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【小沢被告第7回公判(1)】
元秘書“3人目の男”登場 「日本変えるリーダー、この方しかない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120711430002-n1.htm
2011.12.7 11:42 産経新聞
(10:00〜10:20)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判が7日、東京地裁(大善文男裁判長)で始まった。元秘書の石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=の後任の事務担当者、池田光智元私設秘書(34)=同=が出廷する》
《小沢氏の元秘書としては3人目の証人尋問。前回までの公判で、石川議員、大久保隆規元公設第1秘書(50)=同=はともに虚偽記載や小沢被告との共謀を大筋で認めた調書を否定しており、池田元秘書も同様の方針とみられる》
《池田元秘書は石川議員の衆院選出馬にあわせ、平成17年7月から陸山会など小沢被告の関係5団体の経理事務を引き継いだ。元秘書3人のなかで、小沢被告への4億円返済の経緯を知る“唯一”の立場にあったとされる。法廷では何を語るのだろうか》
《法廷は東京地裁最大規模の104号。前回まではほぼ満席だった傍聴席には空席が目立つ。小沢グループの国会議員の姿も見える。裁判長の呼びかけで小沢被告が入廷する》
《傍聴席から向かって左側のドアから紺のスーツに白いシャツ、薄紫色のネクタイ姿の小沢被告が姿を現す。入廷前に一礼、裁判長に向かってさらに一礼する。いつもは女性弁護士の右隣に座るが、今日は男性弁護士2人に挟まれるように座った》
《続いて、裁判長は証人の池田元秘書の入廷を促す。小沢被告と同じ紺のスーツに白シャツ姿。会釈をしながら傍聴席までゆっくり進むと、小沢被告と目を合わせることのないまま、証言台に立った。小沢被告は目を閉じたままだ》
《裁判長が名前を尋ねた後、偽証罪などについて説明をし、証言台の前に座るように促した。池田元秘書はマイクの位置を細かく調整するなど、居心地悪そうにしている。検察官役の指定弁護士が立ち上がり、尋問を始める》
指定弁護士「まずは証人の経歴を簡単におうかがいします。学歴、職歴を教えてください」
証人「早稲田大学政経学部政治学科の卒業です。その後、小沢一郎事務所に入所し、退職。その後、千葉の若井康彦(衆院議員)事務所に3カ月ほど務めましたが、そこも辞め、現在は学生をしております」
指定弁護士「大学4年のころから小沢被告の書生をしていましたね」
証人「はい」
《その後、指定弁護士は池田元秘書が平成12年12月から岩手・水沢の地元事務所に、17年1月から21年10月まで東京・赤坂の小沢一郎事務所に勤務していたことを確認。池田元秘書は「はい」「そうです」と答えていく》
指定弁護士「学生時代は(政治サークルの)『鵬志会』に所属していましたね」
証人「はい」
指定弁護士「新進党の学生組織にも所属していましたか」
証人「はい」
指定弁護士「鵬志会は(弁護士の)南(裕史)さん、(元秘書の)樋高(剛衆院議員)さん、石川さんも所属していましたね」
証人「南さんは重複してないので分かりませんが、樋高さん、石川さんはいらっしゃいました」
指定弁護士「多くの政治家を輩出しているサークルですね」
証人「設立から年数がなく、それほど多くはありませんが…」
指定弁護士「そのころから政治家を志していた?」
証人「はい」
指定弁護士「新進党の代表は小沢被告ですが、当時から小沢被告を評価していましたか」
証人「はい」
指定弁護士「どんな政治家と評価していましたか」
証人「これからの日本を変えていくリーダーとして、この方しかないと思っていました」
《指定弁護士は池田元秘書が小沢被告に心酔していた様子を語らせ、“命令”に逆らえなかった状況を印象づけたいようだ》
指定弁護士「実際会ってみてどうでした?」
証人「(小沢事務所に)入所して、その思いがかなり強くなりました」
指定弁護士「小沢被告からは仕事の上で、どのような指示を受けましたか。二、三紹介してください」
証人「仕事の上で?」
指定弁護士「抽象的かも知れませんが…。ええ、では礼儀作法についてはどうでしたか」
証人「はい。礼儀作法に対しては厳しく、とくにお見送りするときの礼儀作法はしっかりするようにと」
指定弁護士「節約については?」
証人「物を大事にするように、という心構えを教えていただきました」
指定弁護士「節約について、石川さんを厳しく叱咤(しった)したことがあったかと思いますが」
証人「私の調書にあると思い、そのことをおっしゃっているかと思いますが…。えー、(コピーをする際に)裏紙を使わなかったということで怒られたことがありましたが、我々が政治家になるために必要な『粗末なことはしない』という思いを指導いただいたと思っています」
《この裏紙の話は法廷で何度も語られたエピソードで、指定弁護士側は小沢被告が事務所経費について細かな指示を与えていた実態を示す“証拠”とみているが、池田元秘書は「指導いただいた」と、これをうまくフォローする》
指定弁護士「あなたは小沢被告に指示、意見できる立場でしたか」
証人「場合によると思いますが、代議士が勘違いをしたり、間違っていることがあれば、意見を申し上げることもありました」
指定弁護士「小沢被告の利害に関することで、あなたの独断で行えることはありましたか」
《「抽象的すぎて答えられないと思います」。ここで弁護側は意見する。裁判長が「質問を変えて下さい」と促す》
指定弁護士「あなたの独自の判断でできたこと。任されていたことはありましたか」
証人「当時、経理の担当として、経理全般を任されていたので、私の判断で行っていました」
《小沢被告への報告・了承を否定する“伏線”なのだろうか。池田元秘書は「私の判断」という言葉を使う》
《指定弁護士はその後、池田元秘書が、東京などにある小沢被告関係の4つの政治団体の会計や資金集めを担当。小沢被告が代表の「民主党岩手県第4区総支部」の入金に関する処理をしていたことを確認する》
指定弁護士「民主党岩手県第4区総支部には、小沢被告以外の代議士も所属していましたか」
証人「それはないと思います」
指定弁護士「それでは、小沢被告以外から指示命令を受けることは?」
証人「そもそも、指示命令というのがよく分からないのですが、それはないと思います」
《指定弁護士は民主党の支部である「民主党岩手県第4区総支部」が小沢氏の“財布の一つ”だったことを立証したいようだ。質問は東京・世田谷の問題の土地に移る》
指定弁護士「17年1月に東京勤務になってからは、前任の石川さんから土地について何を聞きましたか」
証人「秘書寮を建てるための土地で、買ったということを聞きました」
指定弁護士「代金についても聞きましたか」
証人「はい。聞きました」
指定弁護士「1月に?」
証人「はい」
指定弁護士「1月7日に本登記をされましたが、そのとき本登記を行うことも知っていましたか」
証人「本登記をやったときは知りませんでしたが、その後1月7日にやったということは知りました」
指定弁護士「1月に?」
証人「1月中か、3月までの間か分かりません」
《指定弁護士は石川議員ら先輩秘書との関係について聞き始める》
指定弁護士「石川さんは上下関係に厳しい先輩でしたか」
証人「はい」
指定弁護士「どういうところで」
証人「まあ、些細なことでよく注意されたり、怒られたりしました」
指定弁護士「石川さんは小沢被告とどう接しましたか」
証人「どのように? まあ、礼儀正しく」
指定弁護士「意図をくんでいろいろと配慮していましたか」
証人「まあ、いろいろ考えながら、仕事をされていたと思います」
《指定弁護士は続いて大久保元秘書との関係について聞く。小沢被告は目を閉じたまま、じっと話に聞き入っているように見える》
◇
【小沢被告第7回公判(2)】
「昔のもの参考に…」 会計業務引き継ぎ漠然と 「政治資金規正法は勉強してない」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120712200003-n1.htm
2011.12.7 12:19
(10:20〜10:40)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士側の証人尋問が続けられている》
《小沢被告の事務所では当時、大久保隆規元秘書(50)=同=が、まとめ役として他の秘書らの勤務スケジュールなどを管理していた。指定弁護士側は、この点を尋ねていく》
《大久保元秘書は、議員会館で陳情などを受ける仕事をし、池田元秘書は赤坂の事務所で、陸山会など政治団体の会計事務を担当していた》
指定弁護士「大久保さんが東京事務所のまとめ役だったのですね」
証人「年長者だったのでそういう存在でした。ただ別の仕事内容でしたので、仕事面では上下関係はありませんでした」
指定弁護士「小沢被告の自宅では、毎朝、秘書らの打ち合わせがありましたよね」
証人「はい」
指定弁護士「大久保さんと打ち合わせをすることはなかったのですか」
証人「ほとんどありませんでした」
《指定弁護士は大久保元秘書とのつながりを強調したい構えだが、池田元秘書は打ち消していく》
指定弁護士「大久保さんと一緒に秘書寮に住んでいたことがありますよね」
証人「あの〜。隣の家に住んでいたことはありますが…」
《質問の趣旨が分からないのか、池田元秘書の回答も途切れ途切れに。ここで指定弁護士側は収支報告書に関する質問に切り替える。池田元秘書は平成17年に異動し、赤坂の事務所で会計を担当し始めた》
《池田元秘書は17年7月、前任の元秘書、石川知裕衆院議員=1審有罪、控訴中=から会計事務を引き継いだ》
指定弁護士「異動はだれが決めたのですか」
証人「…。代議士や大久保さんが決めたと思いますが…」
指定弁護士「石川さんと一緒に勤務していた時期もありましたね」
証人「はい」
指定弁護士「赤坂の事務所では、だれの指揮・監督を受けていましたか」
証人「石川さんです」
指定弁護士「石川さんが退任した後は?」
証人「組織としては上がいないので、自分の責任でやっていました」
指定弁護士「決裁を上げる際は?」
証人「そういうのはありませんでした」
指定弁護士「新しい物事が起きたときは、だれに相談していましたか」
《ちぐはぐなやりとりが続き、ここで弁護側の弘中惇一郎弁護士から「質問が抽象的すぎませんか」と横やりが入る。ただ、裁判長は苦笑しながらも、回答するように池田元秘書に促す》
証人「代議士や議員会館の人(秘書)に相談することもあったと思います」
《指定弁護士は、石川議員と池田元秘書の事務引き継ぎなどについて確認した後、核心の収支報告書の質問に切り替える》
指定弁護士「会計を担当するようになり、政治資金規正法を改めて勉強したことはありましたか」
証人「ありません」
指定弁護士「政治資金規正法の本は事務所にありましたか」
証人「体系的な本があったかもしれませんが、熟読したことはありません」
指定弁護士「(政治資金収支報告書を作成する際に)分からないときは、どうしていたのですか」
証人「手引きがありましたので、それを参考にしていました」
指定弁護士「総務省がネットで記しているものですか」
証人「出版社が出しているものを参考にしていました」
指定弁護士「平成17年分の収支報告書の作成で(引き継ぎを兼ねて前任の)石川さんの手伝いをしましたね」
証人「はい」
指定弁護士「いつごろですか」
証人「平成17年の2〜3月ごろです」
指定弁護士「石川さんからの引き継ぎで、どう教えられたのですか」
証人「すべて教えてもらったわけではなく、総合的でした。『あとは昔のものを参考にしてくれ』といわれ、翌年に作成した際には実際に過去のものを参考にしました」
指定弁護士「(平成17年の収支報告書を作成した後から石川衆院議員が秘書を退任するまでの)4〜7月に何か教わったことはありますか」
証人「改めて教えてもらったことはありません」
指定弁護士「政治資金収支報告書を記載する際、領収書と付き合わせたことはありますか」
証人「それはいたします」
指定弁護士「政治資金規正法では、会計帳簿をつけることを義務付けていますが、そうした帳簿は日常的につけていましたか」
証人「どういうものが正式なものか分かりませんが私の場合は、コンピューターに入力していました」
《簡単な確認事項の質問を繰り返す指定弁護士。小沢被告は時折、顔をしかめながら、じっと目を閉じて質問に耳を傾ける。指定弁護士は小沢被告の関係5団体の特徴について質問する》
指定弁護士「陸山会の収入と支出の割合は、どうでしたか」
証人「収入より支出の方が多く、他の団体から入金していました」
指定弁護士「おおよその収入はいくらでしたか」
証人「…。記憶がほとんどありませんが、2億円か、その前後だったと思います」
指定弁護士「支出は?」
証人「だいたい同じだったと思います」
《指定弁護士は、さらに細かい各政治団体の特徴を尋ねた後、再び収支報告書の作成に質問を戻す》
指定弁護士「石川さんの収支報告書の作成の手伝いをした際、実際にどのようなことをしたのですか」
証人「石川さんが支出と収入をまとめたシートを手渡され、通帳と照らし合わせて間違いがないか確認しました。あるいは、寄付者の住所に誤りがないかを調べました」
指定弁護士「陸山会には複数の口座がありましたね」
証人「…。そうです」
指定弁護士「理由はありましたか」
証人「昔は金融機関が多かったからだと思います」
指定弁護士「複数の口座があれば、寄付する人が振り込みしやすいということもあったのですか」
証人「そういう理由は考えられると思います」
《ここで公判のやりとりを記録する係員の交代を裁判長が告げる。小沢被告はじっと目を閉じたまま微動だにしない》
◇
【小沢被告第7回公判(3)】
マルジュウ!? 陸山会通帳に複数記載 石川議員は「気にしなくていい」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120712360005-n1.htm
2011.12.7 12:35
(10:40〜11:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、検察官側の指定弁護士による、池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する証人尋問が続いている》
《池田元秘書は平成17年1月以降、前任の会計担当者の石川知裕衆院議員(38)=同=から引き継ぎを受けた。指定弁護士は池田元秘書が、16年10月の土地購入にからむ収支記録を確認した経緯について、さらに尋ねていく》
指定弁護士「16年10月ごろに、大きな資金の移動があったことに気づきましたね」
証人「通帳に『マルジュウ』という記載が複数あり、石川さんから『特に気にしなくていい』といわれたのを覚えているので、そうだったと思います」
《指定弁護士は廷内モニターに銀行通帳記録を表示。「住」という字が「○」で囲まれた支出記録が随所に登場する。5000万円、6000万円、2000万円…。10月前後に多額の収支が並ぶ。石川議員が小沢被告から受け取った4億円を分散入金した上で、土地購入の際に集約した記録だ》
指定弁護士「9〜10月のマルジュウについて、石川さんに尋ねましたか」
証人「いいえ。特に意味を聞きませんでした」
指定弁護士「石川さんから説明はありましたか」
証人「『特段気にしなくていい』といわれた以外にはありません」
指定弁護士「『気にしなくていい』とはどういう意味だと思いましたか」
証人「私の(収支報告書の)チェックリストにも入っていなかったので、私がチェックするものでない、と思いました」
指定弁護士「石川さんが自分でやると言ったんですか」
証人「言われてはいませんが…。私の立場では言われたことだけをやっていたので、(マルジュウについては)石川さんがやるだろう、と思いました」
指定弁護士「このマルジュウは、誰の字ですか」
証人「石川さんで間違いないんじゃないでしょうか」
《石川議員から説明がなかったのか改めて確認する指定弁護士に対し、池田元秘書は「まったく、ありませんでした」と強調。質問は引き継ぎ後の17年分の収支報告書に移る》
指定弁護士「土地代金の支払いだったことは、いつ気づいたんですか」
証人「17年分の収支報告書を作成するときです」
指定弁護士「18年ということですね」
証人「そうです」
指定弁護士「石川さんからこう処理しろ、と説明を受けたことはありますか」
証人「細かくはありませんでしたが、(16年に購入した土地を17年)1月に登記したので、資産の欄に計上して、併せて支出も載せるよう言われました」
《指定弁護士は、石川議員が作成した土地代金に関する収支一覧表のエクセルデータをモニターに示す。16年10月29日の土地代金の支出などについて「(石川議員から)パソコンを見ながら教わった」と答えた池田元秘書に対し、指定弁護士が切り込んでいく》
指定弁護士「(16年分の支出を17年分の収支報告書に記載することについて)小沢被告に説明をしたことはありますか」
証人「ありません」
指定弁護士「捜査段階で、17年分の支出のうち3億5000万円は(16年の)土地代金です、と認めたことはありますか」
証人「ありません」
指定弁護士「そのように供述していませんか」
証人「全くありません」
指定弁護士「そういった調書が作成されたことはありますか」
証人「調書はあります」
指定弁護士「いつごろですか」
証人「12月の取り調べだったと思います」
《池田元秘書は今回の事件で、21年12月下旬に任意の事情聴取を受け、翌22年1月に逮捕された。池田元秘書はこの段階で、16年の土地代金を17年分の収支報告書に計上したことについて、「小沢被告に報告し、了承を得た」とする調書に署名している》
《弁護側は「捜査が違法・不当だった」と主張、調書の信用性が争われており、指定弁護士が追及を強めていく。自身に関わる重要なやり取りが続くが、小沢被告はこれまでの公判と変わらず目をつぶり、無表情で耳を傾けている》
◇
【小沢被告第7回公判(4)】
「土地売買の確認」は12番目…池田ノートに21項目の手書きメモ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120714190006-n1.htm
2011.12.7 14:17
(11:00〜11:30)
《資金管理団体「陸山会」をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、証人として出廷した池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士の質問が続いている》
《法廷では、池田元秘書が平成22年1月に逮捕される直前の21年12月24〜26日に行われた、検察による任意の取り調べをめぐる質問が続いている》
《指定弁護士は、池田元秘書が16年に支払った土地代金を17年分の収支報告書に計上したことについて、「小沢被告に報告、了承を得た」とする調書に署名した理由を聞く》
指定弁護士「あなたの判断で内容を認めましたか」
証人「はい」
指定弁護士「なぜ調書に署名したのですか」
証人「(陸山会など5団体の)全体の収支の総額についての取り調べを24日から受けていました。検事が一覧表を持っていて、その中に3億5000万円の金額が入っていたら、『あまりに大きい数字なので、小沢さんから説明を求められる可能性があるのではないか』と聞かれました」
「記憶がなかったので、否定するのも問題だと思い、そういう話が出てもおかしくはないですねと話しました。私は可能性の話をしたのに、そういう調書ができてびっくりしました。抗議もしたのですが、押し切られてサインしました」
指定弁護士「弁護人からどういうふうに取り調べに臨むように言われていましたか」
証人「記憶にないことに応じては駄目だと言われていました」
指定弁護士「この事件は10月ごろから新聞報道されています。やがて小沢被告にも影響が及ぶと判断したのでは?」
証人「調書に応じないと家に帰してもらえませんし、この程度で(小沢)代議士に累が及ぶことはないと押し切られました」
《池田元秘書は、西松建設の違法献金事件での検察官による取り調べを振り返りながら続ける》
証人「西松のときの取り調べはなかなか帰らせてもらえなかった。密室の中で取り調べられ、署名しないと帰れない雰囲気で、とても拒否できる状態ではありませんでした」
指定弁護士「西松のときにそういう経験があるのに、任意の取り調べで調書にサインしたのですか」
指定弁護士「はい。早く済ませたいとサインしました」
《指定弁護士の質問は、東京・世田谷の問題の土地へと移り、法廷の大型モニターに土地取引の合意書が映し出される。目を閉じていた小沢被告も目を開いてちらりとモニターを見るが、すぐにまた目をつむる》
指定弁護士「これを見たことは?」
証人「あることは知っていましたが、中身は読んだことはありません」
指定弁護士「よく見たこともないのに、石川さんの言うとおりにしたのですか」
証人「はい」
指定弁護士「土地の本登記の時期をずらしたことについて、石川さんからはどんな説明がありましたか」
証人「代表選か何かの選挙が、収支報告書の公開時期に重なるので、影響することを考慮して1年ずらした、と説明を受けたと記憶しています」
指定弁護士「いつ説明を受けました?」
証人「よく分かりません」
指定弁護士「誰が土地を買おうと言ったのですか」
証人「知りません」
指定弁護士「土地購入の理由は知っていますか?」
証人「秘書寮にするためと聞いていました」
指定弁護士「本登記の時期をずらしたことは?」
証人「後になって、石川さんから聞きました」
指定弁護士「本当に代表選に影響するという説明を受けたのですか」
証人「はい。代議士には、代表になって総理を目指してほしいという声がたくさんありました。その可能性があることに勇気付けられた記憶があります」
指定弁護士「別の理由は?」
証人「聞いていません」
《小沢氏は目を閉じたり、開いたりしながらじっと聞いている》
指定弁護士「17年から収支報告書を作成する立場になりましたね」
証人「はい」
指定弁護士「16年の陸山会のメーンの通帳によく分からない入出金があると、(引き継いだ)作業に支障があるとは思わなかったのですか」
証人「16年分は、石川さんのところで完結しているので、(支出が収入を)超えることはないと思っていました」
指定弁護士「石川氏からの引き継ぎをノートに書いていましたか」
証人「はい」
《大型モニターに池田元秘書のノートのコピーが映し出される。法廷で「池田ノート」と呼ばれるものだ。「石川さんへの質問」と題し、21項目の引き継ぎが手書きで箇条書きにされている。12番目には「土地売買の確認」とある》
指定弁護士「リストアップするということは、石川さんに分からないことを聞く態勢があったわけではないですか」
証人「日常業務で忙しいこともありましたし、石川さんには上下関係で簡単に質問できる感じではなかった。石川さんが辞めると聞いて作成したものです」
《池田元秘書は背筋を伸ばし、指定弁護士の質問によどみなく答え続けている》
◇
【小沢被告第7回公判(5)】
4億円は「載せなくていいお金」と認識 「よく分からないが、漠然と…」と池田元秘書
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120714300008-n1.htm
2011.12.7 14:29
(11:30〜12:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、池田光智元秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士の証人尋問が続いている》
《池田元秘書は、指定弁護士の質問に「はい、はい」と相づちを打ち、はっきりとした口調で質問に答えていく。小沢被告は、目を閉じじっと耳を傾けている》
指定弁護士「(平成16年)10月29日に4億円の出入金がありますね」
証人「はい」
《小沢被告名義で銀行から借り入れた4億円のことを指しているのだろう》
指定弁護士「16年の収支報告書で処理したのですか」
証人「よく分かりません」
《池田元秘書が会計事務の担当者になったのは平成17年。前任は、石川知裕衆院議院=1審有罪、控訴中=だった》
証人「石川さんがどの金額をどう処理したかは分からないんです」
指定弁護士「16年の収支報告書に定期預金の額は載っていましたか」
証人「載っていると思ったが、石川さんから報告を受けていないので、石川さんがどう思っていたのかは分かりません」
《続いて、指定弁護士は再び「マルジュウ」について、池田元秘書の認識を問う。陸山会の通帳の出金記録に「住」という字に「○」がついたマークがいくつもついていたものだ》
指定弁護士「このマルジュウというのは、石川さんが16年の収支報告書で処理していたという認識ですか」
証人「私はそういう理解です」
指定弁護士「この金額について、(政治団体などの)通帳とつきあわせた記憶はありますか」
証人「ありません」
指定弁護士「17年12月にチェックしていたのではないのですか」
証人「チェックはしたが、マルジュウを含め、それがどういう意味かは分からなかった」
《指定弁護士の方を向き、はっきりとした口調で答える池田元秘書。指定弁護士は腕を組み、質問を続ける。事務担当者としての会計処理の確認方法について聞き始める》
指定弁護士「(銀行から借り入れた)10月29日の4億円に関しては、通帳と突き合わせれば分かるのでは?」
証人「たくさんの出入金が複雑にあると感じていた。通帳がたくさんあって、たくさん出し入れもあって、よく分からなかった」
指定弁護士「突き合わせはしていたのですか」
証人「部分的な事務作業のなかで突き合わせていた。だからといって、全体が分かるというわけではなかったです」
指定弁護士「10月29日の分は、政治団体の通帳と突き合わせれば分かるのではないのでしょうか」
証人「たぶん石川さんの一覧表に入っていなかったので、確認しなかった」
《池田元秘書の要領を得ない回答に、指定弁護士は少しいらだった様子を見せて同様の質問をくり返した》
指定弁護士「石川さんにこのことについて聞いたことはありますか」
証人「18年3月に、17年の収支報告書の作成に当たって、計算が合わないところがあったので、原因を調べようとしたが、特定できず、石川さんに電話したことがあります」
指定弁護士「マルジュウは何かと聞いたのですか」
証人「聞いたことはない。18年3月に初めて(計算が)合わないと分かった。それまでは問題になるとは、日常の作業のなかでは分からなかった」
《この答えに対し、指定弁護士はこれまでの尋問で、17年12月に収支の一覧表を作成したという池田元秘書の供述との整合性を追及していく》
指定弁護士「12月に一覧表を作成するのではないでしょうか」
証人「はい。ですが、平成17年1月から12月のものなので」
指定弁護士「16年の数字は確認しないということですか。繰越残高で計算するのでは?」
証人「16年の分を確認することはしません。17年の分だけ分かればいいので」
指定弁護士「(16年)12月末の政治団体の預金残高を確認しましたか」
証人「残高を確認することはあると思います」
指定弁護士「確認されたんですね?」
証人「はい」
指定弁護士「計算が合わなかったのでは?」
証人「それぞれ(政治団体の通帳の額が)ずれていたのかもしれないが、全体を代議士に報告していたので問題はありませんでした」
指定弁護士「17年の収支報告書を作るに当たって、どこまでさかのぼって検討するのですか」
証人「ちょっと(検討)したかどうかの記憶が曖昧です」
指定弁護士「では、陸山会の16年期首の繰越残高を見てみましょうか」
《当時の陸山会の通帳がモニターに映され、指定弁護士が繰越残高を示しながら質問を始める。目を閉じ、じっと法廷のやりとりを聞き入っていた小沢被告も、このときばかりは手元のモニターに視線を移した》
《指定弁護士は、16年期首の段階では通帳と関係団体の収支の残高が「ほぼ一致する」と説明。問題となっている17年期首の残高について質問した》
指定弁護士「17年期首だと、4億円ずれていましたね」
証人「そうだと思います」
指定弁護士「であるならば、16年の入出金に大きな原因があるのでは?」
証人「その資料だけを見ればそう推測できます。でも、いろいろ政治団体があるので…」
指定弁護士「このずれの原因に思い当たるものは?」
証人「…」
《考え込んでしまった池田元秘書。ここで弁護側が助け船を出すように、異議を唱えた》
弁護人「異議。いつの段階の認識を問われているのか」
指定弁護士「17年12月の段階です」
証人「何が原因というのかはよく分からないです」
指定弁護士「『マルジュウ』が大きなずれの原因だとは思いませんでしたか」
証人「はい。それは思いました」
指定弁護士「よく分からなかったにしろ、『マルジュウ』を平成16年に記載すれば、17年は計算が合うだろうと思いませんでしたか」
証人「4億円は代議士からのお金という話もありましたし、(収支報告書に)載せないでもいいと思っていました」
指定弁護士「16年の収支報告書に小沢被告からの4億円は載っていないと知っていたということですか」
証人「思っていました」
指定弁護士「このマルジュウに4億円が含まれていると思いませんでしたか」
証人「漠然と…」
指定弁護士「これを記載しないから合わなかったのでは?」
証人「載せる必要のないものを載せませんでした」
《指定弁護士は再度、政治団体との通帳の突き合わせをしなかったのか、質問を繰り返す》
指定弁護士「石川さんが責任者だったなら、石川さんに訂正させるのが筋ではないですか」
証人「原因は石川さんでは分からなかった。電話でも分からなかった」
指定弁護士「石川さんの電話での回答は?」
証人「『きちっとやっているはずだから、君もきちっとやってくれ』と」
指定弁護士「検察の取り調べにはそう答えていますか。2月3日付けの調書では『架空の記載をしておけ』と(石川議員から言われたと)供述したとなっているが違うのですか」
証人「はい。違います」
《ここで大善文男裁判長が午前の審理の終わりを宣告し、午後1時半からの再開を告げる。池田元秘書は裁判長と指定弁護士側に一礼して退廷。小沢被告は池田元秘書のほうを見ることなく、じっと前を見据えたままだった》
◇
【小沢被告第7回公判(6)】
被告と銀行どっちのお金? 単純に「戻せばいい」と4億円返済 池田元秘書
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120715280009-n1.htm
2011.12.7 15:27
(13:30〜14:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、約1時間半の休憩を挟んで、池田光智元私設秘書(34)に対する検察官役の指定弁護士側の証人尋問が再開された》
《大善文男裁判長が小沢被告の入廷を促す。小沢被告は廷内に入る前と、裁判長の前を通る際に深々と一礼し、弁護側の席着いた。その後、池田元秘書が入廷し、証言台に着いた》
《問題の土地を購入する資金の4億円は小沢被告が用意していたが、その後、りそな銀行からも、その4億円を担保に融資を受けていた》
《小沢被告は4億円を秘書らに渡す際、「ちゃんと返せよ」と話したという》
指定弁護士「まず(小沢被告から受け取った)本件4億円について聞いていきますが、ひとつだけ確認させてください」
《指定弁護士は、池田元秘書に4億円の融資を受ける際のりそな銀行の通帳を示す。そこには、小沢被告の政治2団体から各2000万円の入金があったことが記載されていた》
指定弁護士「(池田元秘書の前任だった)石川(知裕衆院議員)さんは、この入金を(政治資金収支報告書に)記載しましたか」
証人「知りません」
指定弁護士「載せるとか載せないとかを、石川さんから聞いたことはありますか」
証人「ありません」
指定弁護士「小沢被告からの4億円については、どう聞いていましたか」
証人「確か(政治団体の口座の中に)入っているとか…。代議士(小沢被告)からの4億円もあるからとか、ほんの数秒聞いた程度でした」
指定弁護士「4億円借りていると聞いたのではないのか」
証人「ちょっとはっきりしていないが『あるから』とかだったと思う」
指定弁護士「あなた(池田元秘書)自身の公判では『陸山会が借りた』という表現を使っていたはずだが」
証人「借りているという表現を使ったかもしれないが、ニュアンスは『あるから』だった」
《指定弁護士は小沢被告の4億円についての質問を続ける》
指定弁護士「『陸山会は運転資金として4億円を借りている』という、あなたの(捜査段階での)調書もあるが、そういう説明をしたのか」
証人「とにかく4億円については、(前任の石川議員から)意味とかはまったく聞いていなかったので検察官にもうまく説明できなかった」
指定弁護士「(小沢被告への)利息とか、契約書とかはあったのか」
証人「見たことも、聞いたこともありません」
《指定弁護士側は、4億円についての質問を続けるが、これが小沢被告から借りた4億円なのか、りそな銀行から借りた4億円なのか、区別が難しく、弁護側から再三、異議などが出る》
指定弁護士「(小沢被告から受け取った)4億円は使用していないのですね」
証人「(使用)していないと思う」
《ここで、指定弁護士は再びりそな銀行の通帳を示す。4億円の融資を受ける際に、4億円の定期を担保にしたため、陸山会の口座残高は300万円になった時期があった》
指定弁護士「(小沢被告から受け取った4億円を担保にしたということは)使用したことにならないのか」
証人「当時、どこの(政治団体の)口座に(小沢被告から受け取った4億円が)入っていたのか認識がなかったので、よく分かりません」
指定弁護士「陸山会がりそな銀行から定期預金を担保に4億円を借りたが、その原資は何だと思っていたのですか」
証人「政治団体のお金をあてたと認識していた」
指定弁護士「政治資金収支報告書に(小沢被告から受け取った4億円を)記載したかどうかは知っていましたか」
証人「直接、その4億円を載せたか聞いていないので分からないが、代議士から預かった4億円は載せる性質のものではないと思っていた」
指定弁護士「載せる性質のものではないと認識したのはいつですか」
証人「17年1、2月の(石川議員から)引き継ぎを受けてから、(自らが収支報告書を作成する)18年3月までの間です」
指定弁護士「どうして載せる必要がないと思ったのですか」
証人「そのお金は代議士個人のお金であって、政治団体が単に預かっているだけのものなので(載せる必要がないと思った)」
指定弁護士「石川さんが載せる必要はないとか、載せろとか指示はしていたのですか」
証人「聞いていません」
《続いて、指定弁護士側は、りそな銀行から融資を受けた4億円についての質問に切り替える》
指定弁護士「だれが借りたのですか」
証人「陸山会が借りたと思います」
指定弁護士「書類上では小沢被告になっているのではありませんか」
証人「小沢代議士を通した形で陸山会が借りた」
指定弁護士「転貸ではないのですか」
証人「(意味が)よく分かりません」
指定弁護士「その4億円は、どの口座に入金されたのですか」
証人「よく分かりません」
《りそな銀行から借りた4億円は、平成17年10月に2億円、平成18年3月に2億円を返済した》
指定弁護士「平成17年10月の2億円は、どういう方法で返済しましたか」
証人「定期預金が4億円あったので、2億円を切り崩して返済した」
指定弁護士「小沢被告に(返済する際に)返すように言われましたか」
証人「解約する際には確か書類が必要で、小沢代議士にお願いして署名してもらった」
指定弁護士「さらに平成18年3月にも返済したのはどうしてか」
証人「当時、事務所の収支がマイナスになっていたので、運営費を切りつめようと、私なりに返済した方が利息を支払わなくて済むと考えた」
指定弁護士「小沢被告にも報告したのか」
証人「私の方から説明し、『確かにもったいない』と了承を得た」
指定弁護士「定期預金で返済しようとする前に、小沢被告の4億円の返済にあてようとは思わなかったのか」
証人「その4億円が(小沢被告から受け取った)本件4億円という認識がなかったので、単純に『戻せばいい』と思った」
《小沢被告から受け取った4億円に、りそな銀行から借りた4億円…。指定弁護士は、細かく内容を確認していく。小沢被告は時折首をかしげながら、じっとやりとりに耳を傾ける》
◇
【小沢被告第7回公判(7)】
資産公開も聞きかじりで処理「すいません、きちっとやっていれば…」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120716210011-n1.htm
2011.12.7 16:20
(14:00〜14:30)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、検察官役の指定弁護士による、池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する証人尋問が続いている》
《16年分の政治資金収支報告書では小沢被告から陸山会が受けた4億円の記載をしていないため、池田元秘書が作成した17年分の収支報告書に、土地購入の直前に関係政治団体から寄付があったと記載された。池田元秘書本人の裁判で虚偽記載・不記載が認定されたこの点について、指定弁護士が尋ねていく》
指定弁護士「計3億円の寄付があったということですが、なぜこのような記載をしたんですか」
証人「数字上、それだけの移動がないと購入できないような感じの状況でした。おかしいと思い、『仮』として、それだけの移動があったものを『確定』すればいいと思い、土地購入の資金が分かるように記載しました」
指定弁護士「何年、どこの団体から『仮』の寄付があったんですか」
証人「具体的にどこどことはいえないが。当時調べてみたが、状況が理解できず、資金残高から推測しました」
指定弁護士「陸山会の『マルジュウ』(「住」の字を○で囲んだもの。前任会計担当の石川知裕衆院議員(38)=同=が、土地購入関係の収支について銀行通帳に記録していた)をやれば確定できると思わなかったですか」
証人「『マルジュウ』を理解できなかったので。(購入原資の)特定ができないまま、これだけの移動があったんだろうと思いました」
《指定弁護士は失笑しながら追及する》
指定弁護士「都合のいい数字を入れただけじゃないんですか」
証人「石川さんにも確認したが、『きちんとやっている』といわれたので、そのような処理をしました」
指定弁護士「分かりにくいですが、端的にいえば17年分に繰り越しを含めた資金が6億1000万円あり、支出が4億7000万円ある。ほかに3億5000万円の土地は買えなかったわけですよね」
証人「そういう状況でした」
指定弁護士「それでも3億5000万円の出金があるというのを、おかしいと思わなかったんですか」
証人「私は記載していないから矛盾があるとは思わず、過去の(他団体からの資金)移動が載っていないから数字が合わないと思いました」
《苦しい弁明が続く池田元秘書。指定弁護士側は次に、17年4月に小沢被告が衆院議長宛に提出した「資産等補充報告書」の作成状況について尋ねていく》
《議員の個人資産保有状況の変更について報告する書類で、指定弁護士側は収支報告書と同様、この作成についても小沢被告への報告があったと立証しようとする》
指定弁護士「衆院議長に提出する公的書類ですよね。小沢被告の了解を得ましたか」
証人「こういう報告書は任されていました。特に(報告)していないと思います」
指定弁護士「誰に任されていたということですか」
証人「当時は石川さんから。私の経理の仕事の1つで、私の責任でやる、と」
指定弁護士「作成内容も任されていたんですか」
証人「はい」
指定弁護士「内容も? 書く内容ですよ?」
証人「はい」
《指定弁護士は報告書を廷内モニターに表示。定期預金を担保に借り入れた転貸金4億円を、小沢被告が陸山会に貸し出したことが示される》
指定弁護士「誰が誰の判断で記載したんですか」
証人「私が。私の判断で記載しました」
指定弁護士「資産状況について、他人から聞いたりしていない?」
証人「いいえ、自分で作成しました」
指定弁護士「作成はいいんですよ。情報もあなたが判断して載せたということですか」
証人「はい。石川さんから一切の書類を渡され、過去のを見て出せと、言われていたので」
《この年の1月に会計担当に就任したばかりの池田元秘書が、資産の移動状況について独断で判断できるのか。指定弁護士の攻勢に、池田被告はやや動揺した様子が証言にも反映される》
指定弁護士「一定期間について、資産変動の補充があったか、誰からも聞いていないんですね?」
証人「…はっきり記憶がありません。(小沢)代議士に、口頭で聞いたことはあったかもしれませんが。この17年の(報告書)提出について、改まってそのときに聞いた記憶はありません」
指定弁護士「(小沢被告の)奥さんに尋ねていませんか」
証人「ちょっと記憶にありません」
指定弁護士「(苦笑して)最後にもう一度聞きますけど、議長に提出する公的な書類を、聞きかじりの知識で提出しても問題ないと思ったんですね」
証人「多分、当時はそれでいいと思ったんです…」
指定弁護士「広く報道される性質の報告書ですよね」
証人「そういう面もあります」
指定弁護士「それをあなたの、来たばかりのあなたの判断で作ったんですか。個人資産の記載をあなただけで、ということがあるんですか」
《執拗(しつよう)な追及を受け池田被告の声は度々裏返り、か細くなっていく。大善文男裁判長から「大きな声で」と注意を受ける》
証人「…当時は深く考えないでやったかもしれません。…すいません。もう少しきちっとやっていれば…」
《指定弁護士は、収支報告書に再び質問を移し、小沢被告の認識について質問する。小沢被告は毎年の収入と支出の総額にのみ関心を持ち、土地購入方法など詳細について報告を受けていなかった、というのが弁護側の主張だ》
指定弁護士「政治家が誰から、どこの企業から寄付をしてもらったか、ということに関心がないんですか」
証人「代議士は広く寄付をもらっていたので、1人1人までは記憶できていない。秘書がしっかり処理していました」
指定弁護士「被告は誰から寄付をもらったかも聞かず、支援者に会っていたんですか」
証人「個別には分からないので、多くの人に寄付をもらっているという思いを強く持って政治活動をしていたと思います」
指定弁護士「陸山会は資金管理団体で、小沢被告はその代表ですよね。個人からも広く寄付があり、不動産も多く所有する。そういう資金管理団体について、(小沢被告は)特段関心がなかったということですか」
証人「関連政治団体は5つあり、それぞれ重要です。全体的でないと意味をなさず、とにかくきちんと回っていればいい、と」
《弁護団と並んで座る小沢被告は指定弁護士側の攻勢にも反応せず、静かに耳を傾けている》
◇
【小沢被告第7回公判(8)】
収支の一覧「代議士に見せた」 任意聴取の初日に供述、時期めぐり大もめ
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120717180012-n1.htm
2011.12.7 17:17
(14:30〜15:00)
《資金管理団体「陸山会」をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、証人として出廷した池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士の質問が続いている》
《池田元秘書が会計業務を担当していた小沢被告の関係5団体の収支についての質問が行われている。池田元秘書は5団体の収支をまとめた「収支一覧表」を年末に作成し管理していたというが…》
指定弁護士「17年の収支は(個人献金や経費など)5団体の通常の会計だけで、不動産や他団体への寄付に関係するものは反映されていませんね」
証人「概算ですから。そうですね」
《指定弁護士が指示をし、法廷の大型モニターに「収支一覧表」が映し出される。指定弁護士が「17年12月に作成した収支一覧表とはこれのことか」と確認を促すと、池田元秘書は手元に差し出された一覧表の数字を指でなぞり、しばらく考えて「これだと思います」と答えた》
指定弁護士「あなたは検察官の取り調べに対し、(小沢被告に)『翌年3月に収支一覧表について説明した』などというような供述していませんか」
証人「していません。報告自体は12月に1度しかしていないので、この収支に関しても12月に報告したと言いました。検察官がどうしても(報告を)3月にしたいようで、12月から3月になりました」
指定弁護士「あなたは(小沢被告に一覧表を)12月に見せたと?」
証人「はい」
指定弁護士「それはいつ(検察官に)話しましたか」
証人「(21年)12月の(任意の)取り調べから、逮捕後の取り調べまでの全てでです」
《指定弁護士は、池田元秘書が署名した「提出前に小沢氏に報告していました」と供述した調書を読み上げる》
証人「はっきりは分からないですが…」
指定弁護士「もう一度聞きます。いつ作られた調書ですか」
証人「覚えていません」
指定弁護士「(21年)12月24日。任意の取り調べの初日です」
証人「12月に1度、(陸山会など5団体)全体の収支の報告をしていました。調書でどうして3月になっているのは分かりませんが、時期については特に重要ではないと思い、よく確認しないでサインしました」
指定弁護士「検察の狙いが小沢被告にあると、小沢事務所で話し合われたのではないんですか」
証人「当時、争点がよく分かっていなかったので、そこまで理解できていませんでした」
《弁護側は、検察官による取り調べで威圧による自白の強要があったと主張している。しかし、指定弁護士は、池田元秘書が任意の取り調べの開始直後に、あっさりと小沢被告に不利な証言を行っていると印象付けたいようだ》
指定弁護士「長い間身柄が拘束されて、やむを得ず署名、押印したというが、この調書は任意の取り調べの最初の日。しかも、これは大久保(隆規元公設第1秘書)氏の事件だ」
証人「大久保氏が焦点で、小沢氏は関係ないと思っていました。私は特に問題ないと思ってサインしました」
《池田元秘書を追及する指定弁護士の声が強まる》
指定弁護士「これは小沢被告が不利になる供述ですよ。重要であるのかどうか、あなたには分からなかったのですか!」
証人「概括的な内容を報告したものなので、時期について、12月か3月かはあまり考えずに署名しました」
《小沢被告は椅子の背もたれに体をもたせかけ、目を閉じてじっとやりとりを聞いている》
◇
【小沢被告第7回公判(9)】
検察調べ2週間休みなく…「架空の3億円、報告した」と調書にサイン
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120718090014-n1.htm
2011.12.7 18:08
(15:00〜15:10、15:40〜16:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、証人出廷した池田光智元秘書(34)に対する指定弁護士の尋問が続く。争点は、小沢被告に政治資金収支報告書の記載について報告したかどうか。厳しい追及が繰り広げられている》
《指定弁護士は池田元秘書が数字合わせのため、平成17年の収支報告書に記載した3億円に及ぶ「架空の寄付」について質問している》
指定弁護士「架空の3億円を計上した、という報告は(小沢被告に)したのですか」
証人「一切報告しておりません」
指定弁護士「(逮捕後の)21年2月3日の調書では、3億円の虚偽の記載について『報告した』となっているが…」
証人「そもそも『虚偽』とは言っていない」
指定弁護士「ごめんなさい、『架空の3億円』を計上したことを小沢被告に報告しましたか」
証人「それも検事さんが作られたので、よく覚えていない」
《調書の表現に従って、「虚偽」という言葉を「架空」に置き換えて追及する指定弁護士。これに対し、池田元秘書は語気を強め、「報告していない」という主張を繰り返した。指定弁護士もたたみかけるように質問を続ける》
指定弁護士「報告したのかどうかについて、検察に聞かれたのですか」
証人「聞かれたと思うが、『報告していない』とはっきり申し上げた」
指定弁護士「もし、そう(検察に)申し上げたんだったら、そういう調書になるのではないでしょうか」
証人「いいえ、全く違う調書になっていました。私はそういう答えをしていないです」
「3億円の報告をしたのかと聞かれたので、『していません』と申し上げたら、そういう記載になっていました」
指定弁護士「あなたは検察の取り調べで、『架空の3億円を小沢被告に報告しなかったのか』と聞かれたのでは…」
《ここで、弁護側が「池田元秘書本人が調書の内容を覚えていない中では、本人も答えづらい」と指摘。大善文男裁判長が質問し直すよう指定弁護士に伝えた》
指定弁護士「検察にはどう聞かれたのでしょうか」
証人「資金移動があって書いていないものは、小沢さんや大久保(隆規元公設第1秘書)さんに報告したんですか、と聞かれました」
《しばらく、質問の内容についてのやりとりがあった後、池田元秘書が「調書を見せてほしい」と要請。裁判長がこれを認めた》
《指定弁護士が池田元秘書のそばに行き、調書を見せる。調書には、逮捕後の取り調べ時に3億円の架空計上を報告したかどうかと検察が尋ねた部分が示されているとみられる》
証人「架空というのは分かりませんが、こういうことは聞かれ、報告しなかったと申し上げた」
指定弁護士「大久保さんには報告したんですか」
証人「報告したことはありません。収支一覧表もございません」
指定弁護士「ファクスや直接やりとりができるときは直接やりとりしたという供述はしていませんか」
証人「いつの時点ですか」
指定弁護士「逮捕後です」
証人「逮捕されてからは一切、大久保さんに報告したという説明はしておりません」
指定弁護士「(逮捕される前の)任意(の取り調べ)のときはどうですか」
証人「『報告した』という調書を作成しました」
指定弁護士「それが真実だと認めたのですね」
証人「はい」
指定弁護士「逮捕されてから供述を変えたのですか」
証人「はい」
指定弁護士「どうして任意の時に認めていたのに、供述を変えたのですか」
証人「任意は12月ですか? 西松事件の時も同様の内容の調書を作成してもらっていたからです。裁判の争点になっていなかったので、大久保さんのほうにも迷惑になると考え、西松事件のときと同じ供述を維持しました」
指定弁護士「真実を言う姿勢はなかったんですか」 証人「そういう姿勢でした」
指定弁護士「では、なぜ?」
証人「西松事件のときにもそういう調書を作成し、そのまま問題になるとは思わずにそのまま(供述を)維持しました」
《任意の取り調べから逮捕までの間に、池田元秘書は、事件について弁護士に相談したことを明らかにした。だが、供述の変遷については「あまり(弁護士に)確認しなかった」と主張した》
指定弁護士「供述調書にサインしないことも可能だったと思いますが」
証人「西松事件のときも、2週間休みなく、朝から夜まで取り調べられた。逃げられないと思っていました」
指定弁護士「自分の発言でなければ、異議を申し立てることもできたはずですが、しなかったんですか」
証人「異議を申し立てても、内容について(検察が内容を)変えることはほとんどありませんでした。まさに検察が作った調書にサインするかしないかの選択で、異議を申し立てるのはかなり難しかったです」
《指定弁護士側の質問が一段落したところで、大善裁判長は30分の休廷を告げた。池田元秘書はやや疲れた表情で一度退廷していった》
《午後3時40分、審議が再開した。裁判長に促され、指定弁護士が尋問を再開する》
《指定弁護士は、池田元秘書が引き継ぎ用に作成したという会計・経理事務のためのノート(通称「池田ノート」)をモニターに映した。このノートに沿って尋問を進めていくようだ。最初に示されたページには銀行や小沢被告、陸山会の資金の動きが記されている》
指定弁護士「このページはあなたが書いたものですね」
証人「はい」
指定弁護士「これをみると銀行から陸山会が直接借り入れることになっていますが、今回の4億円を銀行から借りたときは小沢被告が間に入っていますね」
証人「はい」
指定弁護士「それはなぜですか」
証人「(前任の)石川(知裕衆院議員)さんから名義上としか聞いていないので分かりません」
《指定弁護士は次のページに移る》
指定弁護士「『収支報告書の作成』というページですが、これもあなたが書いたのですか」
証人「引き継いだものと、自分で書いたものがあると思います」
指定弁護士「『収支報告書の大枠』というのもですか」
証人「2004年の収支の状況をまとめたものです」
指定弁護士「2004年というのは平成16年ですね。こういう数字を収支報告書を見ずに、別の資料をもとに作ったのですか」
証人「はい」
指定弁護士「続いての『マンション』のページですが、ここに『先生が買いたいところ、ニューオータニのテナント6億円』とありますが、これはどういう内容のものですか」
証人「これは石川さんから聞いたのを書き取ったものものです」
指定弁護士「これは陸山会で買うということですか」
証人「分かりません」
指定弁護士「このページは陸山会で購入するものが記されているんですよね」
証人「はい」
指定弁護士「では、陸山会で買うということはないでしょうか」
証人「個人か陸山会か、どちらが買うかは記憶にありません」
《続いて、平成19年に事務所費を公開した点について質問が及ぶ。まずは、平成18年の週刊誌の記事で、陸山会の不動産が、小沢被告個人の名義になっていると書かれたことについて、指定弁護士が質した》
指定弁護士「この記事に対して、小沢被告の事務所として、陸山会のものと主張したのですか」
証人「はい。実務上そうしているだけで、『所有者は陸山会』と」
指定弁護士「記事へ対応として、どのようなことをしたのでしょうか」
証人「小沢さんが民主党と、陸山会の代表として、記事が間違っていると主張して、損害賠償と謝罪を求めました」
指定弁護士「それはその後どうなりました?」
証人「はっきりと覚えていませんが、記事の内容は表現の自由の範疇(はんちゅう)だなどとして、訴えが棄却されたと思います」
指定弁護士「控訴しても負けたんですか」
証人「控訴したんですか? 担当だったけど、判決はそこまで深く読み込んでいなかった」
指定弁護士「では、その後、公開した事務所費の協議に、小沢さんは参加しましたか」
証人「報告はしたことはあります」
指定弁護人「この公開の中で、不動産の取得費は17年に支出しているという概略を公表していますね」
証人「はい」
《池田元秘書ははっきりとした口調で質問に答えているが、時折、疲れたような表情を浮かべる。小沢被告は、終始じっと前を見たまま、池田元秘書と指定弁護士のやりとりに耳を傾けていた》
◇
【小沢被告第7回公判(10)】
「選挙控え、使ってはいけない」被告の4億円を簿外で返済
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120718260015-n1.htm
2011.12.7 18:26
(16:00〜16:30)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、池田光智元私設秘書(34)に対する検察官役の指定弁護士側の証人尋問が続けられている》
《小沢被告は平成19年に事務所費を公開した。指定弁護士側は引き続き、この点の質問を重ねる》
指定弁護士「公開する書類は、小沢被告は目を通していましたか」
証人「いちいち、ひとつひとつ見ても分からないので…」
指定弁護士「『いちいち』といっても、民主党のホームページ(HP)上に公開する(重要な)ものですよね」
証人「大枠で10個か、20個か、事務所費の内訳を載せただけですし、(私が載せるべき項目を)任されていたので、確認はしていないと思います」
《ここで、指定弁護士は問題の土地について、陸山会に代わって小沢被告が購入したとする、公開した確認書を池田元秘書に示す。書面の記載は平成17年1月17日付となっている》
指定弁護士「この書類はどういうものですか」
証人「購入した土地が、小沢代議士個人が購入したことになっているが、本来は陸山会が購入したことを確認するものです」
《確認書は、個人としての「小澤一郎」と、陸山会代表の「小沢一郎」が交わした文書で、小沢被告のサインが2つ並んでいる》
指定弁護士「これはだれが署名したのですか」
証人「小沢代議士に署名していただきました」
《池田元秘書は、これまで政治資金収支報告書の署名欄は代筆していたと証言している》
指定弁護士「なぜ、これだけ署名をもらったのか」
証人「歴代の確認書はこう(小沢被告が自署)していたので、同じようにしていただきました」
指定弁護士「日付は平成17年1月17日になっていますが。署名もこの日付にしてもらったのですか」
証人「あとで、気付いたもので、この日ではありません」
指定弁護士「事務所の問題を公表する2、3日前だったのではありませんか」
証人「過去のもの(陸山会など政治団体が不動産を購入した際)には確認書がついているのに、そうなっていなかったので、私の落ち度だと(して後で作成した)」
《ここで指定弁護士側は週刊誌から、この時期に事務所費に関する質問を受けていたことを池田元秘書に確認した》
指定弁護士「回答の原案はあなた(池田元秘書)が作成しましたね」
証人「はい」
指定弁護士「それを元にいろいろな人が意見し、最終的な回答ができあがりましたね」
証人「はい」
《指定弁護士は、池田元秘書が作成した原案の上に手書きで修正を加えた3種類の案を示す》
指定弁護士「この(3種類の案の)中に小沢被告から電話で指示されたものもありますね」
証人「はい。2種類目です」
《小沢被告の関与を強調した後、指定弁護側は、小沢被告が用意した問題の土地購入資金4億円の話題に切り替える。小沢被告は4億円を秘書に渡す際に「ちゃんと返せよ」といっていたとされる》
指定弁護士「4億円を小沢被告に返済したのは平成19年5月ですよね」
証人「はい。19年5月です」
指定弁護士「どういう資金から返済したのですか」
証人「各政治団体に入っているお金から返済しました」
《問題の土地を購入する際に小沢被告は4億円を用意したが、その後、りそな銀行からも、さらに4億円の融資を受けている》
《池田元秘書は、小沢被告が用意した4億円について、小沢被告の関係5団体のどこに入金されているのかは「分からない」と証言していた》
指定弁護士「どこに入っているのか、分からない現金を返す必要があったのですか」
証人「特定できないといっても、資金の残高から見て返済すべきだと考えた」
指定弁護士「返済した具体的な日付は?」
証人「5月2日です」
指定弁護士「その前日、つまり5月1日に引き出していますね」
証人「はい」
指定弁護士「返すにあたり、陸山会の口座を通していますね」
証人「一度、(陸山会の口座に)集めました」
指定弁護士「政治資金収支報告書には、この返済の記載はありませんね」
証人「もともと小沢代議士から預かっているものを返したので、政治団体の収支とは関係がなく、載せる性質のものではなかった」
《ここで、指定弁護士側は、池田元秘書が作成した寄付の一覧表を示し、簡単な質問を続けた後で再び4億円の返済に質問を戻す》
指定弁護士「4億円の返済について(引き継ぎを受けた前任者の)石川(知裕衆院議員)さんから指示は受けていましたか」
証人「受けていません」
指定弁護士「なぜ、この時期に返済したのか」
証人「ひとつは寮が完成したのもあります。また選挙も控えた時期で、小沢代議士の資金を使ってはいけないという考えもありました」
指定弁護士「この時期は事務所費の問題が騒がれ、小沢被告も土地購入を気にして、ぼやいていたのではありませんか」
証人「週刊誌に事実と反することも書かれていましたし、おっしゃることもあったかも知れません」
指定弁護士「4億円を返済したのは、こうしたマスコミの追及を逃れる目的もあったのではないですか」
証人「メディアどうこうではなく、私の判断で返済しました。しかも、もともと(小沢被告)個人のお金で、戻すことを追及される性質のものではありません」
《小沢被告は、時折、まゆをひそめ、首を回しながら公判を静かに聞いている》
◇
【小沢被告第7回公判(11)】
旧新生党の資金移動「小沢被告から相談受けた」 迂回献金を認識!?
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120719000016-n1.htm
2011.12.7 18:59
(16:30〜17:00)
《資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、検察官側の指定弁護士による、池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する証人尋問が続いている》
《指定弁護士は、平成17年分の政治資金収支報告書に記載された、土地登記直前の関係政治団体からの3億円の寄付について引き続き尋ねていく。指定弁護士側は「架空」と指摘。池田被告は過去に実際に寄付があり、「仮」として記載されていなかったものを確定させた、と説明している》
指定弁護士「単純に7億円の資金があり4億円の土地を買うなら、銀行融資を受けたり、複雑な作業をする必要がなかったわけですよね」
証人「説明を受けていません。後で石川さんから話を聞きましたが、当時、定期預金のことなど、一切話を聞いていなかったので分かりません」
指定弁護士「今はおかしいと思いませんか」
証人「(土地購入)当時の状況判断が分かりません。現場にいなかったので、推測しても仕方がありません」
指定弁護士「判断に小沢被告は関わっていませんか」
証人「直接聞いていません。立ち会っていないので分かりません」
《続いて、指定弁護士は小沢事務所側が保有していた8つのマンションについて、一連の報道を受けて5つを処分していた点に言及した後、21年の衆院選について尋ねていく》
《衆院選にからみ、小沢被告側は民主党の立候補予定者92人の政治団体に計4億4900万円を寄付したが、陸山会はその原資が不足していたため、迂回献金の疑いも指摘される手法で、旧新生党の資金がプールされる政治団体「改革フォーラム21」から3億7000万円の寄付を受けていた》
《こうした「無理」のある資金移動の背景について、指定弁護士は土地代金4億円を簿外で小沢被告に返済し、政治団体の資金が枯渇したことにあると指摘。池田元秘書に疑問をぶつける》
指定弁護士「3億7000万円は、小沢被告の関係政治5団体では足りませんよね」
証人「まあそうですね」
指定弁護士「その資金について、小沢被告から相談を受けましたか」
証人「はい。いつだったかは覚えていませんが。『改革フォーラムから陸山会に寄付ができるかどうか』みたいな話があって、直接では上限額があるので、他団体からであれば、という説明をしました」
指定弁護士「それは7月に(各政治団体に)寄付をした後ですか」
証人「はい」
指定弁護士「(候補予定者側への)寄付の後で、改革フォーラムの資金をどう処理するか相談を受けたんですね」
証人「はい」
《21年の衆院選では、小沢被告がいったん陸山会に3億7000万円の現金を貸し付け、それを原資に91人の候補予定者側に分配。その2日後に全額の返済を受けている。返済の原資には改革フォーラム21の3億7000万円が充てられたとされており、小沢被告からの相談はそれに関するものだったとみられる》
《指定弁護士はさらに、今回の事件のほかにも巨額の虚偽記載があったことを強調しようと、17年分の収支報告書に不記載の出入金各4億円があったことについて追及するが、弁護側から記載の必要性について異議が出たこともあり質疑がかみ合わない。再び話題を変え、検察の取り調べについて聞いていく》
指定弁護士「陸山会事件では被疑者の立場となった。問題を認識していましたか」
証人「(購入した)土地の(収支報告書への)計上時期と、(裏献金が土地代金の原資の一部と指摘された)水谷建設との関係についてです」
指定弁護士「小沢被告に事件が及ぶ可能性について、理解していましたか」
証人「場合によってはあると思っていました」
《池田元秘書は逮捕前の平成21年12月24〜26日の任意の聴取で、収支報告書の虚偽記載、不記載について小沢被告に報告したことを認める調書に署名。翌22年1月15日に逮捕された際も、容疑に対する認否を表明する「弁解録取」で容疑を認めていた》
指定弁護士「(12月)26日以降も、すぐに聴取に応じられる状況にいましたか」
証人「年末は。年明けはそうでない時もありました」
指定弁護士「所在を隠していたんですか」
証人「取り調べが苦しかったので。任意の聴取であれば、受けないように、と思っていました」
指定弁護士「逮捕された後、『弁解録取』で容疑を認める調書を作成していますね」
証人「突然逮捕され、内容を読み込めないまま、検察官にとりあえずサインしろ、とせかされました」
指定弁護士「逮捕容疑は『間違いない』という内容を、事務的に処理したんですか」
証人「早くして、と言われて。先に進まなければ、と考えていました」
《午後5時を回り、小沢被告も疲れた様子でしきりに首や肩を動かしている》
◇
【小沢被告第7回公判(12)完】
「調書は強要」「検事は恐ろしい方」…閉廷後“師弟”が会釈交わす
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111207/trl11120719230018-n1.htm
2011.12.7 19:22
(17:00〜17:23)
《資金管理団体「陸山会」をめぐる虚偽記載事件で、政治資金規正法違反罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の第7回公判は、証人として出廷した池田光智元私設秘書(34)=1審有罪、控訴中=に対する検察官役の指定弁護士の質問が続いている》
《指定弁護士は、池田元秘書が平成22年1月15日に逮捕された後、検察官による威圧や強要があった弁護側が主張する取り調べについて尋ねる》
指定弁護士「逮捕された後には、弁護士と接見しましたか」
証人「記憶が曖昧(あいまい)ですが、後で接見したんだと知りました。夜か朝かは、ちょっと記憶にありません」
指定弁護士「(裁判官による)勾留質問はどうでしたか」
証人「『わざとやったわけではない』と申し上げました」
指定弁護士「取り調べでは『わざとやったわけではない』と供述しましたか」
証人「はっきりしませんが、共謀はないということを(調書に)きちんと書いてもらったので、署名しました」
指定弁護士「(取り調べの途中で)検事は変わりましたか」
証人「変わりました」
指定弁護士「変わったことをどう考えましたか」
証人「とても恐ろしい方に変わったので、より厳しい取り調べになるのかと思いました」
指定弁護士「取り調べでは、大久保氏についても何点か調書がありますね」
証人「いろいろあって、どういった調書にサインしたか分かりません。いずれにせよ、(検察官が)可能性や仮定の話をよくして、強要されたのを覚えています」
指定弁護士「不利益な調書が作成されたということですか」
証人「はい」
指定弁護士「取り調べの検事が変わってからは?」
証人「同じように大久保氏に対して、共謀はないと説明しました」
指定弁護士「調書はそうなっていますか」
証人「そうなっていませんが、(収支報告書の虚偽記載と不記載を)小沢先生に報告していないと、きちんと申し上げました」
《指定弁護士はさらに質問を重ねていく。逮捕から約2週間後の「1月29日囲以降」について尋ねる》
指定弁護士「1月29日くらいまで頑張ったが、その後は折れて認めたということですが?」
証人「はい。それまでは頑張った。その後も認識自体は変えていません。さまざまな圧力をかけられて屈してしまった」
証人「1月29日の後も大久保氏との共謀、小沢先生への報告は事実でないとずっと言っていました」
指定弁護士「しかし、1月29日以降は折れて署名したということですか」
証人「はい」
指定弁護士「他の調書はどうですか?」
証人「他の調書も私の言ったことと全く違う調書があったが、サインしたものもあります」
指定弁護士「どうしてサインしたのですか」
証人「大久保さんや小沢先生など他人を巻き込んではいけないと思い、かたくなに真実と違うと申し上げた。私のやったことについては、納得がいかなくても署名してしまったものもあります」
《指定弁護士は法廷の大型モニターを使い、池田元秘書の供述調書の署名と押印を1件ずつ確認していく。小沢被告も手元のモニターをじっとみつめている》
《約30件の調書の確認に要したのは約10分。池田元秘書が確認を終え、大善文男裁判長が「内容を確認して署名したということでいいですね」と念を押すと、池田元秘書は「はい」と答えてうなずいた》
《大善裁判長が閉廷を告げた。池田元秘書は大きく一礼して法廷を後にする。退廷途中に池田元秘書が小沢被告に会釈すると、小沢被告も軽くうなずいて応じていた》
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