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http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&t=6&k=2&m=259018
財務省のキャリア職員は、財務省のことを、「わが社」と表現する。自分が勤める組織だから「わが社」と呼んでいるだけではない。財務省も民間企業と同様に、自らの組織の利益最大化、利潤を追求する存在であることを意識しているからだ。本来、官僚は国のために奉仕する存在のはずだ。
Electronic Journalリンクより転載します。
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ナベツネ問題が世間を騒がせていますが、渡邉恒雄氏は「読売のドン」どころか、「日本のドン」なのです。時の政権が渡邊氏にひれ伏している感があります。
渡邊氏は菅降ろしが公然といわれるようになった頃から、「次は野田君だ」と公言していたようです。渡邊氏は「なぜ野田なのか」と親しい政界関係者に聞かれて次のように答えています。
彼のお父さんは自衛官だし、彼も苦労人だろう。タンゴやカツ も野田は素晴らしいと評価している。──渡邊恒雄氏「週刊ポスト」12/2より
ここでいう「タンゴ」は読売新聞社の社外監査役になった丹呉前財務事務次官、「カツ」はいうまでもなく勝栄二郎財務事務次官のことです。渡邊氏は2人をまとめて「タンゴやカツ」といっているのですから驚きです。いかに財務省が読売新聞と密接に結びついているかがわかります。
渡邊氏は、「山里会」という政治家との交流会合を主宰しています。「山里」というのは、ホテルオークラの料亭の名前です。
10月21日の夜、その山里会が開かれています。その日の会合には、渡邊氏のほか、橋本五郎(読売)、芹川洋一(日経)、岩見隆夫(毎日)、早野透(元朝日)らのマスコミの重鎮が顔を揃えていたのです。その山里会に野田首相が招待されたのです。
10月21日といえば、TPP交渉参加問題で首相は多忙を極めていたはずですが、野田首相は約3時間もそこに滞在しているのです。「山里会に招待する」といえば聞こえがよいですが、野田氏は呼び付けられたに等しいのです。その後官邸に戻った首相に記者が「会合は有意義だったか」と尋ねると、野田首相は「おかげさまです」と答えたそうです。いかにもへりくだった表現に聞こえてしまいます。山里会のような
席に呼ばれ、マスコミの重鎮から持ち上げられると、やはり舞い上がってしまうのでしょう。
こういう人たちから、TPPの推進要望や増税容認の意見を出されると、国民のことなど忘れてしまい、何とか彼らの支持を失わないように努めようとしてしまうものです。「おかげさまです」の言葉によくそれがあらわれていると思います。こういうところに民主党の若手政治家の脆さがよく出ています。
しかし、渡邊恒雄氏の政治への関与はこんなものではないのです。「週刊ポスト」12/2日号は、長谷川幸洋・東京新聞論説副主幹の話として次の情報を明らかにしています。長谷川幸洋氏は、テレビでの話やコラムなどを見る限り、まともなジャーナリストであると私は考えています。
かつて長谷川氏が首相経験者と会食した際のこと。元首相は同 席していた当時の政権幹部に向かって「官房長官はナベツネさ んのところに行ってる?」と尋ねた。政権幹部が「何のことで しょうか」と首をひねると、元首相はこういった。「首相は月 に1回、天皇に政情報告をする。同じように月1回、官房長官 が政情報告をする相手がナベツネなんだよ。これは代々の引き 継ぎ事項になっている」。政権幹部は「そうなんですか、知り ませんでした。早速官房長官にいっておきます」と慌てた。─「週刊ポスト」12/2より
長谷川幸洋氏は、さらに大臣が所管事項で官僚の反対が予想されるような局面では、大臣自らが読売新聞社の渡邊氏のところに出向き、それについて協力を求めることも少なくないというのです。まさにナベツネは「日本のドン」になっているのです。
さて財務省は、4人の財務大臣に対して何年もかかって消費増税を説得し、何とか実現させようとしています。これは大変な努力であり、それだけ日本にとって財政再建が重要であることを時の政権に働きかけてきているといえます。
本当に国のことを考えて消費増税を勧めているのであれば、それは立派なことであり、その努力は称えられるべきです。しかし財務省の本心は財政再建ではないのです。少なくとも財政再建は二の次三の次です。
官僚は国のために奉仕する存在のはずです。まして財務官僚は官僚の中の官僚といわれる中心的存在であり、国のことを何よりも優先的に考えて仕事をするはずである──普通はこのように考えます。しかし、そうではないようです。植草一秀氏によると、大蔵省(財務省)のキャリアは、自分の省庁のことを「わが社」というそうです。
いわゆるキャリア職員と呼ばれる第一種国家公務員試験に合格 し、大蔵省で採用された幹部候補生職員のなかで、彼らの心情 を率直に表現する者は、大蔵省、財務省のことを、「わが社」 と表現する。自分が勤める組織だから「わが社」と呼んでいる だけではない。大蔵省、財務省も民間企業と同様に、自らの組 織の利益最大化、利潤を追求する存在であることを明確にする ために、「わが社」との表現を用いるのである。──植草一秀著/青志社刊『日本の再生/機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却』
このことを前提として考えると、財務省のキャリアは、消費増税についても「それは『わが社』の利益になるかどうか」と考えることになります。そこには国にとってどうなのかという視点は残念ながらないのです。
国の政策を考えるとき、あくまでも財務省の利害得失を何よりも優先し、国の浮沈や国民生活への影響などは考慮の断片にすら含まれることはないと植草氏はいっています。
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