町に暴風雨をもたらすだろうか。
すでに嵐の予感がある。橋下に秋波を送りつつ、新党結成の意向を表明した亀井静香代表率いる国民新党が大荒れ状態に陥ったのだ。
14日に開かれた同党の議員総会で、下地幹郎幹事長が「早めに新党をつくって自民党でも民主党でもない人たちの受け皿になる」と発言すると、森田高総務政務官が「どういうつもりで新党と言っているのか。支持者に説明できない」と猛反発した。亀井は「オレを信じられないなら、勝手に党を離れろ」と捨て台詞を吐くありさまだ。
■水面下で始まっている橋下・渡辺の連携
これは国民新党だけの話にとどまるだろうか。明日の自民党や民主党でも同じ事態が起きないとは言い切れない。なぜか。
橋下・松井コンビが率いる「大阪維新の会」には、自民党の石原伸晃幹事長や民主党の小沢一郎元代表、さらに石原慎太郎東京都知事までが熱いエールを送っている。石原幹事長は自民党大阪府連がライバル候補を応援して敗れたにもかかわらず「実は内心、橋下勝利を喜んでいる」とまで語った。
亀井は石原都知事が新党の代表に就任する可能性に言及しつつ、橋下にも合流を呼びかけた。その都知事はダブル選の最中に橋下スキャンダルを掲載した週刊誌に対して「バッシング報道に腹が立った。義憤を感じる」と憤り、橋下の応援にはせ参じている。
肝心の橋下はどう動くのか。事態がだんだん明瞭になりつつある。連携相手は、ずばり「みんなの党」だ。
橋下は14日のテレビ番組で、大阪都構想を実現するために必要になる地方自治法改正案作りで、みんなの党と協力した事実をあきらかにした。橋下の「大阪維新の会」と渡辺喜美が率いる「みんなの党」は事実上、連携活動をスタートしているのだ。
渡辺はダブル選では国会議員でただ一人、5日間も現地に入って橋下を応援した。カメラの砲列が集中した「万歳三唱」の壇上にはさすがに上がらなかったが、この応援を通じて橋下と渡辺の関係が一層、緊密になったのは間違いない。
橋下と渡辺の連携は水面下でも始まっていた。
大阪維新の会は「大阪都構想」と並んで職員基本条例案と教育基本条例案を作り、9月に大阪市議会に上程した。この条例案を企画立案したのは、渡辺が公務員制度改革担当相だった当時の補佐官で現在、政策コンサルタントの原英史政策工房社長(経済産業省出身)である。残念ながら維新の会は市議会で少数野党だったため、両条例案は公明、自民、民主系、共産の4会派の反対で否決されたが、橋下は当選後、再提出を目指している。
■焦点は地方自治法改正案
原はダブル選圧勝の後、都構想実現のために設けられた「府市統合本部」の顧問に就任した。経産省時代の先輩で改革派官僚として知られた古賀茂明も同じく顧問に就任した。かつて補佐官を探していた渡辺に原を紹介したのは古賀である。
さらに橋下を大阪府知事に担ぎだした立役者である評論家の堺屋太一も、同じ本部の最高顧問に就任している。堺屋も渡辺の強力な支援者の一人である。
原はダブル選後、しばらくは大阪改革に全力を傾注するため大阪に常駐する構えだ。古賀も大阪に何度も足を運んでいる。
こうしてみると、渡辺と橋下はもともと水面下のブレーンを完全に共有しているのだ。ブレーンで違っているのは、橋下に近くて渡辺に遠い上山信一慶応大学教授(元運輸省、同じく府市統合本部顧問に就任)くらいである。
みんなの党は大阪都構想だけでなく、将来の道州制もにらんだ地方改革を実現するために、来年1月の通常国会に地方自治法改正案を提出する方針だ。橋下はこの改正案に賛成するよう民主、自民など各党に協力を呼びかけている。
ポイントはここである。実際に橋下と連携できるかどうかは、地方自治法改正案への賛否が踏み絵になるのだ。いくらリップサービスしてみても、実際の政治行動で敵対すれば、連携などおぼつかない。それどころか敵対勢力になる。
亀井や自民党、民主党さらに石原都知事は、みんなの党が提出する地方自治法改正案に賛成できるかどうか。私はいまの政党を前提にする限り、現状ではかなり難しいのではないかとみる。改正案は実質的に、霞が関の中央集権と東京一極集中体制に風穴を開ける効果をもっているからだ。
■霞ヶ関がつくりあげた「東京一極集中」
霞が関にとって、東京一極集中体制とは公務員制度と並んで重要な「国のかたち」そのものである。先輩たちが官僚の理想として必死に作ってきた体制なのだ。堺屋によれば、東京一極集中の体制作りは昭和16年(1941年)ごろ着手し、大戦中の中断を経て1949年ごろから再開された。完成したのは60年ごろである。
霞が関はそのために行政指導と天下りを武器に全国銀行協会、電気事業連合会、日本自動車工業会など、ありとあらゆる業界団体をつくり本部事務局を東京に設置した。50代半ばで肩たたきに遭った高級官僚が東京の業界団体に専務理事として天下る。それが官僚の隠語で「専務理事政策」と呼ばれる究極の産業(再就職)政策なのだ。
大阪都構想の実現に道を開く地方自治法の改正は、霞が関全体にとって「蟻の一穴」になりかねないような最重要案件になる。そんな問題で「財務省政権」といわれる野田佳彦内閣が橋下・渡辺のコンビに手を貸すような事態はとても考えられない。
自民党も同じである。
自民党はすでに環太平洋連携協定(TPP)問題で党内が賛否両論の真っ二つに割れ、消費税引き上げ問題でも手続き論に終始して、党が決めたはずの増税賛成に踏み切れないでいる。そんな自民党が地方自治法改正案のような霞が関の利害に直結する問題ですっきりと賛成に回るとは思えない。
なんとしても橋下人気にすがるために、たとえば関西地方出身の国会議員が地方自治法改正案に賛成しようとすれば、どうなるか。冒頭の国民新党のような事態が待っている。すなわち離党して賛成するか、党にとどまって反対し、大阪維新の会と対決するかだ。
橋下はそうした事態を視野に入れて、すでに関西地方では維新の会が独自候補を擁立する構えをみせている。みんなの党は党が違っても事実上、協調行動をとるだろう。
現状では、消費税引き上げにのめり込む野田政権も、消費税やTPP問題で旗幟を鮮明にできない自民党も総選挙で240議席を上回る過半数を握れるかどうか危うい。そうなれば、橋下旋風を追い風に受けた第三極のみんなの党が焦点になる可能性が高い。にわかに面白い展開になってきた。
(文中敬称略)
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