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西岡議長の突然の死 小沢が朋友を失い、民主Bが利、疑いたくもなる
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2011年11月07日 世相を斬る あいば達也
党人派政治家の西岡参議院議長の突然の死を、筆者は心から惜しみ哀しむ。小沢一郎の朋友を失ったことも、哀しみ憂う理由でもある。筆者は特に陰謀論などに強く興味を持たないタイプだが、マスメディアが西岡武夫参議院議長の突然の死を、あまりにも坦々と伝える姿勢に、幾分違和感を憶えていた。その上、ネジレで国会運営が覚束ない参議院の後任議長に、直嶋正行元経済産業相と北沢俊美前防衛相の名が取り沙汰された事で俄かに気分が悪くなった。あまりにも、民主党B学級委員会に都合の良過ぎる西岡氏の死じゃないか!と云う気分である。
党人派政治家とはウィキペディアによると
≪官僚、軍人、皇族等の出身ではなく、生粋の政党員である政治家を指すカテゴリー。日本では、主に保守政党(現在では自民党)で、官僚出身者である官僚派と並ぶ二大勢力として扱われることが多い。 明治政府が成立した初期は、薩長の藩閥出身者が、政権の大半を占めていた。その後、藩閥の影響下にある官僚出身者と、自由民権運動に端を発する政党出身者が政権に加わるようになり、前者を官僚派、後者を党人派とする用語が生まれた。軍部が台頭すると、軍人政権が多数を占めたが、第二次世界大戦に敗北すると、軍そのものが解体され、さらに公職追放によりその他の人材も大量に追放された。吉田茂は、代わりの人材としてみずからの出身母体である官僚から大量に登用し、後に公職追放から復帰した鳩山一郎などの党人派と対置されるようになった。 前述のように、戦後の自民党では「党人派」の典型は、戦前の政党政治以来のキャリアを持つ、地方議会からの叩き上げ議員といったイメージだが、主として官僚派と対置されるカテゴリーであるため、官僚や財界ではなく、党組織で政治家としてのキャリアを築いてきた代議士を漠然と指すことが多く、60年代までの総裁選では党人派とされる政治家たちが、官僚系を中心とした勢力に対して連合し、総裁選に臨むことが多かった。なお、純粋な意味で党人と言える、党専従職員として自民党に採用され、その後に政治家となった者は極めて 稀である。 55年体制下の野党ではあまり使われない用語だが、かつての日本社会党や民社党などでは、地方議員出身者や、党職員出身者などを労働組合出身者と区別する意味で党人派と呼んだことがある(両党には、官僚出身者も少数存在した)。 また、日本共産党は、党職員から議員になる比率が高いが、彼らを指して党人派と呼ぶことはない。≫(ウィキペディア)と云う事だ。鳩山由紀夫、小沢一郎は完全な党人派政治家である。
夕刊フジが或る程度詳しく西岡武夫参議院議長についての記事を配信しているので、参考に掲載する。
≪ 西岡参院議長が急死…75歳、肺炎で
小沢一郎の盟友 西岡武夫参院議長が5日午前2時25分、肺炎のため、都内の病院で死去した。75歳だった。民主党の小沢一郎元代表(69)の盟友として知られ、 先月27日から産経新聞1面で「決断」というコラムをスタートさせ、野田佳彦首相(54)に国難に当たる覚悟を求めたばかりだった。
西岡氏は口内にできた帯状疱疹(ほうしん)の影響で、先月21日召集の臨時国会の開会式に欠席。関係者によると、西岡氏は今月中旬以降の復帰に向けて、療養を続けていたが、帯状疱疹で食事が十分に取れず、体力が落ちていたという。
西岡氏は1936年、長崎市生まれ。早稲田大学では、雄弁会の代表幹事を務めた。在学中から、父・竹次郎氏が創刊した長崎民友新聞の経営に携わり、卒業後に長崎日日新聞社と合併させ、長崎新聞社を発足。論説委員などを務めた。
63年の衆院選挙に無所属で出馬し初当選、自民党の追加公認を受ける。76年には、田中角栄元首相のロッキード事件を批判して、河野洋平氏(元衆 院議長)らと「保守政治の刷新」を掲げて新自由クラブを結党し、幹事長に就任。80年に自民党に復党し、88年発足の竹下内閣で文部大臣として初入閣した。
93年に「政治改革」を実現するため自民党を再び離党し、翌94年に小沢氏らとともに新進党結党に参画する。自由党を経て、2003年に民主党合流に参加するなど、後半生は小沢氏と行動をともにしてきた。
歯に衣着せぬ言動で知られ、昨年7月の参院議長就任後、西岡氏は史上初めて議長による記者会見を定例化させた。 今年6月には、記者会見で「所感」をまとめた文書を発表、東日本大震災の復旧や被災者救済より民主党の存立を優先させる菅直人首相(当時)に対し 「怒りを抑えることはできない」と糾弾、退陣論を展開した。
菅首相退陣後を受けた8月の民主党代表選では、小沢グループが「挙党態勢構築や政治の安定のためには、参院から代表を出すのが好ましい」として、 「西岡氏擁立」で最終調整を進めていた。記者会見でこの件を問われると、西岡氏は「うそ〜? 本当? 私の耳にきませんね。届きませんね。ふ〜ん。それは 初耳」と、記者団を煙に巻いていた。≫(夕刊フジ)
≪ 西岡氏が残した“野田政権への遺言”
5日、死去した西岡武夫氏は10月27日付の産経新聞で、1面コラム「決断」を執筆。日本が抱える政治的問題を明確にまとめ、現政権に対して“遺言”のように覚悟を促していた。
「福島第1原発で起こった出来事は、現政権が考えているような生易しいものではない」 厳しい言葉に続き、複雑な税制に関する話では、焦点を絞って問題点をはっきりあぶり出した。
「今、税の問題で論ずべきは、年金給付の財源をいかに確保するか。そして基礎的財政収支をとったとしても、なおそこに残る付加的年金をどう確保するか。さらに年金基金に余裕を持たせるための手当てをどこまでできるのか。これがすべてであって、このことのみに尽きる」
首相の果たすべき責任に対する考えは厳格で、国の重要政策を議論する国家戦略会議の設置を閣議決定したことを「首相の孤独な決断を民間の有識者に責任分担させるべきではない」と痛烈批判し、「閣議決定の取り消しを求める」と迫った。
「首相のトップリーダーとしての明快な姿勢がある限り、日本の未来はいかなる局面においても閉ざされることはない」 野田佳彦首相はこの“遺言”をどのように受け止めるか。≫(夕刊フジ)
筆者は西岡の死が小沢に与える影響を僅かながらに心配している。小沢が自由党結党以降、政治人生の後半を共に過ごした中である。党人保守本流民族派と云う意味でも、同志を失ったことになる。政治権力闘争における歯車の一つが抜け落ちた点も見逃す事は出来ない。ただ、打たれ強く、危機対応に優れた政治家と云う点で、小沢一郎は西岡の死を乗り切るに違いない。
ただ、あくまで筆者の妄想だが、西岡氏の死が、あまりにも民主党B学級委員会に都合のいい議長交代のチャンスが訪れたと思わざるを得ない。7、8日には北沢、直嶋のいずれに決まるのだろうが、これで野田の人事は一段と強化された。勿論、この民主党Bの連中に、高度な工作をする器量などないわけだし、勇気もない。そうなると、野田政権がTPP推進や消費税増税を推進し易いように偶然的側面支援に動いた勢力がないとは断言できない。西岡氏は野田にとっても、決して協力的政治家とは言えないからである。菅直人もぼろ糞に言われていた。
西岡氏の普段の体調がどのような状態にあったか知る由もないのだが、菅直人を糾弾していた7,8月までの様子を知る限り、明らかに体力的に衰えていたとは言い難い。たしかに、帯状疱疹が口中に出来てしまったのはついてなかった。まして、その帯状疱疹が三叉神経の第2枝・上顎神経にまで影響し、目の下−頬−上唇−上顎の口腔内の知覚神経を冒したとなると、それは死ぬほどの痛みだったろうし、飲食などあり得ない話だ。過激な痛みで知られる病気が二つ重なる悲劇は滅多に起きるものではないだろう。幾ら帯状疱疹がウィルスによる悪戯だとしても、免疫も関係しているので、ウィルスを意図的に罹患させるのも相当無理な話なので、陰謀説に傾くことは避ける。
おそらく、激烈な痛みで咀嚼も嚥下も不可能に近い状態で、何らかの食事を頑張って取ろうとしたのだろうか。筆者はそこに重大な選択ミスがあったような気がする。そのような咀嚼嚥下障害が出たら、本来医者は栄養剤の点滴で当面の処置をするものと考える。帯状疱疹に起因する三叉神経痛なので、帯状疱疹の痛みの鎮静により、多くは三叉神経の痛みも消失する。長くても1カ月の間、点滴で凌ぐべきであった。
嚥下障害は、70歳を超えた人間では、気管への誤飲が多発し、肺炎を起こす事は常識化している筈だ。事前の抗生剤投与も医者の務めのような気もする。虎ノ門病院に入院したのは、いつなのか知らないが、病院に入院中に肺炎を起こしたと云うより、肺炎の症状が出てから急遽入院したのだろうか。だとすると、その間誰が参議院議長公邸で西岡を診ていたのだろうか?仮に、入院中にそのような症状の患者に口から食事をとらせたとすると、病院の責任も出てくるだろう。筆者なら、西岡氏の状態まで至っていたら、55歳でも口から飯など食わない。「点滴しろ!」と叫ぶ。高齢者の多くが、その栄養補給方式で1、2年生かすのが今の医療なのだから、1カ月で死ぬ事はあり得ない。まして西岡氏は未だ75歳で、充分体力がある。ただ、間違いなく死ぬほど痛いだけだ。筆者の疑問を氷解させてくれる、西岡病状の詳細はまったく伝わってこないのは、嫌な気分だ。
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