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ニュースの匠:失言報道に思うこと=鳥越俊太郎
http://mainichi.jp/select/wadai/torigoesyuntarou/news/20111105ddm012070165000c.html
毎日新聞 2011年11月5日 東京朝刊
一連の大臣失言報道を見ていて、少し思うところがあるので書いておきます。松本龍前復興担当相の発言は“失言”レベルではなく“暴言”だったので、これは問題外です。
私が新聞・テレビの報道ぶりを見ていて違和感を覚えたのは鉢呂吉雄前経産相の「死の町」発言と平野達男復興担当相の「逃げなかったバカなやつがいる」(産経電子版)発言の報道ぶりです。
「死の町」発言はどこが問題なのか私には分かりません。現場取材をした私からすると福島第1原発周辺の街はまさに「死の町」あるいは「ゴーストタウン」でした。人の影が消えてしまった街はそう表現してもおかしくない。それは被災者を侮辱したことにはならない言葉づかいです。
それを記者たちは被災者に失礼な発言だとして“言葉狩り”のヤリ玉にあげ、大臣の首を取りました。
今回の平野氏の発言も真意をくみ取れば、津波に命を奪われた高校の同級生の死を悼んでの言葉ということは明らかです。津波で亡くなった被災者を一般論的に「バカなやつだ」とけなしているわけではありません。
さすがに今回は、朝日新聞は政治面のベタ記事扱い。毎日新聞はやや大きめの扱いながら事実関係、関係者発言を淡々と伝え、問題視する構えではないのが救いです。産経電子版は「犠牲者やその遺族への配慮を欠いた発言で、進退問題に発展する可能性も出てきた」と追及の姿勢を見せています。
日本の報道現場にいるのは基本的に20代・30代の“若い記者”たちです。新聞、通信、テレビも基本は年功序列の人事システムですから、40代・50代の、人間としてモノを見る目が成熟する年ごろには多くは現場を離れてしまいます。ここは老年記者(ベテラン)が現場にいる欧米メディアと違うところです。
私から見れば浅はかで未熟な言葉狩りに走る、今の日本の報道の問題点はこうした人事システムと無関係ではないと思われます。
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