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1%の金持ちと99%の貧乏人による「格差・日本」がいいですか
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2011-11-23 06:49:53 生き生き箕面通信
おはようございます。読売新聞が「週刊ポスト」など週刊誌3誌に記事の訂正・謝罪を求める通知書を内容証明郵便で送りました。清武問題に関連して、週刊誌がいずれもナベツネ氏の「独裁」に触れ、とくに「内山斉・読売グループ本社前社長が退任したのはナベツネ主筆との意見対立が原因だった」としたのは「事実無根」というのです。この動きの中から、ナベツネ氏自身が「独裁批判」を嫌がるほど、企業民主主義が貫徹しているはずの新聞社で、誰も批判できないほど「独裁風土」が浸透していることことが透けて見えます。
生き生き箕面通信1080(111123)をお届けします。
・1%の金持ちと99%の貧乏人による「格差・日本」がいいですか
ついにやりました、韓国国会。対米FTA(自由貿易協定)の批准案採決にあたって、野党議員が”予想通りの乱闘”というか、今回は催涙剤をまくという新手で大混乱しました。結局はシナリオ通り、与党の多数で強行採決され、来年1月1日から発効することになりました。
野党が最も問題としたひとつが「ISD条項」だったのですが、今朝の日本の新聞はそこはほとんど触れていません。いわば「ISD条項隠し」です。野田首相も「知らなかった」ほどのISD条項隠し。
別名「毒素条項」ともいわれるこの条項は、TPPでも盛り込まれます。そうすると、どうなるか。例えば、医療分野。日本が誇る国民皆健康保険制度が根本から崩され、アメリカ流の「金持ちは高価な先端医療を、貧乏人は劣悪な医療を」と、大きな医療格差社会へ変えられます。アメリカの医療会社が乗り込んできて、「我々がもうかる病院経営ができないのは、日本の健康保険制度があるからだ」と日本政府を訴え、それで巨額の賠償金をむしられ、挙げ句の果ては制度を変えざるを得なくなるのです。日本の医者も、高額で待遇のいい「金持ち御用達病院」へ流れます。貧乏人は、置き去りになり、棄民にさせられます。今でも、憲法に保障されているはずの「文化的な最低限度の生活」すら、その恩恵を受けられない人があふれています。
イギリスではサッチャー首相当時に新自由主義を導入した結果、この国の庶民は病院の窓口で一日待たされ、そのあげく劣悪な手当しか受けられなくなりました。
日本政府は、財政難解決のためにも、アメリカの企業がISD条項を活用して訴えてくれれば、医療費抑制が図れると踏んでいる節があります。混合診療の分野を広げることで、保険の給付範囲を見直し、健康保険がきく範囲を縮小できると期待しているようです。
ISD条項は、爆発すればその威力は、「ヒロシマ・ナガサキ」級です。アメリカで進んでいるように、災害対応すら「民間営利会社」に丸投げされ、あらゆる行政サービスが営利事業化されるのです。ことは、国民の「健康や命」という最も大事な分野も、お金の有無で区別されることになるのは間違いありません。
農業分野はもちろん、弁護士業を含む司法の分野もアメリカ流に変えられ、「訴訟社会」に変貌するのもほぼ確実です。
日本の中には、そうした格差社会を歓迎する層が厳然として存在しています。「努力して金持ちになった私たちが、もっといい目をみるのは当たり前でしょう。貧乏人は努力しなかった結果だから、自分の責任でしょう」というわけです。
日本の庶民は一周遅れで、アメリカのウオール街座り込みみたいなことをすることになりそうです。「おいしい日本市場をいただいてアメリカの経済を再建」したいオバマ大統領と、財政再建を至上命題とする日本の財務省に支えられた野田首相グループが、「格差社会への道」というドラマを次第に佳境に盛り上げつつあります。これは、歴史の必然的な流れなのでしょうか。ストップはできないのでしょうか。
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