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「説明しない政治」でいいのでしょうか――メディアは何をしているのでしょうか
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2011-11-06 07:12:41 生き生き箕面通信
おはようございます。野田首相は4日後の10日には、「日本の代表としてTPP交渉に参加します」と、”決断”を発表するそうです。
生き生き箕面通信1064(111106)をお届けします。
・「説明しない政治」でいいのでしょうか――メディアは何をしているのでしょうか
野田首相は、フランスで開かれたG20サミットで「消費税は10%に上げます」と、”国際公約”なるものをしてきました。
今週ハワイで開かれるAPEC(太平洋経済協力協定)でのオバマ米大統領との会談をひかえ、「TPP(環太平洋経済連携協定)に参加します」と、”公約”する段取りになりました。
「消費税の10%までの引き上げ」にしろ、「TPP交渉への参加」にしろ、国内での議論は煮詰まっていないどころか、TPP問題にいたっては与野党議員の猛烈な反対論がまさに沸騰している最中。それらには目もくれず、「参加する」というのです。
なぜ参加するのか、肝心のことを自分の口ではこれまでまったく語らず、「政治決断する」というだけです。政治手法としては、「海外に公約したのだから、仕方がないだろう」と、「国際公約」なるものを振り回し、難題を国民に押し付ける稚拙さ。「民主主義」という政治の基礎を吹っ飛ばしています。
野田首相の「安全運転」とは、説明をしないで、国際公約という「外圧」を利用するやり方です。それは、本来、官僚の手法でした。官僚の場合は、アメリカの要人に「外圧をかけるよう」そっと頼んでいましたが。野田首相の後ろ盾は、財務省を筆頭とする経産省や外務省、あるいは防衛省、厚労省といた官僚群です。見方を変えれば、野田首相は官僚の「かいらい政権」、あるいは官僚の「ロボット政権」なのです。
情けないのは、こうした実態が進んでいることに対し、大手のメディアが目をつぶっていることです。日ごろから、財務省をはじめ、経産、外務、防衛などなど、それぞれの役所にくっついている「記者クラブ」で、官僚にコントロールされ飼い馴らされていますから、ジャーナリストとして発信することができない。役所の「大本営発表」を、広報機関として記事にするだけです。
政治のレベルでは、官僚はもともと国民を統治の対象としてしか見ていません。これは権力機構の通常の姿です。それだけに、その官僚機構、権力をウオッチし、国民の立場からもの申すことがジャーナリズムの使命だったのです。
その頼みのメディアが手なずけられ腐っている日本。TPPに参加して日本の国柄はアメリカ流に変えられようという、この瀬戸際にジャーナリズムが機能しない日本。「自己責任」を振りかざして、「強いものはより強く、弱い者は徹底的にみじめになる社会」、「お金がないのに、消費税はむりやりむしられる弱者むさぼり社会」、そんな国に変えられてしまいます。
しかし、これも私たち有権者が恨んだ選良が”努力して”造り上げてきました。そして、記者クラブメディアのあり方をあまりしらずにここまで来ました。結局は、私たちがぬかった結果と受け入れなければならないのでしょうか。「自己責任時代」だから、仕方がないのでしょうか。
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