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TPP交渉参加表明へ…首相、有言実行アピール
読売新聞 11月10日(木)7時22分配信
環太平洋経済連携協定(TPP)に関する民主党内の意見集約が終わったことを受け、野田首相は10日に交渉参加を表明する方針だ。
首相周辺には、党内対立を乗り越えて首相が政治決断する姿勢を国民にアピールすることで、政権基盤の強化につながるとの期待が生まれている。その一方で、慎重派の不満が充満する恐れもあり、党執行部にとって「党内融和」の再構築が課題となりそうだ。
「本当にいろんな視点があると思うが、やっぱり議論が熟した段階では一定の結論を出すことが必要だ」
野田首相は9日の衆院予算委員会で、共産党の笠井亮氏が「東日本大震災から8か月。『こんな時にTPPか、復興の最大の妨げだ』というのが被災地共通の声だ」と迫ったのに対し、政治決断の重要性を強調した。
民主党経済連携プロジェクトチーム(PT、座長・鉢呂吉雄前経済産業相)は9日夜、TPP交渉参加に「慎重な判断」を求める提言を決めたが、首相は当初方針通り、12、13日のアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議で交渉参加を表明する考えだ。首相側はこれまで、党執行部に「党としての結論は両論併記で構わない」と伝え、反対論を押し切ってでも交渉参加表明に踏み切る考えを示していた。
首相は9月の就任以来、安全運転で政権運営に当たると公言し、挙党態勢の構築に腐心してきた。その中で、党内に多数の慎重派を抱えるTPP交渉参加は「首相の最初の判断」(細野環境相)となった。
民主党政権はこれまで、鳩山元首相が沖縄県の米軍普天間飛行場の県外移設を掲げて迷走したり、菅前首相が消費税率の引き上げを訴えながら先送りしたりと、党内でも「言いっ放しで実現しないことの繰り返しの2年間」と自嘲する声が漏れるほどだった。それだけに、TPP参加表明が「有言実行」の形となることで、「米国からも経済界からも『野田首相は信頼できる』と評価され、政権が安定する」(首相周辺)と自賛する声が上がっている。 .
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