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●「消費増税の時期は最悪である」(EJ第3189号)
2011年11月28日 :{Electronic Journal}
11月24日に五十嵐財務副大臣が講演で、消費税増税のスケジュールに言及しています。まず、2013年10月以降8%にし、2015年以降に10%にするというものです。
どうもこの人は、民主党政権のなかでもとくに増税に前のめりの発言をする筆頭です。テレビの討論でも高圧的なものいいをし増税しないと大変なことになるというような話法を使うのです。
それにしてもまだ正式に決まってもいないものを講演でこのように話すのは財務省の作戦の一環なのでしょうか。
ところで、消費増税の目的は何なのでしょうか。消費増税の必要性は日本の財政赤字の大きさから説かれてきています。このままにしておくと大変なことになるという論法です。
しかし、今回の消費増税は公的年金などの社会保障の財源に充てるとしているのです。そのため、「社会保障と税の一体改革」というタイトルで年金と消費税を結びつけてきたのです。国民の中でも、年金の財源に使われるのであれば、増税やむなしかと考える人が多くなってきていることも確かです。
しかし、消費税を社会保障の目的税にすることは、ちょっと考えると良いようでいて、大きな問題があります。なぜなら、年金などの社会保障の財源はこれからますます増加し、たとえ消費税率を10%にしたとしても、それで足りるはずがないのです。そうなると財源が足りないからという理由で、とめどもなく消費税の税率が引き上げられる恐れがあります。おそらく財務省は税率20%ぐらいまで上げることを考えているでしょう。
それに消費税の使い道を社会保障に限定するといっても、お金に色がついているわけではないのです。それが本当に社会保障の財源として使われるかどうか確証はないのです。そもそも消費税を国税のまま社会保障財源として目的税化するというのは、外国ではまず考えられないやり方なのです。
しかし、日本の財政赤字の現状から見て、いつまでも消費税を5%のまま据え置くわけにはいかないでしょう。しかし、それを実施する時期が問題なのです。時期を誤ると、日本経済がさらに悪化してしまう恐れがあるからです。今回の消費増税案は、菅内閣で経済財政担当相を務めた与謝野馨氏が「社会保障と税の一体改革」として原案をまとめ、増税の早期実現を推進していますが与謝野氏の経済の考え方には多くの疑問符が付くのです。
嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、与謝野馨氏の経済理論について疑問を持つ人の一人です。高橋氏によると与謝野氏は「逆神」と呼ばれているとして、次のように述べています。
与謝野氏の経済に関する「迷言」は数知れない。与謝野氏が経済に対する見通しを示すと、現実には逆方向に進むので、ネットの世界では「逆神」──常に逆方向を示すので、逆向きの神のように正しいという意味──と呼ばれている。
──「2011/日本の解き方/387」より
2011年8月29日付、夕刊フジ
いくつか例を上げてみます。2006年3月のことです。そのとき日銀は、それまで続けてきた量的緩和を解除しようとしたのですが、上げ潮派と呼ばれる竹中平蔵総務相や中川秀直自民党政調会長たちは、物価上昇が事実上マイナスになっており、解除は時期尚早であると主張し、大議論になったのです。そのとき、与謝野氏は次のようにもいっています。
経済成長で財政が健全化するというのは霊感商法のようなものである。
──与謝野馨氏
しかし、与謝野経済財政担当相は量的緩和解除に賛成し、日銀福井総裁は金融引き締めを行ったのです。与謝野氏にしても日銀にしても、不可解なのは、デフレを一向に気にしないことです。
デフレに肯定的なのです。与謝野氏にいたっては、「1%ぐらいの物価のマイナスはむしろ働く人や年金生活者にとってプラス要因である」という迷言を述べている始末です。
しかし、日銀が量的緩和を解除した半年後には景気は減速し、下降局面に入ったのです。最大の問題は、与謝野氏にしても日銀にしても、そのことを反省しないのです。デフレというものの考え方が違うし、景気が悪化したのは自分たちのせいではないと考えているからです。
さらに2年後にはリーマンショックが襲い、景気の足をさらに引っ張ったのです。ところが、そのとき自民党の総裁選に立候補してした与謝野氏は、後にリーマン・ショックとして世界経済に大ダメージを与えることになる米証券大手リーマン・ブラザーズの経営破綻について、何といったでしょうか。多くの人は、次の与謝野氏の言葉を覚えていると思います。
リーマン・ブラザーズの経営破綻は、日本経済にとってハチが刺した程度の影響しかない。
──与謝野馨氏
しかし、これは与謝野氏の経済に関する考え方がおかしいといというよりも、与謝野氏のバックにいる財務省や日銀の考え方が間違っているのです。与謝野氏は単なる財務省の代弁者に過ぎないからです。
多少の物価のマイナスは生活者にプラスという与謝野氏の発言は日銀のいう「良いデフレ論」そのものであり、経済成長に注力せず、というよりどうしていいのかわからないのであろうが、開き直って、デフレ状況をむしろ増税のチャンスとしてとらえる考え方は財務省の企みそのものといえます。
増税は実際に実施する時期よりも政府がそれを口にした時期が重要なのです。そういう観点から考えると、財務省幹部の増税発言は最悪です。
── [財務省の正体/15]
≪画像および関連情報≫
●良いデフレ論/悪いデフレ論
こうした議論が発生した背景は、1980年代後半の日本経済では急速な円高によって国内の価格が海外に比べて異常に高くなるという、内外価格差が広い範囲で発生し、その解消が課題となっていたことがある。
貿易を通じて国際競争にさらされる電気製品のように海外との価格差がほとんどないものもあるが、農産物や規制業種の価格は海外での価格に比べて高かったので、こうした財やサービスの価格下落は望ましく、1990年代以降に起こった日本の物価下落は内外価格差の解消によるものであるという考え方である。
2000年8月に当時日本銀行が実施していたゼロ金利政策を解除した際には、消費者物価の下落が続いていたが、良いデフレ論の立場からは、当時の物価の下落は国内需要の弱さに起因するものではなく、安価な中国製品の輸入増加など海外要因によるものであるという主張が展開された。
──ウィキペディア
与謝野氏と当時の福井日銀総裁
元記事リンク:http://electronic-journal.seesaa.net/article/237364186.html
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