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天皇と放射線被ばくと民主党政権の責任
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「天木直人氏の視点ー(2011/11/16)」 :本音言いまっせー!
天皇陛下の入院が長引いている。
天皇制に特別の思い入れがある者でなくとも、気がかりなことである。
そして皆がはっきりと口には出さなくても気にかけてきたことが
もうひとつある。
それが天皇陛下の放射線被ばくである。
この二つを特集記事にしたのが今週号(11月21日号)のアエラ
である。
その要旨はこうだ。
・・・大震災以降、高齢をおして被災者を励まし、過密スケジュール
をこなして来た天皇陛下がついに入院された。
福島第一原発から広がった放射性物質は、皇室用地にも降り注いだ。
天皇家の暮らしにも影響はあるのだろうか。
この夏、両陛下や皇太子ご一家も静養した那須御用邸前の放射線量は、
本誌が11月6日に測定したときも、毎時0・45マイクロシーベルト
あった。
宮内庁が気を使っているのは、皇族が毎日口にする食材をつくって
いる御料牧場だろう。栃木県高根沢町と芳賀町にまたがる御料牧場で
生産された食材は東京へ運ばれ天皇家や東宮家の食事をまかなうことに
なっている・・・
ひと昔前であれば、天皇陛下を被ばくの危険にさらした政府は当然の
こととして責任をとったに違いない。
11月23日に予定されている新嘗祭までに天皇陛下は回復される
だろうか。
その新嘗祭とは各地から献上された今年の新米を神に奉納する儀式で
ある。
その新米が原発事故で放射能汚染された。
瑞穂の国の瑞穂が汚染され、瑞穂の国の水田が毀損された。
敗戦により、現人神の天皇が象徴天皇になって60数年がたつ。
平成の世に世の中になって二十余年がたち、国民の天皇制に対する
思いも大きく変わっただろう。
それでも天皇は日本国民統合の象徴である。
その天皇を放射線被ばくの危険にさらし、いまもなお福島の米作りは
不安を抱えたままだ。
菅直人や野田佳彦が率いる民主党政権は原発事故に適切に対応できな
かったばかりか、いまもなお適切な対応ができないままだ。
その間にも放射能汚染は続いている。
天皇制を崇拝する者も天皇制廃止を訴える者も、神の国を信じる者も
信じない者も、民主党政権の責任を追及するものはいない。
不思議なことに右翼団体が天皇陛下の放射能汚染についてまったく
沈黙している。
もはや天皇制は国民の間ではその程度の存在になってしまったという
事なのであろうか。
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