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ナベツネと橋下独裁を許す、この国の島国根性
[斎藤貴男「二極化・格差社会の真相」]
(日刊ゲンダイ2011/11/29)
“清武の乱”も20日近くを経過した。訴えるの訴えないのと、事態は泥沼の様相を呈している。
だが、そんなことはどうでもいい。この騒動に関する報道や人々の反応を通してつくづく思い知らされたのは、この国のマジョリティーの、どうしようもない奴隷根性だ。
清武英利・前読売巨人軍球団代表は、ミニナベツネと呼ばれるほどのワンマンだったという。きっとそうなのだろう。
しょせんは内輪の痴話ゲンカの類いを日本シリーズの直前におおっぴらにしたのがけしからんという。それもまた一応の理屈には違いない。
とはいえ、少なくとも清武氏は“ミニ”でしかなかった。彼が「週刊ベースボール」で連載していたコラムを読む限り、ナベツネよりははるかに野球が好きで、選手たちへの愛情も豊かなようだった。「たかが選手」とも言わなかった。
その男が意を決して立ち上がったのだ。ならば報道はとりあえず彼の心意気に敬意を表し、この機にナベツネを表舞台から退場させるのが務めではないのか。
巨人が儲かりさえすればよろしい式の球界だから、一流選手がみんなメジャーへ逃げていく。ベイスターズの売却問題でもドラフト無視の世論誘導でも、事あるごとに85歳の酒臭い与太を書かされ、実際その通りに球界が動いていく屈辱を、スポーツ記者たちは感じていないとでもいうのか。
いつの間にか清武氏は、単に上司に歯向かう不忠の臣、サラリーマンの風上にも置けないやつ、といったイメージに染め上げられつつある。かつての侮蔑語“サラリーマン根性”が、今では理想的な生き方とでも受け止められているような。“清武の乱”についての報道は、だから、まるで処世術本のエッセンスみたいだ。
ついには朝日新聞までが、28日付朝刊のオピニオン欄でナベツネに言いたい放題を言わせっぱなし。解説も記者の感想も一切ヌキ。揚げ句の果てに財界のスポークスマン丸出しの原発推進論や天下国家論を垂れ流させて、「まず消費税を上げること。ここは朝日新聞と一致しているんじゃないかな」で結んでいたのには恐れ入った。ナベツネの政治力を利用したいマスコミ業界にとって、なるほどこの点がポイントなのは確かだけれども。
自らを独裁者だと公言する手合いらが当選した大阪のダブル選挙も構造は同じ、というか一体。真性の奴隷しか生息できない島国に、未来などありようはずもないではないか。
◇さいとう・たかお 1958年生まれ。早大卒。イギリス・バーミンガム大学で修士号(国際学MA)取得。日本工業新聞、プレジデント、週刊文春の記者などを経てフリーに。「経済学は人間を幸せにできるのか」「消費税のカラクリ」など著書多数。
http://asumaken.blog41.fc2.com/blog-entry-4366.html
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