http://www.asyura2.com/11/senkyo122/msg/398.html
Tweet |
●「借金を大きく見せようとする財務省」(EJ第3182号)
http://electronic-journal.seesaa.net/article/235351150.html
2011年11月16日 :(Electronic Journal)
財務省は消費税増税を実現するために、何年も前から執拗に増税キャンペーンを行っています。しかし、その増税キャンペーンには多くのウソが含まれています。EJでは、何人かの識者の所論を参考にしてそのウソを暴いていきたいと思います。
増税を国民に納得させるには、現在の国の借金が巨大で、ギリシャような財政危機がいつ起きてもおかしくないという事態を知らせることが一番効果があります。そこで、財務省は記者クラブメディアと連携してこれを訴求してきたのです。
昨日のEJで、増税キャンペーンの3つの訴求ポイントを上げましたが、その第1のポイントが「日本の財政は危機的状況にある」
─これが最も効果的な訴求ポイントになります。最近のことですが、10月29日付の読売新聞に次の記事が出たのです。
≪国の借金、3月末に過去最大の1024兆円に≫
財務省は、28日、2011年度末の国債や借入金などを合計した「国の借金」が前年同期に比べ、1年間で99兆7451億円増え過去最大の1024兆1047億円に達するとの見通しを明らかにした。
──2011年10月29日付、読売新聞
新聞の見出しだけを読んで、記事を読まない人はたくさんいます。そういう人はこの見出しを見て、「遂に国の借金は一千兆円を超えたか」と思ってしまいます。
しかし、記事を読むと、国の借金が一千兆円に達するのは、来年3月末のことなのです。たった4ヵ月先ではないかと思うかもしれませんが、社会保障と税の一体改革について詰めが行われるのは今年の年末なのです。そのためには、国の借金が一千兆円を超えたと思わせるのは早い方がよいとして、絶妙のタイミングで財務省と新聞が連携プレーで行ったものと考えられます。
ところで「国の借金」という表現は非常に曖昧なのです。元財務官僚で嘉悦大学教授の高橋洋一氏は、財務省は「国の借金」の数字を使い分けていることを指摘しています。
1. 国の公債残高 ・・・・ 600兆円台
2.国と地方の長期債務残高 ・・・・ 800兆円台
3. 国債及び借入金残高 ・・・・ 900兆円台
──2010年度末
10月29日付の読売新聞にある「国の借金」は、上記の3を使っています。つまり、1000兆円超えを強調するために、一番大きい数字を使ったのです。このように財務省は「国の借金」という同じ言葉でいくつかの数字を使い分けるのです。
しかし、多くの国民は、1000兆円というのは国債発行残高であると考えていると思います。あえてそう思わせるように仕向けているのです。ところが、国債の残高は600兆円台でしかないのです。もちろん小さな額ではありませんが、一般的に考えられている数字から見ると、小さい数字なのです。詳しく知っている者が大雑把にしか知らない人を騙すのは簡単なことです。
これに対して、「日本の財政は危機に瀕していない」ということを主張している識者は何人かいます。そのなかにあって、最新刊の著書での植草一秀氏の解説はきわめて説得力があり、納得がいきます。
植草一秀著/青志社刊
『日本の再生/機能不全に陥った対米隷属経済からの脱却』
詳しくは上記著書を読んでいただくとして、植草氏の主張を以下にご紹介していきます。
植草氏は、上記でいう2の「国と地方の長期債務残高」894兆円を取り上げます。この数字は2011年度末にそうなるであろうという数字ですが、財務省はこの数字が1000兆円を超えると予測しているのです。しかし、以下は894兆円という数字に基づいて説明します。これは日本のGDPの185%に相当する数字です。この894兆円の内訳は次の通りです。
1.693兆円 ・・・ 中央政府分
2.201兆円 ・・・ 地方政府分
植草氏はこの894兆円のうち地方政府分の201兆円については、債務残高から差し引いてもよいのではないかと述べているのです。
その理由は次の通りです。
日本の場合、地方公共団体の債券発行、すなわち地方債発行については、非常に強い制約が設けられている。地方自治体の借金計画は、中央で集計され、一県ずつ中央政府の審査の対象となる。それらが集計されて、地方債計画として公表もされている。地方政府の借金は、それぞれの地方の金融機関などが資金の出し手となっており、どの経済主体がいくら地方自治体に資金を供給するかについて綿密な計画がたてられ、その計画に基づいて地方債が発行されている。また、地方債を発行できる事業も限定されており、基本的には、借金返済の裏付けが確かでないものには、地方債発行が認められないような仕組みが取られている。
──植草一秀著の前掲書より
植草氏は以上のような理由によって、201兆円の地方債の残高については、大きな懸念が生ずる恐れはないとして、借金残高には含めなくてもいいのではないかというのです。
そうすると、残りは693兆円の借金が問題ということになります。しかし、ここからも外せるものがあるのです。明日のEJで説明します。
── [財務省の正体/08]
≪画像および関連情報≫
●一般的な「日本の財政危機論」/2015年に財政破綻?
日本の財政破綻を懸念する声が海外でめっきり増えてきた。財政破綻とは日本政府が国債(すなわち借金)を返済できなくなることである。何しろ日本の国債発行残高はGDPに比較して断トツの世界一なのだ。昨年5月に財政破綻したギリシャより大きいのだ。だが日本政府は「大丈夫だ」と言い続けてきた。理由は二つある。日本国債の保有者の96%は日本の投資家だからだ。日本の投資家は日本の金融機関、ゆうちょ銀行、年金基金等である。我々が銀行に預けた預金は、銀行が日本国債を購入することで間接的に国債を保有していることになる。もう一つの理由は、日本の貯蓄は1400兆円もあり、国債発行残高943兆円はその範囲内に収まるからだ。それはその通りと思う。だがこの状況をいつまで続けられるのか。2011年度の予算を見てみよう。税収は41兆円しかないのに、歳出は97兆円に達する。不足分を補うために44兆円の国債を発行するという。
参考:http://diamond.jp/articles/-/11324
この記事を読んだ人はこんな記事も読んでいます(表示まで20秒程度時間がかかります。)
▲このページのTOPへ ★阿修羅♪ > 政治・選挙・NHK122掲示板
スパムメールの中から見つけ出すためにメールのタイトルには必ず「阿修羅さんへ」と記述してください。
すべてのページの引用、転載、リンクを許可します。確認メールは不要です。引用元リンクを表示してください。