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11月16日(水) またも「2枚舌」で国民を欺いた野田首相 [TPP]
野田さん、またやったようですね。内と外での発言の使い分けを。
このような「2枚舌」が政治不信を高め、国民の信頼を失わせ、内閣への支持率を低下させているのだということに気がつかないのでしょうか。
野田首相は、昨日の参院予算委員会で、環太平洋経済連携協定(TPP)交渉参加方針をめぐって、米政府が「(日米首脳会談で首相は)『全ての物品、サービスを貿易自由化交渉のテーブルに乗せる』と述べた」と発表したことについて、「一言も言っていない。事実関係を米側も認めた」と全面否定しました。その上で、菅直人前政権が昨年11月に「センシティブ(重要)品目について配慮を行いつつ、すべての品目を自由化交渉対象とする」との基本方針を閣議決定した経緯に触れ、「基本方針を米国なりに解釈したのだろう」と説明したそうです。
また、「(米側が)意図的にやったとは思わない」として、米側に抗議や訂正発表の要求を行わない考えを示しました。それなら、どうしてこのような食い違いが生じたのでしょうか。
米側の勝手な解釈で、言ってもいないことを言ったと発表することが許されるのでしょうか。もし、言っていないのであれば、きちんと事実を指摘して訂正を求めるのがスジというものではありませんか。
このような野田首相の対応は、野党側などから「2枚舌」だとの批判を招いています、それは当然でしょう。
国内では慎重姿勢を強調しながら、海外に行ったら積極姿勢を示すという野田さんのやり方は、今回が初めてではありません。フランス・カンヌで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議でも、「2010年代半ばまでに段階的に消費税率を10%まで引き上げる」と明言して「国際公約」と受け取られました。
また、TPP交渉に関しても、「参加」そのものではなく、それに向けての「協議」に入るのだというたぶらかしによって反対派をなだめようとしました。しかし、そのために、TPPに慎重な鹿野農相が「交渉参加を前提としたものではないと理解している」と答弁し、首相が慌てて「交渉に入らないという前提もないし、入るという前提もない」と取りつくろうなど、混乱も生まれています。
せっかくの弁舌が泣こうというものではありませんか、野田さん。駅頭で毎朝行ってきたという演説は、このようなたぶらかしの技術を高めるためのものだったのですか。
演説を繰り返しているうちに、いつのまにか舌が2枚に増えてしまったんじゃないでしょうね。民主政治にとって、言葉によって説得する技術こそが重要だということを、十分に知っているはずじゃありませんか。
「策士、策に溺れる」という言葉もあります。人間は、得意な分野でこそ失敗する可能性があるものです。
自らの主張に自信があるなら、正直に率直に、国民に語るべきでしょう。それとも、アメリカにしてやられたということなのでしょうか。
もし、そうだとしたら、TPP参加交渉に入る前から、アメリカに翻弄されているということになります。このようなことで、果たして日本の国益が守られるのでしょうか。
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