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財務省と外国資本が切望する混合解禁全面解禁 (植草一秀の『知られざる真実』)
http://www.asyura2.com/11/senkyo123/msg/267.html
投稿者 祈り 日時 2011 年 12 月 06 日 12:06:53: HSKePa2Cm.aPs
 

http://uekusak.cocolog-nifty.com/blog/2011/12/post-52a6.html
2011年12月 6日 (火)
財務省と外国資本が切望する混合解禁全面解禁


 日本はTPPにするべきでない。

 TPPに日本が参加することは、米国に利益を供与するもので、日本にとってはトータルに見て損失が大きいからだ。
 
 野田佳彦氏は日本にとって損失が大きいものに参加する意向を表明した。その唯一の理由は、米国から命令を受けたことである。野田氏は、米国の命令に抗うことをせず、隷従した。
 
 その理由は、自分の身の安泰を図るためである。日本の政治家は次の宿命を負っている。米国にひれ伏し、米国の命令に隷従する者は米国の支援を受ける。逆に、米国にひれ伏さず、米国にもモノを言う者は米国から陰に陽にさまざまな攻撃を受ける。
 
 このため、大多数の政治家は米国にひれ伏し、米国に隷従する道を選ぶ。
 
 吉田茂氏を始祖とするこの系譜のなかで、近年で突出している存在は、小泉純一郎氏、菅直人氏、そして野田佳彦氏である。
 
 だから、私は小泉氏をポチ1号、菅氏をポチ2号、野田氏をポチ3号と呼んでいる。


 TPP交渉のなかで、日本が混合診療の解禁を求められる可能性があることが明らかにされた。この問題は、コメの関税撤廃と並ぶTPP問題の最重要のポイントである。
 
 混合診療とは保険を適用できる医療と保険の適用できない医療を併存させるというものだ。現行制度でも、一部先進医療については、混合診療が認められている。先進医療については全額負担だが、基礎医療部分については保険が適用される。
 
 医療費の増大が社会保障財政を圧迫する要因になっている。これから日本は高齢化が加速するため、国民医療費の増大が避けられない。そのなかで、社会保障財政を維持するには、患者の自己負担を増大させなければならないというのが、財務省の考え方である。
 
 混合診療はこの意味で、そもそも日本の財務省が熱望している制度である。
 
 患者の側でも、保険に適用されていないが、諸外国で実績のある先進医療を受けたいが、基礎医療費までが自己負担となるため受けられないとの声がある。混合診療が解禁になれば、そのような医療をより安価に受けられる。この視点から混合診療全面解禁を求める声があることも事実ではある。
 
 しかし、ものごとには表があれば裏がある。光と影だ。光の反対側に影が存在する。その光と影を比較衡量することが不可欠だ。


 誰が混合診療全面解禁を熱望しているのかを見ると、混合診療の意味がよく分かる。熱望しているのは、日本の財務省、米国の医薬品・医療機器業界、米国の保険会社、そして富裕層に属する日本の患者である。日本の患者の要請理由は事情がやや複雑だが、上記した通りだ。
 
 オリックス会長の宮内佳彦氏は小泉政権の時代、総合規制改革会議の議長をした。この会議では郵政民営化の論議をしたが、議論が本格化して以降は、郵政民営化については経済財政諮問会議に舞台が移された。
 
 総合規制改革会議が示した重要結論のひとつが混合診療の解禁で、小泉純一郎氏が懸命に推進した。
 
 オリックスグループの保険会社は、民間医療保険商品の販売に実績がある。米国系の保険会社のもっとも得意とする分野が民間医療保険商品である。
 
 混合診療が全面解禁されると、患者は保険医療適用分については2〜3割の自己負担で済むが、自由診療については全額自己負担が求められる。月額の自己負担上限がどのように定められるのかにもよるが、医療費負担が膨大になる可能性が高まる。
 
 この負担を想定すると、多数の国民が、あらかじめ民間の医療保険商品を購入するとの選択をするようになる。
 
 米国の保険会社はここに目を付けている。オリックスの宮内氏が総合規制改革会議で混合診療解禁を打ち出したのは、オリックス生命の民間保険商品の販売を拡大させることが目的だったと思われる。
 
 
 また、米国の医薬品業界、医療機器業界も混合診療全面解禁を熱望している。日本の保険で認可されていない医薬品や医療機器販売を激増させるチャンスが生み出されるからだ。
 
 さらに重要なことは、この制度導入を財務省が熱望していることだ。財務省の支出削減対象御三家は、社会保障費、公共事業費、地方交付金である。国民生活に直結する部分が財務省の支出削減対象である。
 
 財務省の天下り利権、財務省が自由に配分できる自由裁量予算については、最後の最後まで支出抑制に応じない。これが財務省の基本スタンスである。
 

 何が起こるのかは明白である。混合診療が全面解禁されれば、保険医療の適用範囲が狭められ、多くの医療行為が保険対象外とされる可能性が濃厚なのだ。
 
 新幹線と在来線の関係と極めて似たものになるだろう。新幹線が走る前は在来線が充実していた。在来線にも特急電車は走っていたが、特別料金のかからない普通列車が充実して、どこに行くにも、普通列車で行くことができた。
 
 ところが、新幹線が開通すると、在来線が大幅に圧縮されてしまう。目的地まで普通列車を乗り継いで行くことが困難になり、時間帯によっては、新幹線を使わない限り、目的地に到達することができなくなる。
 
 部分的には在来線そのものが廃止されてしまうケースさえ登場する。
 
 
 医療の分野で混合診療が全面解禁されれば、在来線の普通列車だけを利用する患者が著しい困難に直面する。いくらでも新幹線を利用できる富裕層にとっては快適であるが、新幹線をなかなか利用できない低所得者は、運転本数が激減した普通列車しか利用できず、厳しい状況に追い込まれるのだ。
 
 全員が健康保険に加入しているという「国民皆保険」が守られても、混合診療が全面解禁されるなら、まず間違いなく日本の医療制度は、弱者切り捨ての方向に向かうだろう。財務省を解体しない限り、この方向に事態が進むことは間違いない。だから、混合診療を全面解禁してはならないのだ。

・・・・・  

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コメント
 
01. 2011年12月06日 12:37:55: yZ9oDLELCI
『混合診療解禁、反対』で情報の拡散を希望します。
なぜTPPに参加すると、混合診療が導入されて皆保険が揺らぐ
(⇒弱者切捨て)のかを、知らない国民が大半です。

なぜ、医師会があれほど反対しているのか。
医師のためではなくて、格差医療を受ける患者のためです。

医師にとって自由診療導入は、アメリカ型の格差医療化であり、
それに対しての医療従事者としての良心で、反対していると思われます。

石川議員らが日にちの記ずれ?だかで逮捕されているのに
政商・オリックスの宮内らが、なぜいまだに逮捕されないのか。

本当に悔しいです。
アフラックや、アリコが、そして財務省が混合診療解禁でどれほど喜ぶことか。

植草さん、阿修羅読者の皆様。
混合診療解禁に反対し、必ずや、TPP参加阻止を。

庶民の力で。


02. 2011年12月06日 12:50:31: tbGzqIYRVU
 米国在住の医師です。
 最近の身の回りのできごとです。

 この3年で、医療保険の掛け金が、毎月54,600円から67,080円に値上げされました(家族プラン、1ドル78円で計算)。
 民間の保険ですから、紙切れ一枚で値上げが通知されます。

 毎年、医療保険の適応となる病気・薬が、縮小されます。
 たとえば、今年は、すべての風邪薬(上気道炎に対する薬)が、保険から外されました。どういうことが起きるか、自分に起きた例を示します。
 内科に行って、風邪薬の処方箋をもらいました。薬局に処方箋を持っていきます。25,000円です、と言われます。え?!何かの聞き間違えですか?英語が聞き取れなかった?いや、違います。今年から医療保険の対象から風邪薬は外されました。医療保険会社へ電話します。本当ですか?はい、本当です。

 10年ほど前から、マスコミによって、医師と患者は対立させられているそうですね。やれ、たくさん給料をもらっている、3分診療だ、など。よく考えてください。味方は多い方がいい。とにかく、医療保険会社を日本に入れないでください。混合医療を認めたときが、日本人すべてが両手両足に鎖・重りをつけられ、金融資本の完全な奴隷となる瞬間です。マスコミの甘言に惑わされたときが、あなたが奴隷になるときです。


03. 2011年12月06日 17:16:42: rWmc8odQao
「さらに重要なことは、この制度導入を財務省が熱望していることだ。」

ただ望むのではないのです。「熱望」しているのです。やりたくてやりたくてしかたがないのです。

人が成長し生きていく軌跡は直線ではありません。時間もかかります。他人のサポートも必要です。健康なときもあれば、病気のときもある。
電器製品のように、自立的にずーっと同じパフォーマンス、ではないのです。病気のときも含めて「人生」です。

財務省は人が生きる(成長する・助け合う)ということをどのように考えているのでしょう。こんな制度を熱望しているようでは、キチンと「人が生きる」ということを見つめているとは思えませんね。
そこは、日頃から人を見つめている政治家がフォローしなければなりませんが、野田氏では期待できません。

もはやTPP参加の前に財務省解体しか手はないと思います。
植草氏、がんばってください。応援しております。


04. 2011年12月06日 20:35:05: txfDxGOXwI
財務省がTPP参加に熱心な理由は植草氏指摘の通りでしょう。突き詰めれば、財務省は国の財政を守るため負け組を社会から間引きする事が最適解と考えているとしか思えないのです。皆で苦しみを分かち合う選択より経済的弱者とりわけ社会保障費負担の大きな貧乏罹病高齢者、生活保護世帯、障害者を口減らしするという選択をしようとしている訳です。思い起こせば財務省にとって鳩山さんが示した<困難を分かち合う>事に繋がる“共生”の理念は危険思想だったわけです。鳩山さんを潰した張本人が誰であったかは、その後の菅、野田政権における税と社会保障の一体改革、TPPの展開を見れば明らかでしょう。多くの国民が世論操作に冒され、評価されるべき鳩山氏の政治思想まで否定されてしまったことは残念な事です。ですからいまさら「公務員も苦しみを分かち合え」「TPPで国民皆保険が壊れる」「TPPで多くの農家が潰れる」「訴訟社会になって弁護士費用を払えない人は自らを守れない」等々の批判をしても、もはや後の祭り。多くの国民が、言わば政府挙げての詐欺にあったようなものです。しかし詐欺に合う人は何度でも被害に合うようですから深刻です。日本は官僚と米国にとことん騙され落ちようがないとこまで落ちるしか目覚める道は無いのかも知れないな、と虚しい気持ちになる今日此の頃。

05. 2011年12月06日 21:38:30: 42WLGuDM8Y
02様 ありがとうございます。
 これが現実なんですね。恐ろしいことです。
 官僚、国会議員は報酬も多いので別に感じないでしょうが、現在年金3万円でやっている老人はほんとに苦しいことです。混合医療が入れば何も受けられない状態になってしまう。医療保険も絵に描いた餅になるのでしょうね。


06. 2011年12月06日 22:40:08: U4Ly3U0C9M
抗癌剤なんかもごくごく代表的なものだけが皆保険適応で
その他の多くの種類は適用外になるんだろうね・・・・

結果、金がある人は選択肢が広がり助かる


07. 2011年12月07日 01:26:44: rWmc8odQao
安冨歩氏
「…成長拠点は中国から中南米に移行しつつある。
…アメリカがTPPなどという茶番を開始したのは、「中南米共同体」へのバーゲニング為だったのだと考えればよくわかる。…つまりTPPはアテ馬なのである。
 ということは、日本が採るべき戦略は明らかである。中南米共同体に接近するのである。」
http://ameblo.jp/anmintei/entry-11096234618.html

本心ではアメリカはCELACに入りたいんだね。そりゃそうだね。地理的にも近いし、成長は期待できるし…

TPPには、本当に、全く、ほんのかけらも意味はない。それは断言できる。これぞまさしく百害あって一利なし。


08. 2011年12月07日 10:33:37: FUviF2HWlS
病気による死亡者が増えれば、人口減少によって社会保障費が低減する。
米国は日本の社会保障費増大による財政危機を気遣ってくれている。

09. 2011年12月09日 15:56:31: BnPQDnro5g
'02年、ボリビア・コチャバンバ市の水道事業が、所謂自称「民営化」で世界最大の悪名高い、米ゼネコン、ベクテル社に買収され、同市における一切の水利権まで独占され、水道料金の倍増で徹底収奪された挙句、解約を決めた市当局が「違約賠償金」の名目で、2500万ドルもふんだくられた例は、中南米諸国でも骨身に徹した悪辣詐欺被害だろう!!!

10. 2012年1月25日 09:55:20 : 3oRBVaGbiY

わざわざピンポイントで混合診療解禁に反対するまでもなく、これです。

混合診療はTPPで対象外 米政府、日本に非公式伝達
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012201001643.html

あまりにもあっさりしていますよね。規定事項だったんじゃないでしょうか。
それにしても、堂々と言えば良いのになぜ「非公式」の伝達だったんでしょう。

官僚は混合診療の解禁に反対しているのではないだろうか。
あの強烈な規制緩和派の小泉首相時代にも議論はあったが、封印されたのだ。
私はもちろんTPPには反対だが、よほどの理由があると考えてもいいのでは?

アメリカ側にしても「これさえ外せば…」と言って除外できるものなのですから、
本当に望んでいるのが混合診療の解禁、というのは違う様な気がする。
なにかの目くらましと云うか、スケーブゴーとにされているようにも私は思える。

とにもかくにもTPP締結後も現在の皆保険制度が維持されると分かったのだから
私は安心して「TPPに反対&皆保険部分的見直し」を主張できることになった。
このことは「一歩前身」なのであろうか。それとも「規定事項」だったのか。

とにかく、TPPと分けて考えられるようになった点だけはよかった。
結局、現状の国民皆保険制度をどうしていくかは我々日本国民次第なのだ。
国民一人ひとりが声を挙げていかなければ、何も変わらないし、始まらない。

http://www.asyura2.com/12/senkyo125/msg/105.html#c49


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