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2011年11月12日 (土)
日本を破壊する売国どじょうの駆除が急務
野田佳彦氏がTPP交渉への参加を表明した。
公表を1日遅らせたのは、「慎重に判断する」を演出するためであった。
どのように言葉を重ねようとも、事実の重みの前には無力である。
日本は、愚かな内閣総理大臣をまた抱えることになった。
「国政は国民の厳粛な信託による」
べきものであるが、主権者である国民の意思を踏みにじる内閣総理大臣の暴走が放置されている。
内閣総理大臣が例えば、イラン、北朝鮮と軍事同盟を締結するための交渉に入ると言い出したらどうなるのか。
国会議員の反対意見が多数で、国民の反対意見も多数で、ただ、マスメディアだけが積極推進したとする。
しかし、最終的に内閣総理大臣が交渉に入ると決定すれば、日本・北朝鮮・イランの軍事同盟締結に向けて、外交交渉を進めることが容認されるのか。
日本の民主主義の原点が問われているのである。
野田佳彦氏は9月21日の日米首脳会談でTPP交渉への参加を確約したのだと思われる。
報道はオバマ大統領が普天間問題の決着の時期が近付いていると野田氏にプレッシャーをかけたと伝えたが、これは報道官が発表したもので、事実とは異なるものだったのだ。
オバマ大統領が日米首脳会談で強いプレッシャーをかけたのは、TPP交渉への日本の参加表明であった。私はこのことをブログとメルマガに記述した。そして、10月がTPP論議の月になることを予言した。
野田佳彦氏は米国の命令に従って、TPP交渉への参加を表明したのである。民主党内での論議も、国会での論議も無関係である。
国民が反対しても、国会が反対しても、野田氏は、ただ、米国の命令に従って、TPP交渉への参加を表明しただけだ。
このストーリーは9月21日からまったく変わっていない。
この路線を敷いたのは菅直人氏である。
昨年6月8日に菅直人氏は首相の椅子をつかんだ。首相の椅子をつかむために、その前の4月に米国を訪問した際、アーリントン墓地を訪問し、米国政府への忠誠を誓った。
昨年6月の政権交代は、米国による日本政府の差し替えだった。米国にモノを言う鳩山政権を放逐し、米国に隷従する菅政権を米国が創出したのである。
菅直人氏が最初に実行したことは、普天間基地移設問題について、辺野古への移設を容認することだった。
11月に横浜でAPEC総会があった。このAPEC総会での目玉がなかった菅直人氏に、米国はTPPを提示することを命令した。
米国に隷従する菅直人氏は何を考えることもなく、TPPを「平成の開国」として日本の政策メニューに掲げたのである。
この菅直人氏は、あと二つのことを実行した。
消費税増税の提案と法人税減税の提案である。
TPPと消費税増税提案と法人税減税提案。
この三つが誰の幸福をもたらすものかは明白である。
この三つの重大政策を渇望しているのは、米国、官僚、大資本である。
つまり、米・官・業の利権複合体=米官業トライアングルの利益を追求する政権が菅政権だったのである。
米官業利権複合体のための政治。これが、戦後65年間、日本を支配してきた政治構造である。
この構造を打破しようとしたのが2009年の政権交代の試みであった。米官業と対置される利害関係者は、言うまでもなく主権者国民である。
米官業のための政治
と
主権者国民のための政治
この根本的な対立が、現代日本政治の基本対立構造なのである。
詳細は拙著
『日本の独立−主権者国民と米・官・業・政・電利権複合体の死闘−』
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をご高読賜りたいが、2009年9月に樹立された新政権は主権者国民政権であった。ところが、民主党内には主権者国民勢力と敵対する米官業利権複合体勢力が潜んでいた。
鳩山内閣が総辞職した間隙を縫って、米官業利権複合体勢力が民主党の実権を強奪してしまったのである。
爾来、主権者国民勢力と米官業利権複合体勢力の戦いが何度か繰り広げられてきた。
昨年9月14日の代表選、本年8月29日の代表選の2度の戦いがあったが、いずれも米官業利権複合体の一味であるマスメディアが狂気の情報誘導を実行して、米官業利権複合体勢力が権力を維持した。
その延長上に今回のTPP交渉参加表明がある。
野田佳彦氏は菅直人政権をそのまま引き継いでいる。
TPPと消費税大増税、そして法人税大減税に突進しているのだ。
主権者国民のための政治は実行されない。
どじょうの「ど」は、ばいこくどの「ど」だった。
日本国民にとって悪夢のTPP交渉参加表明だが、もっと大きな図式から見ると、良かったこともある。災い転じて福となさねばならぬ。
・・・・・
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