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久々に選挙らしい選挙を見た――投票率が大幅にアップした「大阪ダブル選挙」
久々に選挙らしい選挙を目撃した思いである。勝敗はあっけなくついたが、「こういう選挙ならば、自分も有権者として権利を行使したい」と思った人が、多いのではないだろうか。「大阪維新の会」のダブル圧勝に終わった、大阪ダブル選挙のことだ。実際、大阪の有権者の関心は非常に高く、投票率は大阪府知事選・大阪市長選共に大幅にアップした。知事選は52.88%、市長選は60.92%を記録し、前回より17.31ポイントもアップした。
30%台の投票率が当たり前だった市長選で5割を超えたのは、何と40年ぶりのこととなる。まさに歴史的な出来事と言える。ダブル選挙の結果は、一時は接戦になるとの予想も流れたが、いずれも維新陣営の圧勝に終わった。知事選は、維新の会幹事長の松井一郎氏が200万票余りを獲得し、反維新陣営の倉田薫・前池田市長に80万票もの大差をつけて勝利した。
現職と前知事の一騎打ちとなった市長選は、維新の会代表の橋下徹氏が75万票を集め、約52万票に止まった平松邦夫氏の再選を阻止した。平松氏は前回の得票数に15万5583票も上乗せしたにもかかわらず、敗北したのである。これまで投票所に足を運ばなかった有権者たちが、今回久々に一票を投じたことによる現象である。眠っていた(眠らされていた)民意が目を覚まし、一斉に声を上げた結果と言える。では、なぜ、沈黙を続けていた民意が一気に声を上げたのか。
維新側と反維新側で対照的な主張、勝因は現状認識と住民ニーズの把握
「都構想の是非」を最大の争点に激しい舌戦が繰り広げられた大阪ダブル選挙は、あらゆる面でわかりやすい構図となっていた。維新陣営と反維新陣営の主張の違いが鮮明で、対照的になっていたからだ。たとえば、大阪の現状認識に関してである。維新側は「大阪を変えなければ、未来はない。このままではじり貧だ」と現状への危機感を顕わにした。
一方、反維新陣営は「大阪はよくなっている。大阪の自治を守ろう。民主主義を守ろう」と、現状を肯定的に語った。なかでも平松氏は、どうかと思うようなお気楽発言を連発した。大阪の半ば代名詞となっている「路上犯罪認知件数ワーストワン」から脱却したことを誇らしげに語り、また、イギリスのエコノミスト誌が大阪を「世界で最も住みやすい都市ランキングでアジア第1位」にしたとの話を持ち出し、「おおさか満足度日本一」を目指して、一緒にやりましょう」と、市民に訴えた。
しかし、ワーストワンを免れたとはいえ、ワーストであることに変わりはない。また、エコノミスト誌の都市ランキングの信憑性はわからず、市民にそうした実感もないのが、実態だ。求められていたのは、大阪を変えるべきか、このままでよいかの議論ではなく、大阪をどのように、いかにして、変えるかの議論であったはずだ。もちろん、単なる掛け声や抽象的な言葉で済むはずもない。
あらゆる政策の基になるのは、現状認識と住民二ーズの把握である。現状がよい方向に向かっていると考える(言う)人たちが、改革案を提示するはずもなく、現状への危機感こそが改革案を生みだす原動力となる。危機感を募らせていた維新側が提示した政策が、都構想などだ。
一方、既存政党が結集した反維新側は明確な政策を提示せず、「大阪の自治を守れ」とか「独裁を許すな」といった感情論で対抗した。だが、そうした言葉は空疎に響いたのである。そもそも、大阪に住民自治が確立していると胸を張れるだろうか。民主主義の土台となる選挙はいつも低投票率。とりわけ、政党相乗りと助役出身候補による選挙が恒例化した市長選は、悲惨な状況が続いていた。
既存政党(前回までは日本共産党を除く)は、住民に選択肢なき選挙を提示し、結果的に民意を封じ込めることをよしとしていた。対抗馬は日本共産党の候補のみで、実質的には手続きのみの民主主義を延々と続けていた。
知名度やタレント性ではない、現状打破を愚直に訴えた結果が出た。
今回、大阪で久々に選択肢ある選挙が実現し、投票率も跳ね上がった。それは候補者の知名度やタレント性、話題性によるものではない。現状を打ち破るための政策をきちんと提示し、愚直に訴え続けた結果と見るべきだ。その意味で、大阪ダブル選挙は民主主義を立て直す第一歩となったと言えるのではないか。
もちろん、問題は残っている。住民に提示された選択肢が二者択一だった点である。現状を変えるか否かではなく、どのように変えるか複数の選択肢が提示され、民意を問う形が本来の姿だったのではないか。といっても、それは維新陣営の責任ではなく、維新陣営と真正面から対峙する政治勢力が存在しなかったことが要因だ。ダブル選挙の敗北者は、維新陣営に対して逃げの姿勢に終始した既存政党である。
http://diamond.jp/articles/-/15066
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