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フィナンシャル・タイムズの社説(日経版)と日経新聞の北京発の記事を転載する。
FT(米国は当然だが12年いっぱいのTPP調印を目指す。日本が主ターゲット。オバマ政権に中国への配慮を求める)
日経北京(中国は今後もFTA交渉に力点。国内ではTPP警戒論もある)
日経北京発の記事に、「中国国内では「TPPが求める高い基準を交渉参加国は本当にクリアできるのか」(愈建華南拓次官補)と疑問視する声は多い」とあるが、TPP参加9ヶ国は、高い基準をクリアするのはシンガポールと日本だけでいいと考えているフシがみられる。
傲慢な米国は、どのみち、ほんの少しの譲歩で欲しいものだけ手に入れるだろう。
豪州とNZは日本と競合するような産業はほとんどないから農産品の対日輸出だけ考える。
他の5ヶ国(ベトナム・マレーシア・ブルネイ・チリ・ペルー)は“途上国待遇”で優遇される。
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米、アジアと関係強化狙う 中国への配慮欠かせず
米国がアジアとの関係強化に意欲を示している。それは何ら不思議ではない。この地域の経済成長率は平均で7%を超える。欧州の危機と自国経済の低迷を踏まえ、米国はオバマ大統領が目標とする輸出倍増と雇用創出を達成するため、アジア市場に入り込みたいと考えている。
米国がアジアヘの関与を再構築することは、経済にとどまらず戦略的にも歓迎されるべきである。しかし課題は多く、危険すら潜む。ワシントンは巧みに物事を運ばなければならない。米国が最も主導権を発揮するのは環太平洋経済連携協定(TPP)だ。オバマ氏は9カ国に加え可能なら日本を入れて、2012年末までに「次世代の」通商協定に調印したいと考えている。
日本では農家が激しく抵抗しており、日本から踏み込んだ合意を得ることは極めて難しいだろうが、日本なしではTPPは単なる寄せ集めの協定にしかならない。
中国がすぐにTPPに参加することはなさそうだ。中国のいくつかのビジネス慣行から判断して、そうならざるを得ない。しかし、中国が参加しない協定は不完全だ。「中国を仲間はずれにした」クラブとみられたら不和の種にもなりうる。
米国は中国も含めてTPPの義務を満たすなら加入できると主張している。今後は中国が協定の目標や基準を実現できるよう外交的な努力を払う必要がある。
戦略的な関与の強化は微妙な問題もはらむ。オバマ氏は今週、オーストラリアを訪れ、軍事関係の強化を発表するとみられる。ワシントンがこの地域に関心を強めていることをアジアの多数の国は歓迎している。
ただ、ワシントンは地域の力学が変動していることを強く認識しなければならない。インドネシアのユドヨノ大統領はアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で、世界がもはや1つの超大国に支配されるべき時代ではないと語った。
太平洋で貿易と軍事の将来像を固めるには中国を巻き込まなければならない。米国が北京の利益を完全に無視しているとみられたら、アジアへの関与を強める意欲は裏目に出るだろう。
(15日付、社説)
=英フィナンシャル・タイムズ特約
[日経新聞11月16日朝刊P.6]
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中国 ASEAN重視、当面静観
【北京=島田学】中国は米国主導のTPPを警戒しつつも、対抗姿勢は取らずに模様眺めの構えだ。当面は引き続き日中韓と東南アジア諸国連合(ASEAN)でのFTA締結に最も力点を置く。関税の原則撤廃を掲げるTPPのハードルの高さに各国が音を上げ、例外措置を認めやすいFTAに関心が回帰するとの読みもあるようだ。
「東アジアFTAやTPPなどによるアジア太平洋地域での自由貿易圏建設の推進を支持する」。
胡錦濤国家主席は12日、滞在先のハワイで「TPP支持」を表明した。
もっとも今回の発言は、中国が自由貿易の推進に後ろ向きとの印象を避けるため。独自のルールで動く国有企業が幅を利かせる中国がTPPに加わる可能性は現時点で「ほとんど考えられない」(政府関係者)。
米国はこうした事情を承知の上で、アジアの成長を取り込む戦略と中国側には映る。「アジア太平洋を巡る経済冷戦だ」。中国の地元紙では刺激的な見出しも躍る。
ただ、政府の反応は抑制気味だ。劉振民外務次官補は15日の記者会見で、中国がTPPの影響力をそぐためにASEANとの貿易関係の強化に乗り出すのではないかとの見方を否定した。
「(TPPだけでなく)ASEANプラス3やプラス6もアジア太平洋地域の自由貿易圏を実現する手段だ」。中国外務省の劉為民報道局参事官は14日の記者会見で、当初は否定的だったASEANプラス6(日中韓、豪州、ニュージーランド、インド)にも前向きな姿勢をみせた。政治的な対立を抱えるインドを含めた言及は、日中韓を軸にする意思の表れだ。
中国国内では「TPPが求める高い基準を交渉参加国は本当にクリアできるのか」(愈建華南拓次官補)と疑問視する声は多い。TPP拡大が行き詰まれば、アジア太平洋地域の貿易の主導権は日本になく、中国の手に自然と転がり込んでくる−−。そんな算段を説く政府関係者もいる。一方、人民日報系の環球時報は15日付で「中国は速やかにTPP交渉に参加し、米国から主導権を奪いにいくべきだ」とする評論を掲載した。楽観論と警戒感の間で揺れる当局の姿も浮かぶ。
[日経新聞11月16日朝刊P.6]
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