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深山あかねさんのブログを見ていたら、TPPに関連して「尊農攘夷」という造語が出てきたので、「うまい!」と思った。もちろん「尊皇攘夷」のもじりだが、えたいの知れないTPPなるものに振り回されて、日本国中が二つに割れて言い争っているさまを表すにはぴったりだ。尊皇攘夷の反対は「佐幕開国」だが、野田政権に加担してTPP推進ということになる。尊皇攘夷派は、天皇に「大政奉還」はできないので「尊農」が旗印というわけだ。
TPPは関税障壁の撤廃が目的だから、日本の農業が壊滅するというのはわかりやすい。食料自給率の低下や、遺伝子組み換え農産物の自由化なども心配の種になる。工業製品輸出の伸びなど経済効果で得をするからいいという単純な話ではなさそうだ。だいたい今さら「開国」を唱えるほどの閉鎖的な現状なのかもわからない。新自由主義とかで、すでに自由化し過ぎたような気もしている。
幕末の二大潮流の激突は、「尊王攘夷」と「佐幕開国」の痛み分けで、半々の「尊王開国」で決着がついた。今回も着地点としては「尊農開国」で国の安定をはかりたいということになる。その場合、TPPでそれが本当に可能なのかどうかが問題になる。
TPPは「環太平洋」という枕言葉がつくように、日本を海洋国家としてアメリカと結びつける。それも間違いではないのだが、日本をアメリカの最前線としてアジアと対峙させる戦略的な立場から眺めると、アメリカの世界戦略としての「日米同盟の経済版」とも言うべき性格が浮かんでくる。それが将来に向けて安定的な日本の居場所になるとは限らない。
野田政権もそれはわかっているだろうが、残念ながら選択の余地はなさそうだ。日米軍事同盟に縛られて「攘夷」が全く不可能な政権だからだ。せいぜい交渉を通して日本の事情にも配慮していただく程度のことしかできないだろう。その交渉もさせないということになれば、桜田門外ならぬ「霞ヶ関門外の変」を起こして野田首相を倒すしかなかろう。だが、その後の展望がない。
ここで大政奉還が起こって主権が国民に戻るといいのだが、日本の政治体制はそのように出来ていない。自民党に政権を奉還されたのでは、ますます困ったことになる。だからたぶん何も起こらないだろう。日本列島には、まもなく北風小僧の寒太郎がやってくる。
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