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まず、わざと刺激的なタイトルを付けたことをお詫びする。と言いつつも、TPP推進にシャカリキになっている野田内閣の顔ぶれを見ているうちに、そう感じてしまうのも事実である。国会議員を選ぶのは地元の有権者である。
こういうおかしな投稿をしたのは、東国の人たちを責めることが目的ではない。
自然災害はともかく、政府が主要な責任を負うべき人災である原発事故でとんでもない放射能汚染被害を被った人たちに、放射能に汚染された土地の除染さえ解決できるめどがないなかでTPP参加という農業・農村・地域破壊政策を推し進めようとしている政府に、大きな怒りの声をあげていただきたいからである。
全国民に大きな声をあげる権利があるが、直接的に濃い放射能汚染を吹き付けられた東国の人たちは、「我々をこんな目に遭わせ生業さえ営めない状況に突き落としておきながら、競争に強い農業をなどの御託を並べて、我々を絶望の淵に追い込むような政策を採ることは絶対に認めない」と、誰はばかることなく声をあげる巨大な権利を持っているはずだ。
あまり民族や地域を基準にあれこれ言いたくないと思っているが、日本史の動因の一つとして東国と西国のあいだのせめぎ合いや対立があると常々考えていることもあって、こういう思いを提示したくなった。
あくまでも、一つの視点として参考にしてもらえればと思う。
東国と西国はどこが境界なのかという問題もあるが、おおよそ、大井川(駿河・信濃・越後)以東を東国と考えている。地質学的にフォッサマグナないし中央地溝帯と呼ばれるラインであり、言語的食文化的にも特徴的な差異があるとされる境界線である。
ただし、北海道は、歴史的にみて、このような区分になじまない地域であり、東京も全国からの“寄り合い所帯”なので特殊な地域だと思っている。
山形を選挙区とする自民党の加藤紘一氏が反対し、徳島が選挙区の仙谷氏が推進に奮闘し、隷属国家を自認し参加容認の取りまとめに動いている民主党の吉良州司氏が大分であるように、TPP参加に対する推進・反対の勢力が地域ですっきり色分けされているとは思っていないが、それぞれの立場の主だった人たちの選挙区は次のようになっている。
● TPP反対派の主要政治家:
民主党山田正彦氏(長崎):民主党川内博史氏(鹿児島):自民党森山裕氏(鹿児島):自民党高村正彦氏(山口):国民新党亀井静香氏(広島)
● TPP推進政府の主要閣僚:※経済連携促進に関する主要閣僚
野田首相(千葉):枝野経産相(埼玉):玄葉外相(福島):鹿野農水相(山形):安住財務相(宮城):小宮山厚労相(東京):藤村官房長官(大阪)
こうしてみると、我田引水とは言い切れず、けっこう如実に“地域差”が出ていると思う。
今回の地震津波そして原発事故で未曾有の被害を受けた東北・北関東を中心に、東国の人たちは、その痛みや労苦を自らの内側に受け止め、政府の無慈悲とも言える対応にも耐えながら、地域で助け合いながら復興の道を歩んでいる。
少し歴史を遡ると、アジア太平洋戦争では、激戦地に東北出身者(原籍主義)の兵士が属する連隊や師団がよく派遣されたという。
そして、西国雄藩によって達成された明治維新や薩長閥の政府・軍部で富国強兵が進められた歴史を知るものには違和感がある話かもしれないが、よくよく調べると、対中国、対英米と戦争の道を突き進んでいった昭和前半の陸海軍の主要人物の多くが東国出身者なのである。
さらに言えば、軍部独裁や戦争国家というイメージも持たれている時代の軍部を主導した東国出身者は、明治維新期に“賊軍”と呼ばれ苛烈な戊辰戦争を戦った諸藩の士族を父親に持つ人が多い。
ざっとリストアップしてみた。
【陸軍】
石原莞爾(山形・庄内藩士の子):関東軍作戦主任参謀時代に板垣氏と組んで満州事変。参謀本部作戦課長、参謀本部第1部長を歴任。東条氏と対立し予備役に編入。
板垣征四郎(岩手・盛岡藩士の子):関東軍高級参謀時代に石原氏と組んで満州事変。関東軍参謀長、陸軍大臣を歴任。東条英機とは別派閥。海軍の米内氏とは同郷で後輩という関係。
東条英機(岩手・盛岡藩関係者の子):言わずと知れた対英米開戦時の内閣総理大臣。関東軍参謀長、参謀総長、陸軍大臣、総理大臣、参謀総長兼務を歴任。
※ 開戦時の参謀総長杉山元は九州・小倉藩士族の子:陸軍大臣経験
【海軍】
米内光政(岩手・盛岡藩士の子):昭和前半の海軍を動かした最重要人物。連合艦隊司令長官、海軍大臣を歴任。開戦直前の昭和15年(40年)に内閣総理大臣(近衛文麿の一代前)。昭和19年から20年海軍大臣。戦後、「原爆もソ連参戦も天祐」と語ったといわれている。
山本五十六(新潟・長岡藩士の子):海軍次官を経て連合艦隊司令長官。対米開戦時に真珠湾奇襲作戦をごり押しで認めさせ、ミッドウェー海戦以降誤った作戦で短日月のうちに連合艦隊及び海軍航空隊(特にガダルカナル作戦)を壊滅状態へと追い込んでいった。
井上 成美:仙台生まれで幕臣の子:米内海軍大臣・山本海軍次官時に海軍省軍務局長、終戦間近の昭和19年米内海軍大臣のもとで海軍次官。
※ 開戦時の海軍軍令部総長である長野修身は四国・土佐藩士族の子:海軍大臣経験
このリストも、我田引水とは言い切れないものがあると思っている。
彼らのほとんどは、明治維新期を“賊軍”として戦った藩士を父親としている。
彼らが活躍した昭和前半と言えば、明治維新から60年ほどしか経っていない。当然のこととして、父親の思い(無念)や地域のルサンチマンもそれなりに引き継いでいるだろう。
リストアップした陸海軍主要人物が、どのような思いをベースに、陸軍や海軍を主導したのかはわからない。
共通しているのは、薩長土肥の藩士の子のような縁故で出世する条件はなく、経済的にもあまり恵まれないなか、勉学に打ち込んで軍の教育機関に入ったということだ。
推測でしかないが、あるひとは、“賊軍”の負い目から突き抜けるためにより強い尊皇意識を持ったかもしれない。
また、あるひとは、薩長政権が作り上げた日本の現状を「外圧」を使って変革しようと考えたかもしれない。
そんなことを考えているバアイかよと、お叱りを受けそうだが、国会中継で玄葉外相や安住財務相の顔を見ているうちに、従来から考えてきたことがふつふつと浮かんできたのであしからず。
その他の閣僚にもだが、とりわけ重篤被災地を選挙区とする玄葉外相や安住財務相には、地元の方々が激しく大きな怒りの声をぶつけていただくことを切に期待する。
最後に、今日午前中の国会中継(衆院予算委員会)を見ていたが、玄葉外相と安住財務相の虚勢を示しつつ相手を小バカにするような含み笑いの態度に、野田首相の任命責任を感じた(笑)。
「日高見連邦共和国」の方はどう思われますか?
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