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【TPP交渉参加表明】首相の会見、慎重派は「歓迎」 「離党は避けたい」本音が見え隠れ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/111112/stt11111201340001-n1.htm
2011.11.12 01:33 産経新聞
環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)に関する野田佳彦首相の11日の記者会見を聞いた民主党慎重派議員は「本当にありがたい」(山田正彦元農林水産相)と“歓迎”の意を示した。だが、首相が12日からのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で各国との交渉入りを表明することに変わりはない。それでも慎重派が首相を評価した背景には、離党だけは避けたいという本音が見え隠れする。(酒井充)
「『交渉参加』でなく『事前協議』にとどまってくれた」
山田氏は、首相の記者会見が終わると国会内で記者会見し、首相が「交渉参加」を明言しなかったことを喜んだ。
外務省筋は「そもそも論」として「各国との協議を経ないと交渉参加は決められない」と指摘し、「交渉参加」と「事前協議」に大差はないと説明する。しかし山田氏らにとっては、首相に「交渉参加」という言葉を使わせないことが重要だったのだ。
逆に、社民党の福島瑞穂党首は、首相発言を「既定方針通り」だとして強く抗議する談話を発表。民主党慎重派の若手議員の一人も首相の発言を「がっかりした。一番良くない結果だ」と受け止めた。
慎重派は11日も、首相の交渉参加表明を阻止しようと朝から動いた。この日の狙いは、党両院議員総会の開催。総会開催に必要な所属議員の3分の1以上の署名集めを目指した。
山田氏は国会内で樽床伸二幹事長代行に会い、両院議員総会の開催を要求。TBSテレビの情報番組では「首相が参加表明すれば、慎重な判断を求めた党の提言に背くことになる」と、首相を改めて牽制した。
一方、輿石東幹事長は昼、国会内の院内大臣室で首相と交渉参加に慎重とされていた鹿野道彦農水相による3者会談を開き、まずは首相に対し「党の提言を、ぜひ尊重していただきたい」と要請。鹿野氏からは首相の交渉参加表明の受け入れの意思を確認した。
次に国会内の幹事長室に山田氏を呼び、「今日(11日)中の両院議員総会は開かない」と通告。その後、慎重派が約140人分の署名を提出すると、執行部は来週に「議員懇談会」を開催すると伝えた。
来週だと、首相がAPEC首脳会議で交渉参加を表明した後になる。しかも、懇談会では代表解任などの動議も出せない。
それでも、山田氏はあっさり受け入れた。なぜか。
10日夕、慎重派5議員が輿石氏に離党届を持参する、との報道が出ると慎重派議員は打ち消しに走った。名前の挙がった議員は「離党の思いで取り組んでいるが、本当に離党するつもりはない」と本音を漏らした。
他党からは、慎重派がこれまで離党をちらつかせながら矛を収めるのは「名折れではないか」(自民党議員)との批判の声が出ている。別の自民党議員は「マッチポンプだ」と慎重派の言動を切り捨てた。
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