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さらに、冒頭で森永氏が指摘した「叩き斬った府民サービス」。大阪府関係職員労働組合の小松康則書記長が憤る。
「府の人件費が大幅に削減されましたが、問題なのは府民の施策もかなり削減された点です。削らなくてもいい、削ってはいけないところを削っている。例えば、救命救急医療。今まで府が救命救急センターに補助金を出して運営していましたが、その補助金をゼロに近づけ、民間や市町村に移行すべく動いています。救命救急センターは広範囲なエリアの病院であり、民間や市町村に任せるとなると、お金がなければ経営をやめるということですから、救命救急医療に大きな支障が出る。すでに給与も抑えられているようなので、今後は人材確保も難しくなるでしょう」
その弊害は医療のみならず、防災、福祉、教育など、府民生活に直結するあらゆる分野に出始めている。
「予算が減らされているため、府民のためにもっとこうしたいと思ってもできない。やりがいや士気が低下しています。橋下さんは(在任した)3年9カ月で大阪府を優良企業にしたと言いたかったようですが、ヤル気も出ないようにしておいて、どこが優良企業やと思いますね」(前出・小松氏)
橋下府政によって中小企業への貸付制度も条件が厳しくなり、景気悪化の要因になっているという。小松氏がさらに批判する。
「橋下さんは『伸びる、ヤル気のある企業は応援するが、長くやっていて、この不況で立ち行かなくなるようなところはもう切り捨てていく』という考え。とにかく一貫しているのは弱肉強食と自己責任、です」
事実、橋下氏は府議会で、「中小企業に(お金を)バラまいても、大企業に競争力をつけさせないと、中小企業の売り上げは伸びない」と答弁している。前出の森永氏も追随する。
「強いところが残ればいい、という考え方です。橋下さんは(週刊誌報道された、同和地区出身、暴力団員だった実父の自殺など)厳しい環境ではい上がってきただけに、努力しないヤツは許せないんですよ。でも努力できない人もいるんです。そういう人を切り捨てるのは違うなと思いますよ」
結果、財政再建どころか、「生活保護率、完全失業率が全国平均よりかなり高いんです。この3年9カ月で確実に悪化しました。経済成長率も、橋下知事になってから悪化しています。府民の暮らしはより苦しくなりました」(小松氏)
橋下氏は知事辞任後の11月1日、代表を務める会派「大阪維新の会」の街頭演説に登場し、「実の父が暴力団員、結構毛だらけ。実の父がガス自殺、結構毛だらけだ」と自虐ネタを展開した。だが大阪府を優良企業どころか、さらに借金だらけにした事実には、結構毛だらけなどと言えるはずはなかろう。
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