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大人は成長の停滞を怖れ 若者は、その成長そのものを信じていない
http://blog.goo.ne.jp/aibatatuya/e/7917c1aaee7a27539638db0d70f4dbd1
2011年11月23日 世相を斬る あいば達也
先ずは以下の田原のコラムの抜粋を読んでいただこう。
≪ 若い世代のTPP反対は「尊皇攘夷」に似ている(*前半は、田原のTPP支持の馬鹿げた論理を展開している) …………
若い世代に「TPP反対」の声が多いのはなぜか 14日夜、文化放送の番組「田原総一朗オフレコ!スペシャル」(テーマはTPP)で大田弘子さん(政策研究大学院大学副学長)をゲストに招き、 TPPについて話し合った。大田さんはTPP賛成派である。
番組はニコニコ生放送でも同時放送され、同生放送で「TPPに賛成か、反対か」のアンケート調査を行った。驚いたことに、その結果は、反対が 74%にも上り、賛成はわずか26%だった。圧倒的に反対意見が多い。
日本経済新聞の世論調査(10月28〜30実施)によると、TPPに「参加すべきだ」が45%、「すべきでない」が32%。朝日新聞の世論調査 (11月12、13日実施)でも「賛成」46%、「反対」28%となり、賛成派のほうが上回っている。 ニコニコ生放送の調査回答者はインターネットの利用者で、若者が多い。私は、「大人が決めることはよくないこと」という若者たちの反体制の声ではないかと思っている。若者のTPP反対は裕福な年寄り世代へのアンチテーゼ チュニジアやエジプト、リビアで独裁政権を倒す革命が起きた。米ニューヨークのウォール街で始まった反格差デモがアメリカ各地、世界へと広がった。こうした革命や反格差デモの中心に若者の存在があり、それと同じように、若い世代の「TPP反対」は現体制を作り上げてきた年寄り世代へのアンチテーゼではないか。
「年寄り世代が富を独占し、若い自分たちには何もない。就職すらできない」という反発が、アンケート結果に表れているのではないかと思う。
15〜24歳の若年層の失業率は世界的に高い。ユーロ圏で約20%、ギリシャやスペインでは40%を超える。アメリカでも約18%に上り、いずれ の国でも若年層の失業率は全体の2倍以上に達している。日本でも完全失業率は全体の4.1%に対して若年層は7.2%と高い(総務省統計局「労働力調査」 平成23年9月分より)。
若い人たちを「TPPとは何か、よくわかっていないくせに」と批判することは簡単だ。しかし、若い世代が「TPP反対」で大多数を占めるのは、実は深刻な現象なのである。
私はここに「尊皇攘夷」を見る。開国を迫る外国人を排撃する幕末の思想だが、内にこもり、国際化から目を背ける現在の若者の姿勢は「尊皇攘夷」に似ているからだ。・・・・・・
・・・・・・こうした流れの中で、TPP交渉参加に反対する農業団体の動きと、若い世代の強烈な反対が私には大変気になる。(日経BPnet:田原総一朗:政財界「ここだけの話」抜粋)
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111117/290842/?ST=business
旧世代の代表格と目される田原総一朗が、知れ者な言葉で現代の若者像を語っている。このコラムの後半部を読んでいると、彼が一番マスメディア、記者クラブの論調に左右されている評論家なのだと思う。発想が陳腐だ。世代間格差を嘆いているのは、若者ではない。嘆いているのは、大人や高齢者であり、自分達ではない事を知っている。若者は時代を肌で感じている。故に、これからの自分達の将来とか、未来に対し現実的に、冷徹な目を持っていることが判らない。世代間格差を恨んでもいないし、子供達に借金を残さないという美辞麗句も信用していない。おそらく、恩着せがましい大人の論理だとせせら笑っているのだろう。
旧世代は、現代の若者には夢がない、と嘆く。小沢一郎もそのような発言をしていた。小沢も、その点では、現代の若者を充分に理解できていない。筆者も同じだ。ただ、夢を持つには、そこに将来への“糊代”が厳然と残されている“事実”がなければいけない。政治家であれ、評論家であれ、現代の若者を鼓舞する具体的日本の、否、先進諸国の成長の残り部分を説明出来るのだろうか?残念ながら、筆者は彼等に先進諸国のあらゆる成長の糊代を提示する事をためらう。なぜなら、現実問題“糊代”は基本的にないからである。故に筆者は極論だが“基本的鎖国”の精神を謳っている。この問題は社会哲学の世界で語ることかもしれないが、極めて重要な世代的ズレなのである。
いま生きている高齢者や大人達は、敗戦と復興、そして、怒涛のような経済成長と共に生きてきた人間達だ。これら世代に共通の国家認識、或いは社会認識が成長と共にある。その成功体験に根差した口ぶりなので、嫌に絶対的確信がある。しかし、そこが違うという論点を抜きにして、これからの日本、或いは世界像を語るのは、押しつけに他ならない。彼らが“これは糊代だ!”と思える素材を提供しない限り、彼らが草食系であろうが、夢がなかろうが、海外に飛躍する気がなかろうが、なんら説得力を持たない。今後も、日本や先進諸国が経済成長し、よりバラ色の世界があるなどとシラフで言える馬鹿がいるのだろうか?最後に毎日新聞の 「特集ワイド:「若者ってかわいそう」なの? 20代の70%が今の生活に『満足』」と云う考えさせられる記事を掲載しておく。
≪ 特集ワイド:「若者ってかわいそう」なの? 20代の70%が今の生活に「満足」
◇キーワードは自己充足
世代間格差が話題だ。「若者がかわいそう」だの、「かわいそう」はウソだの、若者以外が騒いでいる。ところが26歳の社会学者、古市憲寿(のりと し)さんはいう。「世代間格差に一番怒ってるのは40代のオジサン世代じゃないですか」。ええっ!? 40代としては聞き捨てならない。ならば聞かせても らいましょう。「若者ってかわいそうではないの?」【小国綾子】
◇気の合う仲間と日常を楽しみ、案外社会に真剣に向き合って、自分にできることをしようと、まじめに思ってる
古市さんは現在、東大大学院生。9月には「絶望の国の幸福な若者たち」(講談社)、10月には社会学者の上野千鶴子さんとの対談集を出版した。ポ スト・ロスジェネ世代の若者論の旗手として、今やメディアで引っ張りだこだ。 待ち合わせ場所は、昼下がりの東大本郷キャンパス(東京都文京区)。古市さんと同世代の意見も聞きたくて、研究仲間の大学院生(27)の女性らに も同席していただいた。
「『若者はかわいそう』と言われても僕らに実感はないですね」。古市さんはデータを挙げて説明してくれた。内閣府世論調査(2010年)では、 20代の実に70%以上が今の生活に「満足」している。これは過去40年で最高で、おまけに他の世代より高い。満足度が一番低いのは50代(55%)だ。 「デフレが進み、ユニクロやファストフードでも、お金をかけずそこそこ楽しく暮らせるようになりました。ケータイなど、友だちとつながるツールも 増えましたしね」
でも、一方で20代の63%の人が「生活に悩みや不安がある」という。80年代後半には40%を切っていたのに。「満足なのに不安」って? 「人は『将来、今より幸せになれる』と思った時、今に満足しなくなる。逆に『これ以上幸せになれない』と思うから、今に満足するのです」。つまり希望がないか ら「今に満足」ってわけか。見れば隣で、20代の女性2人もうなずいている。
でも、満足している「今」の暮らしも続く保証はないのでは……。
「ところが若者にその実感はありません。将来について尋ねた調査で『今と同じ生活が続く』と答えた20代は6割。一方『悪くなる』はわずか1割。 中高年では『悪くなる』が3〜4割もいたのに」 古市さんが観察してきたポスト・ロスジェネ世代の若者像は、こんなふうだ。日本の将来より、世界の将来に関心があり、バブル時代の若者より、実は社会や政治に関心も高い。社会貢献したい気持ちはあるのに、具体的な目標やきっかけがないから動けない。
キーワードは「コンサマトリー(自己充足)」。「気の合う仲間と日常を楽しむ生き方。野望を抱いたりせず、友だちと一緒にご飯を食べられたら幸 せ、みたいな」。そういう感覚が若者に広まっているという。「例えば、借家を仲間とシェアしたら生活費は月5万円。だったら日雇いでも暮らせる、と会社を 辞めた人もいました。病気になったらどうするの? と聞いたら、『ツイッターでつぶやけば、誰か友だちが薬を届けてくれるから』と」
思わず意地悪な質問を投げてしまった。「自己充足」って「自己満足」とどう違うの?
ところが古市さん、涼しげに「まあ、同じでしょうね〜」だって。「自己が満足し、今ここで生きていく、それでいい、ってことだから」 中国の若者には、こう言われたそうだ。「日本の学生って何だか年寄りみたいだね」 こんな「若者論」に今、同世代から多くの共感が寄せられている。一方で、年配の人からはこんな声も。「若者はもっと怒れ!」。古市さんは「怒りは 一瞬、人をまとめるけれど、それだけでは物事は動かない。怒りより共感が大事と思いますけど」と受け流す。 でも世代間格差はもはや火を見るより明らかだ。年金や医療など社会保障を通じて若者は高齢者より1億円も損する、なんて試算を聞けば、さすがに腹 も立つでしょう?
しかし、同席の20代の面々は「あーあ、って感じ?」「そう。あーあ、だよね」。えっ、それだけ?
すると古市さん、痛いところを突いてきた。「世代間格差や若者貧困論を一番言いたがるのは40代。将来が不安なのは中高年の方では? 不安を若者に転嫁し、弱者を代弁するふりをしているだけじゃないですか。年金制度が崩壊して困るのも若者ではない。35歳以下の半分がもう、保険料を払ってないです から」
もっとも古市さんは、同世代の友人の起こした会社の執行役員で、厚生年金保険料を払う身だ。「どうせ僕らは将来、年金なんてほとんどもらえないでしょうが、社会貢献のつもりで払ってます」
著書で書いている。「若者が頑張ることのできる仕組みもない社会で『夢をあきらめるな』なんて言うな。むしろあきらめさせろ」と。「フリーターや派遣で働いていて、学歴も経験もない若い子たちがキャリアアップできる仕組みが、この社会にありますか?」。研究仲間の女性もボソッとつぶやいた。「頑張ってもその先に楽しそうなものが見えないのよね。頑張ってる人も幸せそうじゃないし」
大人の目には、不運に見える20代。物心ついた時には「失われた10年」で、就職超氷河期だニートだと言われ、育った世代だ。しかし彼らの目には、上の世代も幸せに見えないらしい。
古市さんは言う。「『昔は良かった』ってそれ、いつの話です?」。モノはなくとも心豊かな「三丁目の夕日」の昭和30年代か、はたまたジャパン・ アズ・ナンバーワンの80年代か、バブル期か。
「『あの頃に戻りたい』と言われても、僕にはしっくりこないんですよね。庶民が物価高と公害に苦しんだ高度成長期や、今から見ればしょぼいシ ティーホテルでまずいフランス料理を食べていたバブル時代に戻りたいですか? 過労死と隣り合わせの正社員や社畜になり、何十年も先の退職金の額まで予測可能な人生を送るよりは、今の若者は自由な人生を送れるようになった、と言えるのかもしれませんよ」
何というか、クールでドライ。でも決して、しらけているわけじゃない。「今の20代って案外社会に真剣に向き合い、自分と地続きの場所で自分にで きることを何かしようというまじめな人が多いんですよ」と古市さん。
なるほどこれが、新しい幸せの形、なのかもなあ。20代と40代が一緒にワイワイガヤガヤ。インタビューが終わったころには、東大キャンパスは夕暮れにすっかり沈んでいた。≫(毎日新聞)
http://mainichi.jp/select/wadai/news/20111116dde012040015000c.html
≪……古市さんが観察してきたポスト・ロスジェネ世代の若者像は、こんなふうだ。日本の将来より、世界の将来に関心があり、バブル時代の若者より、実は社会や政治に関心も高い。社会貢献したい気持ちはあるのに、具体的な目標やきっかけがないから動けない。 キーワードは「コンサマトリー(自己充足)」。……≫
≪……著書で書いている。「若者が頑張ることのできる仕組みもない社会で『夢をあきらめるな』なんて言うな。むしろあきらめさせろ」と。「フリーターや派遣で働いていて、学歴も経験もない若い子たちがキャリアアップできる仕組みが、この社会にありますか?」。研究仲間の女性もボソッとつぶやいた。「頑張ってもその先に楽しそうなものが見えないのよね。頑張ってる人も幸せそうじゃないし」……≫
イヤハヤ耳の痛いお話だ。しかし、痛い所をズバリ指摘されている。大人、特に政治家は、若者が参加し出来る隙間のある国家を提示しなければならないのだろう。つまり、一種無血の革命(パラダイムシフト)で、日本社会に、彼等に委ねる部分を解放するドラスティックな変化が必要なのだろう。やはり、改革ではなく、既存のシステムの破壊だろう。その好例が霞が関やマスメディアから既得権を奪う事なのだろう。その点、小沢一郎の視点は当たっている。それが出来るかどうか、それは今現在の政治家達の時代的責務なのだと思う。
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