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【小沢被告第9回公判(1)】
石川議員に隠し録りされた特捜検事が初出廷 「調書に訂正ない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121511590003-n1.htm
2011.12.15 11:56 「法廷ライブ」 産経新聞
(10:00〜10:20)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判が15日、東京地裁(大善文男裁判長)で始まった。元秘書の取り調べで「特捜部は恐ろしいところだ」と発言したと弁護側が主張する東京地検特捜部の男性検事らが出廷し、証人尋問が行われる予定だ》
《この検事は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の聴取を担当。石川議員は保釈後の昨年5月、任意聴取の様子を隠し持ったICレコーダーに録音。この内容が第2回公判で再生されている》
《ICレコーダーには、検事が「石川さん、録音機持ってない? 下着の中とか入ってない?」などと録音を警戒する様子や、「(以前の取り調べと供述が)変わると『何でだ』ってなって、めんどくせーからさ」などと発言する様子が記録されていた》
《弁護側は冒頭陳述で、この検事が「特捜部は恐ろしいところだ。何でもできるところだぞ。捜査の拡大がどんどん進んでいく」などと石川議員を威迫したと主張、供述調書の任意性を争っている》
《検察官役の指定弁護士側は証人尋問を通じて「取り調べに強制はなかった」と立証したい考えとみられる》
《法廷は東京地裁最大規模の104号。傍聴席には空席が目立つ。午前10時前、まもなく小沢被告が入廷しそうだ》
裁判長「それでは被告の入廷をお願いします」
《傍聴席から向かって左側の扉から小沢被告が入廷する。紺のスーツにネクタイ姿。裁判長に向かって一礼をすると、弁護士2人に挟まれるように席に着いた。座るやいなや目を閉じた》
《続いて、裁判長は証人の入廷を促す。右側のドアが開き、○○検事(法廷では実名)が入廷する。紺のスーツ姿。短髪で、体形は小柄ながら厳ついイメージ。顔をしかめ、うつむきながら証言台に立った。裁判長が人定質問を行う》
裁判長「お仕事は?」
証人「検察官です」
《裁判長が偽証罪などについて説明。○○検事が嘘を言わないとする宣誓を行うと、男性指定弁護士が立ち上がり尋問を始めた》
指定弁護士「現在の勤務地は?」
証人「新潟地方検察庁です」
指定弁護士「陸山会事件の捜査はいつ担当しましたか」
証人「平成21年7月下旬から、22年5月下旬だったと思います」
指定弁護士「石川議員の調書を改めてごらんになりましたね」
証人「はい」
指定弁護士「調書に訂正すべき内容はありましたか」
証人「必ずしも説明が十分伝わらなかったところはあると思うが、事実関係として訂正することはありません」
《自らが作成した調書に間違いはないことを自信たっぷりに宣言した。指定弁護士は、○○検事が21年12月27日、22年1月13、14日に石川議員の任意聴取を行い、15日に逮捕、2月4日の勾留満期まで取り調べを行ったことを確認する》
指定弁護士「(逮捕後に)石川議員の窓口となったのはだれでしたか」
証人「☆☆弁護士(法廷では実名)のグループと、◎◎弁護士(同)のグループということだったと思います」
指定弁護士「弁護士グループが2つあったということですね。なぜ分かりましたか」
証人「石川議員から聞いたからです。逮捕当日は☆☆弁護士ともう1人の弁護士が接見しましたが、グループが2つあり、アドバイスが違うので非常に困惑していますと言っておられました。また、札幌の弁護士がおり、◎◎弁護士のグループかと思いましたが、(石川議員が)『自分の知り合いで個人的に頼んだ』といい、厳密に言えば3グループあったようです」
指定弁護士「接見はしていましたね」
証人「それぞれのグループが1日1回。計2回接見しておりました」
指定弁護士「接見を意識して取り調べをしましたか」
証人「意識しました。取り調べの内容が弁護士に伝わり、どんな録取をしたかも伝わる。アドバイスも当然受けると予測されました」
《指定弁護士はその後、取り調べ時の様子について聞く》
指定弁護士「取り調べの内容はどのように決めますか」
証人「被疑事実と証拠、主任検事の指示に基づきますが、その日に何を取り調べるかは私の判断で決めました」
指定弁護士「大久保(隆規元秘書)さん、池田(光智元秘書)さんも逮捕されましたが、それぞれの供述調書を渡されたことは?」
証人「ありません」
指定弁護士「供述内容について口頭で知らされたことは?」
証人「主任検事からピンポイントで、(他の2人が)こういったことを話しているので、(石川議員に)確認してほしいといわれたことはあります」
指定弁護士「(22年)1月23日に小沢被告の(任意の)取り調べがあったことはご存じでしたか」
証人「私は知りませんでした。極秘事項ですので知っているのはごく一部だけ。私は報道レベルで知っていたというだけです」
《弁護側は取り調べの際、他の被告が自白したという嘘の事実を告げて供述を引き出す「切り違え尋問」によって自白を強要させられたと主張している。指定弁護士側は、特捜部内での情報の取り扱いについて確認したいもようだ》
指定弁護士「取り調べの対象が事実と違う供述をした場合にはどうしますか」
証人「真実を話させるためにどうするかということですか」
指定弁護士「はい」
証人「抽象的にはなりますが、事実と異なる供述をするには、それなりの理由があると思います。その理由を突き止めたうえで、それを取り除くのですが、あとはケース・バイ・ケースとしか言いようがありません」
指定弁護士「調書の作成方法はどうなっていますか」
証人「取り調べたことを口頭で伝え、事務官がパソコンに入力します。それをプリントアウトして(取り調べの対象者に)渡し、私は画面をみて読み上げます。その後、原稿を黙読させます」
指定弁護士「問題がなければ署名をすると?」
証人「はい」
指定弁護士「事務官は取り調べにはいつも立ち会いを?」
証人「基本的にはそうです。本件では1、2回、石川議員から事務官に席を外してほしい、と申し入れがあり、そうしたことがありましたが」
指定弁護士「そのとき、(石川議員は)重要な話を?」
証人「内容について思い出すことはできませんが、事件の上ではたいした話ではなく、むしろプライベートなことだったと思います」
指定弁護士「調書の内容は事前に準備しますか」
証人「項目ぐらいは書き留めますが、事前に原稿を用意することはありません」
《小沢被告はじっと目を閉じて聞いている。質問は聴取の内容に移る》
指定弁護士「(小沢被告が元秘書に渡した)4億円の原資について、特捜部はどのように考えていましたか」
証人「ゼネコンから渡ったお金ではないか、という捜査でした」
指定弁護士「具体的には?」
証人「水谷建設から計1億円の金が渡っているのではないかということです」
指定弁護士「それはだれの供述をもとに?」
証人「水谷建設の元社長の供述だったと思います」
指定弁護士「ほかのゼネコンからは?」
証人「細かい金銭の授受は出てましたが、水谷建設のように億単位の話は聞きませんでした」
指定弁護士「石川議員には何を聞きましたか」
証人「平成16年10月に5千万円の現金を受け取ったのではないか。また、17年3月に水谷建設から小沢事務所に5千万円が渡ったという事実を知っているのではないかということです」
指定弁護士「石川議員の取り調べで、建設関係の取り調べが占めた割合は?」
証人「記録はつけていませんが、私の感覚では半分ぐらいは水谷建設の話を聞いていたのではないかと思います」
指定弁護士「1億円をもらったか、もらってないかを聞くのに、それほど時間はかからないかと思いますが」
証人「押し問答でずっと続けていたわけではありません。水谷建設と小沢事務所の関係、秘書とゼネコンの関係などについても逐一聞いておりました」
指定弁護士「石川議員は5千万円の授受について、どう供述を?」
証人「当初から一貫して『そうしたことはない』ということでした」
指定弁護士「ゼネコンと小沢事務所の関係については?」
証人「小沢事務所のなかでゼネコン対応は大久保さんが行っていた、と。自分は口も出せないし、手も出せないと言っていました」
指定弁護士「石川議員の取り調べでは十数通の調書を作成しましたね。供述していないことを調書にしたことは?」
証人「ありません」
指定弁護士「供述した通りのことを調書にしたと?」
証人「実際には広範囲に、生々しい話をしていました。それをすべて調書にしたわけではなく、承諾が得られるところで調書にしたと思います」
《指定弁護士の質問によどみなく答えていく○○検事。小沢被告はじっと目を閉じたままだ》
◇
【小沢被告第9回公判(2)】
「八方美人で正論に弱い」 石川議員は横柄だった!?
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121512310004-n1.htm
2011.12.15 12:29
(10:20〜10:40)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の取り調べを行った○○検事(法廷では実名)が証人として出廷し、検察官役の指定弁護士が質問を続ける》
《弁護側は、○○検事が取り調べで「特捜部は恐ろしいところだ」「これくらい書いても小沢さんは起訴にならない」などと威迫や誘導を行ったと主張している》
《指定弁護士は、○○検事の取り調べの状況を尋ねていく》
指定弁護士「(石川議員が取り調べの中で)どの程度、真実を語っていたと思いますか」
証人「感覚ですが、私としては7割くらいは、本当のことを話していたと感じていました」
指定弁護士「真実ではない3割とは、どういうことですか」
証人「小沢被告の関与の度合いを薄く証言しているのではないかと感じていました」
指定弁護士「信頼関係は築けたと思っていますか」
証人「ええ、当時はそのように思っていました。少なくとも、被疑者と検事の対立関係はありませんでした」
《石川議員は保釈後の平成22年5月、東京地検特捜部の任意聴取の際、ICレコーダーで、○○検事の取り調べの内容を隠し録音していた》
指定弁護士「録音では、先輩と後輩の親しい関係のやりとりもありますが…」
証人「まぁ、そこまでは、行きませんが、大学が同じで、高校時代にやっていたスポーツも同じで私自身は親しみを感じていました」
指定弁護士「雑談には、どれくらいの時間を割いていましたか」
証人「計っていないので分かりませんが、それほど多くはありません。ただ、雑談をする際は、形だけのものにはしていませんでした」
指定弁護士「形だけにしないというのは、どういうことですか」
証人「石川さんの出身地の話や、両親ら家族の話、小沢被告の書生になった後の苦労話などです」
指定弁護士「石川議員の著書の中では、(先輩の)衆院議員の話も出てくるが…。雑談の中で、何か記憶に残っていますか」
証人「本当かどうかは分かりませんが、石川さんは(先輩議員らから)『事実は認めてはいけない』とか『日本の政治、小沢先生のために、(石川議員が)防波堤にならなければならない』などと言われたと話していました」
《指定弁護士は、取り調べの状況を尋ねていく。小沢被告は、うっすらと目を開けて前を見据え、質問に耳を傾ける》
指定弁護士「石川議員は取り調べの当初のころは、どんな感じでしたか」
証人「ひと言でいって私は『横柄(おうへい)だな』と感じていました」
指定弁護士「具体的には?」
証人「石川さんの説明に『納得できない』と異議を唱えると、『検事が納得できようが、納得できまいが関係ない』という感じでした」
指定弁護士「これまで証人は、いろんなタイプの被疑者に接してきたのでしょうが、石川議員は、どんなタイプですか」
証人「これも決めつけは難しいですが、八方美人かつ正論に弱いと感じていました。自分は立派な人間で誠実でありたいという気持ちが強いと判断していました」
《指定弁護士の質問に対し、○○検事は、はっきりとした口調で答えていく》
指定弁護士「そういう性格と判断した石川議員に対して、どう接しようと思ったのですか」
証人「最初に『(私は)フェアにやる』と説明しました。また、黙秘権もあり言いたくなければ言わなくても構わないが、正直に事実を話し、積極的に嘘をつくのはやめてほしいと約束しました」
指定弁護士「そう説得して、徐々に信頼を得ていったのですね」
証人「石川さんは国民から負託を受けた国会議員であり、その議員がいい加減な話をすれば、選挙民を裏切ることになると説得しました」
指定弁護士「具体的に本件では真実を語っていると感じていましたか」
証人「先ほども話しましたが、真実に近い話はしていたと思います。ただ、いろいろな事情があって、譲れないところもあったのでしょう」
《続いて、指定弁護士は具体的な供述調書の細部についての質問に切り替えた。問題の土地の購入に際し、小沢被告は4億円の資金を用意していたが、その後、りそな銀行からも定期預金を担保に4億円の融資を受けていた。石川議員は公判でこの計8億円について「小沢被告から預かった4億円を担保に4億円を借りたので、記載は借りた4億円の1回でいいと認識していた」と証言している》
指定弁護士「石川議員は取り調べでも、このような説明をしていたのですか」
証人「まったくありません」
指定弁護士「証人は、このような説明が成り立つと思っていますか」
証人「(成り立つとは)考えられません。政治資金収支報告書には、政治団体の収入すべて、つまり8億円を記載しなければなりません」
《平成16年の収支報告書には、4億円の借入金が収入として記載されている》
指定弁護士「この4億円を、石川議員はどの4億円と説明していましたか」
証人「りそなの4億円です」
指定弁護士「小沢被告の4億円については?」
証人「記載していないと説明していました」
指定弁護士「収支報告書の小沢被告への説明については、(石川議員は)どう説明していましたか」
証人「平成17年3月の提出前に原案と収支報告書の一覧を、東京・赤坂の事務所の部屋の机に並べ、小沢被告に説明したと話していた記憶があります」
《石川議員は、公判で小沢被告は年1回、年末に収支一覧表を見せて関係5団体の収入と支出を説明するだけで、政治資金収支報告書を見せることはなかったと主張している》
指定弁護士「年末の説明については」
証人「12月下旬の忘年会の際に、法人と個人献金の増減を報告していたと言っていました」
指定弁護士「この際に収支一覧表を見せたといっていましたか」
証人「そういう話はありません」
《問題の土地の不動産登記は、代金の支払いを終えた平成16年10月から、翌年1月にずらされている。石川議員は、これを前任秘書の樋高剛衆院議員からアドバイスを受けたと証言していた。指定弁護士は、この点も確認していく》
指定弁護士「樋高議員の事件の関与について、何か話していましたか」
証人「まったく供述していません」
指定弁護士「樋高議員について、どう話していましたか」
証人「確か、登記をずらすことは、樋高議員らと話をしているときに、石川議員が思いついたと」
指定弁護士「本件への関与については」
証人「(樋高議員は)まったく関与していないといっていた。むしろ、私の方が(樋高議員の)関与を疑ったくらいでした。すべて自分(石川議員)で思いついたとは、考えられなかったので…」
《○○検事は、淡々と石川議員の主張を否定する証言を続ける。小沢被告もじっと、やりとりに耳を傾け続ける》
◇
【小沢被告第9回公判(3)】
「特捜部は恐ろしい組織」発言 石川議員に「うんうん相づち打っただけ」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121512490005-n1.htm
2011.12.15 12:48
(10:40〜11:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の聴取を担当した○○検事(法廷では実名)への証人尋問が続いている》
《検察官役の指定弁護士は、石川議員が逮捕される前日の平成22年1月14日の任意聴取の状況について、証人の○○検事に尋ねていく。○○検事は石川議員ら3秘書の公判にも証人として出廷。今回問題となっている土地購入の4億円について、22年1月14日の取り調べで、石川議員が政治資金収支報告書の記載について「書き忘れではなく、意図的に記載しなかった」と供述した経緯を証言している。指定弁護士は改めて聴取の概要を確認し、石川議員の印象について尋ねる》
証人「石川さんはその都度言い分が変わり、前後の発言が矛盾していた。私は『1つ1つについて有利、不利を考えて話をするから、つじつまが合わなくなる。事実を話せばつじつまが合う』と説得しました」
指定弁護士「それで、石川さんに変化があったんですか」
証人「説明に窮し、黙り込んでいる時間も長かったですが、結局『自分のことは認める』と言いました」
指定弁護士「どういう意味ですか」
証人「虚偽記載は書き忘れではなく、意図的に不記載にしたということです」
《証人の検事は、石川議員がこの日の調書について「1日待ってほしい」とためらったが、説得して署名させたこと、小沢被告の関与については「一切関係ない」と否認していたことを説明。指定弁護士に調書内容について感想を問われ、答える》
証人「不合理な弁解を引っ込めたという段階。真相に迫っているとは、およそ言えませんでした」
《翌15日に逮捕された石川議員。これまでの公判では、この15日の前後に「特捜部は恐ろしい組織なんだから、何するか分からないぞ」と検事から威迫を受けたと主張している。証人の検事はこの発言について改めて否定する》
指定弁護士「このような発言をする状況でしたか」
証人「いいえ。そもそも石川議員の供述は内容自体が不合理で、有効性が期待できませんでした。それに、政権与党の幹事長に関する捜査で、取り調べは慎重に慎重を期していました。任意の取り調べでは録音される危険もあるし、『足下をすくわれることを言うな』と、上司から口酸っぱく言われていました」
「石川議員には当然弁護士もついているので、不合理な言辞は使えません。弁護士を通じて抗議を受ければ、取り調べしづらくなります」
指定弁護士「聴取後に本人や弁護士から、威迫があったと抗議を受けましたか」
証人「私自身受けていませんし、(上司の)主任検事からも抗議があったとは聞いていません」
《ここで、指定弁護士は石川議員が昨年5月の任意の再聴取で、証人の検事とのやり取りをひそかに録音した「隠し録音」を再生する。雑音も入るが、「『早く認めないと、ここは恐ろしい組織なんだから、何するか分かんないぞ』と諭してくれたことがあったじゃないですか」と話す石川議員に対し、検事が「うんうん」とうなずく音声が、廷内に響く》
指定弁護士「石川議員の発言を理解して『うんうん』と答えたんですか」
証人「録音を聞くまで、この(「恐ろしい組織〜」という石川議員の)発言自体を記憶していなかったほどです。理解、承認して『うん』ではなかったと思います」
指定弁護士「発言に応答したのではないと?」
証人「再生を聞いてもわかる通り、この前後でも私は『うーうー』と相づちを打っている。流れの1つである、というのがお分かりになると思います」
《指定弁護士は石川議員に対する威迫がなかったことを、念押しして尋ねる》
指定弁護士「威迫を受けて調書に署名した、と石川議員はそういう主張をしています」
証人「全くありませんでした。(石川議員が)承諾した範囲で調書を取っていますが、実際の取り調べでは(石川議員は)もっといろいろなことを言っています。水谷建設の問題については、完全に否認を続けていました。そういう石川さんの態度からしても、威迫はありませんでした」
《「一部(収支報告書の虚偽記載)について威迫の影響を受け、一部(『裏献金』問題)について主張を貫いているのは不合理だ」と、○○検事は繰り返し強調する。指定弁護士は続いて、石川議員が逮捕された15日の状況について質問していく。小沢被告は関心を示すやり取りも見当たらない様子で、終始目をつぶっている》
◇
【小沢被告第9回公判(4)】
「最低目標 水谷」特捜検事がノートに記載 1億円の裏献金「備忘のため」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121514010006-n1.htm
2011.12.15 13:59
(11:00〜11:35)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の取り調べを行った○○検事(法廷では実名)が証人として出廷し、検察官役の指定弁護士が質問を続けている》
《指定弁護士は引き続き石川議員が逮捕された平成22年1月15日の状況について質問を続けている。その際、○○検事が小沢被告の関与などを聞いたことについて質問をしている》
指定弁護士「どうして小沢被告が関与していると考えたのですか」
証人「陸山会は小沢被告の資金管理団体ですし、融資申請書や約束手形に自署があった。当然、何らかの関与があると考えた」
指定弁護士「石川さんの供述について、ご記憶はありますか」
証人「いろいろとありましたが、どんな話があったかを個条書きに話すのは難しいですが」
指定弁護士「取り調べにあたりメモは作成されていましたか」
証人「走り書きにはしてありました」
《指定弁護士は「記憶喚起のため」として○○検事に取り調べメモを見せることを求め、裁判長がこれを認める。ノートのコピーが廷内の大型モニターに映し出され、指定弁護士は平成22年1月16日のメモについて質問を行う》
指定弁護士「一番下に『そうか、そうしてくれ』と書かれているのは」
証人「石川さんが小沢被告に登記をずらすことを報告して『そうか、そうしてくれ』と言われたという供述です」
指定弁護士「この『ちゃんと戻すんだぞ』という部分は?」
証人「石川さんが小沢被告に4億円を借りた際に言われたことだと思います」
指定弁護士「その下に『最低目標 水谷』と書いてあるのはどういうことですか」
証人「水谷建設の(計1億円の裏献金)問題や、石川さんは西松事件のときに段ボールを持ち出した疑いがあったので、取り調べで聞かなくてはいけないという私の備忘のためです」
《メモを元に、当時の状況を克明に語る○○検事。指定弁護士の質問は、逮捕翌日にあたる22年1月16日の取り調べ内容を調書にしていない点を尋ねる》
指定弁護士「調書にしなかったのはどうしてですか」
証人「民主党代表選が近いという部分など、客観的事実かどうかわからない部分や抽象的な部分があったし、石川さんの供述が具体的に進展すると思いましたし。また、この日は午前中に弁護士の接見があったりして、取り調べが夜だけだったこともあります」
指定弁護士「1月17、18日にも(調書を)作成していないのはどうしてですか」
証人「石川さんが拒否したからです。弁護士に署名を拒否するように言われたからと」
指定弁護士「19日には作成しましたね」
証人「はい」
指定弁護士「(調書を作成するときに石川議員は)本件4億円の原資のくだりについて何か言ってましたか」
証人「調書の作成を始めたときに『それは困る。直接、見聞きしたことではない』と言っていた」
《この日の調書には、4億円の原資について、石川議員が「小沢被告が政治活動の中で何らかの形で蓄えた簿外の資金で、表に出せない資金だと思った」と証言したことなどが書かれている》
指定弁護士「調書作成時に石川さんから何か言われましたか」
証人「『これで小沢先生は共謀の共同正犯ですかね』とふっかけられた」
指定弁護士「あなたは何と答えましたか」
証人「事実なら仕方ないと言ったら、『仕方ないではすみませんよ!』とくってかかられた。なので他の証拠と合わせてみて、共謀の成立に十分、不十分があるので何とも言えないと答えた」
指定弁護士「それについて何と言われましたか」
証人「『検事はどう思いますか』といわれた。今後、具体的に供述が進展すると思っていたので、これだけでは(共謀の成立は)厳しいのではと言った」
指定弁護士「平成22年1月30日の調書ですが、4億円の(支出記載の翌年への)先送りは(小沢被告への)報告、了承を得たとありますね」
証人「はい」
指定弁護士「石川さんは他の検事に何と答えてましたか」
証人「『了解なくやったので小沢先生は知らない』ということでした」
指定弁護士「それは誰から聞きましたか」
証人「小沢被告の取り調べを担当した検事から聞きました」
《質問は石川議員の保釈後の平成22年5月17日に行った任意聴取に移る。この際の取り調べ内容は、石川議員が隠し録音し、その内容は第2回公判で廷内でも再生されている》
指定弁護士「次に平成22年5月17日の石川さんの調書です。検察審査会の議決を受けての取り調べですね」
証人「はい」
指定弁護士「石川さんの供述はどうでしたか」
証人「従前通りだったと思います」
指定弁護士「この日、石川議員には、どういうことを聞こうと思っていましたか」
証人「水谷建設のことや、小沢被告の事件への関与について従前の供述を維持するかどうかについて聞こうと思っていました」
指定弁護士「それまでのメディアでの石川さんの言動は?」
証人「後退していました」
指定弁護士「当日の石川議員の取り調べで何か考えていましたか」
証人「起訴後に会っていなかったので、まずは近況を聞いて信頼関係を築こうと思っていました」
指定弁護士「録音されているとは思っていなかった?」
証人「はい」
指定弁護士「実際の録音テープはあなたも聞かれましたか」
証人「はい」
指定弁護士「どう思いましたか」
証人「全体で聞いてもらえれば、おかしなことをしていると非難されるものではない」
指定弁護士「この日の取り調べで石川議員は従前通りの供述を変えようとしていましたか」
証人「それはありました。1点は『(収支報告書の記載の先送りを)登記をずらすのが主目的で4億円を隠すためではない』ということ。2点目は『収支一覧表の作成は3月ではなく12月だった』ということ」
指定弁護士「登記の先送りについては、(録音の中で)10回くらい(石川議員の供述が)出てきています。どう思いましたか」
証人「合理的であれば調書に取り入れるが、合理的ではなかった。なので、調書を作ろうと思ったがとりやめた」
《ここで指定弁護士は録音テープのやりとりを書面に起こした証拠を取り出し、質問を始める》
指定弁護士「取り調べの中であなたが『めんどくせーからさ』と言っていますが、これはどういう趣旨の発言ですか」
証人「この日突然、収支一覧表の話をしてきたので、また根拠のない話をし始めたなと思いました」
指定弁護士「小沢被告がどうしたら起訴されないかを話しましたか」
証人「そうではありません。真実に近い内容を供述してほしかった。起訴を避けるために、こうしろとは言っていない」
指定弁護士「石川さんが新たに調書に入れようとしたところは、あなたとしては、調書に入れるとどうなると思いましたか」
証人「起訴の可能性が高まることはあっても、低くなることはないと思いました」
《ここで、弁護側が「誰の起訴」と質問をはさみ、指定弁護士は「小沢さんの」と答えた》
指定弁護士「石川さんはなぜこのようなことを調書に入れさせようとしたと思いますか」
証人「石川さんがそう言うことで、小沢被告の起訴を回避したかったのではないかと思います」
指定弁護士「あなたはそうすることで逆に起訴の可能性が高まると思っていたんですね」
証人「私はそう思っていました」
指定弁護士「あなたが石川さんに、従前の供述を維持させようと思ったのは問題なかったということですか」
証人「問題ありませんでした」
《○○検事は、石川議員がひそかに録音していた昨年5月の任意の聴取について、「より真実に近い供述をさせようと録音にあるようなことを言った」と説明。○○検事は、石川議員に対する取り調べは、「石川さんの立場に立っているというスタンス」だったと強調した》
指定弁護士「最後に聞きますが、石川さんが同意していないことを調書にしたことはありましたか」
証人「それはありません」
《○○検事は、はっきりとした口調で言い切った》
《ここで午前の審理は終了した。大善文男裁判長は午後1時からの再開を告げ、○○検事に退廷を促した。○○検事は足早に法廷をあとにした》
◇
【小沢被告第9回公判(5)】
「組織として本気になれば」と再逮捕示唆 特捜検事「客観的な意見」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121515180007-n1.htm
2011.12.15 15:17
(13:00〜13:30)
《資金管理団体「陸山会」をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、約1時間半の休憩を挟んで、再開した。証人として出廷した○○検事(法廷では実名)に対する弁護側の反対尋問が行われる》
《傍聴人が席に着いた後、小沢被告は午後1時すぎ、やや遅れて入廷した。裁判長への一礼もいつもより軽めで、足早に弁護側の席に向かい、弁護士らに「すみません」と一声かけてから席に着いた。何らかの理由で遅くなったようで、少し息が上がっていた。続いて○○検事が入廷し、証言台に座った。小沢被告は気持ちを落ち着けるように、目をぎゅっと目をつむり、鼻をこすった》
《男性弁護士が立ち上がり、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=への取り調べについて、○○検事に質問を始めた。まず男性弁護士は、○○検事が検察官役の指定弁護士側の証人として出廷するために、指定弁護士と事前に打ち合わせをしたか尋ねた。○○検事は今年11月から4回にわたり、東京地検で、毎回午後1時から5時ぐらいまでの間、打ち合わせをしたと答えた》
《さらに弁護側は、事前にどのような資料を見たかも尋ね、○○検事は自らが聴取した石川議員の検察官調書などを事前に見たと答えた》
弁護人「(打ち合わせで)録音(石川議員が取り調べを隠し撮りしたテープ)は再生しましたか」
証人「1回あったと思います」
弁護人「今までその時以外に、聞いた機会はありましたか」
証人「あります」
弁護人「いつごろですか」
証人「録音が存在すると分かった直後に説明を求められたので、そのときに聞きました」
弁護人「通して聞いたのはそのときだけですか」
証人「その1回です」
《弁護人は録音を書面に書き起こした「反訳書」を見たかと尋ね、○○検事は見たと答える》
《さらに、捜査報告書について尋ね、○○検事は、石川議員の取り調べを行った平成21年12月から22年5月17日までの間に、3〜5通を作ったと答えた。捜査報告書は自身の判断や主任検事の指示で作るとも答えた》
弁護人「あなたが、陸山会事件にかかわったのは、21年7月から22年5月下旬でよろしいですか」
証人「はい」
弁護人「この事件は、収支報告書の虚偽記載と不記載についてと、ゼネコンからのお金の授受ということで、2つの事件があったのですか」
証人「(小沢被告が提供した)4億円の原資が問題になっていたので、収支報告書の内容とゼネコンからの金銭授受について両方問題になっていました」
弁護人「裏付けの課程で、水谷建設(の1億円の話)が出てきたのですか」
証人「はい」
弁護人「水谷建設のお金の授受について、検察は事件として立件しましたか」
証人「立件してないと認識しています。客観的にはどうか分かりませんが」
《続いて弁護側は○○検事が事件に関連してどのような捜査を行ったか尋ねた。○○検事はゼネコンや下請けの従業員、石川議員の後援者など関係者への聴取を行ったと答えた。さらに、弁護側は石川議員の後援者の取り調べについて詳しく尋ねた。○○検事は、21年秋以降に、東京と北海道・帯広の関係者3人を聴取したと答えた》
弁護人「地検の同僚が、ほかの関係者の取り調べをしているというのは知っていましたか」
証人「ゼネコンや下請けの関係者は多く呼ばれていると思っていたので、聴取は行われていると思いました。しかし、いつ誰が、誰を調べているかは分かりませんでした」
《○○検事は、事件を担当していた主任検事を通じて、関係者がどんなことを供述しているかを聞く機会もあったと答えた》
弁護人「石川さんの周囲にいる秘書に対する聴取は聞いたことがありますか」
証人「全く知りませんでした」
《続いて弁護側は、石川議員への取り調べの内容について尋ねていく》
弁護人「あなたは石川さんに対して『この事件はどう収めるかだ』と言ったことはありますか」
証人「ありません」
弁護人「『特捜部はこわい』『捜査が広がる』『何するか分からないぞ』というような、石川さんにそう理解されるような言葉を言ったことはありますか」
証人「言ったことはありません」
弁護人「22年5月17日の取り調べの反訳書の72ページで『地検の怖さは身をもって分かりました』と石川さんが言っていましたが、石川さんがそう感じてるとは思いましたか」
証人「思いませんでした」
弁護人「石川さんは『地獄の20日間』と言っていますが、石川さんがそういう状況にいると感じたことはありますか」
証人「現職の国会議員ですし、相当つらい期間ではあると思っていました。とくに最初の5日間は相当落ち込んでいました」
弁護人「『特捜部が納得しないと、他にも強制捜査を及ぼさないといけなくなる』というようなことを石川さんに言ったことはありますか」
証人「言ったことはありません」
弁護人「直接的ではなくても、そう取られることを言ったことはありませんか」
証人「ありません」
《○○検事は弁護側の質問に対し、きっぱりとした口調で言い切った》
《弁護側は反訳書を○○検事に見せる》
弁護人「(石川議員の再逮捕について)『組織として本気になったときに、全くできない話かっていうとそうでもないわけじゃない』と言いましたか」
証人「言いました」
弁護人「それに類する話を、(石川議員の)身柄拘束中に言っていませんか」
証人「石川さんが再逮捕を心配して、私に聞いてきたことがありました。私は『分からない、やれる可能性がないとは言えない』と客観的な意見を言いました」
《弁護側は石川議員が録音したテープの内容について質問を続けた。小沢被告は微動だにせず、目をつぶったままだ》
◇
【小沢被告第9回公判(6)】
捜査報告書は「虚偽」!? 説得経緯…隠し録音と大きな隔たり
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121515460008-n1.htm
2011.12.15 15:45
(13:30〜14:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の取り調べを行った○○検事(法廷では実名)の弁護側の証人尋問が続いている》
《石川議員は保釈後の平成22年5月、東京地検特捜部の任意聴取の際、ICレコーダーで、○○検事の取り調べの内容を隠し録音していた。○○検事は、この日の任意聴取の内容を記した捜査報告書を作成しているが弁護側は、この報告書と録音の差異を問いただしていく》
弁護人「平成22年5月17日の取り調べで、あなたは捜査報告書を書いていますね」
証人「書きました」
弁護人「何日に書きましたか」
証人「5月17日に書き始めまして、何日かかけて完成させたと思います」
弁護人「何ページの報告書ですか」
証人「5、6ページだったでしょうか」
弁護人「あなたが書いたものでしょう」
証人「5、6ページか、もう少し多い10ページだったか。いずれにしましてもそれくらいだったと思います」
弁護人「それを何日もかけたのですか」
証人「別の仕事もしながら、合間、合間に作成しましたので…」
弁護人「中身は覚えていますか」
証人「だいたいは把握しています」
《ここで男性弁護士は、○○検事に、捜査報告書を示す》
弁護人「1ページ目にあなたの署名と押印があるが、間違いありませんか」
証人「はい」
弁護人「東京地検特捜部長あてになっているが」
証人「そうです」
《続いて、男性弁護士は捜査報告書の中身を示す。石川議員は11万人の有権者の投票を受けて当選したが、大半は「小沢一郎の秘書」というのではなく、個人を信頼して投票したはずだと、○○検事に言われたことを契機に、調書のサインに応じた−とする内容が具体的なやり取りとともに記載されている。だが、実際の録音にはこうしたやり取りは残っていない》
弁護人「やり取りがないのに、どうして(捜査報告書には)記されているのですか」
証人「やり取りがあったと認識して書いた」
弁護人「実際のやり取りと異なるのが、記載されたことですか」
証人「この日の取り調べを一言一句記載したのではなく、思いだし、思いだし記載した。拘留中に話したことや、保釈後に話したことの記憶が混同していたと思う」
弁護人「もう一度聞きますが、5月17日から数日で書いたのですね」
証人「はい」
弁護人「5月17日には、どこまで書いたのですか」
証人「それは記憶にはありません」
弁護人「虚偽の捜査報告書を書いたのではありませんか」
証人「そうではありません」
《弁護人は繰り返し差異を質問し、捜査報告書の信用性がないことを強調したい構えだ》
《続いて、弁護人は○○検事が石川議員に「(虚偽記載を認める供述を覆し)逆の供述をすれば、火に油を注ぐことになる」などと話したことを追及していく》
弁護人「(任意聴取の際には)こう伝えたことがありましたね」
証人「はい」
弁護人「繰り返し述べましたね」
証人「それは、石川さんが従前通りの主張だといいながら、実際に調書のサインの段階になると、『4億円を隠すつもりはなかった』などと覆す。その中で何度かやり取りがあった」
《ここで、弁護人は再び捜査報告書に話題を戻す》
弁護人「何のために捜査報告書を作っていたのですか」
証人「調べが終われば、作るように、と指示されていました」
弁護人「指示はだれからか」
証人「主任検事です」
弁護人「あなたは、何日かかけて作るうちに、記憶が混同して、やり取りのない内容を記したということでしたね」
証人「かいつまんで言えばそうです」
弁護人「これが検察審査会の小沢さんの起訴議決にも影響を与えた可能性があったと分かっていましたか」
証人「協議の内容については、分かりません」
弁護人「可能性の話ですよ」
証人「可能性の話ならば…」
《男性弁護士は、検察審査会の議決の理由に、捜査報告書の内容を挙げている点を紹介し、追及していく》
弁護人「理由に捜査報告書の内容が挙がっていることは認識していましたか」
証人「議決自体は見ていないが、報道レベルでは知っていました」
《続いて、男性弁護士は隠し録音のやり取りを追及していく》
《○○検事が任意聴取の際に「石川さんの供述がさ、やっぱり功を奏したんでしょ…」などと言った隠し録音の部分を紹介した》
弁護人「功を奏するというのは?」
証人「小沢さんが起訴されないことを指したと思います」
弁護人「なぜ、そんなことを言ったのか」
証人「石川さんに同調するように言っただけで、事実だという趣旨で言ったのではありません」
《○○検事は、石川議員を取り調べる際、「フェアプレーで本当のことを言ってほしい」と約束していたとされる》
弁護人「フェアプレーであると言いながら、あなた自身は事実を認識できないことを話すのですか」
証人「客観的な事実は分からない。(小沢被告の)起訴を望んでいなかった石川さんに同調した形で話しただけです」
《さらに、弁護人は隠し録音の『功を奏した』と話す別の部分も取り上げ、○○検事に尋ねていく。小沢被告は、じっと前を向き姿勢を崩さない》
◇
【小沢被告第9回公判(7)】
「12月だろうが、3月だろうが変わんねーからさ」 弁護側「検察官調書ってそういうものですか」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121516180010-n1.htm
2011.12.15 16:17
(14:00〜14:30)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の聴取を担当した○○検事(法廷では実名)に対する弁護側の証人尋問が続いている》
《弁護側は、昨年5月、小沢被告の強制起訴の前に行われた石川議員に対する任意の事情聴取で、石川議員がひそかにやり取りを録音していた「隠し録音」の発言を廷内モニターに表示。「僕は小沢一郎を裁判にかけたいと思っていないわけ、前から言っているようにね」という発言から、順番に質問していく》
弁護人「『われわれ(○○検事と石川議員)の作戦で、小沢さんは起訴になっていない』とあなたは言っています。小沢さんを不起訴にする、という共通目的を持っていると理解されますが」
証人「石川さんの立場に立って取り調べをしています。そう理解されるでしょう」
弁護人「事実ではないんですか」
証人「私は石川さんにも小沢さんにも近くありません」
弁護人「では、石川さんの立場に立って、『○○検察官と石川被疑者は小沢氏の不起訴という共通目的を持っている』とするのは、積極的に嘘をついていることにならないですか」
証人「…。あのー、別に石川さんをだまそうとしたわけではないですし、積極的に嘘をつくというのは当時全く考えられません。実際、石川さんもそう思わなかったんじゃないですか。検事が不起訴を望む、なんて」
《次に表示されたのは、「法律家としては、(小沢被告の)共謀の認定はちょっときついという話はしたよね」という部分だ》
弁護人「具体的にどういうやり取りの中でこの話をしたのか、正確に言葉通り説明してください」
証人「(石川議員が逮捕される前の、小沢被告への報告・了承を認めた昨年)1月11日の調書作成を終えた後、石川議員から『これで(小沢被告も)共謀共同正犯ですね』と議論をふっかけられて。『共謀の認定もいろいろあって、総合的に考えて十分という場合もあるし、この供述だけでは(認定が)厳しいという考えもある』と言いました」
「そうすると、石川さんから『○○検事の考えはどうか』と尋ねられたので、『個人的にはきつい気がする』という話をしました」
《続いて、土地購入原資の4億円に対する、○○検事の「汚い金だっていうのは、検察が勝手に言ってるだけで、水掛け論になるから相手にしなくていい。証拠ないんだから。別に」という発言がやり玉に挙がる。石川議員の調書の信用性を確認するというより、取り調べ手法への批判に主眼が置かれているような印象を受ける》
弁護人「『4億円は汚い金』という証拠がない、と石川さんに伝えたんですね」
証人「あの…、言葉ではそうです。言葉の勢いで言ってしまいました。証拠がない、というのは事実に反します」
弁護人「あなた、4億円の出所の重要性をよく知っていて、前年から捜査していたんですよね。取り調べの半分は水谷建設の件に費やしている。そういう重要なことを、取り調べの検察官が勢いでいいますか?」
証人「このときは、そうですね」
弁護人「嘘をついたんですね」
証人「嘘ではありません。(隠し録音を文書に起こした)反訳書を見ると、言い過ぎたな、と。言い過ぎを後悔しているということです」
「この日は石川さんに水谷建設のことを聞いても仕方がない、と思っていました。否定する一方だったので。しかし、石川さんが水谷の話をほじくり返すので、止めさせようとして、そう話しました」
《「自分で言うのもなんだけど、なかなかうまい表現だと思うよ」。小沢被告から受け取った4億円の原資について石川議員が「小沢先生が政治活動の中で何らかの形で蓄えた簿外の資金であり、表に出せない資金」と認識していた、とする石川議員の調書の表現について、○○検事の“作文”だった可能性を示す発言だ。男性弁護士はここで、さらに攻勢を強めていく》
弁護人「『簿外の金』とは、あなたが言いだしたんですか」
証人「違います。…訂正します。私が言い出したか、石川議員が言い出したかは分かりません。ただ、『簿外の金』という表現で、会話がかみ合っていたのは事実です」
弁護人「『自分で言うのも何だけど』とは?」
証人「固有名詞を隠して、丸めて表現しているところを言っています」
《さらに、弁護側は、石川議員の小沢被告との「報告・了承」時期について、石川議員が調書の訂正を求めた際の「12月だろうが、3月だろうが変わんねーからさ、また変わると、なんでじゃあ変わったのってなっちゃうからさー。めんどくせーからさ」という発言を引用する》
弁護人「検察官調書ってそういうものですか? 不合理な話が出ても何のやり取りもないまま?」
証人「実際の報告が(平成16年)12月だった、という話はこの日に初めて出ました。客観的な証拠に矛盾するし、根拠もなく不合理でした。だから、『まあまあ(仕方がないです)』と石川さんが(訂正を)あきらめたんだと思いました」
《男性弁護士はさらに、午前中の公判で「石川さんの話は7割が本当、3割が虚偽と認識していた」とする○○検事の発言の意味を改めて尋ねる》
証人「1点付け加えると、取調官というのは被疑者が本当のことを言っていると思いたいんです。自己弁護の気持ちはあったと思います」
《小沢被告はモニターと○○検事に交互に目をやり、審理に集中している様子。法廷で明らかにされるのが極めて珍しい検察官取り調べの詳細に、関心を持ったのだろうか》
◇
【小沢被告第9回公判(8)】
「寝ているとき以外は事件のこと考えていた」 特捜検事、色をなして反論
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121516490012-n1.htm
2011.12.15 16:48
(14:30〜15:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の取り調べを行った○○検事(法廷では実名)が証人として出廷し、弁護側の反対尋問が行われている》
《男性弁護士は石川議員が保釈後の平成22年5月17日に行われた取り調べの隠し録音を記した「反訳書」の内容について、○○検事に質問を続けている》
弁護人「石川さんと小沢さんの共謀について、あなたの調書を主要な証拠として認定できると考えてましたか」
証人「そこは分かりません」
弁護人「通常ならば取調官なら膨大な証拠があるので意見を言うことはできるのではないのですか」
《ここで検察官役の指定弁護士側が異議を唱える。「小沢被告と石川議員の共謀が成立するかどうかの正否を検察官に尋ねるのは不適当」というのが理由。だが、弁護側は「5月17日の取り調べについて話す中で、当時の取調官が共謀が成立するかどうかの認識を持っているかどうかは重要な判断だ」と理由を説明。大善文男裁判長は異議を棄却した》
弁護人「では改めて。5月17日の取り調べに当たり、共謀は当然認められると思っていましたか」
証人「…そこは何とも言えないところですが。この供述だけでは厳しいかなというのが率直な印象でした」
《ここで弁護側の反対尋問が終わり、指定弁護士の再尋問が始まった》
指定弁護士「1月19日に作成された調書について、4億円の原資についてはどういう記載となったかご記憶にありますか」
証人「『小沢先生が政治活動の中で何らかの形で蓄えた簿外の資金であり、表に出せない金』ということでした」
指定弁護士「ここで『簿外の金』と使われていますが、どちらから出た言葉か記憶にないですか」
証人「どちらともなく出たと思います」
指定弁護士「(『政治活動の中で』の意味について)もう少し詳しく覚えていますか」
証人「経世会、新生党、新進党、自由党、民主党など、(小沢被告が関係した)政党などが離合集散する中で、という表現だったと思います」
指定弁護士「(昨年)5月17日の取り調べは、1日で終わることになっていましたか」
証人「そういうふうに聞かされておりました」
指定弁護士「調書を作成されないこともありますが、この日は調書を作成したいという気持ちはありましたね」
証人「はい」
指定弁護士「当初、収支一覧表について石川議員は『3月』に小沢被告に見せて説明したとしていたが、石川さんの供述がぶれたので調書に記さなかった」
証人「はい」
指定弁護士「石川さんが『12月』に作成して見せたと言ったときにどう思いました」
証人「まだ根拠のない弁解を始めたなと思いました」
指定弁護士「石川さんはそういうことを繰り返すことがある」
証人「はい」
《指定弁護士の再尋問はここで終了したが、弁護側が再度、質問を行うこととなった。弁護側は、○○検事が平成22年1月に石川議員を取り調べた際に作成したメモを大型モニターに映し出す。記載されている数字から、メモは1月15日午後6時15分から午後11時31分に作成されたことが分かる》
弁護人「実際に石川さんの調書を作成したのは何日でしたか」
証人「1月19日でした」
弁護人「メモの中で、石川さんが話した政党の固有名詞が出ていないのはなぜですか」
証人「客観的事実がない。後で調べたら分かると思っていました」
弁護人「石川さんが供述していたけれども、その日は調書も取らない。3日も経ったらあなたの記憶が混濁するのではないですか」
証人「何党が何党に変わったかは重要ではないと思っていた。この供述自体も半信半疑だったので」
《弁護側は、○○検事が取り調べメモに記載していない内容を、3日後の調書作成の際に思い出すことができるのかを追及。調書の信憑(しんぴょう)性を揺るがしかねない質問に、○○検事も色をなして反論する》
弁護人「半信半疑であれば、なおさら供述を照らし合わせることが必要ではないのですか」
証人「そんなことを言ったら、調書に書いてないことはたくさんありますよ!」
《弁護側の質問は終了。だが、最後の部分に納得がいかない指定弁護士が再度、質問を行う》
指定弁護士「あなたは調書を書く際に、石川さんの供述を覚えていますね」
証人「はい。寝ているとき以外はこの事件のことを考えていましたので」
指定弁護士「詳細なメモを作る人もいると思いますが、あなたはどうですか」
証人「被疑者の一挙手一投足を見ています。いちいちメモを取りながらやっていたら取り調べにならない」
《指定弁護士側、弁護側とも、これ以上の質問はないようだ。続いて裁判所からの質問に移る。まず左陪席の裁判官が質問する》
裁判官「それでは私から質問します。確認になりますが、副部長の□□検事(法廷では実名)についてですが、上下関係では□□検事が上になるのですか」
証人「私の上はそうですが、その上に特捜部長がいます」
《○○検事も落ち着きを取り戻し、冷静な口調で質問に答えていく。裁判官の質問が続く》
◇
【小沢被告第9回公判(9)】
「危険な調べという自覚は?」 裁判官の指摘に検事「軽口でした」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121517070016-n1.htm
2011.12.15 17:06
(15:00〜15:15)
《資金管理団体「陸山会」をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、証人として出廷した○○検事(法廷では実名)に対する裁判官の質問が行われている》
《左陪審の裁判官が、平成22年5月17日の取り調べで、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=が供述を覆すことで、「小沢被告の起訴の可能性が高まる」という見通しを○○検事が持った根拠について尋ねた》
証人「合理的であればいいんですけど、不合理な弁解をすれば、検察審査会は国民が判断するとあって、より起訴の可能性が高まるという見通しを持ちました」
裁判官「あなたの上司や同僚で、そういったことを言っていたのですか」
証人「いえ」
裁判官「『認めれば小沢被告が起訴にならない』という発言は、少し危険な取り調べをしているという自覚がありましたか」
証人「そうですね。一般的には言わないですし、言葉のとらわれ方によっては…」
裁判官「当時はその認識がありましたか」
証人「当時ですか?」
《常に歯切れのいい○○検事が言葉に詰まった。少しの沈黙の後、再び答え始めた》
証人「そうですね。見通しを述べただけなので、取り調べをしているときに危険とか危険じゃないとか考えてはやっていないですね」
裁判官「当時は考えてなかった、と」
証人「はい」
《裁判官は念を押すように尋ねた》
裁判官「そのときに録音をされているということが分かっていたら、こういう説明はしませんでしたか」
証人「しなかったと思います」
《左陪審の裁判官の質問が終わり、続いて右陪審の裁判官が質問した》
裁判官「5月17日の捜査報告書は、供述内容よりも詳しかったですが、何を元にして作ったのですか」
証人「私の記憶です」
裁判官「メモなどは取らなかったのですか」
証人「一切取っていません」
裁判官「1月には取っていたが、5月17日は取ってないんですか」
証人「そうですね」
裁判官「記憶を喚起するものもなく、報告書を作られたんですか」
証人「そうですね」
《続いて、大善文男裁判長が質問に入った。裁判長も、逮捕直後と5月17日の取り調べについて尋ねた。○○検事はよどみなく答える》
裁判長「ほかの共犯者はこう言っているということを石川さんに告げて、取り調べをしたことはありますか」
証人「大久保(隆規元秘書=一審有罪、控訴中=)さんの供述を主任検事から聞いて、石川さんに聞いた(質問した)ことはあります」
裁判長「続いて5月17日の取り調べなんですが、『作戦が功を奏す』というようなことを言っていますが、石川さんは、作戦の中身について分かると思っていましたか。双方に共通の理解があったんですか」
証人「私も、軽口といえば軽口でした。厳密に話したとは言えません」
裁判長「最後になりますが、反訳書の中で石川さんが『東京地検特捜部の恐ろしさが、身をもって分かりました』と言っていますが、あなたはそれを聞いたときに、石川さんはどういうことを言っていると思いましたか」
証人「自分が逮捕されて勾留されていることについて言っていると思いました」
裁判長「それだけですか」
証人「はい」
《ここで○○検事に対する証人尋問が終わり、○○検事は足早に退廷した。30分間の休廷後に弁護側の証人として、石川議員の政策秘書の女性が出廷し、証人尋問が行われる予定だ》
◇
【小沢被告第9回公判(10)】
「ホニャララの被疑者として取り調べる」 特捜調べに女性秘書“絶望”
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121517590017-n1.htm
2011.12.15 17:58
(15:45〜16:15)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、約30分の休廷を挟んで、石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴中=の政策秘書の女性に対する、弁護側の質問が始められる》
《弁護側は、東京地検特捜部が平成22年1月に女性から任意で事情聴取した際に、被疑事実とは異なる内容の調べを行ったと主張している。さらに、女性が保育園に子供を迎えにいかなければならなかったのに、午後1時から午後11時まで取り調べを行い、石川議員に心理的な圧迫を与えたと主張している》
《大善文男裁判長が小沢被告の入廷を促す。小沢被告は裁判長の前を通る際に深々と一礼し、弁護側の席着いた。その後、女性が入廷し、証言台に着いた。女性は黒のスーツに身を包み、黒の長い髪をきちんと整えている。女性弁護士が立ち上がって質問を始める》
弁護人「出身地はどこですか」
証人「北海道です」
弁護人「最終学歴を教えてください」
証人「立命館大学文学部です」
弁護人「卒業は、いつですか」
証人「1998(平成10)年9月です」
弁護人「その後は?」
証人「民主党の国会議員秘書をしています」
弁護人「公設秘書ということですか」
証人「はい」
弁護人「だれの秘書ですか」
証人「石川知裕の政策秘書です」
弁護人「いつからですか」
証人「2007(平成19)年3月27日です」
弁護人「当選したときからということですね」
証人「はい」
《女性弁護士は経歴から確認し、女性秘書は小さいながらもはっきりした声で質問に答えていく》
弁護人「政策秘書とは、どのような仕事ですか」
証人「政策の立案やアシスタント、スケジュールの管理などです」
弁護人「仕事場は?」
証人「議員会館です」
弁護人「家族構成を教えてください」
証人「夫と子供2人です」
弁護人「子供はおいくつですか」
証人「7歳と5歳です」
弁護人「保育園に入れているのですか」
証人「はい。保育園です」
弁護人「家事は夫婦で分担しているのですか」
証人「夫は平日、湯河原にいますので、平日は私が家事をしています」
弁護人「そうした状況はいつからですか」
証人「7年前からです」
《女性弁護士は質問を繰り返しながら徐々に、問題に触れていく》
弁護人「あなたは東京地検特捜部の調べを受けていますね」
証人「はい」
弁護人「何回ですか」
証人「2回です」
弁護人「最初の調べはいつですか」
証人「昨年の1月26日です」
弁護人「どのように呼ばれたのですか」
証人「その日の午前10時に、▲▲(法廷では実名)と名乗る人から、私の携帯に電話がありました」
弁護人「何と?」
証人「午後1時45分に検察庁に来てくれということでした」
弁護人「何のためとの説明でしたか」
証人「何のためか分かりませんでしたので、『資料の返却ですか』と尋ねました」
弁護人「すると?」
証人「『はい』と言っていました」
弁護人「今までにも資料の返却に(検察庁に)うかがうことあったのですね。これまでとの違いはありましたか」
証人「はい。普段は時間を一方的に指定することはありませんでしたので、心配になりました。なので3回ほど、資料の返却か確認しましたが、そうですとのことでした」
《女性弁護士は呼び出し段階から不審な点があったと強調したい構えだ》
《女性秘書は資料の返却と思っていたため、軽装で名刺入れなどが入る小さなバッグ1つだけを持って指定された時間に行ったと主張。財布も持っていなかったという。だが、受付を終えると9階の検事の部屋に通された。自己紹介して初めて▲▲が検事であることを知ったとする。▲▲検事は身長は180センチぐらいで、眼鏡をかけ、女性秘書は「かっぷくがよかった」と証言した。▲▲検事は、まず女性秘書に対して「何で呼ばれたか分かりますよね」と切り出してきたという》
弁護人「あなたは何と答えたのですか」
証人「…。何で呼ばれたのか分かりませんと、資料の返却ですよねと逆に尋ねました」
弁護人「▲▲検事の答えは?」
証人「違いますと。あなたにお話ししてもらわないとならないことがあると言っていました」
《続いて、女性秘書は名前や戸籍などを紙に記入させられたという》
弁護人「その後は?」
証人「取り調べを始めると告げられました」
弁護人「何についての取り調べですか」
証人「ホニャララ、ホニャララの被疑者として取り調べると」
弁護人「ホニャララとは何ですか」
証人「わざとゴニョゴニョと聞きづらくしていましたし、被疑者のところだけ大きくしていましたし…」
《その後、▲▲検事は六法全書を開いて、黙秘権を説明し、聴取を始めたという。女性秘書は再び容疑を尋ねたが、▲▲検事は答えなかったとする。そして、持ち物を検査され、携帯電話も目の前でディスプレーを見せ、消すことを要求され、女性秘書は従ったと主張する》
弁護人「(記入した経歴を記した)紙について質問がありましたか」
証人「はい。紙に基づいて経歴を確認していきました」
弁護人「その後のやりとりは?」
証人「資料の返却に来ただけと思っていたので、取り調べならば、連絡をさせてほしいと懇願しました」
弁護人「(▲▲検事の)反応は?」
証人「駄目だと」
弁護人「理由は?」
証人「あなたに権利はないと。被疑者なら、せめて弁護士にも連絡させてくれと言いましたが、それもできないと言われました」
弁護人「それで何と?」
証人「▲▲検事は、私に『自分のことは自分が分かっているだろうから、自分から話せ』と。ただ、まったく思い当たることがなかったので黙っていました」
弁護人「膠着(こうちゃく)状態が続いたのですね。▲▲検事の反応は?」
証人「一方的に自分が検事になった理由などを話していましたが、だんだんとイライラされて、何で黙っているのかとヒステリックになりました」
《その後も、膠着状態が続き、2、3時間が経過したという。ここで、女性秘書は1回目のトイレ休憩を許され、こっそりと携帯で連絡を取ろうとしたが、圏外で無理だったという》
弁護人「どう感じましたか」
証人「絶望を感じ、被疑者を受け入れるしかないと考えました。そして、話せることは話すので、質問してほしいと訴えました」
《その後も具体的な質問はされず、保育園への子供の迎えを誰かに頼まなければならないと、外部への連絡を懇願し続けたという》
《だが、▲▲検事は「人生そんなに甘くはない」「自分が悪いんだから泣いても無駄だ」などとして、なかなか応じなかったとする。ただ、ようやく夫への連絡や事務所への連絡を許され、質問が始まった》
証人「資料を出してきてそれを元に質問がありました」
弁護人「資料とは」
証人「通帳のコピーのようなものでした」
弁護人「誰の名義か分かりましたか」
証人「やり取りの中で石川の政治団体のものだと分かりました」
《通帳には、女性秘書が何かを書き込んだ跡があったという》
弁護人「どんなことを聞いてきたのですか」
証人「何を問題にしているのか分かりませんでした。(書き込みは)あくまでも私のメモ。収支報告書は帳簿を見てつけるので、それを持ってきてほしいと言いました」
弁護人「すると」
証人「▲▲検事は事務官に指示して押収した段ボールを何個か持ってこさせていました」
弁護人「帳簿は見つかったのですか」
証人「入っていませんでした」
弁護人「帳簿が入っていないことも知らなかったのですね」
証人「はい」
《女性弁護士と女性秘書のテンポのよいやり取りが続く。小沢被告は女性秘書の横顔を見つめながら、公判の推移を見守っている》
◇
【小沢被告第9回公判(11)】
「こんなかわいい子供たちが…犯罪者の子供に…」 にやにや顔で女性秘書を「圧迫」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121518380018-n1.htm
2011.12.15 18:37
(16:15〜16:45)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の政策秘書の女性に対する弁護側の証人尋問が続いている》
《昨年1月26日に東京地検特捜部の参考人聴取を受けた女性秘書は「参考人」ではなく「被疑者」として扱われ、保育園に子供を迎えにいかなければならないのに、午後11時ごろまで帰してもらえなかったとされる。弁護側は「特捜部は何でもできるところだ、捜査の拡大がどんどん進む」という心理的な圧迫を石川議員に与えたと主張している》
《女性秘書は、取り調べを担当した▲▲検事(法廷では実名)から、家族の写真が入ったUSBメモリのデータを見せるよう要求されたといい、その時の状況を「悲惨」だとして詳細に語っていく》
弁護人「▲▲検事は家族の写真を見て、何と言ったんですか」
証人「(▲▲検事は)『こんな…かわいい子供たちが…』」
《女性秘書は涙で声を詰まらせ、続ける》
証人「『犯罪者の子供ということになったら、どう思うだろうね』、と…」
弁護人「どんな表情でしたか」
証人「にやにやしながらでした」
《女性秘書はそのやり取りの際、すでに午後8時を回っていたと説明。▲▲検事は家に帰ることも、電話で連絡を取ることも認めなかったという》
証人「どうしても帰りたい、と言ったら、(▲▲検事は)『人生そんなに甘くないよ』と。せめて子供が無事に家にいるか、確認させてほしいとお願いしましたが、初めのうちは『そんな権利はない』と。そのうちに私が過呼吸のようになり、『夫になら電話してもいいぞ』と許されました」
《午後9時を回っても、夕食をとらないまま取り調べは続いたという。朦朧(もうろう)とする意識の中、女性は座る姿勢について強い叱責を受けたエピソードを語り始める》
証人「机の下に手を置いて、ぎゅっと握っていました。急に机をボンッとたたかれて『話を聞く態度じゃない』と注意されました。さらにその後、背もたれに体を寄せると、またボンッと机をたたかれ、『人の話を聞く姿勢じゃない。背筋を伸ばせと言われました』」
弁護人「(同席する)検察事務官の様子はどうでしたか」
証人「夕方くらいからコックリコックリしていて、午後7時半以降は机に足を投げ出して寝ていました」
弁護人「▲▲検事は注意しないんですか」
証人「しません」
弁護人「聴取のメモは誰がとっていたんですか」
証人「誰も取っていません。事務官のノートパソコンも閉じたままになっていました」
《午後10時を回り、取り調べはすでに9時間を超える。女性秘書はようやく弁護士に連絡をとり、「脱出」するまでの経緯を語っていく》
証人「もう帰ります、と強く主張したところ、▲▲検事は『本当に、本当に、石川(議員)の心証が悪くなってもいいんだな。石川がどうなってもいいんだな』と、立ち上がって何度も言いました」
弁護人「それで思いとどまったんですか」
証人「帰れる権利はあると思い、弁護士に電話しました。体は硬直し、手が震え、(携帯電話の)電源を入れるのも大変でした」
弁護人「▲▲検事はどうしていましたか」
証人「『そんなことをしていいと思っているのか』と大声を出されましたが、制止を振り切りました」
弁護人「さすがに手は出してこなかったですか」
証人「はい」
弁護人「弁護士に何と言われましたか」
証人「(午後10時をすぎ)そんな時間に検察庁にいることに驚いた、と言われました」
《すぐに主任検事に抗議した弁護士から、間もなく女性に着信があったという》
証人「『(主任検事が)あなたはもう帰ったと言っている。本当に検察庁にいるのか』と聞かれました。そこで携帯電話を▲▲検事に渡しました」
弁護人「2人のやり取りは聞こえましたか」
証人「(弁護士の)先生は大声で抗議していたので聞こえました。『参考人として呼んだのか、被疑者として呼んだのか』と聞かれ、▲▲検事は『参考人』と答えていました」
《弁護士と▲▲検事のやり取りが終わっても、女性秘書の期待に反し、部屋を出ることはかなわなかったという》
証人「無事帰れると思って立ち上がったところ、ドアの前で通せんぼされ『座れ』と言われました。私を見下ろしてにやにやし、『弁護士に頼ってもムダだということが分かったでしょ』と続けました」
《その後、午後11時ごろになり、部屋にかかってきた内線電話で▲▲検事の態度が急変。女性は家に帰ることを許されたという。所持金もなく、歩いて議員会館に戻ったと振り返る》
《精神状態が不安定になり、左耳も聞こえない状態になったという女性秘書は、翌日に約束されていた取り調べをキャンセル。質問に立つ女性弁護士は、女性秘書が通院した際の診断書を示し、取り調べで受けたショックの大きさを強調する》
《同月31日に2度目の取り調べを受けた女性秘書は、聴取に応じた理由について「弁護士から『聴取を拒否すれば逮捕されるかもしれない。石川議員に何があるか分からない』と説得された」と説明。最後に、取り調べが与えた子供への影響を問われ、再び声をふるわせる》
証人「取り調べからしばらくの間、保育園に送っても私の足から離れませんでした。『ママがまた帰ってこなくなる』と、泣いて離れませんでした」
弁護人「子供は当時、いくつでしたか」
証人「3歳と5歳です」
《ここで弁護側の証人尋問は終了。検察官役の指定弁護士側が女性秘書に尋ねていく》
《指定弁護士は、女性に対する聴取の目的が、陸山会事件とは別に、石川議員の政治資金収支報告書の虚偽記載疑惑にあったことを確認。女性が管理していた石川事務所の銀行通帳の中で、献金を受けた相手の名前などが記されたメモ書きが消されている点について尋ねる》
弁護人「石川さんの政治資金として入金されたものが、収支報告書に記載されていない。その入金者の名前をあなたが消した、という問題があったんじゃないですか」
証人「やっていないので、そういう認識はありませんでした」
弁護人「検察側はそういう認識で聴取していたんではないですか」
証人「そういう疑いで取り調べをしている、と2回目の取り調べで説明を受け、納得しました」
弁護人「事実として、通帳のメモを消したことはありますか」
証人「あります」
《午後5時近くになり、小沢被告も肩や首を繰り返し動かすなど、疲労の色がにじむ》
◇
【小沢被告第9回公判(12)完】
家族写真入りUSBメモリも押収 弁護士「検察は何するか分からない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111215/trl11121518540019-n1.htm
2011.12.15 18:53
(16:45〜16:55)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第9回公判は、証人として出廷した元秘書の石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴中=の政策秘書の女性に対する、検察官役の指定弁護士側の質問が続いている》
指定弁護士「取り調べのときは陸山会とは全く関係のない話を聞かれたのですね」
証人「関係ない話でした」
《男性の指定弁護士の質問が終わると、隣に座る別の男性指定弁護士が「では私から」と立ち上がり、質問を続ける》
指定弁護士「あなたは大学卒業後、すぐに政治家の秘書になられたのですか」
証人「はい」
指定弁護士「あなたが秘書として勤めた方を具体的に教えてください」
証人「はい。(元)参院議員の円より子、衆院議員の田名部匡代、衆院議員の橋本清仁、衆院議員の首藤信彦。そして石川知裕です」
指定弁護士「計何年勤めていますか」
証人「13年です」
指定弁護士「秘書という仕事柄、家に帰るのが遅くなることがありますか」
証人「あります」
指定弁護士「体を壊したことはありますか」
証人「円事務所にいたときに3回入院しました」
指定弁護士「石川議員の秘書になって経理を担当をしていましたか」
証人「経理は最初の事務所からやっていました」
指定弁護士「マスメディアへの対応もやりましたか」
証人「スケジュール調整もあるのでやりました」
指定弁護士「あなたは石川議員の会計帳簿を作成していましたか」
証人「…会計帳簿とは、どういうものですか」
指定弁護士「政治資金規正法上の会計帳簿です」
証人「私が管理する団体に関しては担当していました」
指定弁護士「資金管理団体についてはやりましたか」
証人「はい」
指定弁護士「石川議員から『こうしろ』という指摘されることはありましたか」
証人「ないです」
指定弁護士「石川議員が会計帳簿をごらんになるときはいつですか」
証人「提出前の3月になります。団体によっては6月になりますが」
指定弁護士「それについて石川議員が『間違っている』ということはありますか」
証人「ないです」
《2人目の指定弁護士の質問が終わると、3人目の男性指定弁護士が「よろしいですか」と立ち上がり、質問を始める》
指定弁護士「平成22年1月26日に検察庁に呼ばれたときのことですが、『返却物があるから取りに来てくれ』ということでしたね」
証人「はい」
指定弁護士「あなたの(子供の写真が入った)私物のUSBメモリが検察庁にあった」
証人「はい」
指定弁護士「そのときすでに石川議員の事務所が差し押さえられていたのですか」
証人「そうです。強制捜査を受けていました」
指定弁護士「あなたにどういう容疑がかかっているのか分からなかったですか」
証人「分からなかったです」
指定弁護士「(石川議員の)弁護士から『あなたが行かないと逮捕とか、石川議員に何かあるかもしれない』と言われましたね」
証人「はい」
指定弁護士「弁護士はあなたが逮捕される可能性があることを知っていたのではないのですか」
証人「☆☆弁護士(法廷では実名)はオウム事件の弁護にもかかわったので『検察は免許証記載の住所地と住民票の住所が違うだけで逮捕する。何をするか分からない恐ろしい組織だ。対応した方がいい』と言われたからです」
《指定弁護士側の質問が終了した。弁護人側もこれ以上の質問はせず、大善文男裁判長が政策秘書の女性の退廷を促した。女性秘書は弁護側に一礼し、落ち着いた足取りで出口に向かう。顔は緊張のためか上気して、赤みがさしていたように見えた》
《大善裁判長が本日の審理の終了を告げた。小沢被告はこれまでの公判と変わらず、終始無表情を貫いた。次回は16日午前10時から。大久保隆規元秘書=1審有罪、控訴中=の聴取を担当し、証拠改竄(かいざん)事件で実刑判決が確定した前田恒彦元検事が証人として出廷する》
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