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米国がTPPで狙うのは保険と金融。野田政権の姑息などじょう戦法を許すな!(農と島のありんくりん)2011年11月 5日 (土) 19時28分
2004年に締結された「オリジナルTPP」を、外務省や経済産業省が何も知らないはずがありません。TPPは既に20世紀末から各国間で交渉が行われていたのですし、もし情報をまるで取っていないとしたら、単なるバカです。
政府は、工業、農業、金融、法務、政府調達などの完全自由化を行う多国間協定こそがTPPである、という認識は当然持っていたはずです。
そして2009年に就任したオバマ大統領が参加を表明した「新TPP」に、どのような期待をもって参加表明したかも簡単に透けて見えたはずです。
結論から言えば、米国は金融、保険、法務などの
各種サービスと建設業を売りたいのです。
米国はもはや製造国ではありません。あまりのクレーム訴訟の多さに家電メーカーが音を上げて消滅してしまったといった情けない国です。
「GMにとっていいことは、米国にとってもいいことだ」とまで言い切ったGMすら、GMのローン会社(GMIC LLC)の金利で食いつないで、あげくはチャプター11(破産更生法)のドツボにはまってしまったような国です。
既に、米国のGDPの8割ちかくを金融や保険などのサービス産業と住宅建設などが占めています。こんな金融サービスに特化したような米国が、自由貿易圏構想に乗り出す時に、自分の最も売りたいものを除外しますか?
わけはない。米国が売りたいのは、自動車でもなければ、農産物でもない。自動車は国際競争力を失って久しいし、農産物は今でも低関税で輸出できています。
ジャポニカ米など米国産米の4%しかもっていなのですから、今さら売るものなど特にありません。もちろん乳製品などはありますが、そのためだけにTPPといった大仕掛けを作るほどのボリュームはありません。
米国が、オバマ大統領の演説のように、「輸出を2倍、3倍にする」とすれば、それは金融、保険、法務、建設業などのサービス分野以外考えられないのです。
ところで、TPPやFTAが、
既存のWTOなどの自由貿易協定と異なるのはふたつあります。
ひとつは、当該国の国民とまったく同等か、
あるいはそれ以上の優位を与える「内国民待遇」です。
「それ以上の優位」というのは、米韓FTAに見られるように、米企業、米国人に対して、韓国の国内法の規定上回る優位な条項があった場合、国内法を超越して米韓FTAを優先適用する条項が盛られているからです。
自国民より外国人を優遇するというまさに19世紀的不平等条約です。
ふたつめに、海外投資企業や個人は、関税や非関税障壁一切を除去して、当該国に「市場アクセス」できる権利をもちます。
米韓FTAにおいては、米国企業が期待した利益を上げられなかった場合、韓国が協定違反をしていなくとも、米政府が米企業に代わってISD(「国家と投資家の間の紛争解決手続き」機関)に提訴できます。
(http://arinkurin.cocolog-nifty.com/.shared/image.html?/photos/uncategorized/2011/11/05/photo.jpg)
上図は北米FTA(NAFTA)における投資国が当該国家を提訴した事例数です。米国からの提訴が7割ちかくを占め、加盟3カ国の訴訟王だとわかるでしょう。
このISDというのも米国の息のかかったクセのある機関で、これに提訴された場合、当該国は非常に不利な立場に追い込まれるでしょう。これも負ければ国内法を超越します。
これなど先の不平等条約のたとえで言えば、治外法権とでもいうところです。
現代は、ザンギリ頭の開化の時代かつうの。
このようなTPPに日本が参加した場合、米国資本は、国内法を超越する「内国民待遇」を得て、しかも完全にフリーな「市場アクセス権」を有する国内企業より優位な立場のモンスター資本となります。
そして米国が狙うのは日本の世界第2位の保険市場と金融市場です。
ここが彼らが狙う本丸であって、農業分野のモノの輸出増加は二の次なはずです。
TPP推進派は、この米国の真の獲物をカモフラージュするために農業を前面に出し、あたかも日本農業が遅れているるからTPPが結べないのだ、と盛んに宣伝しました。
野田首相は子熊の電車ゴッコよろしくコンバインに乗る芸をみせ、前原政調会長は「たった1.5%が98.5%をジャマしている」と自慢の顔に青筋を立てました。
仙谷政調会長代理に至っては、「農協が反対だと騒いでいる。手を入れて分裂させてやる」(意味そんなところ)と放言しました。(しかし、よく言いますなぁ、あの人。だんだん顔が悪くなるよ。)
まったくあんたらはどこの国の政治家なんでしょう?
この人たちは明らかに米国の利害の手先と呼ばれてもしかたがありません。相手国の意図をひた隠しにし、筋違いな農業攻撃に明け暮れる人たちです。
民主党内でも、TPPをめぐって真っ二つに割れてしまいました。山田前大臣は意気軒昂なようです。この中から、明らかに与党内部や官僚からのリークと思われる文書が続々と漏洩してきています。
推進派のともかく11月中にタッチダウンするまでは、一切の議論を封じ、情報は出さないという姑息などじょう戦法は通用しなくなりつつあります。
推進派を公の場に引きづりだし、公開討論させましょう!
http://arinkurin.cocolog-nifty.com/blog/2011/11/post-1c56.html
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