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「消費税は地方税にすべきである」(EJ第3190号)[財務省の正体/16] {Electronic Journal}
http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/874.html
投稿者 メジナ 日時 2011 年 11 月 29 日 13:52:49: uZtzVkuUwtrYs
 

●「消費税は地方税にすべきである」(EJ第3190号)
 2011年11月29日 :{Electronic Journal}


 消費税を社会保障目的税化する──財務省はなぜこのことにこだわるのでしょうか。
 これには財務省なりの戦略というか理由があるのです。それには、消費税について基本的なことを考えてみる必要があります。
消費税は、1954年にフランス大蔵省の官僚モーリス・ローレが考案した間接税の一種です。消費税を定義すると、次のようになります。

 消費税は、財貨・サービスの取引により生ずる付加価値に着目して課税する仕組みであることから、欧米では、VAT──バリュー・アッデド・タックス/付加価値税、もしくは、GST──グッズ・アンド・サービセズ・タックス/物品税と呼ばれる。 
   ──ウィキペディア
 ・VAT──Value-Added Tax
 ・GST──Goods and Services Tax

 嘉悦大学教授の高橋洋一氏によると、消費税は海外では地方の財源にするのがオーソドックスであると述べています。消費税は受ける行政サービスの対価として課せられる「応能税」的な性格を持つ税金なのです。

 そのため、応能税である消費税は、細かなところまで住民へのサービスが行える地方に納められるのがスジであるといえます。
つまり、基礎的なサービスをするのは地方なので、地方税にするのが最も合理的なのです。

 現在、日本が当面しているさまざまな難問を解決するには、権限や財源が中央に集中している明治維新以来の中央集権国家そのものを改造する必要があるのです。2008年4月に自民党のまとめた道州制案などもその国家改造計画のひとつです。すなわち地方分権国家への改造です。

 高橋氏によると、地方分権に伴って国から地方への財源委譲は15兆円〜20兆円かかるといわれます。これほどの巨額の財源を委譲できるのは、消費税以外には考えられないのです。つまり真の地方分権を実現するまで可能な限り、消費税の低い税率──上げたとしても7〜8%を維持して、道州制の基幹税として消費税を国から地方へ税源移譲すべきだというのです。

 これを一番恐れているのが財務省なのです。地方への税源委譲などとんでもないし、消費税を地方税にするなど絶対に認められないというわけです。そこでそうさせない仕掛けを「社会保障と税の一体改革」の中に仕組んだのです。それが「消費税の社会保障目的税化」なのです。

 ところでこの「社会保障と税の一体改革」ですが、肝心の社会保障の中身がほとんど議論されず、はじめから消費増税ありきで進んでいるのです。そのせいか、民主党議員で、とくに消費増税賛成議員の中には「税と社会保障の一体改革」と言い間違えする議員が多いのです。

 2011年11月27日の「新報道2001」(フジテレビ)では、増税推進派の筆頭である民主党の五十嵐財務副大臣は「税と社会保障の・・」と何回も間違えています。それに田原総一朗が司会する「激論!クロスファイア」では、説明に使うパネルが「税と社会保障の・・」になっていたのです。

 看板はあくまで「社会保障と税の・・」であるものの、社会保障を議論しないで、増税だけを推進する──そういう本音が増税推進派の口から洩れてしまっているのです。

 消費税は徴税コストが安いにもかかわらず、巨額の税収が安定的に得られるので、財務省にとって夢のような税金なのです。しかも消費増税をスタートさせた後で、一部の物品に関しては軽減税率を適用する計画であり、それを決める権限を財務省が握れるといううまみもあるのです。

 情報によれば、新聞購読料金の消費税に関しては英国のように税率をゼロにするという確約を既に与えて、増税やむなしの世論づくりに新聞社を協力させているという話もあります。そのためか、新聞の増税やむなしの論調は、本当の意味で国民の声を反映しているとはいえないのです。

 そういうわけで財務省が考え出したのが、「消費税の社会保障目的税化」なのです。そうすることによって、将来税率をさらに上げるとき、社会保障の財源が足りないことを理由にできるので引き上げやすいということに加えて、何よりも消費税を国税として固定化できるという大きなメリットがあるのです。

 したがって、民主党が「社会保障と税の一体改革」を進めるということは、地方分権はやらないということをアッピールしているのと同じなのです。

 本来であれば、「社会保障と税の一体改革」検討チームは増税の前に増大する社会保障費をいかに軽減するかについて、真剣に検討すべきだったのです。この社会保障の軽減について、高橋洋一氏は次のように述べています。

 社会保障の財源問題を軽減するためには、社会保障の運営を効率化することが必要だ。そのためには国と地方の役割分担が重要で、年金は保険としての機能を生かすためには全国をカバーするほうがいい。一方、医療・介護など他の社会保障では、人口1000万〜2000万人程度の「道州」を単位とするほうが、地域特性を生かして効率的な保険が運営できる。しかし、政府の「社会保障改革案」では、地方分権と社会保障改革の関係について、ほとんど言及されていない。
   ──高橋洋一著
   『財務省の隠す650兆円の国民資産』/講談社刊

 自分の属する財務省を「わが社」と呼ぶ財務官僚──公務員なのだから、省益ではなく真に国のことを考えて行動して欲しいものです。
   ── [財務省の正体/16]


≪画像および関連情報≫

 ●「社会保障と税の一体改革」年明けに先送り論

 消費税率引き上げの手法などを盛り込む「社会保障と税の一体改革」の大綱取りまとめについて、一体改革を担当する古川元久経済財政・国家戦略担当相は25日の記者会見で、政府・民主党が予定している年内から年明けに先送りすべきだとの考えを示した。
  
 民主党で消費税率の引き上げ幅と時期を大綱に明記することに反対論が強いためだ。同時に、消費増税に反対する民主党の小沢一郎元代表らが年内に新党結成に動くのを押さえ込むためとの見方も出ている。
 
 古川氏は大綱取りまとめの時期について「必ずしも12月31日にこだわるものではない」と述べた。安住淳財務相も25日の会見で「臨時国会の会期が2週間延長されたら、議論のスタートは12月24日となり、年内は物理的に無理だ」と指摘した。

   ──2011年11月26日付、産経ニュースより

五十嵐財務副大臣

元記事リンク:http://electronic-journal.seesaa.net/article/237561651.html
 

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コメント
 
01. 2011年11月29日 14:47:50: FUviF2HWlS
新自由主義経済学者・高橋洋一氏は学界に要らない。

若い人が少ない地方で、消費税を主体とした地方財政により医療・介護などの社会福祉財源をまかなうとしたら、地方の老人同士で老人の首を絞め合う制度になる。

「地方分権」という言葉も耳新しい言葉ではなくなった。
多分、2000年頃の、大企業の社内分社化の流れに合わせた、政治分野での流行思想のひとつだろう。「地方分権」と唱えたからと言って、新しい政治への期待感を寄せられるわけではなくなった。
その意味では、もう「地方分権」の賞味期限は過ぎた。

地方分権について、誰のために何をやるかの議論が必要だ。


02. 2011年11月29日 23:38:32: rWmc8odQao
「消費税は受ける行政サービスの対価として課せられる「応能税」的な性格を持つ税金なのです。」

これは「応益税」の間違いだと思うなぁ…
シャウプ勧告でも地方税は応益原則だとしていたと思います。
文脈はあってると思いますので「能」と「益」を取り違えたケアレスミスではないでしょうか。
確かに、海外では日常品とぜいたく品で税率を変えているので「応能的」と言えなくもないのかなぁ…

※私が参考にしているのは、神野直彦著「財政学」という本です。
ちなみにこの本の中でも、消費税は地方分を増やすべきだと書かれています。


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