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大阪ダブル選挙 「“民意”は何を求めたのか」
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大阪維新の会の政治 岡山大学名誉教授・小畑 隆資
「地域と人権」 2011年12月15日号 5頁
大阪維新の会への期待=「大阪の再生」
11月27日の大阪ダブル選挙は、大阪都構想をかかげた大阪維新の会が圧勝し、橋下徹代表が新大阪市長に、松井一郎幹事長が新大阪府知事に選出された。
大阪府民や市民は、何を期待して、橋下・松井新首長を選んだのだろうか。28日放送のNHKの「クローズアップ現代」では、橋下候補に投票したと答えた人に「最も重視したことは何か」をたずねたところ、「大阪の再生」と答えた人がほぼ6割に近いことを伝え、大阪経済の地盤沈下に対する危機感を背景に見出している。維新の会は、大阪都構想は目的ではなく、大阪の経済再生への手段であるとしているのだが、「都構想」がなぜ「大阪の再生」の最も重要な手法となるのか。大阪都構想は「大阪の再生」を可能とするのか?
同番組で、政治学者の新藤宗幸氏は、松井一郎・新府知事とのテレビ対談で、維新の会は「説明力」を欠いていると指摘。「大阪都が出来たならばなぜそれが経済再生につながるのか、そこの説得力ある論理的な整合性というのはあまり聞いたことがない」として、両者の「関連性」について質問した。
それに対する松井・新府知事の回答は、「投資価値があるような大阪」につくり変えるのが「大阪都構想」であるというものである。現状では市長と知事という「二人のトップのリーダー」がいて、港湾やインフラなどの再開発やその維持管理方法が不統一で「余分な経費」がかかっている、「大阪都」になれば、ヒト、モノ、カネが大阪に集中し経済再生を図ることができる、との回答である。
この回答を聞いて、「広域行政に一本化すれば、東京に負けることはない。いやいや上海、ソウル、バンコク、いやいやシンガポール、ロンドン、パリにも負けることはない」(橋下代表の演説、NHK同番組)という「夢」を描ける人が、いったいどれほどいるのであろうか。新藤氏の、東京は「単に東京都政だから繁栄しているわけではない」、「政治、経済の中枢管理機能が、首都であるがゆえにだんだん膨らんできて、さらに国際的な金融都市になっているということ」であって、「都」といった行政組織のあり方によるものではないとの指摘は正鵠を射ていると言ってよい。
橋下・大阪維新の会の政治手法
「大阪の地盤沈下の原因は、府市の二重行政である」との命題が成り立たないとすれば、「大阪都」構想は、「大阪の再生」にはまったく結びつかないことは、試みる以前に明らかである。東京一極集中のなかでの全国的な格差的地域構造の原因は、二重行政にあるわけでは決してない。
先に紹介した橋下演説に見るように、およそ簡単には実現できそうにない「夢」を掲げているかぎり、その「夢」の追求は、「夢」の実現を妨げている個人やグループをあぶり出し、それを舌鋒鋭くたたいて、政治の貧困がもたらした多くの人々の現状不満にはけ口をたえず与えていくことによって支えられていく。誰があるいはどういうグループがターゲットになるかは、それをたたけば現状不満の多くの人々が一時的にでも快哉を感じるものであり、マスコミ受けするのであれば何でもよい。今は、それが、公務員であり、官僚であり、既成政党であり、関西電力であるに過ぎない。
公務員や官僚等をたたいていれば政治をやっている、リーダーシップがあるとの議論はこの辺で止めにして、そうした政治家は本来の仕事をしていない無能な政治家であるとの議論がそろそろ出てきてもよいのではないか。いつまでこのような不毛な政治のお祭りさわぎを続けていくつもりであろうか。
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