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小泉政権「100年安心年金」はなぜ7年で崩壊したのか [A級戦犯 政治家 役人の悪辣と放漫 経済ジャーナリスト荻原博子]
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2011/11/7 日刊ゲンダイ :「日々担々」資料ブログ
小泉純一郎政権下の2004年の年金改革で、竹中平蔵経済財政担当大臣が旗振り役となって成立した「100年安心年金」が、わずか7年で破綻した。
この時に決まった主な改革内容は、年金保険料を2017年まで毎年上げ続けること。そして、現役時代の6割程度もらえるはずの年金支給額を、5割程度までにカットすることだった。年金を支える人ももらう人も、共に大きな痛みを負ったが、その代わり、年金は「100年安心」と政府は胸を張った。
ところが、その「100年安心」だったはずの年金が、わずか7年でなぜ破綻したのか? 一言で言えば、ご都合主義のデータで架空の「100年安心」をでっちあげたからだ。
使われた基礎データは、物価上昇率1%、賃金上昇率2・5%、運用利回り4・1%。たとえば、物価の上昇については、2004年はマイナス0・2%だが、05年からはプラスに転じて0・5%、その後はずっとプラスで06年は1・2%、07年は1・5%、08年は1・9%になると予想した。デフレが深刻化する現状とは、かけ離れたシナリオになっているのだ。
◆現実とかけ離れた試算データ
かつて年金は、物価スライドで、物価が上がれば支給額も上がっていた。2004年の改革で、「マクロ経済スライド」なるものが登場。「マクロ経済スライド」については、当時の小泉首相が国会で説明を求められ、あまりの複雑さに答えられなかったことで有名になった。要は、物価が上がっても年金支給額は同じだけは上がらない仕組みだ。
ただ、デフレが続いたために、威力を発揮しないまま現在に至っている。さらに、デフレが続いたことで、賃金も、厚生労働省の官僚の思惑通りには上がらなかった。そもそも、民間の給料は、国税庁調査ではこの10年、ずっと下がり続けているのに、2・5%ずつ上がっていくという設定には無理がある。運用も、昨年度は増えるどころか約3000億円の運用損となった。
なぜ、これほどまでに現実とかけ離れたこんな楽観的な数字を並べ立てて「100年安心」を喧伝(けんでん)したのかといえば、年金においては、これは伝統的手法なのだ。
その前の2000年の改革では、老齢厚生年金の比例報酬部分の支給額の引き下げと、2025年までに段階的に60歳から65歳に引き上げることなどが決まった。この改革の旗振り役の熊代昭彦元衆議院議員は「これで年金は今後50年は安心」と胸を張ったものである。
それが、2004年にまた大きな痛みを伴う改革をしなくてはならなくなったのだから、「50年安心」は4年しか持たなかったことになる。
しかし、その間に、国民の方も忙しくて忘れる。今の年金財政を健全化することだけを考えれば、その方法は、簡単に言えば3つ。保険料を上げるか、給付を下げるか、支給年齢を上げるかだ。結局は、抜本的な改革をせず、安易にそれを繰り返しているに過ぎないのである。
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