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2011年12月 9日 (金)
財務省悪玉論を論破できない天下り擁護野田首相
野田佳彦氏が12月7日、出身校である早稲田大学で講演した内容が伝えられ波紋を広げている。
野田氏の発言について、時事通信は次のように伝えている。
「環太平洋連携協定(TPP)の話をすると『米国の謀略説』。社会保障と税の一体改革の話をすると『財務省悪玉論』。入り口のところで変な議論が起こる」
前原誠司氏の「TPPおばけ」に次ぐ、一方的な決めつけ論である。
この発言について天木直人氏はブログにこう記述した。
「米国の意図がもっとも露骨に表れている訴訟条項(ISD条項)について国会質問で聞かれて答えられなかった不勉強な野田首相が、それを陰謀論という言葉で一蹴する粗雑な議論にあきれ果てるのだ。
それを、国会や記者会見という公の場ではなく、何もわからない学(生)を相手に偉そうに語る野田首相の内弁慶ぶりを見るからあきれかえるのだ。
早稲田大学におけるこの野田首相の発言は許しがたい暴言、失言である。」
天木氏は増税についても野田氏が「陰謀」と表現したとしているが、報道は増税については「悪玉論」と表現したと伝えている。細部に若干の相違が見られるが、天木氏の主張は正論である。
大辞林第三版(三省堂)で「陰謀」を引くと
(1) ひそかに計画する,よくない企て。 「−をめぐらす」
(2)[法]二人以上の者の間で,共同で犯罪を行おうという合意が成立すること。
とある。
TPPは米国が密かに計画していることではない。TPPは米国が公然と日本に参加を要請しているもので、これに対して日本がどう対応するかが論争の対象になっている。
消費税増税について、私は財務省悪玉論を展開しているが、「変な議論」でも何でもない。事実をありのままに指摘しているまでだ。
野田氏の対応を見ると、小泉純一郎氏の対応と極めてよく似ている。
小泉純一郎氏は2002年の年頭記者会見で、小泉超緊縮財政に対する批判に対して、むきになって反論した。当時、小泉超緊縮財政をもっとも激しく批判していたのは私だった。小泉氏の反論は、まさに私の主張に対する反論だった。
つまり、草の根から発信する批判、情報が一定の効果、あるいは、大きな効果を発していることの表れであると私は判断した。
結局、小泉政権は2001年度に5兆円の大型補正予算編成に追い込まれた。2002年度も同様である。それでも、この超緊縮財政政策運営が主因となって、日本経済は2003年に向けて、大不況に突入していったのである。つまり、超緊縮財政の批判は正鵠を射ていたのだ。
野田氏が国会という場ではなく、出身校の講演という、言わばさくらの身内しかいないような場所で、消費税およびTPPについて、反対論を「陰謀論」や「悪玉論」の言葉で表現しなければならないところまで、野田氏が追い詰められていると見ることが実情に近いのではないかと思う。
メディアは懸命に、TPP反対論は農業関係者がエゴイズムで利権維持を主張しているだけだと報道しようとしているが、反対論を述べる人間はそのような低次元の主張を示していない。
自由貿易の重要性を認識したうえで、TPPへの参加が日本の国益に適うのかどうかを慎重に見定めて、TPPに参加するべきでないと主張しているのである。
その際、米国が米国の利益のために日本のTPP参加を要請していることは明らかである。それを野田氏が「米国の陰謀」と表現しているなら、「米国の陰謀」という見方は正しいし、野田氏がもし、米国が善意で、米国には不利益になるが日本の利益になるから日本にTPP参加を要請していると考えるなら、野田氏は完全な外交音痴ということになる。
政府が主張するアジアの成長を取り込むとの視点に立つなら、TPPではなく、ASEAN+3やASEAN+6の枠組みでの自由貿易推進を軸に据えるべきである。
TPPには中国もインドも韓国も入っていない。TPPはまさに、米国、オーストラリアを含むTPP参加国が日本に一次産品を売り込むための枠組みでしかないのである。
また、米韓FTAの事例を見ても、排ガス規制や残留農薬、遺伝子組み換え食物に関するさまざまな国内規制が外圧によって破壊される傾向が存在していることは間違いがない。
また、このTPP論議に乗る形で、財務省が混合診療の全面解禁に突き進むことが十分予想され、日本の公的医療保険制度が根底から変質させられる危険が極めて大きいのだ。
農業の生産性上昇は重要な課題だが、これをコメの関税撤廃に直結させる論議は短絡的に過ぎる。日本の米作にはさまざまな重要性があり、生産性が低いから米作を消滅させて構わないとの主張はあまりにも浅はかである。
要するに、野田氏はネットを中心に広がっている、反消費税、反TPPの論議に正面から太刀打ちできない状況に追い込まれているのだ。身内の講演においてでさえ、論理的な反論を提示できないことが、その現実を何よりも明白に物語っている。
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