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敵意むき出しの大演説から入院、復活… 「小沢公判」攻防第1幕の軍配は?
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/111106/trl11110615010000-n1.htm
2011.11.6 15:00 産経新聞
資金管理団体「陸山会」の土地購入をめぐる事件で、政治資金規正法違反(虚偽記載)罪で強制起訴された民主党元代表、小沢一郎被告(69)の東京地裁(大善文男裁判長)での公判は、1日までに4回を終えた。検察への敵意をむき出しにした小沢被告の“大演説”で始まった公判には、「共闘態勢」で臨むキーマンの元秘書、石川知裕衆院議員(38)=1審有罪、控訴中=も登場。元秘書らとの共謀の成否をめぐり、検察官役の指定弁護士と弁護団が法廷で早くも火花を散らした。攻防の第1幕を振り返る。(滝口亜希)
■初公判で敵意むき出し 深夜に救急搬送
「検察の違法捜査に基づく強制起訴で、直ちに裁判を打ち切るべきだ」「日本の憲政史上の一大汚点として、後世に残る」。政界の実力者が刑事被告人となった歴史的公判は、身の潔白と不当捜査を訴える“政治演説”で封切られた。
「捜査は私個人の社会的抹殺が目的だ」。先月6日、初公判の意見陳述で小沢被告が言葉の限りを尽くして批判したのは、起訴議決を出した検察審査会ではなく、端緒となる強制捜査を行った検察当局。「なぜ私のケースだけ捜査を受けるのか」と約8分間に及び、紙を手に法廷中に響き渡る声で捜査への怒りをぶちまけた。
弁護団も冒頭陳述で「検察の謀略によって作り出された事件」と、指定弁護士との全面対決を宣言した。
小沢被告は終日審理の疲れも見せず、閉廷後には衆院議員会館で会見。100人超の報道陣を前に、意見陳述を今度はたっぷり10分以上かけて読み上げた。
質疑では、「君はどう考えてるの?」と記者に語気鋭く逆質問する余裕も見せたが、深夜に腰の痛みを訴えて自宅から救急搬送され、関係者を一時、騒然とさせた。
■病み上がりでも健在アピール 録音再生に苦虫
「尿管結石」と診断され、搬送先の病院から退院したわずか4日後の先月14日に開かれた第2回公判。病み上がりを感じさせない満面の笑みを振りまいて入廷した小沢被告は、体調を気遣う大善裁判長に「大丈夫です」「ありがとうございます」と繰り返し、健在ぶりをアピールした。
検察審査会を経た強制起訴事件として、刑事事件としては異例の「弁護士対弁護士」の構図となった法廷。指定弁護士と弁護団の立証対決も本格化した。
法廷で再生されたのは取り調べの「隠し録音」。石川議員が昨年5月、東京地検の再聴取をICレコーダーで録音したもので、初めて明らかにされた取り調べの“肉声”に法廷全体がかたずをのんで聞き入った。
「石川さん、録音機持ってない?」。しきりに録音を警戒する検察官の声から始まった音声。「無罪になるわけないのは百も承知です」と自嘲(じちょう)する石川議員の声も収められていた。
一方、録音から伝わる雰囲気は終始穏やか。「取り調べに強制はなかった」とする指定弁護士の主張に沿うかのように、静まり返った法廷に「ははは」と石川議員らの談笑が響いた。
録音の中で石川議員は、小沢被告へ収支報告書の内容を報告した時間が「『3分ぐらいだった』と入れてほしい」と調書の訂正を要請。検察官が「それは根拠ないでしょ?」と退けると、法廷の小沢被告は苦虫をかみつぶしたような表情をのぞかせた。
■キーマン登場 休廷中に本会議出席
先月28日の第3回公判に登場したのは、最重要証人の一人である石川議員だ。収支報告書の提出前に「小沢先生に報告し、了承を得た」と述べたとされる石川議員の捜査段階の供述調書は、「小沢被告と元秘書の共謀があったか」を判断するカギだけに、事件の核心に質問が集中した。
「きちんと記載したつもりであります」。冒頭、指定弁護士から虚偽記載の認識を尋ねられた石川議員は、きっぱりと否定。法廷でも、小沢被告との「共闘態勢」を明確にした。
指定弁護士は問題となっている収支報告書の「4億円」という記載が、小沢氏が用意した4億円と、同額の銀行融資のどちらを指すのか追及したが、「預かった4億円を預金して担保にして一つのスキームとして手続きしたので、お答えが難しい」と言葉を濁した。
石川議員はこれまで、自身の公判で「融資ではなく、小沢先生からの借入金を記載した」と述べており、「記載は銀行融資」とする小沢被告の弁護団と主張のズレを埋めた形だ。
さらに、購入した土地の登記を翌年にずらした理由を問われると、「前任秘書の樋高剛衆院議員からアドバイスを受けた」との“新証言”も飛び出した。
この日、小沢被告は昼の休廷時間を利用して、“本業”の衆院本会議に出席。野田佳彦首相の所信表明を聞いた後、再び法廷にとんぼ返りするという、多忙なスケジュールをこなした。
■攻勢強める弁護団 石川証言に小沢被告もニヤリ
引き続き石川議員への証人尋問が行われた今月1日の第4回公判では、反対尋問に立った弁護団が攻勢を強めた。
この日の焦点となったのは、石川議員の「報告・了承」調書だ。石川議員は、「検事と折り合いをつけなければ大変なことになると思った」と、事実ではない調書に署名したと主張。「検事から『ここまで書いても(小沢被告を)起訴しない』という話があった」とし、署名したのは「判断の甘さ、自分の弱さだと思う」とかすれ声で続けた。
また、登記の先送りを小沢被告に報告しなかった理由については、「大きな変更ではなかったので、報告の必要があるとは思わない」と、弁護団の主張に沿う証言を続けた。
この後、裁判官が本登記と仮登記の違いについて認識を問い、「大学で民法の授業を受けたことは?」と続けると、石川議員は「授業に出ていなかったので…」。法廷に笑いが起き、小沢被告も口元を緩めた。
一方で、石川議員が返答に窮する場面も。「隠し録音」の中で石川議員が「不動産の公表をずらすということは(小沢被告に)報告している」と述べていることについて大善裁判長が指摘すると、「公になってからのことを、弁護人を通じて先生に報告したものではないか」とあいまいにかわした。
石川議員への尋問は2日間に及んだが、十年来の師弟が法廷で視線を交わすことは最後までなかった。
■どちらに軍配?
序盤のヤマ場を終えた公判。指定弁護士と弁護団のどちらに軍配は上がったのか。
これまでの全公判を傍聴しているノンフィクションライターの森功氏は「秘書の公判の時は、序盤で検察側が押しまくっていた印象だが、今回はそれほど優劣はついていないと思う」と話す。その上で、「指定弁護士の論理は組み立てがしっかりしていて、予定通り尋問を進められたのではないか」と、指定弁護士がやや有利と見る。
公判前に石川議員ら元秘書3人から聴取をすることができなかった指定弁護士に対し、弁護団は打ち合わせを行うなど準備万端で臨むなど、ハンデもあった。
ただ、森氏は「石川さんの証言は、自身の公判の時と明らかに変わっている」と指摘。小沢被告の弁護団の主張に合わせ、証言を“軌道修正”しようとする場面も見られたが、「弁護団が誘導しているという印象も受け、裁判所がこの変遷をどう見るかは分からない」と慎重な見方だ。
今月30日の第5回公判以降は、石川議員とともに有罪とされ、控訴中の大久保隆規元公設第1秘書(50)や池田光智元私設秘書(34)の証人尋問が予定されている。また、大久保元秘書の取り調べを担当し、その後、大阪地検特捜部の押収資料改竄(かいざん)事件で有罪が確定した前田恒彦元検事(44)も出廷予定で、第2幕でも弁護士同士の激しい応酬が予想される。
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