http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/942.html
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マルクス・レーニン主義の創造的展開をめざしている不破さんと志位さんの「綱領・古典教室」の講義はとてもわかりやすいものです。「阿修羅」愛読者には、聴講していただけたでしょうか。
http://www.jcp.or.jp/kk_kyousitu/
理論ばかりですが、Kakasiの投稿を読んでいただいた方は50名ほどあったようです(見ただけではカウントされていません)が、ありがとうございました。しかし理解していただいた方は皆無に近いようです。共産党員でも古典を読んでない人が多いようですから仕方ありません。なのでもう少し続けます。
同じことは繰り返したくありません。しかしマルクス主義の肝であり、科学的とされている「等価交換にもとづく剰余価値説」と「唯物史観の決定論」は、人間抑圧・支配の傾向をもつだけでなく、様々な観点から批判が可能でありかつ必要なので、重複をおそれずに述べてみます。今回は「等価交換」の問題点を、「自由市場経済の欺瞞性」と「新社会契約論」という観点から略述します。
さて、流通過程での「労賃の等価交換」(労働力の価値通りの交換)と生産過程での剰余価値(搾取)の隠蔽というマルクスの誤りについては、すでに説明しました。彼の説明では労働契約に不正(不等価・不当性)はないとのことでした。しかし、Kakasiの考えでは、手続きは正当で等価交換に見えても、劣悪な労働条件での交換は道徳的に不正です。労賃が労働力の再生産に必要なだけの低賃金を肯定するマルクスの等価交換論は、人間抑圧と搾取を正当化したものであり、この不等価な労働契約(不等価交換)は欺瞞であると考えます。つまり、マルクスによる生産過程での搾取の隠蔽性の暴露は、実は、交換(流通)過程での搾取の隠蔽性であって、交換過程(労働市場)における契約の欺瞞性(等価交換の欺瞞性)を、隠蔽することになるのです。このことの検証はもう必要ないでしょう。
この事実を前提にすると、マルクス主義が、世界史(人類史)に及ぼした重大な欠陥、反人間的抑圧的な性格、歴史発展に与えた否定的側面が明確に浮かび上がってきます。それはマルクスやマルクスの追随者(マルクス主義者)が、いかにマルクス主義を肯定的に捉え、人間解放のために命をかけたものであったにしても、代償の方法はありません。専制政治や独裁政治、植民地支配、貴族、大地主、強欲資本家等々の人間抑圧・支配からの人間解放(革命)が、歴史的必然と見なされても、その否定的側面を隠蔽するなら世界は閉塞状態が続きます(この件は次回に)。
自由放任・弱肉強食・優勝劣敗・不公正・不道徳を信条とする自由競争市場(社会)、すなわち強者支配・強欲支配の欺瞞社会は、産業資本主義下の自由市場を「等価交換」によって予定調和(均衡)している(するはず)とみなします。確かに新自由主義(市場原理主義)の市場では、商品交換の当事者にとってwin win であれば公正な取引(=等価交換)とされますが、win lossであれば不正です。得winか、損lossかの判断基準は、その商品を消費し使ってみてはじめてわかります。弱い立場の労働者の労働力の価値は、搾取の状況によって決まるのです。労働者は、損(低賃金・低価値)とわかれば労賃を上げる交渉をします。
もう詳しい説明は不要でしょう。商品の価値などは、交換して使用(消費)してみなければわからないのです。「等価交換」などは、全くマルクスを含む経済学者の欺瞞・詐欺・絵空事にすぎないのです。交換・取引・駆け引き、損か得か、どれほどの最大利益最小損失になるかは、相手との取引次第です。功利主義的に決まります。「労働時間」が価値を決める材料、条件の一つであることは確かですが、「労働価値説」の永久性などは、人間の本質を「労働(生産過程)」に貶めようとする人間抑圧の発想に過ぎません。社会的平均的に貫徹しているとマルクスの言う「価値法則」は、とんでもない虚構にすぎません。
それでは商品の社会的平均的価値は、どうして決まるか、それはもし市場に社会的常識・良識・公正な競争があれば市場が決めます。それが相場です。しかし独占・寡占価格は、一方的に非常識に明確に不等価のものとして市民に押しつけられます。非正規労働力なども不等価なものがほとんどです。もちろんマルクス時代の労働者は、不等価な奴隷的労働を強いられたのです。
長くなりましたので、「自由市場経済の欺瞞性」と「新社会契約論」については次回にします。管理人さん、悪しからず。
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