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2011年12月 6日 (火)
財務省と外国資本が切望する混合解禁全面解禁
日本はTPPにするべきでない。
TPPに日本が参加することは、米国に利益を供与するもので、日本にとってはトータルに見て損失が大きいからだ。
野田佳彦氏は日本にとって損失が大きいものに参加する意向を表明した。その唯一の理由は、米国から命令を受けたことである。野田氏は、米国の命令に抗うことをせず、隷従した。
その理由は、自分の身の安泰を図るためである。日本の政治家は次の宿命を負っている。米国にひれ伏し、米国の命令に隷従する者は米国の支援を受ける。逆に、米国にひれ伏さず、米国にもモノを言う者は米国から陰に陽にさまざまな攻撃を受ける。
このため、大多数の政治家は米国にひれ伏し、米国に隷従する道を選ぶ。
吉田茂氏を始祖とするこの系譜のなかで、近年で突出している存在は、小泉純一郎氏、菅直人氏、そして野田佳彦氏である。
だから、私は小泉氏をポチ1号、菅氏をポチ2号、野田氏をポチ3号と呼んでいる。
TPP交渉のなかで、日本が混合診療の解禁を求められる可能性があることが明らかにされた。この問題は、コメの関税撤廃と並ぶTPP問題の最重要のポイントである。
混合診療とは保険を適用できる医療と保険の適用できない医療を併存させるというものだ。現行制度でも、一部先進医療については、混合診療が認められている。先進医療については全額負担だが、基礎医療部分については保険が適用される。
医療費の増大が社会保障財政を圧迫する要因になっている。これから日本は高齢化が加速するため、国民医療費の増大が避けられない。そのなかで、社会保障財政を維持するには、患者の自己負担を増大させなければならないというのが、財務省の考え方である。
混合診療はこの意味で、そもそも日本の財務省が熱望している制度である。
患者の側でも、保険に適用されていないが、諸外国で実績のある先進医療を受けたいが、基礎医療費までが自己負担となるため受けられないとの声がある。混合診療が解禁になれば、そのような医療をより安価に受けられる。この視点から混合診療全面解禁を求める声があることも事実ではある。
しかし、ものごとには表があれば裏がある。光と影だ。光の反対側に影が存在する。その光と影を比較衡量することが不可欠だ。
誰が混合診療全面解禁を熱望しているのかを見ると、混合診療の意味がよく分かる。熱望しているのは、日本の財務省、米国の医薬品・医療機器業界、米国の保険会社、そして富裕層に属する日本の患者である。日本の患者の要請理由は事情がやや複雑だが、上記した通りだ。
オリックス会長の宮内佳彦氏は小泉政権の時代、総合規制改革会議の議長をした。この会議では郵政民営化の論議をしたが、議論が本格化して以降は、郵政民営化については経済財政諮問会議に舞台が移された。
総合規制改革会議が示した重要結論のひとつが混合診療の解禁で、小泉純一郎氏が懸命に推進した。
オリックスグループの保険会社は、民間医療保険商品の販売に実績がある。米国系の保険会社のもっとも得意とする分野が民間医療保険商品である。
混合診療が全面解禁されると、患者は保険医療適用分については2〜3割の自己負担で済むが、自由診療については全額自己負担が求められる。月額の自己負担上限がどのように定められるのかにもよるが、医療費負担が膨大になる可能性が高まる。
この負担を想定すると、多数の国民が、あらかじめ民間の医療保険商品を購入するとの選択をするようになる。
米国の保険会社はここに目を付けている。オリックスの宮内氏が総合規制改革会議で混合診療解禁を打ち出したのは、オリックス生命の民間保険商品の販売を拡大させることが目的だったと思われる。
また、米国の医薬品業界、医療機器業界も混合診療全面解禁を熱望している。日本の保険で認可されていない医薬品や医療機器販売を激増させるチャンスが生み出されるからだ。
さらに重要なことは、この制度導入を財務省が熱望していることだ。財務省の支出削減対象御三家は、社会保障費、公共事業費、地方交付金である。国民生活に直結する部分が財務省の支出削減対象である。
財務省の天下り利権、財務省が自由に配分できる自由裁量予算については、最後の最後まで支出抑制に応じない。これが財務省の基本スタンスである。
何が起こるのかは明白である。混合診療が全面解禁されれば、保険医療の適用範囲が狭められ、多くの医療行為が保険対象外とされる可能性が濃厚なのだ。
新幹線と在来線の関係と極めて似たものになるだろう。新幹線が走る前は在来線が充実していた。在来線にも特急電車は走っていたが、特別料金のかからない普通列車が充実して、どこに行くにも、普通列車で行くことができた。
ところが、新幹線が開通すると、在来線が大幅に圧縮されてしまう。目的地まで普通列車を乗り継いで行くことが困難になり、時間帯によっては、新幹線を使わない限り、目的地に到達することができなくなる。
部分的には在来線そのものが廃止されてしまうケースさえ登場する。
医療の分野で混合診療が全面解禁されれば、在来線の普通列車だけを利用する患者が著しい困難に直面する。いくらでも新幹線を利用できる富裕層にとっては快適であるが、新幹線をなかなか利用できない低所得者は、運転本数が激減した普通列車しか利用できず、厳しい状況に追い込まれるのだ。
全員が健康保険に加入しているという「国民皆保険」が守られても、混合診療が全面解禁されるなら、まず間違いなく日本の医療制度は、弱者切り捨ての方向に向かうだろう。財務省を解体しない限り、この方向に事態が進むことは間違いない。だから、混合診療を全面解禁してはならないのだ。
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