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日本の政治家の枕詞“日米基軸は当然” 本当はそれが日本政治の病巣
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2011年11月29日 世相を斬る あいば達也
橋下徹率いる「大阪維新の会」W選勝利を受けて、マスメディアは国政への影響について等々、推測記事に余念がない。筆者も人のことは言えないわけだが(笑)、まぁ橋下のイデオロギーが保守右派傾向である事以外、各論となる政策の是非は今後の発言を見守らないと、なんとも評しようがない。ただ、今回の既存政党相乗り大政翼賛勢力が敗北した事実は、いやがうえにも民主・自民は選挙手法の転換を余儀なくされるだろう。また、行政を実質的に司り続けている行政機関は悉く、一種異様な逆風が自分達に吹きはじめた兆候を感じるに違いない。
単に大阪市役所や大阪府庁の行政組織への逆風ではなく、霞が関の各省庁にも吹きだしているアゲンストであり、自分達の組織堅持と地位保全に汲々とする役人たち全員への拒絶反応、と警告と受け止める賢く狡い官僚も結構いるだろう。橋下に対し、畏怖を感じると云うよりは、追い落としてやろうと云うと、行政のあらゆる機関が動き出す可能性の方が高いことも注意深く観察する必要がある。一応橋下徹も弁護士なのだから、法的に身を守る手段は知っているだろう。しかし、行政全体が敵に回った場合、小沢一郎の例を見て判る通り、トンデモナイ言い掛かりまで、まかり通る日本の法治システムである事を忘れてはならない。
最近感じることだが、政治家が自らの意思で、既存のシステムに“パラダイム・シフト”を仕掛けようとすると、その政治家が右であろうが、左であろうが、中道であろうが、何らかの障害に遭遇する。筆者が初めて記憶している事件は田中角栄のロッキード事件だが、それ以前にも、そのような事件は数限りなくあったであろうし、ロッキード事件以降も奇妙な事件や事故が発生している。彼らの多くが、その事件で訴追される場合もあるし、醜聞の罠に掛かり、その地位を追われることもある。最悪は、何者かの手により、殺傷されたり、轢き逃げされたり、自殺と云う形で死を迎えたりしている。
既存のシステムとは、所謂日本国家を現に統治している組織と云う事だ。筆者のブログのキャッチコピー「世の中を動かしているのは誰なのか?政治家、官僚、資本家、マスコミ、国民??」となっているが、肝心要のアメリカ様を含んでいなかった点は、大変な筆者のミスである。(笑)近々訂正しておこう!それでは我が国を統治している組織、乃至は勢力とはどのようなものなのか?考えると云うか感じておいた方が、これからの日本を考える上で重要な課題だと思う。日本をどのような国家にした方がいいのかという前に、“我が国を統治している組織、乃至は勢力”の正体を見破っておき、それらへの対処も必要とは、なんとも難儀な事である。
政治家は自らの主義主張を語り実行する前に、その論の展開で不利益を蒙る組織や勢力の実像を確認しなければならないのが現実なのだろう。なんという馬鹿げた民主主義国家なのだ。嘘っぱちの法治国家なのだ。歴然たる政治テロが陰を潜める替わりに、巧妙な手段が講じられるようになっただけではないか。その組織や勢力が、善であるとか悪であると云う次元ではなく、統治機構に水を差す人間であれば、政治家に限らず、何らかの妨害を受け、その主義主張を語り実行する気力を失わせる社会、大変に怖ろしい事である。口では「おおいに議論しようではないか」等と民主的顔をして、刺客を送りつける。しかし、この事は、日本と云う国独特と考えるのも考えものだ。世界中のあらゆる民主主義、法治国家を標榜する国々にも当て嵌まることなのだろう。
筆者の記憶が正しければ、中川昭一(当時財務大臣)の酩酊会見、財務・金融担当大臣辞任、その後の変死に対し多くの疑問が持たれている。陰謀論に与する事を潔しとしない筆者だが、中川氏の失脚が陰謀的だと気づいたのは、中川が麻生と米国債の買い増しを拒否した事実だ。その後、中川と麻生はIMFに、後進国支援として、外貨準備金の中から最大9兆円の資金援助を申し入れた。この時、IMFの専務理事は飛び上るほどに狂喜乱舞で歓び、「今どき、こんな寛大な国は日本しかいない」、「人類の歴史上、最大の貢献だ」と大袈裟に評価した。一方米国は、「日本は米国債を買い増しもせずに、ユーロ圏の支援の為に金を出す、フザケルナ!」と当然のように中川・麻生に憎悪を感じた。この件で、驚くべき事実がもう一つあった。当時のIMF専務理事は、なんとなんと、NY警察によりガセネタで緊急逮捕された、ストロスカーン氏その人なのだ。日本財務省・米国ネオコン・IMF・世界銀行・国際金融組織が、何故か一本の糸で結ばれていると考える根拠は充分にありそうだ。
日本の統治機構の権限は、菅、野田政権においては明らかに政治の手を離れている。我々としてはそのような事実を、政治や社会の事象・現象をもとに推測類推するしか手立てがない。その多くが陰謀である事実の証明は、殆ど不可能と云う事だ。米国に逆らう、官僚組織に逆らう、マスメディアに逆らう等々の政治家、時には民間人までもが嵌められるのである。主義主張を貫くことで、貶められる事実がある以上、橋下徹と云う政治家にも当て嵌まる。
小沢にせよ、鳩山にせよ、そうであった可能性は濃厚だ。筆者が徹底的にコケ降ろした安倍、福田、麻生、菅も被害者と云うか、“我が国を統治している組織・勢力”の圧力に反発しながらも屈した政治家達なのかもしれない。最近筆者は、統治組織の元締めは米国である、と結論づけている。官僚組織も電通・マスメディアも、米国の威圧に屈服服従した勢力に過ぎないのだろうと判断している。勿論蔑称が“ポチ”の変更はない。(笑)多くの政治家は、米国の威圧に屈服服従した統治システムと対峙する重責が覆いかぶさるのだが、これを跳ね返すのは容易な事ではないだろう。
それこそ“仕方がない”のひと言で済ませてしまいたくなる訳だが、それでは日本の独立など“絵空事”という事になる。その意味では、亀井静香が命知らずの面々、石原・平沼・橋下ら束ねて新党を考えた気持も判らんではない。しかし、戦後66年にわたり真の独立を諦めていたわけだから、後5〜10年、待てないでもない。米国経済が必ず破綻する。TPPで野田が、日本市場を米国に全面解放すれば、米国経済の破綻は20年上積みされるだろう。当然、そこまで待ちきれない亀井や小沢は乾坤一擲の勝負処を模索しているのだろ。
それにしても、自国の領土を他国の軍隊に占領され、ぬくぬくと平和ボケして、銭儲けに現を抜かす独立国と云うのは、少々虫が良過ぎる。やはり、逐次米国軍の撤退と自衛隊の補完と云う道筋を語らない限り、我が国の独立は“絵空事”の枠から抜け出る事は出来ないのだろう。抱えている富の少ない国民・国家は勇気がある。パキスタン、イラク、イラン、アフガン、北アフリカ、中東、南米。僅かにでも国民に富を味あわせた国家は勇気を失う。面白くも皮肉な現象だ。銭が国民一人ひとりに豊かさと幸福感を与え、国家は勇気を失う。此処でいう勇気とは、蛮勇にも繋がる。
この国民の豊かさと勇気の喪失は、個人の生活の範囲でも実感できることである。昔から“金持ち喧嘩せず”とも言う。実は“喧嘩っ早い国家”の国民は豊かではない、と云う論を延長すると、最も国民が豊かでない国はアメリカか?と云った疑問さえ出てくる。いずれにしても、小沢・鳩山の“東アジア共同体構想”や自衛隊の充実や国際連合軍の充実など、米国の存在価値を失わせる構想であったことは事実だ。故に、菅も野田も、その構想のすべてを捨てた。逆に見るなら、ASEAN+6と自衛隊の充実・国際連合軍の充実と云う主張が、米国占領からのブレイク・スルーなのかもしれない。勿論、枕詞の“日米基軸は当然”を忘れてはならない。(笑)なんとも自嘲的だが、ゴロツキが何か所も国内に陣を張っている以上、枕詞は必要だろう。しかし、正しい独立と云う方向性を失わない勇気が、いま日本には求められているのだろう。
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