http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/412.html
Tweet |
大阪市長・府知事選挙の新事態
渡司候補の
出馬取りやめ
一〇月二八日、日本革命的共産主義者同盟(JRCL)関西地方委員会が、大阪府知事・大阪市長選について声明(本紙11月7日号、橋下・維新の会の強権政治を許すな!市長は渡司、知事は梅田に投票を!)を出したあと、一一月五日、渡司考一が市長選への出馬をとりやめるという情勢の重要な変化が生じた。
この出馬とりやめについて渡司は「ローカル組織だった維新が、教育基本条例などを全国にひろげていくというメッセージを発し始めていることに危険を感じた」「全国の支援者から『なんとしても(立候補を)押さえてほしい』という意見が寄せられていた」と説明した。
日本共産党大阪府委員長の山口勝利は、渡司の立候補取りやめを「新たな闘争宣言」だとし、「(橋下の)ファッショ的な独裁政治を阻止するために全力を尽くす」と述べ「平松氏には自主的に支援する立場」「当選後も与党になることはない」と説明している。知事選については、これまで通り梅田候補の当選のために全力を尽くし、平松とタッグを組む倉田候補は批判していくという。共産党は、これまでの平松市政に対する批判は一時的にではあれ抑え、街頭でも職場でも平松の「反強権性」を評価して、平松への投票を呼びかけている。
こうして、大阪市長選での投票において、労働者市民は強権的手法による新自由主義の実現(橋下)か、よりソフトな形態での新自由主義の実現(平松)かという選択肢しか与えられなくなった。そこには、どんな形であれ労働者階級の要求を反映しうる候補者はいない。これは、強烈な反動・右派が登場した場合、労働者階級の利益に重大な打撃を与えても、独自性を放棄して資本家のより柔軟な勢力との共闘に走るという彼らの伝統的手法に乗っ取っている。渡司の立候補辞退は、大阪の政治に深刻な事態を作り出している。
新しい動きが
始まっている
しかし、この事態は、一様でない複雑な動きを伴っていることも事実だ。
平松・倉田陣営はもちろん、共産党のこの変化を大歓迎している。そればかりでなく、戦闘的な労働運動、市民運動の中にも、共産党への評価は別にこの決定を歓迎する気運が広がっている。
こうした事態の中でも、自民党中央は、橋下・維新の会の勝利後の協力をあてに平松・倉田陣営への支持を躊躇し続けている。これは民主党においても同様で、国会議員を中心に中立の立場をとろうとしている部分がいる。公明党などは、府・市議会における維新の会との関係を悪化させたくないとの意向もあり自主投票を決めた。もちろんその背景には、彼らの新自由主義的改革の推進という基本的政治姿勢があってのことである。
渡司の立候補取りやめの後の、共産党陣営、支持者の反応は多様である。党派優先的感覚から、自らの選択肢がなくなったことを残念がる部分もあるが、渡司自身が述べているように「橋下の強権政治・『ファシズム』反対」の立場からの渡司の立候補に批判的で、平松への一本化を求める声が強かったことは、さきのJRCLの声明でも触れた。共産党員や支持者に対して、橋下・維新の会の「君が代」起立斉唱条例、教育基本条例、職員基本条例などの強権政治に危機意識を持つ人々からの「平松に一本化すべきだ」との圧力は大きかった。大衆運動に積極的で大衆との接触が多い人ほどそれに敏感であったといえる。
こうした人たちの中から、これまでは敵対的であったり、疎遠であった部分への共闘の働きかけが始まっている。それは、彼らより右で、穏健な勢力・潮流に対する接近だけではない。たとえば、大阪労連は「大阪中から独裁政治ノーの世論を結集し、梅田知事の実現、橋下・『維新の会』の野望を打ち破る闘争を!」と声明を出し(11月9日)、すでに日航争議などで交流・共闘が始まってはいたが、大阪全労協に対して「橋下打倒・梅田支持」での共闘を呼びかけている。また、教育基本条例・職員基本条例反対の闘争でも、日の丸「君が代」強制反対ホットラインなどの反対運動との協力を強め、集会での交流なども強めようとしている。教育労働運動においては、いくつかの地域で日教組系組合や教育合同など独立系組合と全教組系組合との共同アピールも出されている。こうしたことは、これまでの大阪の政治では見られなかったことである。
橋下・維新の会
を敗北させよう
この大阪市長・府知事選において、橋下・維新の会とは異なった方法で教育労働者や公務員労働者に対する攻撃を実現しようとする平松・倉田の陣営への抵抗を放棄し支えようとする労働組合官僚のもとにある連合と共産党系全労連や全労協の勢力が入り交じった「反ハシズム」「強権政治反対」の選挙闘争の共存、あるいは部分的な共闘が生まれようとしている。
われわれは、こうした変化、実情を無視しない。われわれは、こうした運動と「橋下・維新の会の強権政治絶対反対」を共有する。しかし、われわれは、「平松への投票の呼びかけ」に含まれる、労働者・市民の利益のための闘争の放棄の危険性、新自由主義的政治への武装解除に対する警告をゆるめはしない。
われわれは、この選挙戦を通しても教育基本条例や職員基本条例に反対する実際の共同闘争を作り出していくよう呼びかけ、その実現のために闘う。さらにその運動の中で、民主党政権の日米軍事同盟の強化、普天間基地の存続や辺野古新基地建設、南西諸島への自衛隊配備、TPP参加強行などに反対し、東日本大震災被災者・福島原発事故被災者への無条件の補償を要求し、もんじゅをはじめとする福井の原発の全面的廃炉をめざす運動の強化と共有化を訴える。
こうした訴えと努力が結実することによってこそ、たとえ橋下・松井・維新の会が勝利した場合にはもちろんのこと、平松・倉田が勝利したとしても、その後に予想される新自由主義に基づく労働者市民の権利の剥奪、教育や社会の破壊と荒廃と闘う主体的体制が準備される。そのためにも今から「ソフトな形態による新自由主義の実現」、平松・倉田(民主・自民)との決別が必要である。
われわれは、渡司の市長選立候補辞退を受けても、JRCLの「声明」は基本的に正しいと考え、市長選においては「橋下の敗北のための闘い」府知事選においては「梅田の勝利と反資本主義の労働者市民の闘争の強化」を呼びかける。 (一一月一四日)
---------
ミニ小泉・ハシシタをつぶすためなら方針転換でも何でもやるということだ。それでいいんでない。
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK122掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。