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2、3日前から悠香という通販会社が販売している洗顔石鹸「お茶のしずく石鹸」でアレルギー症状が起きたことが問題になっている。
「公表対象の事業者の利益や信用を考える必要があった」(朝日新聞11/15)
この言葉は、「お茶のしずくアレルギー問題」で対応の遅れを問われた厚労省医薬安全対策課の官僚が発したものという。
正直で良いと言いたいところだが、それは経産省の官僚にならちょっぴり言えることであっても、厚労省の「医薬安全対策課」の官僚には断じて言えないことである
この厚労省官僚の発言もそうだが、事件に関する事実経過は今日午前中に放送されたフジテレビ系列「知りたがり」に依ることを予めお断りする。
厚労省は言ってはいけない言い訳で無様を晒した。
もう一つの関連する重要政府機構である「消費者庁」は、情報を知りながら厚労省と二人三脚で秘匿に走り、「言い訳になるが、人手が不足しているので」(趣旨:福嶋長官)とこれぞ言い訳にならない言い訳を放った。
鳴り物入りで2年前に発足した消費者擁護官庁が、今回の事件ではまったく機能しなかったのである。
人手不足といっても200人体制で、捜査をするわけではなく、関連官庁から上がってきた情報をベースに消費者が被害を受けないように対処するところである。
消費者庁は、なんと、厚労省から具体的な商品名を聞かなかったので放置したと言い訳している。ちょっと厚労省の担当セクションに電話すれば済む(わかる)情報なのに、平気の平左で子どもの言い訳にも劣る言い訳をしている。
これで、人手が足りないからと人員を増やすようなことになったら、泥棒に追いゼニを払うようなものだ。
まず、この事件の事実経過を見てみよう。
【「お茶のしずく石鹸」アレルギー問題事実経過】
10年9月16日:厚労省に通達義務に従い医療機関が商品特定で10人のアレルギー症例報告
10年9月17日:厚労省から悠香に連絡:悠香から厚労省に小麦由来成分を除くと回答(※悠香はこの日のやり取りの事実が確認できていないとしている)
10年10月15日:厚労省がこの問題絡みで化粧品メーカーに購入者への注意喚起を指示
10年10月20日:悠香がインターネットサイトで購入者に注意喚起
10年11月〜:悠香がDMで購入者に注意喚起(計3回)
10年12月8日:悠香が小麦由来成分抜きの新製品を販売開始
11年5月20日:悠香が旧製品(加水分解小麦成分入り)を自主回収開始
11年6月:消費者庁が「お茶のしずく石鹸」について注意喚起
わかるのは、悠香が最近までテレビを使った宣伝を行っていたにもかかわらず、「お茶のしずく石鹸」の既ユーザーでないかぎり、アレルギー問題が潜んでいる(いた)商品であることが秘匿されていたという事実である。
判明しているアレルギー発症者は471人で、そのなかの66人が重篤な症状を示したと言われている。
「お茶のしずくアレルギー問題」は、福島第一原発事故に由来する放射能汚染とその後の対策とまったく同じ、“棄民国家構造”を示したものである。
なぜなら、企業・政府・大手メディアの「ど腐れ連合体」が、“ゼニ儲け”のために、それぞれの責任を放棄し、後追いながらも被害を減らせた可能性があるのに、逆に、被害を増大させる行動をとっているからである。
官僚機構は、国民の犠牲を承知で、悠香に、「新製品への切り替え」と「旧製品の自主回収」という商売持続可能な対策が終わるまでの時間的猶予を与えたのである。
■ 製造販売企業
番組では、“想定外”というこのところの定型句を使いながら、販売会社である悠香を擁護する姿勢が目立った。
「お茶のしずく石鹸」を販売している悠香が「皮膚アレルギーテスト」を行い、そのテストでは確認できなかったアレルギーが発生したというのなら、“想定外”(会社は「予想できなかった」と表現)ということも理解できないわけではない。
うちで使っているボディソープには、「皮ふアレルギーテスト済み:全ての方にアレルギーが起こらないということではありません」と表記されている。
通販好きの義母も使っている「お茶のしずく石鹸」は、“無農薬栽培お茶配合”や“天然成分”というように、肌や健康に考慮したものであるかのようにうたい文句が書かれており、それが1個1600円を超える価格の妥当性を支えているように思える。
天然=安全(非毒性)というわけでない。
飲食に供するものでなくても、皮膚のみならず目や口の粘膜にも触れるものは皮膚アレルギーテストが求められる。それを実施しているのなら、そのデータを公表しなければならないし、テストを実施していないのなら、“想定外”などの破廉恥な言い訳は断じてできない。
さらに犯罪的なのは、時系列の事実経過を見てもわかるように、「お茶のしずく石鹸」の既ユーザーでないかぎり、アレルギー問題が潜んでいる商品という認識ができないまま、テレビを利用した“拡販”にいそしんでいたことである。
そうなる体質の持ち主でも、1回使ったからアレルギー反応を起こすというわけではない。摂取していくうちに閾値を超え、アレルギー反応につながる。
「お茶のしずく石鹸」には加水分解小麦成分が入っていることは表記されているので、以前から小麦アレルギーを自覚している人の多くは使用を避けた可能性が高いから、アレルギー症状を呈したひとたちの多くは、それまで小麦アレルギーを自覚していなかったと推測できる。
いったんアレルギー反応が起きるようになると、アレルギー物質の摂取ないし接触のたびに反応が起きることになり、根本的治癒は困難とされている。
パン好きでそれまで何ごともなくパンを食べていた人が、「お茶のしずく石鹸」を使ってアレルギー反応を起こすようになったことで、パンさえ食べられなくということだ。
悠香は、昨年の12月には小麦由来成分を使わない新製品に切り替えたそうだが、2ヶ月間ほどは、ときに死に至りかねない重篤なアレルギー症状を引き起こす製品を売り込み続けていたのである。(湿疹、吐き気、呼吸困難などの症状)
膨大な放射能をまき散らした東電の歴代取締役たちも重大犯罪者だが、悠香の経営陣は、PL法違反レベルでとどまらず、業務上過失傷害罪(アレルギー症状を引き起こした)・詐欺罪(発症事実を知りながら秘匿して販売を続けた)という刑法犯罪者として追求されなければならない。
※ 10年10月20日に悠香がインターネットサイトで購入者に注意喚起をしたというが、テレビ通販で買っているのだから、インターネット利用者で悠香のサイトに頻繁に訪れ情報を取得しようとするユーザー以外は知らないまま使っていたはずだ。積み重ねがアレルギー反応につながるのだから、日々使うこの種の製品の“危険情報”は迅速に伝達されなければならない。
10年11月に送付したというDMでの注意喚起(計3回)も、内容を公表すべきものである。
■ 政府機構
悠香の取締役たちが刑法犯なら、厚労省や消費者庁の担当者はその共犯である。
事実経過を見れば分かるように、さらに、冒頭に転載した厚労省担当官僚の言動で分かるように、悠香の商売を第一と考え、その商売のせいで死の可能性さえあるアレルギー反応に国民が陥る可能性がある状況を長期にわたって放置した罪は明白である。
医療機関から情報が届けられてから自主回収まででも、8ヶ月近く経過している。
担当セクションの官僚たちは刑法犯だが、彼らの上にたち統括している大臣の政治的責任も免れることはできない。
事件発覚後の担当大臣を示す。
【厚労省大臣】
細川律夫:10年9月17日
小宮山洋子:11年9月2日〜
【消費者及び食品安全担当大臣】
岡崎トミ子:10年9月17日
村田蓮舫:11年1月14日
細野豪志:11年6月27日
山岡賢次:11年9月2日〜
現職である小宮山さんと山岡氏は無罪放免とは言い切れないが、深く意味のある反省の上に立って、事実を究明するととに担当官僚を刑事犯として告発する義務も背負っている。
渦中で大臣を務めていた、細川律夫氏、岡崎トミ子さん、蓮舫さんは、政治的責任を明らかにするとともに、事実究明に積極的に協力する義務を負っている。
■ 大手メディア
経費節減で広告収入が厳しいとは言え、テレビで目立つほどの宣伝を行ってきた悠香の犯罪を見逃してきた道義的責任は逃れられないだろう。
まさか、今回の騒動になるまで知らなかった、5月の自主回収までは知らなかったという類の言い訳をすることはないだろう。
厚労省担当、ユーザーやユーザーと接点がある可能性が高い報道セクションの女性職員を通じて、遅くとも昨年11月には情報を入手していたはずだからである。
■ 専門家
たった一人の例なので参考程度の話だが、「日本橋内科アレルギー科クリニック」の院長は、小麦由来成分の石鹸の使用で小麦アレルギーが起きることは悠香も予想できなかっただろうと説明していた。
しかし、番組で、09年に開催された日本アレルギー学会でその種の健康被害が報告されていたという。
見えない人には関係ない話だが、ほんとうにイヤなものを、これでもかという感じで見せつけられた陰鬱たる1年である。(まだまだ終わったわけではないが...)
国家ぐるみの犯罪は見逃され、国民が“ゼニ儲けのコマ”としか見られなくなった日本は、哀しみに満ち溢れた悲惨な国になるしかないのだろうか。
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