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2011年11月7日(月) 「しんぶん赤旗」
G20首脳会議
新興国が存在感示す
「欧州債務」 雇用重視を強調
新興国の存在感が増しています。南仏カンヌで4日まで開かれた20カ国・地域(G20)首脳会議では新興国に注目が集まりました。(カンヌ=小玉純一)
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G20議長国フランスのサルコジ大統領がカンヌでまっさきに会った非欧州の首脳は、オバマ米大統領ではなく中国の胡錦濤国家主席でした。欧州の政府債務危機対策の一つ、欧州金融安定基金(EFSF)への投資を請うた相手です。
世界は変わる
新興国が台頭しているとはいえ1人あたり国内総生産(GDP)では欧州は新興国よりまだまだ豊か。その欧州が新興国を頼りにする事態は世界の変化を象徴しました。
請われた胡主席は「欧州の問題は欧州自身で解決を」と述べ、EFSFの具体化を待つ態度です。
欧州債務危機の影響が資金引き揚げなど新興国にも及び、欧州債務問題は新興国にとっても重大です。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの5カ国(BRICS)は首脳会議を開き、国際通貨基金(IMF)の増資で合意。しかし、ブラジルのルセフ大統領は会見で、対欧州直接融資を否定し、「支援はブラジルの拠出が保障されるIMFを通じて行う」と明言しました。IMFのあり方についても、「世界は変わっている。われわれは新しい世界に住んでいる」として、現在の世界を反映させたものにすることを主張しました。
IMFは欧米の資金で途上国に融資するのが常識でした。いまや対欧州融資を新興国が検討する時代です。
労働界に希望
南米のG20構成国、ブラジルとアルゼンチンはかつてIMF融資を受けていました。その両国は、雇用と貧困克服を重視し経済成長した実例として、緊縮策に抗する世界と欧州の労働界に希望を与えています。
カンヌで国際労働組合総連合(ITUC)や欧州各国労組は20カ国・地域(G20)各国首脳を回り、雇用重視で成長をはかる路線を求めました。
ITUCのバロウ書記長は、10月に再選されたばかりのアルゼンチンのフェルナンデス大統領との会談後の会見で、同大統領再選を「霧だらけの世界で希望の光」と表現。書記長は「アルゼンチン、ブラジル、ウルグアイで始まった、雇用重視と社会的包摂(社会的弱者を社会の中に取り込もうとする政策)のモデルが機能している」と意義を語っています。
アルゼンチンの国営通信が伝えたところによると、そのフェルナンデス大統領はG20首脳会議で緊縮策反対を表明。「金融市場をなだめるのでなく、工場を新設し雇用をつくり消費を増やすことで、人々を守らなければならない」と指摘し2001年のアルゼンチン危機と比べても「ギリシャが十分返済できる」と強調しました。
5日からは新興国の一つ、メキシコがG20議長国に就任しました。ロイター電によるとメキシコは温室効果ガスの排出量取引や自然エネルギーの利用などグリーンな経済成長を目指しています。
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