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財政再建と社会保障費の削減について
多分既に他の方が指摘されているだろうと思いますが、自分の考えを述べるという意味で書かせていただきます。
1.増税すると景気が落ち込み、結果として税収につながらないという議論ですが、増税する項目によるでしょう。少なくとも今、消費税を上げれば一部の輸出企業以外は生産活動から消費まで落ち込むので税収は全体として減るはずです。しかし、例えば相続税を上げれば、やり方によっては却って現在の消費を高める効果さえ見込めます。なお、既に住宅購入費について生前贈与が認められていますが、これは増税ではありません。
2.高所得者への増税は、少なくとも昭和の時代の頃の水準へ戻すべきです。そして、年収が10億円どころか数十億円という方たちも少数ながら居られるわけですから、そういった方への高率課税をするべきです。これによる税収増は対象人数が少ないため全体から見れば微々たるものでしょうが、一種の社会正義の実現のために必要だと思います。このことは平等感を一般市民が感じることができるというだけではなく、一部の人々を対象とした合法的な買収といったものをやらせないという意味でも効果があるはずです。
3.東電の企業年金給付額を数パーセント切り下げるという議論が出ていますが、運用からの収益ではとっくの昔に切り下げに追い込まれていたはずです。つまり、銀行の不良債権処理などに伴う金利低下がありほぼすべての年金は運用収益以外からの補助を受けているわけで、それなら高額な支給についてこそその切り下げをするべきです。このことに切り込まないで一般市民の多くが加入している年金制度を弱体化させるのは、結局長期的に社会全体の劣化へつながるはずです。
4.給付付き税額控除という考え方は2007年の政府税制調査会から議論されているようですが、未だに実現できていません。前提となる所得捕捉が難しいということが大きな要素だと思いますが、その他にも社会保障制度自体の設計変更が行き詰まっているのだと思います。現代社会は巨大資本が支配する世界であり、一般市民の生活は大きくそういった巨大資本の企業活動により規定されています。ところが巨大資本はまず第一に企業利益追求をしているので、一般市民生活が全体として歪められてしまうことがあります。父親の職場が家庭からの分離とか、一般市民の核家族化と地域社会からの分断、マスコミの発達による世論コントロールの完成などです。こういった事態に対して、対抗した動きを誰かがする必要があります。税金を集めてそれを再分配するという働きが政府の最も基本的な機能ですが、行政自体が巨大資本に直接対処するか、または一般市民の誰かが対処することができるような制度を提供する必要があると思います。社会保障制度はこういった目的達成のために大きな役割を果たすはずです。
5.証券税制をより累進性のあるものへ変えるべきです。日本の10%課税は国際的に見てもあまりに低い水準であり、年収1000万円以上は最低でも40%程度のようにまでは課税をするべきです。これに関連して、持株会社の制度についてその税制の変更が必要になるのだと思います。
6.国際的な取り組みになりますがトービン税の導入について広く議論をするべきだと思います。
*6月8日の記事「近づく戦争・テロ社会、これらの動きを止めるべきでは?」から一連番号を付しています。<<873>>
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