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政治の世界には「表」があれば「裏」があり、その奥には「闇」が広がっている。「表」とはマスメディアなどで報道されている様々な現象で、例えば小沢氏の秘書が逮捕されたとか検察審査会が小沢氏を強制起訴したことなどだろう。「裏」とは小沢、反小沢の反目や小沢一郎問題を巡る国会での与野党駆け引きなどで、権力に操られたマスメディアが権力側に都合のいい報道をすることが多い。
「闇」とは、米国大統領でさえ操る軍産複合体や金融資本などが、日本の司法や行政(官僚機構)を動かし、田中角栄や小沢一郎ら自主独立を目指す政治家を「反米主義者」というレッテルを貼り貶めようとする世界である。「闇」の世界の出来事は殆んど証拠も残されておらず、マスコミで報道されることも無く、米国でも50年経たないと「闇」(隠された真実)が公開されない仕組みになっている。
我々はこの「闇」を認識しなければ真実にはたどり着けないし、我々の手で「闇」の実態を少しでも広く国民に訴えなければ小沢一郎を救うことはできない。ところで世川行介氏が小沢一郎に関する様々な情報を集め「闇」の実態に迫る本「角栄と一郎」〜小沢一郎は「第二の田中角栄」になるのか〜を12月1日に発売する。
(価格は1200円、http://blog.goo.ne.jp/segawakousukeで予約受付中)
目次は以下の通り。内容の一部については既に阿修羅上でも紹介してきたが、この本の対象は世川氏によると「小沢一郎に冷ややかな人」に読んでもらうことで、マスメディアが捻じ曲げて伝えている小沢氏の本当の姿を知ってもらうことだ。そのために無名作家の世川氏の個人的な論は極力抑え、政治家や知識人の小沢一郎に関する意見を、引用する手法をとっている。特に阿修羅でも紹介した江藤淳と吉本隆明の発言は<小沢一郎という存在>の本質に言及していると思えたので多めに引用している。
<目次>
第1章 小沢一郎事件とロッキード事件はとても似ている
小沢一郎事件の概要(一) 元秘書の逮捕
小沢一郎事件の概要(二) 小沢一郎本人の起訴
ロッキード事件の概要
中曽根康弘元首相のロッキード事件私見
小沢一郎事件とロッキード事件はとても似ている
第2章 小沢一郎の嫌われ方
野中広務の小沢憎悪
枡添要一の小沢批判
立花隆の小沢攻撃
佐々淳行の小沢侮蔑
中西輝政の小沢理解
民主党「反小沢派」の源
反論も自己弁護もしない小沢一郎
第3章 小沢一郎はどんな政治家なのか
著作『日本改造計画』の評価
江藤淳の小沢評価
吉本隆明の小沢評価
第4章 マスメディアと政治
マスメディアの小沢非難
マスメディアと政治
第5章 小沢一郎は、いま、何を主張しているのか
マスメディアが国民を見る視線
小沢一郎が主張しているもの
小沢一郎を「第二の田中角栄」にしてはいけない
ところで世川氏は「小沢一郎にとって、勝負どこは4月の判決時なんかではありません。4月には戦いなんか終って、小沢一郎は、間違いなく、執行猶予付きの犯罪人にさせられています。今なのです。今から最終尋問までの数ヶ月こそが、小沢一郎にとって最も苦しい坂道なのです。その状況認識を失っては、すべてを見誤ります。」と強調し「高い政治理念を掲げ、20年間を孤独に戦い続けてきた小沢一郎が、いま、いかにも彼らしく、ひとことの愚痴も涙もこぼさずに、既得権力システムに向かって、堂々と戦いを宣言し、負ければ社会的生命さえ失いかねない最後の戦いに向かっているのです。」と述べている。
さらに世川氏は、この本を出版する意義について「小沢一郎を本気で好きで、本気に彼を救済しようとするならば、この戦いの最中、 一人でもいいから隣近所の人に「小沢一郎って、あんたが思っているような人じゃないんだ」と理解を改めさせる材料にしたいと力説している。そこで第三者的に見ても説得力のある小沢評を拾ってきて、文字にして、文章にして、小沢支持者の人たちが、自分の口を開かずとも、隣人に手渡せば済む「説得書」というものに書き上げた。
この稀に見る行動力のある作家、世川氏の意図するところが実現するかどうかは分からないが、しかしこれをきっかけに小沢支持者間の無関心や反目を超え「小沢救済」の動きが全国に大きなうねりとなることを期待したい。またそうでなければ小沢一郎も浮かばれないだろう。
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