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枝野経産相が実感したであろうTPPという多国間交渉のメリット
http://shunminchawa.seesaa.net/article/236210492.html
春眠茶話
日本国内ではTPP反対派・慎重派とTPP交渉参加を決めた野田政権との間がギクシャクしている。
特に全品目対象に交渉すると書かれた経産省の官僚文書をもとに枝野経産相がカーク米通商代表部代表と会談したのではないかとの疑念が渦巻き、TPP反対派・慎重派を不安にするばかりでなく怒らせている。
枝野経産相は参院予算委員会では、その官僚文書の内容を会談では話していないと否定している。だが、この官僚文書を見たこと自体は否定しなかった。
枝野経産相は、この官僚文書は野田政権の意向とは違うと明言しており、もしこれが本当なら、政権の意思を無視して官僚が勝手に交渉用の文書を作ったことになる。しかも、それが外部にも漏れているので、また官僚がマスコミを使って、世論をコントロールしようとしてるのか、あるいは本当にミスで漏れてしまったのか真相はわからないが、腹立たしくも情けなくもなる。
ただ、経産官僚も自分らで重要案件については提案したいだろうから、TPPのような大舞台では気合いが入るのはわかるとしても、こういう文書の存在は政治家を差し置いて官僚が国政・通商交渉をコントロールしようとの傲慢さが感じられて気分の良いものではない。
野田政権でもう一つやっかいな問題として挙げられているのがアメリカとの通商交渉だ。カーク米通商代表部代表は、牛肉、車、日本郵政の重点3分野については日米2国間で協議していくと表明している。朝日新聞によれば、これはTPPの事前協議なのだという。
こういう報道の仕方をすると、まるでTPPがあるから、この3分野がアメリカから交渉の圧力がかけられているかのように感じられてしまう。
ところが、この3分野についてはこれまでも日米間で交渉してきたのであって、アメリカはそれを2国間協議で続けると言ってるのだ。アメリカは本音として、この3分野についてはTPPの多国間協議のテーブルに載せるのは避けて、日米間だけでやりたい。
TPPに参加しようがしまいが、いずれにせよ日本はこの3分野についてはアメリカから強烈なプレッシャーを受け続ける。
かつて自民党時代の小沢一郎が主導して日米構造協議を推し進めていたとき、石原慎太郎は、2国間でこういう通商交渉をやってはいけない、多国間でやれ、と反発していた。
今、日米構造協議以降の20年の呪縛から解かれ、TPPという多国間協議の場がやっとできた。
時事通信によれば、TPP交渉参加を表明したホノルルで枝野経産相は、ニュージーランドのグローサー貿易相から「国内産業への配慮から自由化に慎重な品目を抱えている国は日本だけではない。交渉の中で解決策を見出す努力をしよう」と呼び掛けられたという。
戦後半世紀以上、2国間交渉でジャイアンからごり押しされ続けて来たのび太はやっといっしょに闘う仲間が見つかりそうになっている。
〜追記
アメリカはベトナム戦争以降初めてオーストラリアに米軍駐留を決定し、アジアでの軍事プレゼンスを拡大している。この動きはTPPとも連動しており、強力な環太平洋防衛・経済圏を構築する意図が感じられる。
ユーラシア大陸の強大な2カ国ロシアと中国にはアメリカ1国では太刀打ちできず、環太平洋地域の連携により対抗する戦略を固めた。
韓国から日本、フィリピン、オーストラリアと太平洋西端に安全保障の壁を築き、環太平洋地域を自由経済圏として繁栄させる。
これは南シナ海で中国とぶつかっている東南アジア諸国にとっても心強い体制だ。
また、別の目論見としてアメリカは、こうして中国に圧力をかけて、これまでうまく行っていない中国通貨切り上げを中国政府に決断させたい。中国通貨切り上げとなれば、当然のことながら日本の国内産業にもメリットがある。
中国でのビジネスは言われるほど甘くはない。法人税が安くても、輸出するときは高率の輸出関税を払わなければならない。国家が関与して外国企業から技術情報を入手しているとの噂もある。以下をご参照いただきたい。
ユーラシアの2つの超大国 ロシアと中国
http://shunminchawa.seesaa.net/article/235912468.html
先週オバマ米国大統領は環太平洋の安全保障体制について衝撃的な演説を行った。内容については以下をご参照いただきたい。
米軍のオーストラリア駐留
http://shunminchawa.seesaa.net/article/235913404.html
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