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宮城県議選で民主党が惨敗したようだ。特に安住クンの地元石巻市での結果はかなり悲惨なものであったようだ。現職の財務大臣のお膝下でこんな有様だ。安住クンの人徳の無さによる部分が大きいことは言うまでもないが、結果からは「震災復興の遅れに対する批判」と「原発反対」「増税反対」「TPP反対」の民意が多かったことが伺い知れる。次回の衆議院選挙での安住クンの落選は、ほぼ確実になったようだ。
この結果は、「原発推進」「増税推進」「TPP推進」派の議員にとっても他山の石ではない。 推進派の議員は「頭がパニック状態」に陥っていることだろう。TPP慎重・反対派の議員に対し「選挙目当て」などと批判していた推進派の議員がいたようだが、現実に自分の選挙の当落を考えたら、そんなことを言ってられないと思うのだが・・・。慎重・反対派のリーダーである山田元農水大臣は半生をJAと戦ってきた人である。
推進派の批判は間違っている。そもそも、TPPはアメリカのオバマ大統領が自分の選挙に利用しようとしているものである。「選挙云々」で慎重・反対派の議員を批判するなら同時にオバマ大統領も批判しなければ片手落ちと言うものだろう。TPPに日本が加盟するしないは別として、大統領選挙のことを考えればオバマ大統領が日本に対する要求をエスカレートさせることは容易に想像できる。野田首相や外務省の見方は甘い。
早速、推進派の議員の中から「トンデモ発言」が出始めている。推進派の代表格である岡田元幹事長が三重県内で行われた講演で「米の関税撤廃項目からの除外が認められなければTPPから抜ける。」とか「除外が認められなければ米については1兆円程度の補助金を支出」とか発言したようだ。(政権が続く可能性さえ危ういのに約束できるの?・・・)この人は幹事長時代に自民・公明党に対し「農家の個別所得補償制度の見直し」を約束している。言っていることに整合性がない。
そもそもTPPがどのようなものかさえも理解していないようだ。TPPは「加盟国の間で工業品、農業品を含む全品目の関税を撤廃し、政府調達(国や自治体による公共事業や物品・サービスの購入など)、知的財産権、労働規制、金融、医療サービスなどにおけるすべての非関税障壁を撤廃し自由化する協定」である。
TPP参加国の多くが農産品輸出国であることを考えれば、簡単に撤廃項目から除外できないことぐらいは、素人が考えてもわかる。けれども、このような発言をしなければならないところに推進派の追い込まれた立場が表れている。推進派や消費者の意見の中に、「関税撤廃で輸入品が安くなる。」という意見がある。この意見は、為替が変動しないという前提で考えれば現状では間違ってはいないかもしれないが、消費税が増税されれば関税を撤廃しても消費税増税分で相殺されてしまうので、必ずしも正しいとは言い切れない。(輸入品には消費税が課税される。)
為替が円安に振れれば、逆に輸入品は高くなり消費税のアップ分も加算されるので、関税を撤廃しても、それ以上に輸入品が高くなる可能性が高い。このように、物事は「関税を無くしたから輸入品が安くなる」というような単純は理論では語れない。アメリカの実情を見ればわかるように、輸入品の多くが「アメリカのメーカーだが製造は中国」という現象が日本でもおきるだろう。(だからアメリカの雇用は増えない。)
実際に日本でも繊維製品や日用雑貨などはメーカーが日本でも大半が東南アジア製である。(これにより多くの雇用が喪失した。)これがその他の工業製品にも広がっていくというのがTPPである。それによって中小企業が大打撃を受け雇用が喪失し失業者が溢れかえるであろうと予測できる。農業も影響を受けるが一番大きな影響を受けるのが中小の製造業(大手の下請け)であることを理解した上でTPPを語らないと後で痛い目にあうのは、製造業の人逹かもしれない。
アメリカを含むTPP参加国も韓国内での米韓FTA反対運動や日本における国会での慎重・反対派の議員の多さを知らない筈はない。それらの国々は日本政府の足元の弱さを見透かして、どのような交渉をしてくるのか・・・。クリントン国務長官に「いい子いい子」されているような前原氏や玄葉氏、枝野氏に対等な交渉ができると思っている人は、政治音痴の人を除けば殆どいないだろう。
http://haru55.blogspot.com/2011/11/blog-post_14.html
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