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小沢裁判ー大久保被告証言の読み解き方
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2011-12-05 14:33:47 弁護士早川忠孝の一念発起・日々新たなり
新聞やテレビでは分からないことが、インターネットの記事でよく分かるようになるということが分かった。
産経MSニュースの配信記事「小沢公判記録」が秀逸である。
法廷の傍聴記録としてはずいぶん要領も良く、内容もほぼ正確で、若い弁護士が作成する証人の証言記録と同等の記録性を持っているようだ。
どうやら産経には刑事裁判に強く、こうした法廷傍聴記録を書くことに手慣れた記者がいるようだ。
何よりも法廷で交わされる指定弁護士や弁護人、さらには裁判官の言葉を正確に聞き分けることが出来る能力が素晴らしい。
慣れていないと裁判で使われる言葉の意味が分からず、どこかで躓いてしまうと後の言葉に対しての注意力が散漫となり、誰が何を言っているのか分からなくなってしまうものだ。
耳がいい。
難しい法律用語をよく理解している。
何よりも素晴らしいのは、どういう意図で質問しているのか質問者の意図をほぼ正確に把握していることだ。
ここまで理解が行き届くと、証人がどのように質問をはぐらかせようとしているか、何か言いよどんでいるのかそれとも忘れているのか、明らかに質問を誤解して答えているのか、などが見えてくる。
争いのある刑事事件の弁護や裁判で激しく争うスモン訴訟や和解のない難しい公務災害訴訟などを担当してきた経験のある私でも、一つ一つの証言の意味合いやその重みを正しく評価するのは難しい作業である。
正確な証言記録を何度も何度も読み返さないと、なかなか真実には近づけない。
裁判官は、法廷での証言を聞きながら自分なりの備忘録を作成し、その備忘録に基づいて自分の記憶を辿りながら証人の証言調書を何度も読んで心証を形成する。
文字に現われた証言内容だけで事実の認定をするわけではない。
法廷で証人が否定的な証言をしたからといって、裁判官がその証人の証言を鵜呑みにすることなどはない、と思っていた方がいい。
裁判官は、証人の法廷での証言の態度や証言する声の強弱、あるいは証言の滑らかさや質問に対するはぐらかしの有無、証言の矛盾や変遷など様々な要素を勘案しながら心証を形成していくものである。
そういう目で大久保被告の小沢裁判の公判廷での証言記録を読んでいくと、大久保証言は結果的に捜査段階での検察官に対する供述を補完するだけのもので、今回の大久保証言で検察官に対する検面調書の任意性を否定することは難しいということが見えてくる。
小沢氏側としては大久保証言に相当期待していたと思うが、大久保証言で明らかになったことは、小沢氏の秘書にとって小沢氏が如何に絶対の、犯すべからざる神聖な存在だったかということである。
大久保被告が会計責任者としての関与を否定すればするほど、裁判官にとっては小沢氏の存在が大きくなり、小沢氏の関与の程度が強まるという関係にある。
おそらく、大久保被告の直観は正しかったのだろう。
自分が一切の責任を被ることで捜査の手が小沢氏にまで及ぶことはなくなる。
小沢氏を護るために、どうもしっくりこないところがあるがあえて自分が罪を被る。
一切の責任は自分が負って、小沢氏にまでは及ばせない。
そう思っていたはずだが、どこかで迷いが出たようだ。
自分で全部被るはずだったのに、自分は名前だけの会計責任者だった、と逃げを打つようになってしまった。
法律上の議論はさておいて、実態は多分そんなところだったろうと私は思っている。
大久保被告の前任の会計責任者は、いわば小沢氏と敵対した人間である。
ある意味で、小沢氏にとっては一番怖い存在であったろう。
腹心の部下が自分から離反したらどんなことになるか、小沢氏は身をもって知ったはずである。
金に厳しい人は、絶対に他人を信用しない。
金持ちほど金には厳しい。
無駄遣いはしないものだ。
新しい会計責任者は、決して自分を裏切らない人間にしよう。
新しい会計責任者には、何も触れさせないようにしよう。
そのくらいのことは、用意周到な人なら考えるはずだ。
書生時代から面倒を見て絶対に自分を裏切る虞のない完全子飼いの人間ならいざ知らず、多少選挙の経験があり、年齢的にも他の書生よりは上だからと言って途中で小沢氏の秘書になっただけの元市会議員に自分の一番知られたくない部分を知られるような迂闊なことを小沢氏がするなどとは考えられない。
大久保被告は役に立つ秘書ではあったが、すべてを任せ切るほどには信用していない、というところだろう。
小沢氏は決してそんなお人好しではない。
もっともっと怖い人だ、というのが私の目から見える小沢氏だ。
だから、大久保被告が、自分は書類上は会計責任者にはなっていたが実態はお飾りの存在でした、私は何も知りません、私は何も関与しておりません、と言いたくなるのは分からないでもない。
ただし、そう言い張ることによって、それでは実質上の会計責任者は誰だったのか、という当然の疑問を導き出すことにはなる。
小沢弁護団にも小沢氏にもなかなか厳しい展開が待っているようだ。
◇
〔小沢被告第5回公判(1)〕 “金庫番”と称された元会計責任者 政治資金規正法「詳しく知ろうと思わなかった」〜(8)完
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/945.html
〔小沢被告第6回公判(1)〕 小沢被告宅や庭、車の掃除…「政治家になるための訓練」〜(11)完 「法廷ライブ」産経新聞
http://www.asyura2.com/11/senkyo123/msg/124.html
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