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●「日本の財政は危機的状況ではない」(EJ第3183号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/235577749.html
2011年11月17日 :{Electronic Journal}
昨日に引き続き、「日本の財政は危機的状況にある」は間違っているとする植草一秀氏の所論をご紹介していきます。
国債発行残高693兆円──これは2011年度末/2012年3月末になることが予測される数字です。この693兆円の内訳は次のようになっています。
1.赤字国債 ・・・・ 391兆円
2.建設国債 ・・・・ 251兆円
「建設国債」とは何でしょうか。
建設国債の根拠法は「財政法」です。財政法第4条に次の規定があります。
第4条 国の歳出は、公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない。
但し、公共事業費、出資金及び貸付金の財源については、国会の議決を経た金額の範囲内で、
公債を発行し又は借入金をなすことができる。
2 前項但書の規定により公債を発行し又は借入金をなす場合においては、その償還の計画を
国会に提出しなければならない。
3 第1項に規定する公共事業費の範囲については、毎会計年度、国会の議決を経なければならない。
この条文を読むと、国の歳出は「公債又は借入金以外の歳入」を財源とすること──すなわち、税収によって行わなければならないとしています。つまり、借金による財政運営はしてはならないと定めているのです。
しかし、但し書きがあります。特定の費用については、一定の条件の下で借金による財政運営を認めているのです。特定の費用とは、「公共事業費、出資金及び貸付金の財源」です。つまり、政府支出のうち、インフラを整備するなどの投資的な支出──公共事業費は国債発行が認められているのです。
それでは一定の条件とは何でしょうか。それは、財政法第4条の第1項〜第3項に次の条件があります。
1.国会議決を経た金額の範囲内で公債を発行する
2.公債償還の計画を国会に提出して了承を受ける
3.公共事業費の範囲は毎会計年度国会議決を経る
それでは、建設国債はどのように償還されるのでしょうか。これについて植草一秀氏は次のように述べています。
六〇〇〇億円建設国債を発行し、六〇〇〇億円のインフラ資産を作った場合、これを一〇年の国債で発行した場合には、一〇年後に六〇〇〇億円をいったん返済し、そのうち五〇〇〇億円をまた、一〇年国債を発行して調達する。一〇年の満期が来たときに五〇〇〇億円を返済するのだが、そのうち四〇〇〇億円については、また一〇年の国債を発行して資金を調達する。このような形で返済をしていくと、六〇年後にはすべての返済が完了する。これを六〇年償還ルールという。つまり、借金のなかの建設国債については、その建設国債の借金に見合う資産が存在しており、この借金は健全そのものなのである。
植草一秀著/青志社刊
『日本の再生/機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却』
建設国債は、その借金に見合う資産があり、この251兆円は健全な借金であって、外していいのではないかと考えられます。
国際的に見ても「借金」の定義が共通しているわけではなく、その国の財務当局の考え方によって異なっているのです。日本の場合、財務省は明らかに「国の借金」の額を大きく見せるため、いろいろなものを借金として上積みしているのです。
そうすると、問題にすべき借金は、残りの391兆円ということになります。これは赤字国債であり、それに見合う資産がないので、非常に問題のある借金です。日本では、長引く経済低迷によって税収の足りない部分を国債発行で賄う状況が続いてきたのですが、遂に国債発行額が税収を上回る事態になり、2009年度からそういう状態が続いています。赤字国債は、その発行のための特例法によって認められるのですが、菅政権のさい、この特例公債法が野党の反対で通らず、菅政権崩壊の引き金になったことは記憶に新しいところです。
このように政府債務が391兆円であるということになると、GDP比は82・5%になり、米国の81・5%と比べて遜色はなく、危機の様相は一変する──このように植草氏はいいます。
しかし、赤字国債は問題です。借金で予算を賄う比率が50%を超えている事態は改善する必要があります。しかし、どこの国でも多かれ少なかれ借金はあるのです。それに家計の借金と違って国の借金をゼロにする必要はないのです。要は適切に管理されていればそれでいいのです。
それに借金があってもそれに見合う資産があれば何も問題はないのです。政府は2010年度末において、694兆円の資産を保有していると発表しています。もちろんその中には使えないものもありますが、少なくとも391兆円に対応する資産としては十分であるといえます。
ですから、いま日本がやるべきことは、増税することではなく経済を活性化させることです。それに官僚主導国家の天下りなどの膨大なムダを削ることです。このように考えると、日本の財政はそれほど深刻ではないことがわかると思います。ギリシャとは違うのです。
── [財務省の正体/09]
≪画像および関連情報≫
●日本国の債務状況と資産の内訳
今回からは、「ハイパーインフレは日本で起こるのか?」という事を本格的に考えてみたいと思います。ただ、最初に言っておきますと、管理人自身は、2011年1月時点において、現在の日本の状態のままならば、少なくとも2011年中はハイパーインフレはまず起きないと考えています。
ハイパーインフレの可能性が出てくるのは3〜5年先ではないかと考えています。それには、幾つか理由があるのですが、それを説明するためには、まずはあなたに日本の現在の姿を知って頂く事が必要になります!実は、現在の日本の債務状況と保有資産の状況をしっかり把握して整理すれば、「何処の"タガ"が外れた時に、ハイパーインフレにつながるのか?」が見えてくるようになります。また、「おおよそのハイパーインフレが始まるタイミングを知る糸口」も見えてくるはずです。
参考ブログ:http://on-linetrpgsite.sakura.ne.jp/cat5/post_5.html
債務残高の国債比較
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