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近聞遠見:「沖縄は中央政府の質草だ」=岩見隆夫
http://mainichi.jp/select/seiji/iwami/
毎日新聞 2011年12月3日 東京朝刊
憤っている。師走の沖縄が。大田昌秀元知事は、
「歴史を勉強していて一番感じるのは、沖縄の人々が人間扱いされてこなかったということだ。中央政府の何らかの目的を達成するための質草として、物として沖縄が扱われてきた……」
などと語った。この大田談話は先月30日付の「琉球新報」に載っている。
たまたま、田中聡沖縄防衛局長が暴言で更迭された翌朝、所用で沖縄を訪れた帰り、那覇空港の売店に1部だけ残っていた「琉球新報」朝刊を求めた。開いてみて、紙面から怒りのしぶきを浴びせられたようで、圧倒される。
朝、東京で見てきた中央各紙とは明らかに違う。何が違うか。暴言の受け止め方である。社説には、
<沖縄は陵辱の対象か
露呈した政府の差別意識>
の見出しが。防衛局長の「犯す」発言は、沖縄県民をさげすみ、陵辱する対象と捉える意識が透けて見える、と社説は憤激の声をあげていた。しかも、それは一局長でなく、<政府>の差別意識とみる。
大田談話にも、中央政府の<質草>という衝撃的な言葉があった。それは次のような経緯による−−。
明治時代に沖縄が廃藩置県で組み込まれる時に、琉球王府は猛烈に反対した。その大きな理由は、軍隊を持ってくるからだった。熊本の第6師団の分遣隊を常駐させると。
他府県のように、近代国家を形成するための廃藩置県ではなく、同胞として迎え入れるのでもない。つまり、土地が欲しかったのだ、と。
大田は、談話のなかで、
「そういうことが歴史的に続いていて、その延長線上で、メア発言(前米国務省日本部長・更迭。『沖縄は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人』)、玄葉(光一郎)外相発言(普天間飛行場移設問題で『踏まれても蹴られても、誠心誠意県民と向かい合っていくしかない』)、そして今回の発言が出てきている」
と述べた。
その暴言が表に出た経過も、「琉球新報」は説明している。舞台となったオフレコ形式の非公式懇談会は、28日夜8時ごろから那覇市内の居酒屋で始まった。県内外9社の記者が会費制で参加し、テーブル中央に座った田中局長を囲み、飲食しながら基地問題で意見を交わした。
環境影響評価問題に話題が移り、「琉球新報」記者が、
「政府はなぜ『(評価書を)年内提出する』と明言しないのか」
と問うと、田中の口から、
「これから犯す前に『犯しますよ』と言いますか」
ととんでもない発言が飛び出す。同紙は、オフレコが前提だったが、読者に伝える責任が優先すると判断して、報道に踏み切った。沖縄防衛局報道室は、
「公表すれば出入り禁止することになる」
と警告してきたという。
ところで、普天間問題の発端となった95年の沖縄駐留米兵による少女暴行事件について1日、参院の委員会で問われ、一川保夫防衛相は、
「正確な中身は詳細には知らない」
と答えた。あきれはてる。これでは大臣とその部下の官僚も、沖縄の土地と人々を、基地を置いてもらう<質草>程度にしか考えていない、と詰問されても反論できない。
「醜い日本人」などの著書があり、社会学者でもある元琉球大教授の大田、86歳、
「沖縄の歴史、沖縄戦の教訓を(政府は)しっかり学び、きちっと見詰めるべきだが、理解を示さない。辺野古に80歳、90歳のお年寄りが14カ年も座り込んでいる意味なんて、分かるはずがない」
と怒りの談話を締めくくった。(敬称略)
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